暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

ひとり遊び

2018-03-05 | 錯乱
もう終わったことだからと
優しく頭を撫でられる
赤い炎が消えたあとの
黒い水

まだ終わっているはずもなく
日増しに足は重くなる
黒い水を流したあとの
白い土

そこにあるのは空っぽの塒
身を横たえまぶたを閉じて
また開いて見えるものは
瓦礫と煤と炭と灰

もう終わったことだからと
優しく頭を撫でてやる
黒い炎が燃えたあとの
赤い水

まだ終わっているはずもなく
日増しに足に重りをつける
赤い水を流したあとの
白い土

そこにあるのは空っぽの塒
うずくまって匂いを嗅いで
(ゆっくり息を吸い込むんだ)
吸い込んで 吸い込んで 吸い込んで
(最後まで息を吐き出すんだ)
吐き出して 吐き出して 吐き出して
(夢、幻、悪い夢、すべては)
そうして見えるものといえば
(終わったことだから)
瓦礫と煤と炭と灰、

もう何もかも終わったというの
塒を焼き捨てればそれですべて
何ひとつ終わっていやしない
古巣を捨てることさえできないのに

何もかもは終わった後
燃えて消えてあるのはただの残骸にすぎず
何もかもすでに終わったことだ
古巣を捨てることができないだけで

赤い炎ですべてが燃えた
(黒い炎ですべてを燃やした)
黒い水ですべてが流れた
(赤い水ですべてを流した)
白い土ですべてが消えた
(白い土ですべて消えた)
けれどまだある、ここにはまだ
(何もない、何もない、何もない)
瓦礫と煤と炭と灰、
(息を吸って 吐いてごらん)
ここに塒のあった証が
(頭を撫でてあげるから)

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