暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

可能不可能も当然のことだ

2008-10-13 | -2008
すべてを平等と無理やりにみなす人間の眼球は
どのような叡智も技術も平行線を刻んだようにうつる
信号により印刷された線でできた面は
ただいくつもの軸をさまよう
一個と一個に差異はなく
どれも大まかな分類にわけられる
こまかな指摘を良しとせず
また見つけるための視線をもたず
固定されない軸は固定されることを知らない
知っていたところで経験と知識は雲泥の差がある
人間はその差もまた差異はなく
人間は人間以外の何物でもないと済ませる
超然的な怠惰は人を救わない
だがシニカルな眼球もよしとしない
つまりは何もうつさない
つまりはすべてをうつしだす
享受するのは当然とするなら
分岐点はいくつも伸びてまた分かれ
それらすべてを仮運転し体験する
眼球はひとりですべてを旅し
そしてちいさなちいさな脳に記憶したことを人間に話す
おぼろげな体験は風化し信号へと変わり
計算機がきちきちと論理を始める
合点がいこうがいくまいが
計算機とは絶対なのだから
人間は答案 回答にしたがい
あらたな軸をつくり回答を飾り付ける
大仰な過程を経てもなお最終的に
出来上がるのは同一の直線ばかり
なぜならば絶対のしゃべくる答えはいつも
なにもかもすべておなじである
ためだ
軸ばかりが刻まれていき
肝心の要素すら見出すことはない
印刷機よりも出来の悪い
それは人間の一種であるが
どれも何もかも同じである

脳には同一の複数住人が住んでおり
同じと感じるかたわらでは
まったく違うと考える
すくなくとも同種はよく見えるもので
眼球も少し慣れてきたらしい
計算機を扱う手順は
それぞれ少し異なっている
線に線が刻まれる
本質的には差異がない

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