神様は上にいて
鬼たちは下にいる
きれいな空は上にあって
みにくい屍は下にある
まんなかにいる人間は中庸で
きれいでもなければきたなくもない
神様は直接手をさしのべてはくれないし
鬼たちは地面を掘るのでせいいっぱい
人間は空を超えることを夢見ている
きれいになろうともがいている
もがくものさえないのに
善いことをするひとはきれい
悪いことをするひとはきたない
どの世界もどちらかしか書いていないなら
きれいでもなければきたなくもないひとたちは
やっぱり地上を彷徨わなくてはいけない
だって空は落ちてこないし
屍はつめたく眠るだけ
どちらでもない魂は
ぐるぐる魂を彷徨って
のぼってきなさい
おりてきなさいと
無責任な言葉を囁かれ続ける
罪を負うのは右耳から
罪を消すのは左耳から
けれども右から左へ通過して
左から右へも通過して
消えた罪はまたけがれ
負った罪はまたきえて
空へも地下へも潜れない
きれいでもきたなくもないのなら
救いも破滅もありはしないんだって
言い聞かせていつだって夢を見る
人を殺す夢や
空を自由に飛ぶ夢を
みんなみんな孤独なんだから
わたしたちここにいるだけね と
言い聞かせるんだ
ひとは孤独なんて当たり前
かみさまも鬼もずっと孤独だから
仲間を見つけてひっそりと
上や下を見るしかない
ひともけものもみな孤独
上はきれいで下はきたない
そう善悪の摂理に従って
ものを食べる 食べる 食べる
ひとたちはこうも言う
空はわたしたちが汚してきたない
土は深く深く澄んでいる
神など居はしないのだ
鬼などただの幻想だ
わたしたちはたったのひとり
たったひとりの生き物なのだ
因果も運命もありはしない
生きる使命などとうに忘れた
進化を忘れた獣たちを
ただ食らう 食らう 食らうのだ
ヘドロのベールをまとったかみさま
マントルの海にたたずむ鬼たち
怒りは土も大気も焼きつくして
えがいた夢を現実にする
上はきれいできたなくて
下はきたなくてきれい
彼らはどこへ行きたがっているのか
どこへも行きたがっていないのか
右から入った屍の数だけ
左の同胞が歓喜をあげる
左の同胞がなぐさめるたび
右の敵を殺していく
かみさまは決して直接手をさしのべてはくれないし
鬼も地上にはきてくれない
鬼たちは下にいる
きれいな空は上にあって
みにくい屍は下にある
まんなかにいる人間は中庸で
きれいでもなければきたなくもない
神様は直接手をさしのべてはくれないし
鬼たちは地面を掘るのでせいいっぱい
人間は空を超えることを夢見ている
きれいになろうともがいている
もがくものさえないのに
善いことをするひとはきれい
悪いことをするひとはきたない
どの世界もどちらかしか書いていないなら
きれいでもなければきたなくもないひとたちは
やっぱり地上を彷徨わなくてはいけない
だって空は落ちてこないし
屍はつめたく眠るだけ
どちらでもない魂は
ぐるぐる魂を彷徨って
のぼってきなさい
おりてきなさいと
無責任な言葉を囁かれ続ける
罪を負うのは右耳から
罪を消すのは左耳から
けれども右から左へ通過して
左から右へも通過して
消えた罪はまたけがれ
負った罪はまたきえて
空へも地下へも潜れない
きれいでもきたなくもないのなら
救いも破滅もありはしないんだって
言い聞かせていつだって夢を見る
人を殺す夢や
空を自由に飛ぶ夢を
みんなみんな孤独なんだから
わたしたちここにいるだけね と
言い聞かせるんだ
ひとは孤独なんて当たり前
かみさまも鬼もずっと孤独だから
仲間を見つけてひっそりと
上や下を見るしかない
ひともけものもみな孤独
上はきれいで下はきたない
そう善悪の摂理に従って
ものを食べる 食べる 食べる
ひとたちはこうも言う
空はわたしたちが汚してきたない
土は深く深く澄んでいる
神など居はしないのだ
鬼などただの幻想だ
わたしたちはたったのひとり
たったひとりの生き物なのだ
因果も運命もありはしない
生きる使命などとうに忘れた
進化を忘れた獣たちを
ただ食らう 食らう 食らうのだ
ヘドロのベールをまとったかみさま
マントルの海にたたずむ鬼たち
怒りは土も大気も焼きつくして
えがいた夢を現実にする
上はきれいできたなくて
下はきたなくてきれい
彼らはどこへ行きたがっているのか
どこへも行きたがっていないのか
右から入った屍の数だけ
左の同胞が歓喜をあげる
左の同胞がなぐさめるたび
右の敵を殺していく
かみさまは決して直接手をさしのべてはくれないし
鬼も地上にはきてくれない
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