暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

寂しくなんてないんだよ

2013-05-08 | -2013
あの子はどこへ行ってしまった
細い手首の可愛いあの子は
(遠く、遠くへ行ってしまったよ)
甘える声がよく聞こえていた
私はよく耳を澄ませて
あの子の声が聞こえるたびに
夕暮れの空気を感じていた
(誰も知らない遠くの場所へ)
声が止んでしばらく経つ
私は夕暮れを忘れてしまった
昼と夜とが代る代る
いつだったかいつのことだか
(あの子がどこへ行ったとしても)
細い手首に心配することはなく
返事のないあの子を心配することもなく
平穏に夜は訪れる、日はやってくる
あのこはいつの間にかいなくなった
どこへ行ってしまったのか
(おまえはすぐに慣れるのだよ)
どこへ行ってしまったのか
遠く遠く、見えないほどの
遠く遠く、聞こえぬほどの
(いなくなった、そのことに)

(おまえはすぐに慣れるのだよ)

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