4月の地方選挙、各地で候補者が逮捕され、中には議長もいた記憶。
岐阜県警は輪之内町長選で当選した元町助役を、投票直後の任期初日に逮捕していた。
岐阜県内では、政治家や行政関係者が逮捕などされることは、今回の輪之内町とここ旧高富町(今の山県市)が常連とよく評されるとおりになった。
その後、間があったが、輪之内町長選に絡んで、県警はこの程、大量に書類送検した。約50人。
これほどが書類送検されるのは全国でも珍しい。最多との報道も。
しかも鹿児島県の無罪判決も出た後にもかかわらず、・・だから当局は、自信はあるのだろう。
容疑は、「後援会の入会案内パンフレットを選挙区に配布する」作業のお礼で一人5000円ずつ渡したのが「買収」だという。領収書もとっていた。
分かり易いと言えば分かり易い。ただ、私が過去に見聞きした範囲でも、こんなようなことやっている組織や団体って、あるんじゃない??
後援会の人件費と買収の境目は??
「認識」はもちろん、「手続き上」も人件費として処理されていなければいけないけど・・
この事案、注目し、じっくり勉強してみたい、「選挙講座」 の講師としては。
なお、輪之内町は 拘留中の新町長に「判例により給与は支給しない」と伝えたと、以前に報道されていた。 その判例は、私が原告の住民訴訟として、高富町長の汚職事件の後に岐阜地裁でもらった判決だということは容易に想像がつく。
逮捕されて拘留中の町長に支給した給与の返還命令
ところで私は、来る月曜日の新聞朝刊折込で市内全戸配布の 新しい風ニュース の作成と印刷中。今、輪転機が廻っている。ニュースの本文は明日のブログのネタかな。 人気ブログランキング→→←←ワン・クリック10点
●輪之内町長選挙違反 「もらっていい」「大丈夫」 5000円受領 罪悪感薄い運動員 5月16日 読売
「近所付き合いで、まさか公職選挙法違反(被買収)になるとは」。岐阜県輪之内町長選で、当選した渋谷桂一容疑者(66)から現金5000円入りの封筒を受け取ったという運動員たちは15日、読売新聞の取材に対し、こう胸中を漏らした。自宅前で悪びれることなく現金をばらまいた渋谷容疑者。運動員らも、「昔からの風習で悪いとは思わなかった」と、そっとポケットにしまいこんだ。住民同士が顔見知りばかりの小さな町で、白昼堂々と行われた選挙違反の実態が、明らかになった。
渋谷容疑者と同じ輪之内町で育ち、30年の付き合いがあるという男性(55)は、2月上旬ごろ、渋谷容疑者自身から、町長選への立候補を知らされたという。近所の住民らと話し合い、2月18日に後援会の入会案内パンフレットを選挙区に配布することになった。
当日は午前8時30分ごろ、渋谷容疑者の自宅に集合。1班3~4人のグループに分かれて、乗用車で担当する地域に。男性ら4人は、パンフレット数十枚を配布し終えて戻った。
渋谷容疑者に報告すると、本人から、「ご苦労さま。これ、ガソリン代として受け取って」と茶封筒を渡された。中には5000円札1枚が入っていた。男性が、「本当にもらっていいのか」とたずねると、渋谷容疑者は、「大丈夫。気にしないで受け取ってよ」と笑顔で話した。
この男性は取材に対し、「長年の付き合いだし、この額(5000円)ならいいかと思った」といい、「投票してくれと依頼したわけではないし、手伝ったことへの感謝の気持ちだと本当に感じた」と振り返る。
また、別の男性(70)は、「正直に言って、5000円を断れる雰囲気ではなかった。連帯感が強い町なので、返そうとすれば『あいつは、ほかの候補に寝返ったのでは』と思われかねない」と、当時の心境を話した。
5000円を受け取った罪の意識について、この男性は、「陣営に聞いたら『大丈夫』と言われた。情けない話だ」と悔やんだ。
岐阜地検は拘置期限の17日に、渋谷容疑者らを公職選挙法違反の罪で起訴する方針。渋谷容疑者は接見した輪之内町の正副議長に対して、「起訴されれば辞職する」と話しているという。(2007年5月16日 読売新聞)
● 運動員50人あす書類送検 輪之内町長選挙違反 1人5000円、被買収容疑 5月16日 読売
岐阜県輪之内町長選で初当選した渋谷桂一容疑者(66)らが運動員に現金を渡し、公職選挙法違反(現金買収、事前運動)の疑いで逮捕された事件で、同県警はあす17日、渋谷容疑者らから現金5000円を受け取ったとして、運動員約50人を公職選挙法違反(被買収)の疑いで書類送検する。飲食の接待を受けるなど受供応の疑いで数十人が書類送検されたケースはあるが、被買収で約50人が書類送検されるのは全国でも珍しい。
調べによると、渋谷容疑者は2月中旬、運動員に対し、自分への投票と票の取りまとめを依頼。運動員は、報酬として一人当たり現金5000円を受け取った疑いが持たれている。
運動員に渡された現金は、茶色の封筒の中に入れられ、渋谷容疑者の自宅前で配布された。県警は渋谷容疑者らの自宅を捜索し、現金を受け取った運動員の名前が書かれたリストを押収。運動員が、現金を受け取ったことを確認するため、領収書代わりに名前を書かせていたとみている。(2007年5月16日 読売新聞)
● 運動員60人を書類送検 輪之内町長選違反 5月16日 岐阜
安八郡輪之内町長選をめぐる選挙違反事件で、当選後に公選法違反容疑で逮捕された元同町助役渋谷桂一容疑者(66)らから票の取りまとめを依頼されて現金を受け取ったとして、県警捜査二課と大垣署が運動員約60人を同法違反(被買収)容疑で岐阜地検に書類送検していたことが15日、分かった。
調べでは、運動員らは今年2月18日、同町福束の渋谷容疑者の自宅庭で、渋谷容疑者らから自分への投票や票の取りまとめを依頼され、報酬として1人当たり現金5000円を受け取った疑いが持たれている。渋谷容疑者宅には同日朝、約60人の運動員がおり、県警は任意で事情を聴くなどして調べを進めてきた。
岐阜地検は拘置期限が満期を迎える今月17日、渋谷容疑者らを同法違反(現金買収、事前運動)の罪で起訴するとみられる。渋谷容疑者は起訴されたら町長を辞職する意向を示しており、辞職した場合、同町選管への通知後、50日以内に再選挙が行われる。
● 被買収50数人を書類送検 岐阜・輪之内町長選 5月17日 中日
統一地方選の岐阜県輪之内町長選で初当選したものの公職選挙法違反(現金買収など)の疑いで逮捕された渋谷桂一容疑者(66)=同町福束=らから現金を受け取ったとして、県警捜査二課と大垣署が、同法違反(被買収)の疑いで同町内の50数人を書類送検したことが分かった。今回の統一地方選の選挙違反事件で、被買収で50数人を書類送検したのは全国で最大規模という。
調べでは、50数人は選挙期間前の今年2月18日、渋谷容疑者らの呼び掛けに応じて同容疑者の自宅前に集まり、票の取りまとめの報酬として5000円入りの封筒を受け取った疑いが持たれている。現金を受け取った人には、用意した紙に名前を書かせていたという。
県警は、票の取りまとめを依頼する報酬として支援者4人に5000円を渡したとして、渋谷容疑者らを逮捕。岐阜地検は拘置期限満期となる17日に渋谷容疑者らを起訴するとみられる。渋谷容疑者の町長としての任期は4月30日から始まっているが、接見した同町議会の正副議長に同容疑者は「起訴された場合は18日に辞職する」と明言している。中日新聞
● 輪之内町長起訴 トップ不在 長引く混乱 5月18日 朝日
4月の輪之内町長選で初当選したものの、公職選挙法違反(現金買収、事前運動)の疑いで逮捕され、今なお登庁できない新町長、渋谷桂一容疑者(66)の起訴が17日、決まった。長引く町トップの不在。渋谷容疑者は「進退は18日ごろ明確に。起訴なら辞職する」と議会関係者に伝えてはいるが、公選法違反は依然認めていないといい、役場や議会には「辞職願は出るのだろうか」といぶかる声もある。しかし、議会は辞職願を前提に、18日午後に全員協議会を予定するなど、再選挙へ向けた流れとなっている。
起訴は午後4時半すぎ、役場と議会に伝わった。町長職務代理者の小見山剛参事は「(10日に接見の際も)渋谷さんは『町に対し迷惑をかけた』と言っているので、後日(進退の)判断をされると思う」と述べた。
また田中政治・町議会議長は「弁護士を通じ、18日昼までには辞職願を出してほしいと伝えてある」とだけコメント。起訴についての感想は避けた。しかし辞職願が出るのを前提に、今後の対応を話し合う全員協議会を同日午後1時半から開くことを決めている。
渋谷容疑者は進退について今月2日、弁護士を通じて「18日ごろ明確にしたい」と町に連絡。さらに正副議長が接見した9日には「起訴なら辞職する。不起訴なら登庁」と述べている。起訴が決まったため、言葉通りなら辞職は不可避だが、「公選法に違反したとは思わない」と主張していることから、役場、議会ともに「本当か」と一抹の不安を残した形だ。
県によると、町長の辞職願が議長あてに提出された場合、20日後に退職が確定する。それ以前に辞める場合は議会の同意が必要で、臨時議会が開かれることになる。議会が同意後、町選管にその旨を通知すると50日以内に選挙がある。
一方、渋谷容疑者ら3人が起訴、運動員57人が書類送検されたのを、渋谷容疑者の地元、福束地区の住民は複雑に受け止めた。
40代の女性は「みっともない」と憤る。「100円の万引きでも捕まるんだから。たとえ渡したのが5千円でもだめ」と話す。だが、金を受け取った運動員の男性らは「弁当代、手間代として渡された。悪気なんてなかった」「(受け取ることに)なんとも思わなかった」と言葉少なに語った。
町民の中には、「輪中根性」とも言われる町の閉鎖的な風土が、事件の遠因となったと指摘する声もある。
ある町民は「近所の目が厳しく、投票に行かないと『まだ来ていない』とばれてしまうほど」と話す。また80代の女性は「今までだって、みんなやっていた。今回はたまたま見つかっただけ。受け取らなければ『横むいとる』と言われ、周りから他の候補に入れたと思われる」と話す。
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>勉強になりました。こういう不正、おっしゃるようにたくさんあるんでしょうね。
⇒わざわざお越しいただき、ありがとうございます。
いつまで経ってもなくならないですね。
「政治資金規正法」が五万円から領収書を添付する(メチャクチャ甘いですが)わけなので、国会議員は厳しきなって行くでしょう。
問題は地方議員なんですね。
実際にこういうのが摘発するのが「運がない」といった程度のものですから、もっと規制を掛けるべきだと思います。
とにかく不正の温床ですからね。一刻も早い改正を求めたいです。
雑文ですいません。
>とかく地方自治の選挙になるとこういうお金(というしがらみ)の話が必ず出てきます。
⇒時代が変わっても変わらない人のココロ。
>「政治資金規正法」が五万円から領収書を添付する(メチャクチャ甘いですが)わけなので、国会議員は厳しきなって行くでしょう。
⇒私も、公開しないよりずっと評価します。同時に、地方議員がそれにならって5万円とか1万円以上の領収書を公開すればいい、という誘引になることを懸念しています。
>問題は地方議員なんですね。
実際にこういうのが摘発するのが「運がない」といった程度のものですから、もっと規制を掛けるべきだと思います。
とにかく不正の温床ですからね。一刻も早い改正を求めたいです。
⇒同感です。
>雑文ですいません。
⇒いえいえ、コメントありがとうございます。