静岡新聞「浜岡原発の選択」
●第1部 廃炉2009年02月04日
カテゴリー:第1部 廃炉
●中電、国に不信感も 求められる説明責任/第1部 廃炉(6)完
投稿者: 浜岡原発問題取材班 日時: 2009年02月04日 10:23
6人の運転員が、真剣な表情で計器類と向き合っていた。中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)1、2号機の中央制御室。廃炉を待つ間も、監視が必要な項目は数多くある。緊張感は運転時と変わらない。ただ、原子炉からは燃料棒をすべて抜いてある。2度と核反応が起きることはない。(2009年2月4日 静岡新聞朝刊)
1月30日。1、2号機は運転を終了した。耐震補強などを理由に長く止まったままだった。再起動することなく電気事業法上の「発電所」としての役割を終えた。本格化する「廃炉」の費用は見積もり段階で約900億円。具体的な解体計画は、まだ決まっていない。
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●2009年02月03日
高経年対策水泡に 「大手術」の巨費重く/第1部 廃炉(5)
投稿者: 浜岡原発問題取材班 日時: 2009年02月03日 10:18
「まだまだ運転できるはずなのに…」。中部電力が「廃炉」を決めた浜岡原発1、2号機(御前崎市佐倉)。計138万キロワットという本格的な商業炉の廃炉は国内で初めて。先に廃炉の道をたどっていたJPDR(動力試験炉)と東海発電所、新型転換炉「ふげん」の技術者たちは、そろって驚きを口にした。(2009年2月3日 静岡新聞朝刊)
1、2号機は運転30年を迎える際、「高経年化対策」を施していた。今まで30―40年とされていた原発の“寿命”を60年に延ばす対策。「配管の厚さの減り具合などを計画的に管理すれば、60年は安全運転できる」。国は1996年に高経年化対策の考え方を示していた。
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●「ふげん」地元に好機 関連ビジネスに照準/第1部 廃炉(4)
投稿者: 浜岡原発問題取材班 日時: 2009年02月02日 10:10
日本原子力研究開発機構の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)が廃炉作業に入ったのは1年前の2008年2月。茨城県東海村のJPDR(動力試験炉)と東海発電所に次いで、国内3番目だった。立地する福井県敦賀市では、地元商工業者が虎視眈々(たんたん)と「廃炉ビジネス」参入の機をうかがっていた。(2009年2月2日 静岡新聞朝刊)
「ふげん」は今、使用済み核燃料約460体の取り出しを進めている。本格的な解体はこれから。建屋の解体が始まるのは22年度。最終的な廃棄物の総量は36万トンと見込まれる。
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●商用炉初進む解体 法改正で再利用に道/第1部 廃炉(3)
投稿者: 浜岡原発問題取材班 日時: 2009年02月01日 10:01
明かりが消えた無人の中央制御室。良質のオーク(かし)材をあしらった木目調の制御盤が、日本で唯一、英国メーカーが開発した原発であることを主張していた。国内初の商用原子炉の廃止措置(廃炉)は2001年、この東海発電所(茨城県東海村)で始まった。(2009年2月1日 静岡新聞朝刊)
「皇太子時代の天皇陛下やサッチャー元英首相が訪れた、珍しい原発です」。要人が写った写真パネルを眺めながら、日本原子力発電(原電)の職員は誇らしげに笑みを浮かべた。
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●試験炉で技術開発 方策ない放射性ごみ/第1部 廃炉(2)
投稿者: 浜岡原発問題取材班 日時: 2009年01月30日 09:50
サッカーグラウンドのような芝生の広場。日本原子力研究開発機構(原子力機構)の柳原敏さん(58)はふいに立ち止まり、芝の間に埋もれた小さな目印を指さした。「原子炉があったのはこの辺りです」。茨城県東海村の同機構原子力科学研究所(原科研)。日本初の発電用原子炉「JPDR(動力試験炉)」の跡は、更地になっていた。(2009年1月30日 静岡新聞朝刊)
JPDRは1963年から76年まで、この場所で稼働していた。発電に成功した63年10月26日は今でも「原子力の日」とされている。
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●思い入れ強い初期炉 延命も“勝訴”も捨て/第1部 廃炉(1)
投稿者: 浜岡原発問題取材班 日時: 2009年01月29日 09:40
中部電力の幹部が乗った1台の車が、原発に程近い屋敷の防風林の陰に滑り込むように消えていった。昨年12月上旬、御前崎市佐倉。浜岡原発1号機の立地当時から原子力行政に大きな影響力を持ってきた旧浜岡町の元町長(81)は、緊張で顔をこわばらせた幹部を家の中に招き入れた。中電が7月から極秘裏に検討を進めてきた「リプレース(置き換え)計画」。1、2号機を廃炉にして6号機を新設する巨大プロジェクトの検討作業は最終局面を迎えていた。(2009年1月29日 静岡新聞朝刊)
「運転再開には莫大(ばくだい)な費用がかかるんです」。幹部は慎重に言葉を選んだ。
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