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てらまち・ねっと



 STAP細胞の論文の問題について、責任著者の一人の笹井氏の会見のニュースを見て、なんと無責任な人だと素朴に感じた。
 みんな、論文の共同著者だというのに、関係者それぞれが、適度に距離を置きながら、適度に批判しつつ、適度に擁護しあう関係にも映る。

 だから、その関係についての意見がわかる記事や主張などを見てみた。
 何しろ、問題の奥が深そうだし、それとは別に、発見自体が事実であれば画期的なことだし・・・とついつい、気になる事件。
 ということでも、今朝もインターネットを眺めた。

(このブログの関連エントリー)
  ★2014年2月19日⇒ ◆「“宝の山”iPS創薬は熾烈な開発競争 欧米巨大資本との戦い」/産経
  ★2014年4月2日⇒ ◆理化学研究所/STAP細胞 論文 捏造・改ざん/小保方氏、猛反論/処分は1カ月後
  ★2014年4月7日⇒ ◆理化学研究所vs小保方氏/STAP細胞で疑義の理研とは/小保方「反撃会見」の衝撃度
  ★2014年4月10日⇒ ◆小保方氏「STAP細胞は200回以上作製」/加工を認め、「結論が正しい以上」撤回しない

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●STAP論文:理研の笹井氏が会見 混乱と疑惑に謝罪
         毎日新聞 2014年04月16日
 STAP細胞論文に不正があるとされた問題で、責任著者の一人、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長(52)が16日午後、東京都内で記者会見した。笹井氏は冒頭、「論文で、混乱と齟齬(そご)による多くの心配や疑惑を招く事態となり、心からおわび申し上げます」と述べ、頭を下げた。

 笹井氏は小保方(おぼかた)晴子・CDB研究ユニットリーダーの助言役で、論文の構成などで大きな役割を果たしたとされる。1月末に発表された論文に疑義が生じてから笹井氏が公の場で発言したのは今回が初。

 論文の画像の捏造(ねつぞう)、改ざんを認めた理研の調査委員会は最終報告で、笹井氏について「データの正当性と正確性などについて自ら確認することなく論文投稿に至っており、研究不正という結果を招いた。立場や経験からしてもその責任は重大」と指摘した。

 笹井氏は万能細胞「胚性幹細胞(ES細胞)」研究の第一人者で、有力科学誌に多く論文を掲載してきた。1998年に36歳の若さで京都大教授に就任、2000年からCDBで研究を始めた。【八田浩輔】

●STAP小保方氏の“指導役”理研の笹井氏の会見整理
             テレ朝 04/16
 STAP論文撤回に賛成か、反対か、それぞれの立場をもう一度、整理します。

 小保方晴子氏と恩師で論文の共著者のチャールズ・バカンティ教授は反対。一方、共著者の丹羽仁史さんとマウスを作製した若山照彦さんは、論文撤回に賛成の立場を取っています。そして、16日、実験全体の統括をしたほか、小保方氏の理化学研究所の上司でもある笹井芳樹氏は「STAP現象は理研内外の予断のない再現検証が必要で、論文撤回が最も適切だ」としました。会見の冒頭、「日本の科学の信頼を損ねかねない事態になったことを心からおわびする」などと謝罪。自らの役割については、「私が参加した時点で実験やデータ解析はすでに終了しており、私の役割は論文の仕上げだった」と説明。一方で、「STAP細胞がないと容易に説明できないデータがある」「論文を撤回するとした以上、STAP細胞は検証すべき仮説になった。しかし、合理性の高い仮説だ」としています。

●理研の笹井氏 “STAP会見”強調していたポイントは
    テレ朝 04/16
 小保方晴子氏の指導役とされる笹井芳樹氏がSTAP論文問題に対して謝罪しました。今回、笹井氏が強調している点は何なのでしょうか。

 (社会部・高石智史記者報告)
 笹井氏は今回、会見で「STAP現象がないと説明できない点が複数ある」としながらも、今回、問題がたくさん出た中で、現在は「あくまで『仮説』である」と。これまでは「STAP細胞はある」と主張していましたが、若干、その主張が一段階、和らいだのかなというような印象を感じました。

しかし、一方で、今回の会見で配られた資料では、そのSTAP細胞がないと説明できない点を列挙したり、次のページでは再現実験の注意点を詳しく書くなど、自身では「仮説」とする一方で、やはり個人的にはSTAP細胞はあると信じているような思いが若干、にじんでいるのかなというふうに会見を聞いていて感じました。

また、一連の問題については「論文全体を見る立場だったのにもかかわらず、こういう問題が出た部分については、その責任は重大だったと思う」などと発言しています。しかし、一方で、「自分はアドバイザーとして協力していただけで、最初は著者に名を加える予定はなかった」と、「若山照彦さんやバカンティ教授に強く言われて名を連ねた」と発言しました。

また、小保方氏が不正と認定した2つの点についても「後から研究に合流したので、チェックする機会がなかった」と、また「若山さんがすでにチェックしているので、そこを新たに自分がチェックをするのは、若山さんがいる手前、その必然性がないと再チェックするのは難しかった」などと語っています。事実なのかもしれませんが、若干、責任逃れとも取れるような発言が会見場では相次いでいました。

●小保方さんを号泣させた理研・笹井氏の「若山教授」連発会見
           日刊ゲンダイ 2014年4月17日
理研バッジをきらめかせ/(C)日刊ゲンダイ
 記者の質問を専門用語でけむに巻き、後は知らぬ存ぜぬ――。
「STAP細胞」の捏造論文問題で、16日会見した理化学研究所の笹井芳樹副センター長(52)。「多くの混乱と疑惑を招く事態となったことを心よりおわびします」と謝罪したものの、「若山さんが…」「バカンティ教授が…」と「責任逃れ」の発言に終始した。どうやら、スケープゴートをつくって責任を押し付け、「自分は関係ない」と逃げ切るつもりらしい。

 小保方晴子ユニットリーダー(30)の“上司登場”に会見場には多くの報道陣が殺到。そんな記者たちに冷や水をぶっ掛けたのが、会見直前に配られたA4判の2枚の資料だ。「笹井芳樹」の名で記された「STAP細胞」の存在の可能性を示す「説明資料」で、
 「Oct4-GFP」「胚盤胞へ注入された細胞の貢献」…など専門用語ばかりだったからだ。

■「若山」「バカンティ」「丹羽」…
 資料を読む記者の多くがチンプンカンプンの表情を浮かべる中で始まった会見で、笹井副センター長はまず、理研の竹市雅俊センター長の依頼で2012年12月から「STAP細胞」の研究に加わったと説明。役割は、小保方さんと山梨大の若山照彦教授が「ネイチャー」に投稿して却下された論文の「書き直しの協力」だったと強調した。

その上で、参加した時点で大半の実験が終わっていたために「生データや実験ノートを見る機会がなかった」と釈明。要するに「オレはあくまで論文の最終仕上げ。それも書き直し。データの不備は分からなかった」と言いたかったらしい。

 責任を厳しく問われると「若山さんが」「バカンティ教授が」「丹羽さんが」…と、他の共著者の名前を連発。理研副センター長を辞するぐらいの覚悟で会見に臨んだと思ったら大間違いだったようだ。東大の上昌広・特任教授もこう呆れる。

<論文しか書いていない>というのは当事者意識が足りない。笹井氏は責任を持つべきプロデューサーとしての役割を果たしていた。共著者に責任を押し付けるような説明は非常に無責任な対応だ

■小保方さんのコメントとシンクロ
 笹井副センター長が会見で度々、口にしたのは、山梨大の若山教授の名だ。「(実験ノートは)若山研でチェックを受けていた」「世界の若山さんが間違えるワケがない」などと、まるで責任の所在は若山教授にあるような発言を繰り返したのだ。

実は、小保方さんも14日に公表した説明文で<2013年3月までは、私は、神戸理研の若山研究室に所属><STAP幹細胞は、STAP細胞を長期培養した後に得られるもの。長期培養を行ったのも保存を行ったのも若山先生>と、若山教授の名前を挙げていた。

 理研関係者がこう言う。
「笹井さんと小保方さんの2人はミョーに息が合っている気がします。まあ、もともと笹井さんは小保方さんを寵愛し、小保方さんも<センセー、センセー>と慕ってた関係です。外から見ると、水面下で2人がタッグを組んで、若山教授をスケープゴートにしようとしているのでは、と疑われてしまうかもしれません」

■若山教授は憔悴
 小保方さんは、会見した笹井副センター長の姿を見て「尊敬する笹井先生が私の過ちのために会見で厳しい質問にお答えになっている」と号泣したらしい。その一方、最初に“論文撤回”を呼びかけた若山教授を恨んでいてもおかしくない。

小保方、笹井の2人に「名指し」された若山教授は「共著者の1人として自責の念を覚える」とのコメントを出すのが精いっぱいのようだ。
「最近は憔悴しきった様子で大学の研究室にも姿を見せていません。<理研はオレにすべてを押し付けるのか>と疑っているようです」(科学ジャーナリスト)


 このままでは、若山教授は“A級戦犯”にされかねない。早く敏腕弁護士を雇った方がいい。

●小保方氏 「申し訳なさすぎる」
          NHK 4月16日
小保方氏 「申し訳なさすぎる」
STAP細胞の問題で、理化学研究所の笹井芳樹副センター長が記者会見したことを受けて、小保方晴子研究ユニットリーダーは、代理人の弁護士を通じて、「尊敬する笹井先生がわたくしのあやまちのために会見で厳しい質問にお答えになっている姿を見て、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。申し訳なさすぎて、ことばになりません」とするコメントを出しました。

●若山氏 「論文撤回の考え変わらず」
       NHK 4月16日
STAP細胞の論文を小保方晴子研究ユニットリーダーと共同で執筆した理化学研究所の笹井芳樹副センター長が記者会見を開いたことを受けて、若山照彦山梨大学教授は「共著者の1人として自責の念を覚えています。

 残っているサンプルや検証実験の結果は理化学研究所と情報を共有していて、自分の実験ノートなどもすでに調査委員会に提出しています。

今後、全容解明に向けて調査に協力することで共著者としての責任を果たしていきたいです。論文を撤回する考えに変わりはありません。このたびは多くの方にご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」とするコメントを発表しました。

●「笹井氏の責任、小保方氏と同等」 理研改革委員長 STAP論文問題で批判
             日経 2014/4/18
 STAP論文の問題で、理化学研究所が設置した「研究不正再発防止のための改革委員会」の岸輝雄委員長は18日、論文共著者である理研の笹井芳樹氏の責任について「(理研の小保方晴子氏と)同等の責任を持つべきだ」と批判した。改革委は理研に対し、共著者の責任を明確にするよう求めていく方針。

 同日開かれた改革委の会合後、記者団に語った。岸委員長は笹井氏が16日の記者会見で、実験ノートを見ていないと発言したことに関し「一緒に出したことが大事で、ある部分は知ってるが、ある部分は知らないということは普通はあり得ないだろうと思う」と苦言を呈した。その上で「名前を連ねた以上、応分の責任を持ってしかるべきだ」と指摘した。

 会合では捏造(ねつぞう)や改ざんなどの不正行為に加え、研究者間の情報交換が不足している点について理研に対策を求めることで一致。岸委員長は「特許のからみで本当に偉大な発表は隠しておくこともある。(隠すことの)是非も十分配慮した議論にならなければいけない」と語った。

●笹井氏会見に識者「理研、機能してない」「このままでは夢の細胞」
            産経 2014.4.16 ■企業のガバナンスに詳しい企業コンサルタント・大関暁夫氏
 これまでのいきさつを見ても、理化学研究所は単なる科学者の集まりになっていて、組織としてまったく機能していない。そもそも小保方晴子氏、笹井芳樹氏という同じ組織に属する人間が別々に会見をすること自体が、一般的な感覚からするとおかしく思える。

 このままでは、笹井氏の会見での発言にまた誰かから反論やコメントが出てきて、まともなコミュニケーションができなくなってしまう。本来なら理研が関係者を一堂に集めてそれぞれの意見を聞き、持っている資料を集めて論点整理することが必要だ。その上で、研究者の間に異なる認識があることも含めて表に出すべきだ。それが組織マネジメントというものだ。それができないと、根拠の薄い醜聞や噂話ばかりが出回ってしまう。

 理研には、最初にSTAP細胞についての会見をした責任がある。研究機関は一般企業とは違うという指摘もあるが、理研は行政が担っていた分野を民間のような効率重視で運営していくことが求められる「独立行政法人」だ。独法として統率力を持った適切な運営が求められているわけで、法人組織としての意識を持たなければいけない。

■近畿大農学部、伊藤龍生教授(再生医学)
 STAP研究の詳細なデータが語られることを期待したが、理屈ばかりでデータは何も示されなかった。データのない『有力な仮説』をどう信じろというのか。何も明らかにならないことに違和感を覚えた。STAP細胞には実在してほしいと思うが、特許に関わるとしてデータを隠すのは疑問だ。第三者機関と秘密保持契約を結んで検証を働きかけるなど、やり方はある。小保方氏がいないと再現できないなら、このままでは本当に『夢の細胞』で終わってしまう。

●笹井芳樹の陥穽 - Nature論文リバイズを「企画」した責任者は誰なのか
        世に倦む日日  2014-04-17
・・・・・・・(略)・・・
笹井芳樹は、論文のプロジェクトを4段階の工程に分ける論法を巧妙に示し、自分は論文を仕上げる最終段階に加わっただけで、それも、若山照彦やバカンティに依頼されての立場だったと言い、不正(捏造、改竄)に関わる自分の責任を言い逃れた。しかし、この自己正当化の主張は根本的に間違っている。笹井芳樹が示した4工程とは、(1)着想や企画、(2)実験、(3)データ解析と図表作成、(4)文章の構成執筆で、自らは(1)-(3)には関与せず、(4)だけに参加したと言い、責任は小さいと強調した。これは詭弁である。そうではない。逆だ。いわゆるNature論文、2013年に投稿して掲載された2本目のarticleこそ、まさに笹井芳樹が前面に出て構想・設計されたものであり、すなわち論文の企画責任者として指さされるべき主役は笹井芳樹なのだ。笹井芳樹が会見で説明したように、この2013年の論文はリバイズである。2012年に小保方晴子と若山照彦の共著でNatureに投稿し、審査で落ちて不掲載になったものを、笹井芳樹が構成を練り直し、論理を説得的に詰め、完成度を上げたものに他ならない。だから、(2)の実験や(3)のデータ解析と図表については、基本的に最初の落選論文と同じものが使われていて、そのため、笹井芳樹の「ノータッチ」の言い分が通るのである。だが、この論法にこそ笹井芳樹の陥穽があり、(2)と(3)は小保方晴子と若山照彦の責任に帰すことができても、(1)の論文企画についてはそうは言えない。2012年の論文と2013年の論文とは違う。企画が違う。

2013年の論文は、2012年に落選した論文の不備を埋め、審査に合格するべく体裁を整え、より強力に理論武装した論文だ。その目的は、この論文をNatureに載せ、大々的な成功を演出してSTAP細胞を理研の事業の柱に据え、「成長戦略」の重点政策の目玉に指定してもらうことである。そして、ライバルである山中伸弥のIPS細胞を凌駕し、山中伸弥にリベンジすることだった。それが、この2013年のNature論文の目的であり、書き直して新規に提出した真の狙いである。2012年の論文と2013年の論文では、実験とデータは同じでも、その企画は全く違うものだ。2本目の論文は、まさに笹井芳樹が企画・構想したものである。だから、文章も笹井芳樹が構成・執筆した。笹井芳樹の参加で箔が付き、論文が洗練され格調高い作品になったからこそ、科学的には同じ中味の実験と結論でも、前回は「細胞生物学を愚弄している」と言われて審査で落とされ、今回は合格して晴れてNatureのお墨付きという成果を得たのである。前回(2012年)の不合格論文に同じ捏造があったかは定かでないが、本来、この論文は前回と同じく、「科学を愚弄している」と辛辣に批評され却下されて当然だった。データや図表をチェックしなかったという笹井芳樹の言い訳が事実であれば、その理由は、(1)の企画の思惑が先行して、功名と嫉妬だけの動機で筆を走らせたからである。要するに、この2013年の論文は(1)の企画こそが全てで、俗物官僚の笹井芳樹がNatureという目標だけのために一心不乱で書き上げたものだ。

今後、笹井芳樹はどうなるのだろう。笹井芳樹という存在は、この事件の構図の中では最も人気のない人物で、小保方晴子に対する批判派からも、擁護派からも、両方から叩かれている男だ。笹井芳樹に対する同情論はない。笹井芳樹の世間の評価は、「STAP細胞」のあるなしと関係なく、それ以前の、山中伸弥に対する醜い嫉妬という図で確定している。この像は揺るぎない。この事件で、今後どれほど多くの情報が出ても、また時間が経っても、笹井芳樹による山中伸弥に対する嫉妬とそれによる失敗という印象が拭われることはないだろう。この事件のドラマの核心的要素の一つである。このイメージを打ち破るのは困難だ。先のことを考えたとき、あのような開き直り会見がよくできるものだと、その人格と心理に信じられない感触を覚える。理研は、この会見にバカ官僚の米倉実を同席させ、記者に抗弁する笹井芳樹を尊重し擁護するような姿勢を見せていた。笹井芳樹の責任逃れの言い分とか笹井芳樹の「STAP細胞あるある」論を、理研はそのまま認めるつもりなのだろうか。笹井芳樹への処分は無しだろうか。施設内のフリーザーに保存しているマウスの細胞の遺伝子を調査することもせず、笹井芳樹に奔放に喋らせ、国民の怒りを増幅させ、理研は一体何を考えているのか。

・・・・・・・・・・・・・(略)・・・


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