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てらまち・ねっと



 厚木基地騒音訴訟で、高裁が自衛隊機の夜間の飛行停止を命じた。損害賠償も、過去分はもちろん、将来分についても支払えと認めた、という明確な判決。
 だから要点を確認するためにいくつか調べてみた。

 特に次。時事通信は、
★《米軍空母艦載機が17年ごろに岩国基地(山口県)に移転することが見込まれるとして、差し止め期限を16年末に定めた。》
★《将来分の賠償を認めた理由について「騒音は約40年にわたって継続しており、16年末までに状況が変化する可能性は相当低い」と説明》

 毎日新聞は、
★◇控訴審判決・骨子◇
・防衛相は2016年末まで、午後10時から翌日午前6時まで、自衛隊機を飛行させてはならない。
・16年末までの将来分も含め、原告約7000人に対し、国に約94億円の賠償を命じる。

 さらに、訴訟の歴史や概要について、毎日は、
★◇厚木基地騒音訴訟◇ 厚木基地周辺の住民92人が1976年、米軍機・自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を求め、民事訴訟で1次訴訟を起こした。最高裁は93年、差し止め請求を退ける一方、賠償は認めた。賠償額は、1次訴訟は69人に約1億600万円、2次訴訟(99年確定)は134人に約1億7000万円、3次訴訟(2006年確定)は約4900人に約40億4000万円。4次訴訟は周辺8市の約7000人が07年12月、民事訴訟と行政訴訟で提訴。横浜地裁は14年5月、行政訴訟で自衛隊機の飛行差し止めを初めて認め、民事訴訟で約70億円の賠償を命じた。

 ということで、「厚木航空基地の公式サイトのトップ」にリンクし、他は次を記録しておいた。

●厚木基地騒音訴訟 高裁で初 自衛隊機差し止め/テレビ東京 7月30日
●二審も自衛隊機差し止め=夜間早朝、16年末まで-厚木基地騒音訴訟・東京高裁/時事 2015/07/30
●厚木騒音訴訟:自衛隊機2審も夜間停止…将来の賠償初認定/毎日新聞 7月30日
●飛行差し止め「厳しい内容」=厚木基地判決で自衛隊トップ/wsj日本版 7月30日

●公益性より被害救済 厚木基地訴訟、二審も自衛隊機差し止め /日経 7/31
●【厚木自衛隊機差し止め】防衛相「受け入れがたい、上告を検討」官房長官「大変厳しい判断」7.30
●厚木基地騒音訴訟、自衛隊機の飛行差し止め判決で「防衛力に穴があく」「抑止力の危機」は被害妄想/本と雑誌のニュースサイトリテラより 7.30

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 ● TOP of 厚木航空基地 公式サイト  

●厚木基地騒音訴訟 高裁で初 自衛隊機差し止め
         テレビ東京 7月30日
 基地の騒音をめぐる重要な判決が出ました。自衛隊とアメリカ軍が使用する神奈川県・厚木基地の周辺住民が、騒音の被害を訴えた裁判で、東京高裁はきょう、自衛隊機の夜間と早朝の飛行差し止めを、高裁として初めて命じました。

●二審も自衛隊機差し止め=夜間早朝、16年末まで-厚木基地騒音訴訟・東京高裁
    時事 (2015/07/30-13:05)
 米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)の周辺住民6900人余りが、国に航空機の夜間・早朝の飛行差し止めや損害賠償などを求めた第4次騒音訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であり、斎藤隆裁判長は一審横浜地裁判決に続き、午後10時~午前6時の自衛隊機の飛行差し止めを認めた。その上で、「2016年末までは現在と同程度の騒音が継続する」と述べ、差し止め期間は同年末までとした。

 また、過去の騒音被害に対する賠償とともに、同年末までの将来分の被害に対する賠償も命じた。賠償総額は約94億円。米軍機については一審と同様に飛行差し止めを認めなかった。基地騒音訴訟で判決後の将来分について賠償を認めたのは初めてとみられる。

 中谷元防衛相は同日、記者団に「一部でも差し止めの判断は受け入れがたい」と述べ、最高裁への上告を検討する方針を表明した。
 差し止めについて、斎藤裁判長は「住民の睡眠妨害の程度は深刻で、賠償のみでは損害を回復できない」と指摘。「住民に与える被害は運航の目的に対して過大で違法だ」と判断した。その上で、米軍空母艦載機が17年ごろに岩国基地(山口県)に移転することが見込まれるとして、差し止め期限を16年末に定めた。

 また、将来分の賠償を認めた理由について「騒音は約40年にわたって継続しており、16年末までに状況が変化する可能性は相当低い」と説明。騒音被害の月額慰謝料は、一審と同じく騒音の程度に応じて1人当たり2万~4000円とした。

●厚木騒音訴訟:自衛隊機2審も夜間停止…将来の賠償初認定
       毎日新聞 2015年07月30日
 米海軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民約7000人が、米軍機と自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めと、騒音被害に対する損害賠償を国に求めた「第4次厚木基地騒音訴訟」の控訴審判決で、東京高裁は30日、1審・横浜地裁判決に続き自衛隊機の飛行差し止めを命じ、国側の控訴を棄却した。斎藤隆裁判長は「睡眠妨害は相当深刻で、健康被害に直接結び付き得る」と指摘した。差し止めを命じた判断は高裁レベルでは初めて。各地の基地騒音訴訟に影響する可能性が強まった。

 また、騒音被害に対する賠償について判決は、米空母艦載機が2017年までに厚木基地から岩国基地(山口県岩国市)に移転される在日米軍再編計画があることを踏まえ、「騒音被害の違法性が少なくとも40年は続いており、今後も継続が見込まれる。艦載機移転予定の16年末までに限って将来分の請求は認められる」と指摘。16年末までの賠償金12億円を新たに認めた。過去の被害に対する82億円を加え、賠償額は過去最高の約94億円とした。騒音訴訟で判決後にわたって将来分の損害賠償が認められるのは初めて。

 住民側は4次訴訟で、賠償を求める民事訴訟と同時に、行政処分や公権力行使の適法性を争う行政訴訟を起こした。1審は「自衛隊機運航は住民に騒音などの我慢を義務付けるもので、防衛相による公権力の行使に当たる」と判断。基地騒音訴訟で初めて自衛隊機の飛行差し止めを命じた。

 高裁は、自衛隊機の差し止めが行政訴訟の対象となるかを改めて検討し、「睡眠妨害は賠償金による補填(ほてん)では回復できない」として対象になると判断。その上で「夜間・早朝の自衛隊機の運航は、防衛相に与えられた権限の範囲を逸脱し違法」と国の対応を批判し、1審と同様に午後10時から午前6時までは、やむを得ない場合を除いて、自衛隊機の飛行差し止めを認めた。ただ、岩国基地への米空母艦載機移転が予定されていることから「艦載機が騒音の大きな比重を占めており、17年1月以降は騒音状況が大きく変わる可能性がある」と時期を16年末までに区切った。

 一方、米軍機の差し止め請求は「防衛相に米軍機の運航を統括する権限はない」として1審に続いて退けた。米軍機は自衛隊機よりも騒音が大きく、離着陸回数も多いため、判決が確定しても基地周辺の騒音被害は継続することになる。

 原告は航空機の1日の騒音を表す基準「うるささ指数」(W値)が75以上の地域の住民。環境省の環境基準は、住宅地を中心とする地域はW値70以下と定めており、W値75は午後10時〜午前7時に75デシベル(地下鉄の車内程度)の騒音を50回聞いた計算になる。

 判決を受け中谷元防衛相は「関係機関と十分調整の上、(最高裁に)上訴することを検討していく」と記者団に語った。ただ、海自は緊急時を除いて深夜・早朝の飛行を自主規制しており、判決は部隊の運用に直ちに大きな影響は与えないとの見方もある。【島田信幸】
 ◇控訴審判決・骨子◇
・防衛相は2016年末までの間、やむを得ない場合を除き、午後10時から翌日午前6時までの間、厚木基地で自衛隊機を飛行させてはならない。
・米軍機の飛行差し止めの訴えは退ける。
・16年末までの将来分も含め、原告約7000人に対し、国に約94億円の賠償を命じる。

 ◇厚木基地騒音訴訟◇
 厚木基地周辺の住民92人が1976年、米軍機・自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を求め、民事訴訟で1次訴訟を起こした。最高裁は93年、差し止め請求を退ける一方、賠償は認めた。賠償額は、1次訴訟は69人に約1億600万円、2次訴訟(99年確定)は134人に約1億7000万円、3次訴訟(2006年確定)は約4900人に約40億4000万円。4次訴訟は周辺8市の約7000人が07年12月、民事訴訟と行政訴訟で提訴。横浜地裁は14年5月、行政訴訟で自衛隊機の飛行差し止めを初めて認め、民事訴訟で約70億円の賠償を命じた。

●飛行差し止め「厳しい内容」=厚木基地判決で自衛隊トップ
    ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2015 年 7 月 30 日  [時事通信社]
 米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)で、自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めが認められた東京高裁の控訴審判決について、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は30日の記者会見で「われわれにとって非常に厳しい内容」と話した。

 河野統幕長は今後の運用や対応について、「判決内容を精査して、適切に対処する」と述べるにとどめた。一方で、判決が確定すれば「運用に大きな支障が出る可能性はある」と述べた。 

●公益性より被害救済 厚木基地訴訟、二審も自衛隊機差し止め
       日経 2015/7/31
 米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)の騒音被害を巡り、30日の東京高裁判決は一審に続いて、自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めを命じた。防衛政策の重要性を認めつつ、住民の健康被害救済をより重視した判断だ。影響は国内の他の基地にも広がる可能性がある。一方、米軍機の差し止めは再び却下され、司法による救済の限界も改めて示された。

 飛行差し止めを認めるかどうかは、自衛隊機運航の公…

●【厚木自衛隊機差し止め】防衛相「受け入れがたい、上告を検討」官房長官「大変厳しい判断」
       産経 2015.7.30
 中谷元・防衛相は30日、東京高裁が第4次厚木基地騒音訴訟の控訴審判決で自衛隊機の飛行差し止めを認めたことに関し「判決は受け入れがたい。関係機関と調整の上で上告を検討する」と表明した。

 同時に「国の主張に裁判所の理解を得られず、厳しい判断が示された。非常に残念だ」と強調。今後の夜間・早朝の自衛隊機の飛行については「判決内容を慎重に検討する必要があり、現時点での答えは差し控えたい」と述べるにとどめた。

 菅義偉官房長官は記者会見で「大変厳しい判断が示された。関係省庁が調整して対処する」と話した。自衛隊機の運用への影響に関しては「詳細は防衛省で確認してほしい」とコメントを避けた。

●厚木基地騒音訴訟、自衛隊機の飛行差し止め判決で「防衛力に穴があく」「抑止力の危機」は被害妄想
         本と雑誌のニュースサイトリテラより  2015.07.30野尻民夫
 今日、東京高裁で厚木基地の騒音訴訟をめぐり注目すべき判決が出た。一審・横浜地裁判決に続いて、自衛隊機の深夜と早朝(午後10時〜午前6時)の飛行差し止めと、将来の被害も含めた94億円の賠償が国に命じられたのだ。

 高裁で自衛隊機の飛行差し止め判決が出るのは初めてで、さっそく、ネトウヨや保守メディアから「住民エゴで日本の安全が損なわれる」という原告団批判、そして「深夜の緊急発進ができなくなって、日本の防衛力に穴が開く」「中国の海洋進出への監視強化が必要な時に抑止力が失われる」「緊急時の災害対応もできなくなる」といった安全保障の危機を訴える声が広がっている。

 しかし、これらの主張は防衛の現実を知らない人間の被害妄想か、防衛利権に群がるタカ派の煽りとしか思えない。
 まず、厚木基地の海自航空機の主力は哨戒機であり、潜水艦や不審船の監視にあたっているが、中国との摩擦が懸
念される尖閣諸島などを担当する のは那覇基地、鹿屋基地の哨戒機で厚木基地はメインでない。また、厚木には他にも飛行試験部隊や空輸部隊がいるが、これは基本夜間は飛行しない。

 しかも、夜間に不審船情報などがあっても本格対応は翌日朝からになるためほとんど関係がない。夜間飛行差し止めで影響を受けるのは、偵察・監視等の緊急対応のケースだけだが、厚木基地ではスクランブル用はもともと1R・2R(ワンレディ・ツーレディ)の2機しかなく、判決が確定しても、この2機ぶんなら十分カバーする方法はある。

 海上自衛隊出身の軍事ライター・文谷数重氏はこう語る。
「たとえば、スクランブル用の1R・2Rを昼間、厚木基地で整備した上、夜間だけ羽田か百里におくという方法があります。長時間任務が終わり、着陸が深夜に及んだ機体の着陸も同じで、一旦、羽田か百里において、翌日、厚木に戻せばいい。

 実はこのやり方には前例があって、滑走路夜間工事で厚木が使えなくなった時期に、厚木の1R、2Rを海自下総基地(千葉県柏市)に展開しています。確か2週間ほど続けていますね」
・・・・・・・・・リテラで続きを読む

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