文化的、教育的な業務や施設の民間委託、民営化、指定管理はやめよう
答弁者 副市長 全文はこちら
《質問要旨》
自治体合併して策定した市の総合計画は、新年度2009年度において、「後期基本計画策定業務 H22~26年度分」として、計画の具体化や見直しなどがなされる。
市の行政改革大綱の実施計画「H17~21年度」も満了、新たに作成されるだろう。
ところで、市民、議員、行政の中では、市の職員が多すぎる、いや自然減もありこれでいい、いろいろと議論されている。
そのとき、評価が分かれる一つが、民間委託や指定管理者制度である。
職員が多いとの批判を前に、外部に仕事を任せるのか、市の職員の自前で維持するのか、当然、議論が沸く。
指定管理者の問題も露呈してきたので、国は昨年、指定管理者に関する新たな通知を全国の自治体に出した。
請け負う民間業者の中には、「行政と違い、最後は『経営優先』」と明言する事業者もいる。当然、「行政の直営」と比べて、質の低下や不安定さが付随する。
実際、民間委託、民営化や指定管理者に関して、「倒産」や「経営本体の問題」の発生で利用者や自治体が困惑する事例も各地で生じている。東海地区ではまだその例がないので深刻に受け止める行政や県民・市民は少ないとはいえ、将来の重大な懸念である。
そこで、最初に述べた山県市の将来の各種計画の具体化や見直しに深くかかわる民間委託や指定管理に関して、政策的な立脚点を問う。
1. 「検討」について
先の行政改革大綱実施計画では、基本的にいずれの施設担当も、指定管理や民営化について検討してみるとされていた。
結局、数施設が指定管理に移行した。
この「どこも検討する」という基本方針には、私は大きな疑問を感じていた。
人は誰しも、「ここ」は「市でしっかりやる」となれば、熱意と意欲をもって計画し遂行していける。しかし、将来、外部に任せるかもしれない、どうしようか検討中、と思い迷っているうちは、意気込みも高まらず、積極的な意欲もわかないのは当然のこと。
このような職員の意欲をそぐ不効率と不合理を生む「検討」は、市にとっても、職員にとっても、市民にとっても大きなマイナスだ。
ともかく、このようなことは、もう過去の4年間の「検討期間」で十分だ。
次の時期も「検討」とされたら、「では、いままでは 、何を検討していたのか??!!」と反論されるのは疑いない。
次の計画においては「検討」という方針は加えるべきではないが、どう考えるか。
2. 重大な前提の配慮を欠く答申は見直しを
昨年12月議会の保育所に関する私の一般質問に対して、保健福祉部長は、民営化は具体化していないものの児童福祉審議会の答申もあり、と検討の方向を崩さない。
副市長は、再々質問に対して「民営化をしたとしても、委託をした市の責任が大きいことに変わりない。他の市町では委託先が破たんをしたケースもあり、慎重に検討していく。」とした。
そもそも、児童福祉審議会に関して、市長の諮問、審議会の答申の過程において、各地の「倒産」や「維持の放棄」「各種のトラブル」のことが認識されて議論されたとは、私には到底思えない。
市としては、各地の倒産や維持の放棄の事例を十分に検討してなお前記答申にいたったと考えるのか、各地の事態は市長の諮問や答申において考慮されていなかったと考えるのか。
3. 政策的位置づけを
もちろん、単なる施設管理・運営の委託や指定管理においては、状況や事情の変化で、「再度、検討する」ということもあり得ると思う。
他方で、学校、保育、図書館など純粋に文化的、教育的な分野の業務や施設に関しては、市の主体性や将来の市民への責任の意味においても、「山県市の政策として、民営化や指定管理は導入しない」と、きっぱりと明言すべきではないか。
それが、市民の期待や職員のやる気を生む根源であり、かつ質の安定的向上に寄与し、維持継続への安心につながることだとは考えないのか。
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