ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

菜の花座中国語教室

2016-04-04 09:15:39 | 演劇

 当ったり前のことだけど、電子辞書で中国語のセリフは書けない。中国語のセリフを発せられない。使い道のないおもちゃと化した電子辞書、神さんのメモ帳補助として、かろうじて持ち場を確保した。で、どうする?台本に書き込まれてしまった中国語のセリフ。誰かいないか?語学アドバイザー。

 そうだ、以前親しくしてたEさんどうだろう?日本で勉強したいと来日した彼女、能力には恵まれながらも道は開けず、たしか町内の別地区に嫁に行ったはずたけど。ああ、子供連れて中国に帰った、と神さん横からズバリ一言。ありゃりゃ、さようですか。Eさんがダメだとなると、こちらにはもう持ち札がない。誰か心当たりないかなぁ、中和田のHさんいるじゃない、彼女は中国で高等教育受けてるし、こちらに来て長いから日本語もペラペラだし。それとも、町で交流補助員やってるTさん、でも、Tさん、上山に越したみたいだけど、すぐ近くのOさんの奥さんだって、・・・と次々と町内在住の中国人の名前が挙がる。参りました!地域に関しては、神さんの方がはるかに情報通だった。結局、Hさんに翻訳と発音アドバイザーをお願いすることにした。

 戻ってきた台本、彼女の書き込み見て、わからない!さっぱりわからない!こんな字、見たことないもの!パソコンの漢字検索で当たってみるも、わずか3文字でギブアップ、これはもう彼女の手書きの文字をコピーして台本に差し込むしかないなぁ。それと、実際に発音を指導してもらう、それしきゃない。

 日程を調整し、メンバーが多く集まる日を設定、良かったら娘さんも一緒に来てくださいと伝えた。娘さんは小学生の頃、地域の演劇教室に通っていた子、もしかしたら菜の花座の稽古にも興味あるかもしれない、気楽な気持ちで誘った。

 さて、菜の花座の俄か中国語講座が始まった。Hさんがセリフの中国語を読み上げる。はぁぁ?わからない!な、な、なんと言ってるいるのか、まったく聴取不能!団員たち、それぞれに聞き取ったとおりに発音してみるが、Hさんは違います、と首をふるばかり。そうだろ、傍で聞いてる僕だって彼らの発音、全然中国語らしくないもの。これまでほとんど聞いたことのない言葉って、こんなにも入っていかないもんなのか?それとも、彼らの耳が悪いのか?業を煮やしたHさん、中国語発音の基礎、4声について講義し始めた。これがまた、わからない。これは1声で平ら、この文字は4声で下がる。一文字ずつHさんの発音をなぞれば、なんとなくそれらしくなる、が、文章として繋げると、もう、ダメ!まるでお手上げ。さらに、中国語特有の微妙な発音、これが聞き取れない。Hさんの後について、何度も何度も繰り返すが、Hさん首を横に振るばかり。たった4文字の言葉が発音できない!

 ここで思いがけぬ強力助っ人が登場した。Hさんの娘さんだ。ホワイトボードに文字を書き、その下にローマ字で発音を記号を書き込み始めた。ああ、そういう風に言ってたんだぁ、そうかそうか、その文字、そう発音するわけね、一気に開けた視界、目で確認するってこんなに大切だったんだ。次々に書き込んでくれるセリフと中国語訳、そして発音記号、こちらは、必死で記録しながら、口真似を繰り返す。よしよし、ようやく進み始めた。さすが現役女子大生、文字もきれいだし、発音記号もわかりやすい。時には、Hさんに文字の訂正を促したりして、実に心強い。この練習システムが完成して、ようやく作業は軌道に乗り、まるまる2時間かけて、すべてのセリフの翻訳・発声トレーニングを終えた。

 とは言っても、ばっちりできるようになったわけではさらさらない。記録した発音記号と録音した音声を頼りに、これから猛特訓をしなくちゃならない。主にしゃべるのは若手なので、なんとかなるとは思うが、5月に入ったら、もう一度、Hさんに来てもらってチェックをお願いしなくちゃいけないだろう。そのときは、感情の込め方についても指導してもらわねばならない。

 講習終わって、娘さんに感謝の言葉、いやぁ、助かった!中国語の学習について尋ねたら、なんと、小学生の頃、ちょっとやっただけだという話し。凄い!親子ともども能力高い系だったんだぁ!助かったぁぁぁ!次もよろしく。 

 

コメント
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