ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

マラソン大会って祭りだったんだ!ひがしねサクランボマラソン完走!

2014-06-09 14:37:41 | ランニング
 なんじゃ?これは。広い芝生の広場一杯に展開するのは、出店!飲み物もちろんピザありハンバーガーあり焼きほやなんてのも出ていて、置賜ではお馴染み米沢牛コロッケの店もある。延々並ぶ屋台店だ。祭りにないのはスポーツ用品メーカー、お店の出張販売と、テーピングやマッサージの無料サービス。レース前の一時、参加者ばかりかその応援の人たちもあちこち食べ歩き、見て歩き。広場の周囲の木陰にはレジャーテントやら、シートやら。お祭り広場の一角に設えられたステージでは、地元のよさこいチームの演舞そして、ゲストランナーのトーク。さすがに出走者だけで12000人を越す名物大会だ。

 こんなどでかい大会は初出場、って当たり前だ、これで大会2回目なんだから。最初は昨秋の長井マラソン。実に地味な実にささやかな大会だったから、このお祭り気分には驚いた。ずらーっと並んだ簡易トイレも行列、出走記念品交換も行列、手荷物預かりも行列。出走前の2時間、お上りさん気分であっちへふらふらこっちへふらふらと漂った。

 さて、レース。6000人以上ものハーフ参加者がどうやってスタートするのかと思ったら、スタート地点に目標タイムあるいは持ちタイム毎に前から看板持ちが居て、その後ろに並ぶというものだった。なるほどなるほど。先頭は1時間10分くらいから10分おきに2時間半まで。いや長い長い行列が道幅いっぱいぎっしりと埋め尽くしている。2時間のところに並ぶか、その前の1時間50分に並ぶか迷ったが、まっ、持ちタイムてはなく目標タイムで、ということで、前の集団の中程に潜り込む。10分鯖読んでちょっと後ろめたい。
 
 やたらスタートDJ?がマイクで煽り立てる中、号砲。でも、最初はぞろぞろと歩くだけ。ようやくスタート地点を越えたのは3分後だった。さっ、いよいよと思っても前後左右、ぎっちりと人、ぶつからないようにジョギングが精一杯。必然ペースは遅い。なんと7分/km。仕方ないこの人じゃ、いずればらけて来るだろう、と鰯の群れの一匹よろしくついて行く。1㎞過ぎた、まだ、ぎっちり。2㎞経過、周囲との空間はやや広がったがまだ囲まれたまま。そろそろいらいらし始める。ペースは6分/km、これじゃ目標の2時間切りはおぼつかない。ラストはいつもばてばてになってタイムが落ちるから、せめてここらはもう少し早いペースで走りたい、が、前に出るには合間を見つけてすり抜けるしかない。右に出たり左に動いたり、スピード上げたり、でもこれやったらスタミナロスするしなぁ、と決断がつかない。自分の足にも自信がないから仕方なく集団に飲み込まれた形で走り続ける。

 沿道の応援が凄い。周辺の住民、出走するかボランティアで働くか、それとも応援に出るか、どちらか選べって言われてんじゃないかと思うほど切れ間無く人、人、人。幼稚園、小学生、中学生も総動員か?子ども達はみな乗り出してハイタッチの応援。最初は戸惑い、恥じらい、強ばった心で、中央を走ってハイタッチにも声援にも応えなかったが、小雨の中、せっかく出てきてくれてるんだからと思い直して、極力ハイタッチ。スタミナ奪われるな、と心配になったが、子ども達の夢中な声援聞いてると、ついついね。

 レースは5㎞頃から緩やかな上り、ここでも集団はばらけない。10mに一人くらいでのんびり走れた昨年の長井が懐かしくなる。それでも、これじゃいかん!とちょっとピッチを上げて抜きにかかる。途中の吸水所もパス。サクランボ、ジュース、フルーツゼリーといった名物エイドもパス。ひたすら走りに専念する。かなりの人数を追い抜いた。10kmからは下り、途中チェックポイントは5分近くもタイムオーバー。ようやくばらけてきて一気にスピードを上げる。下りでスピードアップなんて、ラストばてばてになるとは思ったが、こうも遅くてはやむなし。㎞5分台前半まで上げる。他のランナーもその気らしく、みなペースは全体に上がっている。追い抜いて行く人もちらほら。でも、おかしい?はるかに多く追い抜いてるはずなのに、あまり抜かれない。だって、1時間50分のグループで走り始めたんだ、抜いたとすれば、同じグループかその前の集団ってことになる。どうして?前の人たち、みんな速いはずだろ?なるほど、そうか。自分のタイムより前の集団に加わってスタートしてる人が少なくないってことなんだな。わかる!わかるよ、その気持ち。この混雑ぶり経験すれば、少しでも前に出て、抜かれたっていいゆったりマイペースで走りたいもの。大きな大会はそれなりの駆け引きってもんがあるわけだ。

 といった事情で、前半ペースが上げられず、折り返し後のハイピッチは、案の定最後に響いて、這うようなペース、必死の思いでよたよたとゴールにたどり着いた。結果はネットタイムで2時間5分58秒。60歳以上男子ハーフの部525人中217位と残念な結果だった。

 応援の家族も来ず、ランニング仲間もいない、そんなお一人様ランナーの僕としては、どうもこのお祭りイベントやラッシュアワーレースは性にあわないなぁ。給水所は助かるにしてもエイドは無くたって構わないし、応援も元気つけられるって言うより、こっちが気遣ってハイタッチするくらいだから居なくてもいい。ただひたすら走ること、タイムに挑戦することに喜びを見いだす求道者ランナーには小規模の気取らぬレースの方が向いてるのかも、なんてまたまたひねくれた感想を持ちながらシャトルバスに揺られた。とは言うもの、途中、可愛い娘さんとハイタッチ、「かっこいいよ、お父さん」って言われたのはちょっぴり嬉しかったりして。もっと走り慣れてくれば、沿道で撮影班のカメラに出会うたび手を挙げて笑顔振りまくランナーたちのように、お祭り騒ぎで楽しく走るってのも悪くないって思うようになるかもね。

 大会に向けて農作業も自粛、除草機押しが適期だってわかってたけど、レース翌日に延期、かーっ!伸びてるよぉぉ!田の草。押し切るのに無茶苦茶力いった。マラソンで下半身酷使し、翌日は田の草で上半身をこき使う、ねっ、これもうストイック以外の何ものでもないでしょ。

 


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なんか新しいことやりたいじゃないか

2014-06-01 21:48:51 | 演劇
 オリジナリティ、あるかなぁ?作る舞台、作る芝居、どっかで見たような気がして仕方ない。例えば、前回公演の『山棲』。一番評判の高かった、兵役拒否する夫と妻の話、あれってこれまでいろんな人が書いてきた情景のような気がする。もちろん、役者は必死に演じて観客の胸に迫る素晴らしいシーンになったのだけれど、あのシナリオの独創性は?と問われれば、絶対僕のものとは言い切れない。山童の造形にしても、新感線や野田秀樹からの借り物のような気がしないでもない。まっ、芸術的創造性なんてものは90%過去のむし直しだって意見もあったからあまり気に病む必要もないのかも知れない。が、オリジナルでありたい!台本が無理なら、装置でも衣装でも音楽でも照明でもなんでもいい。これは、今までないよなぁって奴をぶちかましたいと思っているんだ。

 どんなに手慣れた設定でもお得意の展開でもどこかに、これ普通ないでしょ!ってものを仕込んできたつもりだ。『山棲』で言えば、山棲みたちの時代超越性とか、常に佇立する布の山とか、アボリジニーの音楽とか。たとえ観客には気付いてもらえなくても、たとえ、観客の評価は低くても、これはオリジナルだからって密かに胸を張っていたい。

 脚本を書き始める時、これが壁になる。なんかしら、これだ!ってものが閃かないと書き始められない。ストーリーが出来、キャラクターが固まってきても、これぞオリジナル!と納得できないとパソコンには向かえない。ノートを前にひたすら悶々することになる。

 で、次回公演『Good Night Baby』の場合、一つはシニア女優6人が山本リンダを歌い踊るという設定ともう一つ、舞台にダンスホールのフロアを再現するということだ。白と黒チェック柄のフロアを作る、それも正方形や長方形ではなく、変形のダイヤ形のものを。

 ご存知のとおり、舞台では平台と箱足、高足というものを組み合わせて各種高さのある平面を作る。平台は3尺×6尺、4尺×6尺、6尺×6尺の三種類が基本で、高さはみな4寸となっている。上面の形は長方形ないし正方形だ。どんな台だろうと特注で作ってしまうプロ劇団ならいざ知らず、劇場の備品でやりくりせねばならぬアマチュア劇団となるとこの平台の形に大きく制約されることになる。どうしたって角は直角だし、各辺は直線だ。これを利用しつつなんとか変わった舞台空間を仕組もうとしてきたが、せいぜいが斜めに置いたりする程度で、これは面白いという置き方は難しい。今回はそこに挑戦した。

 直線と直角は仕方ないとして、この直角部分を客席に向き合うように設置する。そこに上下に平台を繋げていき、最後は尻をすぼめてダイヤのような形を作りたいと思った。そこで問題となるのが、舞台奧部分が一直線にならないということだった。長方形と正方形だけではどうしても最後半端な三角形部分ができてしまうのだ。

 そんじゃ作っちゃえ!三角形の平台!ってことで、この通り。



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 これを問題の部分に嵌めこむと、




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 結局直角二等辺三角形の平台を6台作って土台は完成。今度は白黒チェック柄だ。つやつやとしたリノリューム貼りのようなフロアにしたい。さあ、あなたならどうする?






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 厚手のビニールシート、食卓などに使うやつ、あれの裏面に白と黒の厚紙を交互に貼ってそれを裏返しにすると、見事、チェス盤のようなチェック柄が完成!おめでとう!やったぁ!達成感一杯の完成の瞬間だった。



 


Photo_4


 白黒モザイクのフロア、プロなら造作ないことだろうけど、これを限られた資財で手作りするとなると、これはなかなかの知恵と根気が求められるのだ。その工夫と実現に向けた努力、そこには間違いなくオリジナリティがある。

 他にもリンダの衣装も6着すべて各自手作り。これもこの世で初の試みだろう。白黒チェック柄のフロアで、6色の艶やかな衣装をまとったリンダたちが歌い踊る。どうだろう、これならオリジナルってちょっとは胸張ってもいいんじゃないかな。


 




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