ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

観客が作る生き生き舞台『ベジタブル!ワンダフル!!』4回目の公演

2010-05-31 21:00:04 | 教育

 芝居に必須の三つのものは?役者と場所(ステージ)と、なに?って質問したんだ挨拶の中で。

 そう、答えは、観客!小学生がしっかり答えてくれた、凄い!

 観客の質っていうか、心構えっていうか、ほんと大切!どんなに面白いもんでも、気持ち落ち込んでたら楽しめないし、最初から馬鹿にしてるものなら素直に感動できっこない。いや、それでも無理矢理引きつけるって芝居もないわけじゃないけど、まあ、稀だよな、プロだとしたって。

 まして、高校生の演劇だ。観客の気の持ちようは、もろ響くよな。

 で、今日の公演だ。観客は犬川小学校の児童100人弱。いやぁぁぁ、いい観客だったな。もう、最初から楽しみにしてくれてんだもの。絶対、面白いからって食い入るように見つめてくれてんだもん。

 犬川小学校は今回で3年連続の上演なんだ。上演前の挨拶で聞いてみた。去年のミュージカル、覚えてる人?上級生のほぼ全員の手が上がった。面白かった人?これまたほぼ全員。ね、こうだもの。だから、今回も待ちに待ってくれていたんだ。ありがとう!

 だから、もう、暖かいよね。盛り上がるよね。笑い起こるよね。これまで3回の公演では笑いが起きなかったシーンやせりふでもあっちゃこっちゃで笑いが巻き起こった。客席とのやりとりでももううるさいくらいの反応だ。これまでそんな経験してなかったので役者の方がどうしていいかわからず、観客の声に消されてるのに構わず進めてしまう、なんて失敗をしてしまったくらいだった。

 改めて、芝居は役者と観客が作るもの。実感!アイドルや人気役者の舞台だって、こういう要素はきっと大きいと思う。とすると、こういう待っててくれる観客を、つまりファンをどんだけ作るかってことなんだよな。置農演劇部子どもミュージカルはどうやらこういうありがたい観客を作りつつあるってこと。

 で、菜の花座は?

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野田秀樹は頭の体操

2010-05-28 21:55:30 | 教育

 さあ、中間試験が終わった!いよいよ定期公演『カノン』に向けて全力疾走の時だ。生徒たちが最後の試験で頭を悩ませている時間帯、顧問二人で綿密に演出プランの練り直しをした。

 すでに立ち稽古は初めていて、柱を何本も作って、それを舞台中に立てるってアイディアは出来ていたんだ。でも、柱を何本、どこに立てるかが決められないでいた。柱を立てるって実はとっても難しい。中央よりに立てたりするとその奥かなりのスペースを観客から隠すことになるし、照明の妨げにもなる。出はけにも支障かでたりする。舞台空間を立体的に仕切れる所は素晴らしいんだけどね。

 しかも、今回は9本なんて、やたらな本数を立てちまうことにしたもんで、う~~~ん、どさ立てる?しかも、うまくねえよな、劇の象徴的道具立てとして2間×9尺なんてとてつもない絵を中央奥に出さなくちゃなんないんだ。『民衆をひきいる自由の女神』って、ほら世界史の教科書に載ってるでしょ、片手に銃を片手に旗を掲げてバリケードを先頭に立って乗り越えていく女性の絵。これが最初と最後のクライマックスなので、これをすべての客席からしっかり見切れるようにしなくちゃなんない。

 ああでもない、こうでもないって思い悩んでいたけど、もうここまで来たら決めんなね。パズルみたいに柱動かしながら、もう!これしかない!これで決まり!!後は、この柱で区切られた空間をやりくりして、次々に展開するシーンを描き分ける。

 この巨大な絵が盗まれるってシーンもあんだぜ!盗賊一味が待ち伏せにあって弓を雨あられと射かけられるなんて場面も!さらに極めつけ、巨大な鉄球が家の屋根や壁をたたき壊す!?できねえだろ、こんなこと!!!!!

 ほんと、野田芝居は頭の体操だ!野田MAPなら優秀なスタッフが役者の数倍も控えていて舞台裏を魔法のように取り仕切るんだろうけど、高校演劇だぜ、部員の大部分はキャスト。残るは舞台監督、照明、音響のぎりぎり数名だけ。しかも技術なし!機械力無し!資金無し!!この自由奔放、勝手気まま、やりたい放題の台本とどう面と向かえばいいって言うんだ!!

 ってぶつくさ言いながらも一昨年の『キル』に続いての挑戦なんだよな。結局、好きなんだよ。このパズルが、頭の体操が。無理難題が提示されればされるほど、負けるもんか!なんとか切り抜けてやるって闘志が猛然とわき起こって来るんだよね。これが野田の台本にぶち当たっていく隠れた動機なんだろうね。

 もちろん、高校生ができることだ、たかが知れてる。ちゃちな仕掛けだ。ごまかしも随所。所によってはト書きぶっ飛ばして、無視!それでも、精一杯考え、二ヶ月近く装置や衣装や道具作りに没頭して、なんとか切り抜けるべく頑張っている。さあ、その成果、どう現れるか?おっと、まだ最後のシーン、絵から血が流れって場面の工夫が終わってなかった。

 なに?血を流しゃいいだろって?そうはいかないんだよ、2回公演だからね。2間×9尺なんて絵2枚も準備できるわけないだろ!う~~~~~~~~ん、どうするぅぅぅぅぅぅぅ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子ども向け舞台の作り方

2010-05-26 21:13:41 | 教育

 地区の私立幼稚園の先生方にお話しをした。テーマは食育と子どもミュージカル。始めに置農食育ミュージカルの歴史、大袈裟だろ!とか僕の食体験なんかおしゃべりして、後半は子どもたちを引きつけるお芝居の作り方を聞いてもらった。

 僕がこれまで子どもミュージカルを創ってきて学んだこと、感じたことなど、お遊戯会とか学芸会とかの時、ちょっとしたヒントになればって思って話させてもらった。そのレジュメをここに載せよう。なんだ、また、ページふさぎか?ってまあそういう面もないわけじゃないけど、結構まとまってて役に立つんじゃないかと思うんだ。

子どもミュージカルの作り方:私の創作方法から

  ①子ども劇はフルコース料理  

   1)オードブルがあって魚料理があって肉料理があってサラダがあってデザートがあ 

     ってコーヒーがあって、次々にサービスされる美味の数々

   2)一品一品が楽しめて、全体として納得のいく食後感

   3)ストーリーはディナーのコンセプト

       ・しっかりとしたストーリーが食事の興味をつなぐ

   4)楽しめるショートコント=一品の満足感

       ・1シーンでも楽しめるものを

       ・バラエティあるシーン(=ショートコント)を作る

  ②子どもたちを引きつける

     1)キャラクター

       ・子どもたちの心をガシッとつかむ

       ・魅力的な個性

        →子どもたちが共感できるキャラクター

        →突拍子もないキャラ

        →かっこいいけどちょっと抜けたキャラ

        ex:子猫ポッチ 

            ・いじめられっ子 ・弱虫 ・小ずるい ・一言余計 

・根はまじめ ・意地汚い」

         ・平板にならぬこと

         ・いい子に成りすぎない

       ・キャラを際だたせる

        →独特の言葉使い

          ・方言も大切な道具

          ・奇妙な話し言葉

           ex:召使いの語尾「・・・・だにゃぁ」

        →癖やこだわり

         ・思いがけない癖は笑いを誘う

           ex:自分をパーマンと思いこんでいるピーマン

               パーマンと呼ばれると笑顔でお愛想

               ピーマンと呼ばれると無視してポーズ

     2)インパクトある外見

        →かぶり物を工夫

        →衣装を工夫  

      ・思い切ったデザインを

          ex:猫の目がハート 猫の色が紫

     3)笑いは欠かせぬスパイス→料理にアクセント

      ・設定(シチュエーション)で笑わせる

          ex:ねずみが怖い猫

             何度も出てくる門(門番は門に一体化している)

      ・言葉遊び

          だじゃれ

          オノマトペ(擬態語)

      ・仕草で笑い

      ・反応のナンセンス

          勘違いや行き違い 常識を吹き飛ばす

     4)クライマックスはメインディッシュ

      ・劇的効果→観客の納得=満足

      ・テーマを観客の心に染み渡らせる

     5)テーマ

      ・見終わって、観客が芝居を一括りできることも大切

       ←人は納得したがルもの(特に大人は)

       →だから、子どもたちだけが対象ならあまりテーマにこだわらない方が良いかもしれない。→押しつけがましさはうっとうしい

    ③当て書きはシェフの得意技

      ・個々の子どもにふさわしい役をふり、しゃべりやすい台詞を書き、演じやすい演技を付けてあげる。

      ・子どもたちを知っている、だから書ける

       →無理なく演じられる

       →自然の演技

       →楽しく演技

       →生き生き舞台

    ④稽古は楽しく

      ・押しつけない、型にはめない

      ・遊びも入れて、興味を引きつける

Ⅲ演劇の教育的効果(子どもたちにとっての演劇体験)

    ①演劇はごっこ遊びの延長?

      ・どきどき体験、異次元体験

      ・なりきることの快感

    ②仲間の大切さを知る

      ・みんなで協力だからできる凄いこと

      ・改めて友達を見る、知る

    ③ルールを守る大切さ

      ・お芝居というルール

      ・お芝居を作るためのルール

      ・役割を果たすことの大切さと満足感

    ④生まれる自信

      ・やり遂げた自信、達成感

      ・自分を見直す

 と、まあこんな内容を大雑把にはしょりながら話した。だって、前半も含め正味45分な

んだものね、走って飛ばしてかっ削って終了。果たしてどんだけ伝わったかな?

 

 うーん!どうもあまり面白くなかったようだ。話しの最後まで固い表情はほぐれなかった

ね。話し下手なんかなぁ?内容詰まらないのかなぁ?それとも、この人ら、もともとこんな

お堅い人たちなのか?だとしたら子どもたちかなり不幸だな、なんて思いながら話しを続け

た。

 

 ところがね、講演の後のショートコント作りになったら、なんとまあ、生き生き楽しくは

しゃいでやってるじゃないか。そりゃそうだよな!毎日幼児相手に暮らしてる人たちなんだ

もの、表現力だって創造力だって豊かなはずなんだ。だから、先生たちの作るコントは面白

かったし、彼女たちの演技力もなかなかのものだった。

 なるほどね、僕の話は釈迦に説法だったのかもしれない。だとすれば皆さん、詰まらぬ時

間をつぶさせてしまってごめんなさい。僕が話したことなんて、もう毎日実践してることだ

ったのかもしれませんね。馬鹿にするな!って腹立ててたのかも知れない。赤面!

 なので、教訓!敵を知らずして講演するなかれ!

 でも、それにしても、最初っから反応なし?ってちょっとどう考えたらいいんだろ?!

 

    

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歌CD『ベジタブル!ワンダフル!!』

2010-05-25 23:48:05 | 演劇

 先週音撮りした『ベジタブル!ワンダフル!!』の歌CDが完成した。

 なかなか良い出来だよ!エンジニアのKさんが自慢するだけのことはある。伴奏と歌のバランスがとても良い。どちらが引くでもなく出過ぎるでもなく、絶妙の仕上がりだ。

 部員たちの歌も、粘りに粘り、ダメを出し続けただけのことはあった。悪くない。相変わらず、微妙に音が上がりきらないとことか、やたら走るとことかあるけど、まず何より元気で勢いのあるところがいい。全員参加で取り組んだことも良かったようだ。やっぱりうちの部員の場合だと、歌が上手いわけじゃないので、数の力で押しまくるってのがいいんだな。

 昨年は、初めてだったので、まずは作ってみました、って出来で、後で聞いてみて耳をふさいでしまったけど、今回はまあ、まあ、皆さんに配っても恥ずかしくはないってとこかな。ただ、ミキサーの不調で一曲途中で切れてしまったのが残念なんだけど。

 ということで、現在ただ今CDの量産中。25枚ほど焼いた。まずは明日、地域の私立幼稚園の先生方の研修会で配ってくるつもりだ。さらに今月末から来月に掛けては4回もの公演が立て続けなので、そこでも精一杯ばらまいてこよう。もったいないもの、こんな素晴らしい曲、埋もれてしまうなんて。

 欲しい人、メール下さい。無料で送ります。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『つぶやき六角堂』ポスター完成

2010-05-24 22:04:27 | 演劇

 菜の花座第22回公演『つぶやき六角堂』のポスター原画が上がってきた。恒例なので、ここにアップしよう。

Photo

ちょっと僕のイメージとは違うけど、これはこれで面白い。若い人の創造力って思いがけないものがある。そういうすれ違いの感覚、これが面白いんだよね。もちろん作者はメグミだ。

 今回こそ、早めの準備を、と考えていたが結局また一月前の宣伝開始になってしまった。どうしてこうなんだろ?ぎりぎりにならないとスタートできない。これで客が入らない!もないもんだ。菜の花座の、と言うか、僕自身の体質改善が必要だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする