ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

3番目の部室

2009-09-29 23:25:51 | 教育

 なんかものすごいことになってるよ。教室の真ん中では子どもミュージカルの新キャストが稽古をしていて、片方の隅では、その舞台装置の階段の色塗りが行われていて、反対側では、着ぐるみの直しに精を出していて、入り口近くではなんと3台ミシンがうなりを上げている。

 こりゃいったいなんじや?!

 今日の演劇部稽古風景だ。なんせ、明後日には子どもミュージカル『いただきます!見つけた』の新バージョン2回目の公演なんだ。また、新しい一年生が初舞台を向かえる。その6人分の衣装をそろえなくちゃなんない。装置の大きな階段もそこら中そじてきた。着ぐるみもトラックにぎゅうぎゅう押し込まれての移動でひん曲がってる。もう、何もかもいっぺんにやんなくちゃなんない。

 で、この風景だ。でも、いいなぁ!!活気あって。なんかいかにも新しいもの創ってるって感じだよ。すっごく気に入った。特にミシンが3台並んで動いてるのって、これ演劇部?って光景だよ。その様子見ながら、あっ、この光景画像で見せたい!って思ったもの。

 それにしても、こんな事ができるのも、3番目の部室?があればこそだ。

 3番目?そう!置農演劇部はすでに二つの部室を持っている。でも、それは一つは小道具と器具類の置き場、も一つは大道具と角材その他の置き場なんだ。で、この3番目。名前はスペーススプラウツ!空間つぼみ!って意味。いいでしょ?なんか新しい命が生まれそうで。そうです、僕が名付け親ですから。ちなみに、置農にはそのほかに多目的教室が三つあって、それぞれ一階からスペースルーツ(根)、二階スペースブランチ(枝)三階スペースリーブス(葉)と名付けられている。農業高校らしくていいでしょ。

 で、このスペーススプラウツ、なんか今では演劇部3番目の部室に化しつつある。なんせしょっちゅう公演あるでしょ。となるとその舞台装置、この部屋に作っちまうわけ。机並べて高足、平台の代わりにしたり、大きな装置持ち込んだりしてね。なんかもう既成事実化しつつあるんだ。

 以前は授業でも使う時があったから、毎日片づけては机と椅子を並べていたけど、この一ヶ月ほどは、もうそのままんま稽古場!いいのかこれで?!よくなーーーーい!でもね、1間×1間×2尺1寸なんてどでかい階段をいちいち一階から三階まで上げ下ろしできないでしょ毎日。てことで、まっ、いいか。かくて第三の部室誕生?!

 恵まれてるよねぇ。だから、頑張らなくちゃ。いい活動しなくちゃ。お手本にならなくちやよ、部員の皆さん。

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4日で掴んだ全国大会

2009-09-27 21:48:10 | 地域文化

  おっとお待たせしました、ごはんDE笑顔プロジェクト選手権北海道東北ブロック大会の結果だ。

  ええ、勝ちました!!ブロック優勝です。上出来です。なんとかその下の審査員特別賞にでも滑り込めれば上出来、って思ってましたが、なんとトップで全国大会の出場権をもらっちまいました。生徒たちよくやりました。重圧に耐えて。

 

  会場は大きいわ、スタッフはいっぱいいるわ、NHKのビデオカメラはあっちこっち追っかけ回してくるわ、で到着早々生徒たちはびびりの極点。演劇部のメンバーでさえ、舞台よりどきどきする!などと顔面紅潮。列車の中の稽古でさえせりふかみかみのキヨミなんか、もう、目は虚ろ!顔色蒼白!!おい、本番一言もしゃべれないんじゃないか?

 

  ばりばりの緊張感の中で始まったプレゼン。置農『紅大豆本舗』は5番目の発表。これが幸いだったかな。だって、どこの学校もガチガチのドキドキ、原稿を読んでる学校も多い。棒読み、とちりもあったりして、これで俄然落ち着けたみたいだ。本番は、なんと初めてミスなしの発表ができた。

いやぁ!実に大したもんだ。だって、原稿渡したの4日前だからね。たった4日!!演劇部の生徒だからできることだ。おっと忘れちゃいけない『紅大豆本舗』の代表ショウキはバスケ部だった。演劇部二人の頂上テンションによく耐えて見事な演技だった。いろんな人から、ずいぶん稽古したんでしょ?いつ頃から練習したの?って問いかけられてメンバーたち、たった4日とも言えず、返答に困っていた。愉快、愉快。審査員の講評では、表現力は抜群って褒めてもらった。そうね、最初から最後まで笑顔浮かべて発表できたのってうちぐらいだったもの。

 

  この発表、今だから言うけど、ひやひやものだったんだ。だってね、プレゼンだってのに、完全にコント演っちまったんだから。農作業一人に押っつけるいじめみたいな設定したり、校長を色仕掛けで籠絡したりなんて場面もあるし、最後なんて、全国大会出場が決まったなんて落ちにしちまったんだもの。どう考えたってやりすぎだよね。さらに『どんどこ紅大豆』のCMソングまで歌って踊ったんだもの、そんなんありかぁぁぁ???って他校の人らはびっくり唖然!怒って当然!!そんなことばっかりやってるから、プレゼンの本旨たる活動内容の紹介の方はつけたしみたい。

 

 これはかなりの冒険だよね。まさしく賭けだ。

 

 でも、僕なりの計算がなかったわけじゃない。それはね、この選手権はNHKテレビが記録を放映することになってたこと。つまり絵として面白いものじゃなくちゃ勝てないんじゃないかって読んだんだ。去年までは全国大会決勝は料理対決だった。これはそれなりに絵になる。でも、今年は「笑顔プロジェクト」。どんな番組作るか、テレビとしては大変難しいところだ。そこに届いたのが、映像使用禁止!の発表基準。つまりスライドはダメよってこと。

 

 ははーん、なるほど!!こりゃ農業クラブのプロジェクト発表にしたくないってことなんだ。パフォーマンス求む!ってことなんだ、って思ったわけ。

 

 よーし、そんなら任せてよ!コントでしょ、コント!!メチャクチャ面白いの作っちゃおうよ。ならば、発表者も演劇部の出番だ。急遽発表メンバーを変更し『紅大豆本舗』内の演劇部メンバーで挑むってことにした。

 

 もう一つの賭は、事前に提出してあるレポートが審査に使われるのかどうか、ってこと。もし、プレゼンの一品料理で勝負なら、コントは勝てない。伝えられる情報極端に少なくなっちまうからね。フルコース料理とラーメンの勝負だよ。で、審査基準は、プレゼンと質疑応答だけで審査するってある。これにはかなり悩んだ。

 

 ここが賭け!ええい、負けてもともと。何がもともとだかわからんが、まっ、いいや。だって、審査基準がさっぱりわかんないんだから。多分、レポートも見るんじゃないか。予選と審査員同じなわけだし。

 

 これも当たりだった。審査資料覗いたら、ちゃーんとレポート綴じられていた。しめしめ!てことでロック優勝!読みが当たった。審査講評では、プレゼンで触れていない活動内容についてもしっかりと評価されていた。

 

 さて、全国大会!11月15日(日)東京。どうせだから、さらにさらに面白いもの演って全国の頂点に立ちまおうか。こんな形式になったてのもツキ以外のなにものでもないよなあ。

 おおい、メンバー諸君、今度は1週間は稽古日やるから、よろしくね!

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公演は元気の素

2009-09-25 21:58:04 | 教育

 あの衝撃の地区大会から5日、明日はまたまた食育子どもミュージカル『ごちそうさま!は秘密のタカラ』の公演だ。落ち込んでる暇なんてないぜ。ぶつくさ言ってなんていられない。なんせ、今回は新バージョン!一年生のデビュー公演なんだから。

 昨年同様、これまでのシーンの中に無理矢理新しいキャラクターをはめ込んで、6人分の役を作った。12人の一年生が二つのチームに分かれ、交代で出演する。せりふとしては、多い者で、10カ所くらい、少ない人は5~6カ所くらいってとこかな。でも、それぞれ歌もダンスもあるので、初キャストとしてはちょっと緊張!かな?定期公演や地区大会にも出ているから正確には初舞台じゃない。でも、今回はその他大勢じゃない。人形1とか群衆とかじゃなく、名前もちゃーんと付いてる役だから。

 今日は公演直前の通し稽古。

 そうそう、子どもミュージカルの場合、役作ったらかぶり物か着ぐるみ作んなねから、昨日、一昨日はそれでほとんど時間を費やしちまった。ごはんDE笑顔プロジェクト北海道東北大会の準備もあったしね。いやはや忙しいこと忙しいこと。ってことで、まともな稽古は昨日の部分稽古と今日の一回だけ。

 できんのか、これで?とっても心配だったけど、やってみたら、できるんだねぇ、これが!!せりふもほとんど抜けていない。新キャストの一年生もまあなんとか、役にはまりこめた。改めて、高校生は凄い!!!

 いつもながら感心しつつ見たんだけど、発見はそれだけじゃなかった。みんな楽しそうなんだよ。久しぶりに自分の居場所に戻って来たって感じ。以前の公演以上に自由に舞台をエンジョイしてる。地区大会で思う存分やり遂げて、自信ができたんだろうね。子どもミュージカルなら任せてよ!って感じで乗りに乗って演じていた。上級生ばかりじゃない。新キャストの一年生もいっぱいいっぱいながらも、大きな声張り上げて歌い踊りしていた。中には、いつ辞めるって言うか気が気じゃなかった生徒もいて、とってもいい笑顔でダンスを踊っていた。

 やっぱりねぇぇぇ、演劇部は公演なんだよ。舞台なんだよ。お客さんに接することなんだよ。これが何より元気の素なんだ。ファイト一発リポビタンDなんだよ。

 明日の公演は米沢西部小学校2年生の学年行事。保護者も含め140人ほどが観客だ。ニューバージョンの初日で、つまづくこともありそうだけど、総勢20人になったキャストの迫力は大きい。きっと元気な舞台になると思う。開演は14:00。さらに来週は10月2日(金)長井市長井小学校の公演と続く。

 

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コントでプレゼン

2009-09-23 21:49:01 | 教育

 今日はコントの指導をした。って言っても演劇部じゃない。おっと、部員も含まれてるけど。総合実習って奴で取り組んでる紅大豆新商品開発にからんでのことだ。

 川西町の特産品は紅大豆、これを高校生の手で加工食品にして、町に元気と笑顔を贈りたい、なんて大それたプロジェクトなんだ。この研究が農協中央会主催の「全国高校生対抗ごはんDE笑顔プロジェクト選手権」の北海道東北ブロック大会に出場することになっちまった。

 開発商品は紅大豆ヘルシーワッフル。川西産紅大豆をふんだんに使い、米粉やドライフルーツ、クルミなども地元食材を吟味してどうやらレシピ完成の域にまで達しつつある。小松夏祭りやくろべこ祭りで披露したりしながら普及活動なんかも展開中だ。これ自分で言うのもなんだけど、かなりいける。同時開発中のヘルシーばぁなんかすぐに商品化できるし、販売ルート作れたら、かなりのヒット商品になるんじゃないかな。

 さて、そのブロック大会だけど、これが6分間のプレゼンで全国大会出場チームを選抜するってことになっている。プレゼン?だったらパワーポイントでしょ、ってパワーポイントの即席ノウハウ本まで買って準備してたら、これか゛なんと、映像なしのプレゼンだって言うんだ。歌もOKコントもOK踊りもOK!だけど映像はNO!となればここは演劇部の出番でしょ。チームの中の演劇部員女2名と代表生徒男1名でコントをやることにした。

 コントって言ってもプレゼンだから、研究の経過や成果は盛り込まなくちゃいけない。農作業風景とか、試食販売の様子とかショートショートにして盛り込む。でも、こっちに引きずられるとおもろくない。コントだからね、ギャグも組み込まなくちゃ。それで制限時間6分!は短い、あまりに短い!!で、今日は台本を渡して余分な部分を刈り込んでぎりぎり6分した。

 歌(これはもちろん!どんどこ紅大豆だ)も入れ、ギャグも満載、会場爆笑請け合いの6分間。これがどう審査されるか不安はあるけど、まっ、いいでしょ、楽しくやって笑いとったらそれでいい、って腹を括った。

 大会は日曜日、岩手県花巻市で行われる。コントでプレゼン!前代未聞の愉快な経験ができそうだよ。

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『カムイ外伝』、効果なし!

2009-09-22 23:26:54 | 映画

 そう、夜からの”落ち込み”防止対策は、映画を見ることだった。

 久しぶりの映画で元気になろう!宮藤官のかっこいいせりふ聞いて、崔洋一の映画作り見て、よっしゃ俺もがんばっぺ!って気分盛り上げよう!そう、『カムイ外伝』だよ。

 白土三平の『カムイ』、『カムイ外伝』、『忍者武芸帳』って言ったら、僕らの世代にとっちゃ導きの書、思想の書だからね。見ないわけにはいかんでしょ。しかも、宮藤官に崔洋一だもの。

 で、見た。ありゃりゃ!出だしから、うん?!

 僕の映画評価法の一つに、タイトルロールまたは出だし5分で引きつけられないものはダメってのがあるんだけど、『カムイ外伝』まず、ここで?マークが二つ三つ。説明から入るかよ!観客馬鹿にしてねぇ?!でも、まっ、許そう、目をつぶろう。

 一生懸命CG駆使して忍者の決闘シーン。うーん、切れ味いまいち。でも、そんなことは目的に見てないから、いいよどうでも。荒海を漕ぎ渡る和船のCG、これもちゃちだったけど、うーん、負けちゃおう。

 でも、カムイが何故か漁村に居着いちゃうってのは、どうなの?僕のイメージとしては、つねに群れに属さず独居独行するのがカムイなんだけど。さらには、あまっちょろい恋のおまけ付き。

 カムイが何故かついて行ってしまう半兵衛なる漁師(ついて行く理由もカムイとしてはあり得ない気がする)も、ただ擬餌針を作りたいばっかりに藩主の馬を殺すって、ちょっとあの時代、あり得ない話でしょ。

 さらに、カムイと恋敵になった若者が半兵衛を役人に売って、しかも一緒に村に戻るってのもあまりに無知、あまりに恋い狂い。不自然だよ。

 磔獄門になりかかった半兵衛を抜け忍二人で救い出すのはいい、目指すはアクション映画だから。でも、ありえねぇーと叫んでしまうのは、逃亡先の島の住民がみんなして!半兵衛一家とカムイを暖かく迎え入れるってこと。白土三平だったら、こんな太平楽は書かない、絶対に。村人、庶民ってものは、時に信じられないほど勇猛で時にやりきれないほど臆病で、時に反権力的で時に権威にこびへつらう。そんな二律背反的存在なんだ。白土三平はそのことのすばらしさもやりきれなさも知っていた人だ。

 結局、この映画はカムイの魅力を骨なしにしちまったんだなぁ。あのほとんど表情を変えぬカムイの虚無をありきたりの人情活劇にしてしまった。甘っちょろげにせずに、もっと原作に忠実に描いたらよかったのに。若い観客におもねったのかなぁ。とっても残念だ。若い奴らなんて相手にせず、僕ら世代をターゲットに、厳しく重い抜け忍の世界を描けばよかったんじゃないか。それの方が、若い連中だってきっと心惹かれたと思うんだけどどうだろう。

 ってことで、『カムイ外伝』は”落ち込み”に効果なし。でも、こうやって好き勝手くさしたことで、ちょこっと元気になった。これも映画の効用ってもんかな。ごめんな、宮藤官、崔洋一、って僕なんか謝ってもなんの意味もないか。でも、次回は期待してるから。『GO』や『木更津キャッツアイ』みたいなすっげー奴書いてよな。『刑務所の中』とか『血と骨』みたいながーんと来る奴撮ってよな。

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