ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

冬の備えは万全だ!

2013-08-29 17:41:13 | 暮らし
 薪割りが終わった!いやぁぁぁぁ!かかった!かかった!!5月からだから足かけ3ヶ月の作業ってとだ。と言っても、途中、田植えと田の草の時期は手つかずだったから、実質は2ヶ月弱ってところかな。



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 こんな写真見たってなんのことかわからないとは思うけど、この広さにうずたかく積まれていたわけだよ、1間長さの丸太が!これをチェーンソーで5等分し、さらに斧で2~5割りにする。1本、1本だから。気の遠くなるような作業だ。で、これを見事!?やり遂げて、





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 こうなる。暖かい冬を手に入れた安堵感とともに、達成感、充実感がむくむくとわき上がってくるわけよ。ご苦労!ご苦労!愛用の薪割り斧と薪割り台よ!





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 苦労、苦痛、苦難を乗り越えて、ここまでやる理由は何か?そりゃまず、薪ストーブの心地よさだ。石油暖房のように、臭い、近くしか暖まらない、止めるとすーーっと冷える。こんな不快さがまるでないのが薪ストーブだ。揺れる炎を見ながらくつろげる、ってのも魅力だし、料理や湯沸かしだってお手の物だ。ストーブの中に突っ込んで直焼きするファインのソーセージのうまいこと!!!あっ、ファイン、知ってるよね。高畠は糠野目にある片平琢郎君の本格的ソーセージ店だ。知らない人は、要チェック!http://www.e86.jp/ 

 もっとも良いことずくめってわけでもない。薪の準備も大変な仕事だし、冬は寒さの中、外の薪置き場から薪を運ぶなんて重労働もある。もちろん、シーズン前には煙突掃除もね。と、難題は様々あるんだが、やはり薪ストーブの快適さの前にはなんのその!ってことなんだ。それと、限りある資源の石油を節約してるって満足感もちらっとあるし。

 でも、そればかりじゃないんだな。何というか、難しいけど、地に足が着いて暮らしてる安心感とでも言ったらいいのか、ゆとりのある暮らしとでも言えばいいのか。こうやって自分の力で冬の厳しさを乗り切れる満足感、それを与えてくれる木々の恵み、そんなことを感じつつ、過ごせるってことが、多分、一番大きいだと思う。

 もっとも、すでに30年にもなろうかって言う薪ストーブとのお付き合い、これもう当たり前過ぎて、止めるなんて選択肢はないんだけどね。





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やっぱ井上ひさしは凄い!『馬喰八十八伝』

2013-08-19 07:48:02 | 本と雑誌
 年金生活者となって、新刊本とはほぼ縁が切れた。台本書きの資料はアマゾンの中古書店で探し、時間つぶし本はブックオフ、ちょっとわびしいが、まっ、それが分相応ということだろう。だって、こっちだって中古品、賞味期限切れなわけだから。古本利用は出版業界や著者に痛手って部分もあるけど、これまで大量に新刊本買い続けてきたから、そろそろ勘弁してもらってもいいだろう。

 さて、今回ブックオフで手に入れたのは、横山秀夫『半落ち』、三崎亜紀『失われた町』、パトリシア・コードウェル『検屍官』、そして井上ひさしさんの『馬喰八十八伝』の四冊。共通項は、価格105円(消費税込み)ってことだ。もちろん、以前から気になっていた本達なので、えっ!いいのこの値段で!って驚きつつもありがたく買い求めてきた。

 で、井上さんの『馬喰八十八伝』だ。実はこんな本を書いているってことも知らなかった。だから、100円コーナーで見つけた時は、おっ!もうけっ!って気持ちと、はぁ、ちょっと二、三流の本なのかな?なんて失礼な感想を持ってしまった。本を開けば、週間朝日に連載したものだって書いてあるし、やっぱなぁ、気楽に書き流した評価の低い作品なんだぁ、なんて先入観を持って読み始めた。

 ところがどっこい!これがなかなか凄い!井上さんのエッセンスがぎっちり詰まった興味深い本だった。一気に引き込まれた。話しは、馬の種付けを生業とする若者が、なけなしの種牡馬をだまし取られた上に、訴え出た代官からは棒叩きの刑にされる。88回叩かれた時、一気に開き直って、己の得意技:嘘で世の中渡り通してやると決意、口から出任せの嘘で悪者たちを翻弄し、ついには領地の殿様とも対決するってなんとも痛快な嘘八百いや、嘘八十八!本だ。

 まず、この嘘が凄い!読み手にまったく先を読ませぬ奇想天外な秘策が次から次とあふれ出てくる。物語の面白さここにありと言う感じで読者を引きずり込む。30町歩もの田んぼに一枚の小判を埋めて、欲に駆られた悪党どもに全面掘り起こさせて、遅れていた田の粗起こしをさせるとか、簀巻きにされてあわや放り込まれんとした河童淵で、願掛けて飛び込めば盲目が治ると巧みに騙し窮地を脱するとか、まあまあ、よくぞこんな出任せを考えつくものだと、ほとほと感心ししてしまう。

 次に楽しいのが、井上さん特有の蘊蓄だ。嘘についての禅問答やら哲学談義、馬や馬捕らえに関する珍知識、など盛りだくさんだ。これが井上さんのちょっとうっとおしい部分でもあるのだけど、今回は何故か鼻面を引き回してもらって心地よかった。

 さらに、ストーリーの緻密さ。悪徳名主、代官、大泥棒、殿様との対決も、かみ合い、もつれ合い、絡み合いつつすべてがきっちり完結する見事さ、!これぞストーリーテラーの面目躍如だなぁ。それと、井上さんのスケベ心も満載!あまりにあけすけなのでエロなんか通り越して人間賛歌にさえ感じてしまう。

 そして、衝撃のラストシーン!なんて映画の売り口上みたいだが、これがなんとも凄い!なんせ主人公を含め100人近くが生き埋めの上のこぎり引きの刑で果てる!ってんだから。最期の最期まで、いや、なんとか得意の口先八丁で絶体絶命を逃れるんだよね、思いかげないハッピーエンド、用意されてるんだよね、ってほとんど祈る気持ちで読んで行ったが、・・・・井上さんのもう一つの顔がくっきりと顔を出している。痛め続けられる人々、負け続ける民衆。『十一匹のネコ』もそうだった。希望はない。苦心惨憺の果てに待ち受けるのは絶望!こんに闇を抱えつつ、抱腹絶倒の物語を紡ぎ続けたんだ、井上さん。





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やっぱ、女なんだぁ!

2013-08-10 23:08:33 | 劇評
 山形市の劇団「ノラ」の公演『フローズンビーチ』を見た。

 女ばかり4人だけのお芝居だった。そう言えば、前回見た劇団「風」の『絢爛とか・・』もそう。そして、4月に公演した菜の花座の『決められない!』も女4人だった。うーん、これは考えさせられる偶然だ。

 まず言えるのは、やっぱ元気なのは女だっ!ってことだ。世の中もそうだけど、アマチュア演劇の世界では圧倒的に女だ!もちろん、演劇部も確実に女性上位がどこの高校でも続いている。

 まっ、女の方がよっぽど文化的だってことだ。男はって言うと、甲子園や本田や亀田に夢中になるか、パチンコ行ってるかなんだから、まっ、勝負にならんよな。東京で劇場覗いたって、客席は、これはもう女の園だから。

 ただ、そんな舞台の女たちを演出とか言って、あれやこれや動かしてるのは、上の3つの劇団ともに男ってことをどう考えるか。女は表に出たがり、男は、そんな女たちを動かすことに隠微な喜びを感じてるってか?たしかに、舞台の流れやシーンを作るのは男=演出だ。でも、いざ、一通り枠組みができれば、後は女たちのやりたい放題ってことなんだな。今日の舞台もつくづくそれを感じた。ああだ、こうだ言ったって、舞台は所詮、役者のものよ。

 て、ことで、今日の4人もそれぞれに輝いていた。うまく、見た目も性格も違う4人が都合よくいたもんだと思った。まっ、若い役者ふんだんの「ノラ」だから、そんなこと当たり前かもしれないが。

 最初は、役者も観客も堅くて、ギャグや笑いの台詞も空振りが多かったけど、だんだんとケラの世界と台詞がホール全体にしみこんで行くのが感じられた。3っつの年月を役者も演出もよく表現していたと思う。衣装も水着やウィグなど使いながら、巧みに表していた。あえて言うなら、悪意が足りないかな。平気で他人を殺していく人物の凄まじい憎悪、そして、罪悪感がもっとちらちらと見え隠れすれば、良かった。

 それにしても、僕が「せりふの時代」で読んだ脚本は、たしか前半部分だけだったような気がして?休憩後のオームネタとか、切れた指がくっついちゃうとかの超常現象は、ちょっと引いてしまった。どうも付け足された後半部分は、説明的かつご都合的で、いらないかな?などと感じながら見ていた。前半部はとてもミステリアスで、緊張感があった。

 今回演出をした安部さんは、米沢中央高校演劇部の出身。僕と同時期、県大会を目指して競い合った人だ。彼は部員として、僕は顧問として。そんな彼が、謂わば客地の山形市で劇団を率いているってこと、とっても嬉しく感じた。これからもぜひ、若さを逆手にとって斬新な、僕なんか年寄りが、嫉妬するような作品を作って欲しいものだ。

 最期に、とても気になったこと。レコードのかけ方!いくらなんでも雑すぎないか?レコードの持ち方、針の降ろし方、あの時代の人間はもっと気を使ってたもんなんだけど。わーっつ!やめろ!レコード傷つく!針ダメになる!そんなんじゃ音でないっ!って悲鳴上げながら見ていた。それと、消えもの!「風」の時もそうなんだけど、どうしてビールやワイン、空なんだろ?空のグラスやビール瓶を飲むのって、演技力がいるんだ。実際、どの役者も飲めていなかった。水でも、ウーロン茶でもいいから中身入れた方が断然いいと思う。菜の花座なんか、ラーメンだって食わせたからね。もちろん、缶ビールもプルタブそのままにして中身変えたり。こういう何気ない仕草をいい加減にすると、他の演技もウソになってしまう。細かいところ、大切にした方がいいと思うな。

 ついでに、出入りが上手だけになってしまったのは残念だ。せめて玄関は下手に作りたかった。それと、二つの部屋、カーテンでなくドアでしきりたかったな。ベランダももう一工夫欲しかったかな?なんて人の舞台は好き勝手言えるわけです。


 

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技あり!二期生、上々の滑り出し

2013-08-07 22:53:10 | シニア演劇
 シニア二期生の本公演『ラ・グリンシャ クロニクル』の本読み、今日から本格的に始まった。一週間かけて手直しした台本は1時間を楽々越えて1時間20分の堂々たる大作になった。しかも、ミュージカル!!昨年の一期生公演『風渡る頃』とはまったく趣を異にしたファンタジー作品だ。

 舞台は中世ヨーロッパ?的な僻村。年寄りばかりがひっそりと肩寄せ合ってくらすムラに、売れない人形芝居師とその猫がやってきて盛り上がったり落ち込んだりと、のどかだけど忙しい風景が繰り広げられる。ストーリーの方はおいおいとチラ見してもらうとして、前回との大きな違いは、装置・衣装・道具すべて作り込むという点だ。

 一期生の時は初めてということもあり、まず芝居に集中してもらおうと、極力シンプルな舞台作りに徹したが、今回は二回目でもあるし、思い切り本格的な舞台作りに挑戦とした。さて、こんな一気にレベルアップしてしまって大丈夫なのか?もちろん、不安はある。でも、そこはそれ、結構僕なりの計算もしているわけだよ。

 今回こんな大それた企画に踏み出した大きな理由は、生徒の中にスタッフとしてのすぐれた技倆を持つ人たちが多かったからだ。例えば、大学時代、人形劇のサークルに入って全国各地を公演して歩いた人とか、世界各地を旅して歩いた人、ダンス大好きで振り付けができる人、小道具作りに才能と並々ならぬ意欲を持つ人とか、とにかく、この技を行かさない手はないよ、って状況なのだ。

 だから、今日の本読みでも、すでに装置や衣装のイメージやシーンのスケッチなんかを小冊子にして配ってくれたり、トランク2杯の異国風衣装を持ち込んでくれた人ななど、早くもその片鱗を見せてくれている。そうそう、欽ちゃんのモノマネ大賞に出るのが夢っていう人もいて、その人にはその夢を少し叶えてもらえる設定にしたら、なんと早くもそのかぶり物の奇抜なデザインを仕上げてくれていた。

 この能力の高さも素晴らしいものだが、それ以上にこの意欲だよ。台本が渡るやいなや、一週間後にはそれぞれが自分のスタッフとしての役割を果たそうとしっかり準備をしてくれていた。素晴らしい。

 盆明けからは稽古時間も長くなり、物作りの特別稽古日もどんどん設定されることになっている。ある意味、それって詐欺だよ!っていいたくなる状況だが、不満の一つも出ていない。ここまで来たら頑張んなくちゃ!って気持ちが行き渡ったってことだろう。プラザのシニア演劇は凄いことやる!って評判がこの公演で確実に根付くに違いない。一世一代の檜舞台だ。みんな悔いの残らぬ、それこそ冥途の土産になるような作品を作ろうよ。そして、お客さんは400人以上を集めようじゃないか!

 シニア演劇学校二期生公演『ラ・グリンシャ クロニクル』、11月24日(日)フレンドリープラザで本番だ。

 

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米作りはドラマだ!出穂!

2013-08-06 09:44:17 | 農業
 雨、多いよなぁ!いつになったら梅雨明けんだぁぁ!

 先週まで台本書いてた身としては、涼しいことは、ラッキー!だった。でも、米にはなぁ。穂出るんだろうか?いもち病じわじわっと出てきてるし。と、もやもやもやのこのところ、出ましたねぇ、出穂です。

 まずは黒米!

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 黒米ってわからないか?じゃあ、これ。








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 なんか普通の米と変わらない?手前の葉っぱが少し紫色してるでしょ。よく見ると穂の輪郭もやや色づいているんです。ほぼ6割方の出穂。茎葉も元気だし、この調子だといい米とれそうだ。

 心配なのは普通米。平年だと7月末には始まるのに、遅れることすでに1週間、心配だ!って気を揉んでいたけど、自然は偽らない!ようやくだけど確実に出穂が始まった。

 



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 残るはコシヒカリだけ。これも穂が茎の中を上がってきているのが見えるので、ここ数日中には穂が出るだろう。遅れたものの、まずは着実に実りの秋に向かっている。これで暑い夏がきてくれれば、豊作間違いなしだ。

 米作りは毎年毎年がドラマだ。出芽がそろわずどうなることかと思った春先だったが、少ない苗を丁寧に補植したお陰で、その後の成長は順調だ。苗半作!やっぱり苗が良ければ米はとれる!肥料をやや多くしたことも効果を発揮しているようだ。

 今年の違いは、何と言っても、除草に頑張れたってことだろう。除草機を3回押し、その後ユーホーでの株元除草に2回入った。すべて終わったのは7月末。ほぼ2ヶ月近い草との闘いだった。なのに田んぼは雑草だらけ。取るそばから出てきちゃ大きく成っていくから。

 それでも、勤務の傍らやっつけ仕事でやっていた昨年までとは大違い、足下の雑草など者ともせず逞しく育っている。これなら自信をもって販売できる米がとれそうな気がする。そう!今年の目標は、米販売農家になる!!なんだから。

 さて、水田の除草に追い回されてたお陰で、手抜きになったのが畑。大豆畑など草が大豆を覆うほどになってしまった。ここから除草ってのは本当に大変なんだ。四つんばいになって豆と草の間をじわりじわりと這い進む。暑いしね、泥だらけになるしね、草を引っこ抜くから指も痛むしね!だから、適期作業が大切なんだ、って怒ってみても後の祭り。1日3時間、6列ずつなんてノルマを決めてどうにかこうにか終わらせることができた。

 その後、管理機で土寄せした畑のすがすがしいこと。こんなささやかな達成感も農業の醍醐味の一つなんですねぇぇ。





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