遅れてる。絶対的に時間が足りない。
本番まで7日を切ったのに、まだ動きが付いていないって、大丈夫かよ?
マラソンで首都圏お泊り遠征なんてしてっからだよ。いやいや、1カ月前に一つ大きな公演こなしたからだ、って言い訳や理由付けは見苦しいぜ。
ここまでくれば、役者たちの潜在力を信じて突っ走るしかない。
経験の浅い素人の寄せ集めとは言っても、演技力も構成力もついてきて、時には演出が圧倒されることもままあるしな。まっ勝手に動かれて手を焼くって面もないわけじゃないが、これが劇団の成長ってもんだろう。
照明さんもずぶの素人からプランを一人で書けるようにもなってきた。会館スタッフとの打ち合わせでも、どんどん質問して作りたい照明の方法を引き出してる。これって頼もしいよな。
いつまでもあれこれすべて牛耳ってないで、団員に手分けてして舞台を作って行けばいいんだが、
譲れないものの一つ!音楽の選択ね。
暗転・転換の時に流す音楽、大切だぜ。曲しだいで舞台ががらっと変わっちまうもの。
その台本を熟知し、舞台の雰囲気を確実にキャッチし、シーンのつなぎを巧みに操作できる、そんな感性を持ち合わせてる人ってそうはいない。
まず、多彩な音楽に通じている必要があるんだが、それがかなり難しい。音楽がめちゃ好きって人でも、聞く音楽はその人の好みに偏ってて当然だからなぁ。日ごろから音作りに興味でもない限り、幅広く網羅的に音楽漁ってるなんて人いるもんじゃない。
まして、演劇に寄り添う音楽だ。
主張は必要だが、出過ぎてもいけない。歌は入ってもいいが、意味深なものじゃだめだし、リズムもすごく重要だ。楽器編成とかジャンルとかもとても気になる。
と、なると、人任せにはできない、いや、したくない。
音楽聞く耳には少しだが自信もあるし、これまで聞いて来た音楽の幅も広い。3/11を境に音楽から遠ざかってしまったが、それまでは車の運転中は常に音の中だった。都会に行けば必ず、10枚くらいは新しいCDを買い求めて来たものだった。
申訳ないけど、俺が選ぶから音楽。
で、今回の舞台は中編3本、『命の明日』にはK-POPのちょい傍流的?MAMAMOOとか、JEON SOMIなんかの曲を使うことにした。暗い内容の芝居だからこそ、K-POPのノリを採用だ。

最後の1本『一昨日の主役たち』は大衆演劇も登場するから、こちらはチンドンとかジンタを探して来た。前回『流れ旅 星の流れに』がジンタ風蒲田行進曲でラストを救われたことの再来を狙っている。
曲選びで役に立つのはSPOTOFYとITuneだ。次から次と検索しては音を聞き、気になる曲をプレイリストに上げて行って、その中から、相応しい曲を選択して行く。昔のように手持ちのCDから気になるものを引っ張り出して掛けまくるなんて手間は不要だ。
いい時代になったもんだぜ。