ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

前日ゲネ、結果は?

2015-05-31 07:33:41 | シニア演劇
 通し稽古が思いの外上手く行ったので、ちょっと安心してしまったのかなぁ?あるいは、自信持ちすぎ?昨夜の前日ゲネはボロボロのズタズタのグダグダだった。

 シニア演劇学校4期生が見学していたこともあったかもしれない。最初に一人二人が躓き、その不安がまたたくまに伝染して、途中急停止すること数回、不要な回り道や照明からはみ出ること多数。シニアの難問が浮き彫りになったゲネだった。

 一番の問題は、せりふが出てこなくなること。相手がちょっと飛ばしたり違ったせりふを言ったりすると、もうまったくお手上げ状態、今回は最長2ー分間に渡る沈黙が舞台を支配した。臨機応変の応用力のなさ、これは経験不足ってこともあるが、やはり頭が固くなっているシニアの泣き所だろう。

 次に、慢心という欠点も見られた。人生経験が豊富なだけ、なんとかなるさっという、よく言えば楽天的、悪く言うなら高く食った姿勢がちらっと見えて、それが失敗につながった。稽古不足は明白なのだから、こちらが照明に四苦八苦している間、みっちりねっちり稽古を続けて欲しかった。一度できたから、もう大丈夫!はシニアには絶対に禁物だ。安心の今、その直後にどでかい落とし穴が待ってるってことだ。

 ひとたび浮き足立つと、全体が落ち着きを失って、おもしろみも勢いもない舞台になってしまった。恐ろしい!シニアの芝居の持ち味、元気一杯と楽しくおおらかに!これを失うと、演技力の拙さがあからさまになってしまうということだ。



 残す挽回の機会はあと1回。午前中のゲネ!いやいや、その前後だってあるぞ。目一杯稽古を繰り返して、気持ちを高めて行こう。役者まかせにした僕の落ち度をせめて最終回に取り戻そう。照明はカナミが僕の失敗をカバーしつつ頑張って良い明かりを作ってくれた。舞台監督のナオミもあちこち走り回ってバックアップしてくれている。なを子さんも初挑戦の音響に戦々恐々となりながらもこなしてくれている。



 あとは、役者たち、徹底した集中力で会心の演技をしてやろうじゃないか。今日は2時、開演だ。今からでも間に合う。ゲネであれだけ失敗すれば本番はきっと良くなるから。
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初の通しが2日前なんて!

2015-05-30 07:31:51 | シニア演劇
 今更なんだよ、今更、遅い、遅れてるって言っても仕方ないんだ。自業自得ってもんだから。

 昨日、初の通しができた。正直、ぼろぼろのがたがたのずたずたで、悲惨な結果に終わるって思っていた。せりふは入っていない。動きは忘れてる。ダンスは反対に動く、昨日までの出来から言えば、結果は見るまでもない。

 経験を積んできているとは言っても、シニアはシニアだ。多くを望むのは無理なのか、ってかなり悲観的な見方に落ち込んでいた。夜見る夢だって、なんか知らんが、追われてる夢で、冷や汗の気持ち悪さに目が覚めたくらい。

 でも、ともかく通してみなくっちゃ!

 ところが、ぎっちゅんちょんのパイのパイのパイ!あっ、これ劇の中のせりふ、長~~~~く生きてる人なら伝わるもの、おい、進むじゃないか、ちゃんと出番間違えないじゃないか、って当たり前か。声も大きく、動きも堂々としている。前日のもたつきが嘘のような仕上がりだ。たまにせりふが出なかったり、飛んだりするのは、まっ、ご愛敬ってとこ。ラストシーンなど緊張した空気が張りつめて、伝えたいテーマがしっかりと届いてきた。

 よくやってくれてる。それぞれが自分の時間の中で、精一杯反復し、繰り返し、稽古してきたことがよくわかった。まだまだ、クライマックスのとりかえばやのシーンはおたおたしてぎこちないけれど、これも今日明日回を重ねれば生き生きとしたドタバタに仕上がってくるだろう。照明もバックアップしてくれるはずだし。

 気をよくして最後は、ばらしの稽古までしてしまった。仙台では30分で次の劇団の舞台を始めなくてはならない。てことは、ばらしに使える時間はその半分の15分、ただし、うちは10分長く芝居をしているので制限時間は5分!かなり頑張らないと次の団体に迷惑をかける。そこで、タイムはかりながらばらし、おお、懐かしい高校演劇の世界だよ。

 初の通しを終えて、ようやく芝居の全体像がくっきり浮かび上がってきた。図々しくも言っちゃうと、いい台本だよ!軽さの中に、今まさに国会審議中の話題の問題点がえぐられていて、見る人が見れば、こちらの意図はわかってもらえるな。多分笑いがとれると思うギャグシーンもそこそこあって、気軽に楽しみながら、見終われば満足って舞台になると思う。

 てことで、明日は、川西町フレンドリープラザ、来てくださいよ。午後2時開演だ。
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引き出しいっぱい!シニアなればこそ

2015-05-29 11:13:47 | シニア演劇
 菜の花プラザシニア団『とれかえばや もっか 13』本番まであと2日。一気にせっぱ詰まってきた。なんせ、一度も通していない。全国大会の照明基本仕込みが遅れたってこともあって、早急に照明さんと打ち合わせしながら通し小返しをした。

 シニアだからなぁ!ってため息の出ることも少なくはない。まずせりふの記憶がままならない。動きについてもすぐ忘れる。たまに見に来る菜の花若手の方が覚えてたりして。ダンスの振りも足に気が向けば手はお留守、手に注意を向ければ足がジタバタ。仕方ないって言えばそうなんだが、身体が硬くぎこちない。年上の僕がなまじ動けるものだから、尚のこと気になって仕方ない。シニアの短所を上げればきりはない、それは承知の上。

 シニアなればこそと感心することも少なくない。その一つは真面目なこと。開始時間にはほぼ全員がそろっている。人によっては1時間前から早出して自主トレしていたりする。やはり、社会をくぐり抜けてきただけに責任てものに対する姿勢が厳しいのだろう。若い人たちと違ってすでに退職していたり、仕事にもゆとりがあったりして、時間をたっぷり持っているからってこともあるだろう。

 今回、仕上げの段階にさしかかって驚いたのは、引き出しの多さってことだった。台本読みの時点では芝居の性格や狙い役柄を掴むのに苦労していたのに、ここにきて一気に役を自分のものにしてきている。宿題として預けてあった仕草なんかも、こちらがにんまりするような斬新なアイディアを考え出して来ていたり、せりふ回しも独自に工夫して新しい表現を見つけ出していたり、演出がほほーっ!と唸るような機会も多々出てきた。衣装や装身具なんかでも、どんどん提案して、役柄に相応しいようにアクセントを付けてくれている。



 人生経験の豊富さってことなんだろう。人間、5,60年生きてくれば、相当の体験を積んでいるはず。まして幼稚園や中学校の先生だったりすれば、舞台に役立つ知恵や工夫はいっぱい仕込まれているに違いない。何度か舞台を踏むことで、自分なりの思い入れやアイディアが役に立つってことに気付いたんだと思う。年取っている故の遠慮のなさ、自己主張の強さってものもあるから、任せれば、素晴らしい創意工夫で答えてくれる。心強いことこの上なし!

 でも、できれば、もう少し早くその域にまで行き着いて欲しかったなぁ。あと、アイディアすべて採用するとは限らないんで、そこんとこ、誤解のないように!
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菜の花座8月公演は『お遍路颪』その一

2015-05-28 10:43:00 | 演劇
 8月公演の台本がようやく上がった。いつもながらなかなか辛い作業だったけど、今回は特別苦しかった。

 タイトルは『お遍路颪』、秩父の34ケ寺を巡礼するお遍路に託して、秩父事件を題材に書いた。史実を対象にして書くのは初めて、それもたかだか百数十年前の出来事だ。当事者はともかく、3代前、4代前の縁者なら今も存命だ。事件に深い関心、愛着を感じている人たちも少なくない。事実にどこまで即し、どこまで自由に想像の翼を広げられるか、なかなか難しい課題だった。

 一般に知れ渡っている事実なら、ある意味楽な部分もある。少なくとも史実の概略は前提として省略できる。でも、秩父事件となると、聞いたこともないって人も少なくないはず。となると、事件そのものも伝えなくてはならない。演劇として歴史的事実を伝えるのは結構難しい作業なのだ、学者の講演会じゃないわけだから。しかも、事件の全容を伝えたり、その評価を表現するのが目的であるはずもない。その先の、事件を生きた人たちの苦しみ、恨み、憎しみ、寂しさ、誇り、様々な感情に分け入って、何かしら僕なりの新しいものを生み出さなくてはならない。

 かなり以前、そう、昔って言っていいほど前から、この題材で芝居を作りたいと思っていた。日本でもっとも革命らしい革命。パリコミューンにも比肩される民衆の蜂起と権力掌握。それが、秩父の山深い地で呻吟していた貧困民を担い手として勃発したのだ。彼らは秩父困民党を名乗り、革命軍と称して、町場の高利貸しを焼き討ちし、官庁を占拠し、わずか三日間ではあったが、大宮郷(今の秩父市)を自由自治の地として解放したのだった。明治17年11月1日、彼らは自由自治元年とその日を呼んだ。名主層や自由党員に率いられた困民軍は、緊急に派遣された憲兵師団や近衛師団の最新軍事力の前にもろくも粉砕され、首謀者の多くは死刑、その他懲役刑や罰金刑に苦しむ者多数を生み出し、地域からも日本の歴史からも、長い間、歴史の闇に葬られて行った。

 と、ブログの記事でさえ、概略説明が必要なわけだ。もちろん、彼ら困民党に依った人たちの意気や志にも深い感動を覚える。でも、それなら、数々の関連著作に、もう十分に書き表されている。僕が書くとしてたら、一時の熱気や歓喜の後に来た苦難の時間だろう。中でも、残された妻や母、女たちの生き様は、複雑に絡み合い屈折して、生きることの辛さ、苦しさ、それらを乗り越える尊厳を教えてくれるように思うのだ。

 だから、登場人物は一人を除き、全員女だ。そのただ一人の男も女性が演じる。女たち10人で、秩父事件を伝え、事件の中で呻吟した女たちの苦闘を語らせたいと思っている。
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頭の体操、照明プラン

2015-05-27 11:15:20 | シニア演劇
 シニア演劇全国大会の照明基本仕込みプランがやっと届いた。いや、責めるつもりはないよ、こっちだって遅かったんだから。ぎりぎりになって一気にやっつける仕事って、上手くないんだけど、嫌いじゃない。切羽詰まらないと面と向かえないのが、僕の質なんだ。

 ただ、今回はちょっと焦った。だって、プレ公演まであと4日だもの。フレンドリープラザの会館スタッフにも照明関係の資料は渡せていなかった。そりゃそうだ、全国大会の予行演習って意味が強いプレ公演なわけだから。

 ああ、度胸付けね、知らない人なら軽ぅぅく思うだろうが、違うんだなぁ、これが。舞台装置や照明が上手く行くよう事前チェックしなけりゃならないんだ。特に照明ね。全編通してほとんどん色が変わらないって芝居なら、1回リハーサルしておけば、それで済むだろうが、今回はちょっとばっかし、凝ってしまったんでね、本番手作業はまず無理!となると、記憶装置の力を借りてシーン毎明かりを追っていくことになる。

 その記憶装置が問題なんだ。なぜって、プラザと仙台の青少年ホールじゃ装置がまるで違うからなんだ。1本のサスペンションライトに吊れる回路数、プラザ12に対して仙台18、これ一つとっても違い過ぎる。しかも、大会の方は、高校演劇と同じように、間30分の交代時間で次々と劇団が上演していく。しかも、事前のリハーサルはわずかに1時間半!こうなると、仙台に乗り込む前に、やれるだけのことはやっておかなくちゃ、ってことなんだ。

 で、頭悩ませたのが、大会照明担当が作ってくれた基本仕込みを、プラザの舞台にどう合わせるかってことだ。同じような明かりが作れればいいってもんじゃない。まず、基本仕込みをベースにしてそのうちこちらで使えるものをピックアップし、使用できないもの、要らないものは、名目だけ残して実際には灯体を吊らないとか、フェーダーの番号を移すとか、実にややこしい。こうして同期しておかないと、せっかくプレ公演で作った明かりが、データとして意味をなさなくなってしまう。



 2カ所のホールで同じものを演じる、それも、他の劇団と連続で、他の劇団にも配慮しながら。プランを作った人も大変だったろうが、こちらの照明さんも頭抱えてる。今回は、カナミが照明デビュー、初挑戦でこんなやっかいな仕事と向き合わせるなんて、ちょっと酷だったかな。でも、これ乗り切れば、一気に基本から応用までたどり着ける。スタッフ手薄の菜の花座としては、どうしても頑張って欲しいところなんだなぁ。でも、役者でもあるしなぁ、とは言え、スタッフも必要だし、でも、・・・・
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