ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

特別稽古が始まった!

2008-05-31 21:43:26 | 演劇

 ついに、一週間前だよ定期公演『キル』。やっと、照明プランを仕上げて今日フレンドリープラザとの打ち合わせが終わった。

 なのに!せりふが入っていない!なのに!衣装が出来ていない!なのに!ファッションシーンが完成していない!なのに!動きが決まっていない!なのに!小道具できてない!なのに!装置未だに作ってる!なのに!なのに!なのに!・・・・・・・・

 だから!昨日から特別稽古に入った。土日は朝から晩まで一日中。平日は夜9時までの稽古延長だ。さて、それでも、果たしてどこまで行けるものやら?なんて、僕が不安を口にしちゃいけない。これまでもいつも、ぎりぎりのところで大逆転を決めてきた置農演劇部なんだ。今回だって、きっと、成功する!絶対に、上手く行く!!大丈夫最高の舞台に仕上がる!!!まずは、信じるところから始めよう。

 こんなやたらな稽古しなくて済めば、それに超したことはない。何より保護者には大きな迷惑だからね。だって、晩酌だってできないじゃないか。でも、このめちゃくちゃな公演前特訓、これが、意外と効くんだよ。たかが一週間足らず、数時間の延長がなんになる?って疑問に思う人もいるかもしれないが、この一週間の追い込みで、舞台は一気にそれらしくなってくるものなんだ。もちろん、役者もぐぐっとレベルアップする。部員の連帯感も強固になる。

 どうしてだろう?それは、多分、切迫感ってものが生み出す力なんだと思う。謂わば、火事場のくそ力ってやつ。日常生活を犠牲にして、何から何まで芝居に集中することが、異様な高揚感を生み出す。それに、連日の稽古の疲れがたまりにたまって、精神のバランスが狂ってくると、日頃怠けていた神経や頭脳や肉体が極度に張りつめて、思っても見ないような演技を引っ張り出すんだ。一種のお祭り効果とも言えるかな。一体感、高揚感、飛翔感。

 9時まで稽古、家に帰れば寝る間も惜しんでせりふの暗記、授業中に出れば教科書の下には台本広げ、いやいや、台本しか出さねえって奴だっているな。もう、100パーセント演劇漬け!こんなことしても、誰一人体調を崩す部員がいないっていうことも、人間てものの不思議な力だ。こつこつやるのも大切だが、羽目を外して一気に突っ走るってのも、重要だ。

さあ、あと4日間、この特別稽古を無事乗り越えられたら、絶対、素晴らしい舞台にたどり着ける。だから、頑張ろう!って、気合い入れなくちゃならないのは、実は僕なんだけどね。

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ミシンが主役!

2008-05-28 21:32:02 | 演劇

 置農演劇部定期公演『キル』いよいよあと一週間!どこまでできるでしょうかね?なんて、他人事じゃないんだから。

 今日は、この芝居の主役をお借りしに行ってきた。何の話だ?って、『キル』の主役って言ったら当然!ミシンでしょう。それも、今時の白いなめらかお肌の電動ミシンじゃない。あの黒光りする足踏みミシンだ。あのなんとも言えないくびれた胴体、大きな弾み車、足踏みの板。そうそう、ぞくぞくするだろう?あれがなくちゃこの芝居成り立たないんだ。なんせ、モンゴル草原の洋服屋テムジンだから。本当は、10台くらいずらっと並べて一斉にカタカタと動かしたかったんだ。でも、そりゃ無理ってもんだよ、もはや骨董品だからね。

 八方手を尽くし、ようやく2台手に入れることができた。なんて、苦労したのは僕じゃない。本校家庭科のO先生だ。地区内のすべての高校の家庭科の先生に連絡をとり、N高校にかろうじて一台保存されてることを突き止めてくれた。その情報の伝達力たるや凄いものだった。それを今日、お借りしてきたってわけだ。

 なんと、昭和32年に備品になったと記入されていた。おいおい、僕が10歳の時の話だよ。まさしくお値打ち品だ。あと、もう一台は、灯台元暗し、なんと置農の農業資料館に保管されていた。往年の農機具と一緒に集められていたんだ。いやー、たいしたもんだ。収集に精を出してくれたS先生の偉大さを改めて実感した。もちろん、軽やかに当たりを付けてくださったO先生にも感謝だ。

 さて、このミシン、ともかく、出る!活躍する!もしかすると、主役のテムジンより舞台に出ているかもしれない。かと言って、出ずぱっりというわけではない。出たりはけたり、やたら忙しい。なので、下に台車を付けることにした。つまり玉座に乗って颯爽と登場ってことだ。さらに、平台の上にも上がる。照明に浮き出たと思えば、シルエットで浮かび上がったりと、どう見ても、主役だ。このほれぼれするような存在感と、最新型のミシンで量産された衣装の数々、これだけ見てくれても、見に来る甲斐はあると思うんだけど、・・・それって公演の宣伝になってないよ。ごめん、役者の皆さん!

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『最高の人生の見つけ方』を見つけた!

2008-05-26 19:13:05 | 映画

 『最高の人生の見つけ方』を見た。どこでって、なんと大阪=梅田はピカデリー!夕方からちょっとした用事があって、新大阪到着が14:10。うむ?ちと早すぎた。3時間、どう過ごす?いつもなら、ネットで予め調べて用意周到、分単位でスケジュール立てて行くのだけど、今回は、忙しさにかまけてついうっかり、まったく準備なし。さあ、どうする。

 携帯使い慣れてる人なら、携帯で検索して、ってことになるんだろうけど、こちらは、とほほの携帯初心者だから、仕方ない!まず駅構内の書店で関西版ピアを買う。美術展を覗くか、映画を見るか、うーん、なんせ、大阪なんて初めてだから、いいもの見つけたって会場までたどり着けるかどうか?時間はどんどん過ぎて行くし、内心かなり焦りながら、ページを繰る。ページを眺めつつ、大阪行きの電車を待つ。新大阪-大阪間ってあっと言う間だったんだ、知らなかった。どうしようどうしよう!もう、時間ないし、大阪=梅田で映画しかない!で、今から間に合うものは?それも、面白そうなものは?あった!『最高の人生の見つけ方』。ジャックニコルソンとモーガンフリーマン!これなら後で悔やむことない。

 でも、間に合うか?上映開始時間は2時40分だ。梅田について2時30分。あと10分!ええーっ、どう行きゃいいの?って言うより、駅をどっちに出ればいいんだ?案内板を見る。うーん、よくわかないが、こっちだろう、歩いてる人多いからと、なんとか口に向かう。駅前に飛び出して、さあ、どっちだ?やたら雑然としていて道路の向こうに渡る方法さえわからない。たしかに、道路のあっち側なんだが、当たりを付けて歩き出す。もう、ほとんど駆け足。おっ、案内所。飛びこんで聞く。よかった!方向性に間違いなし。でも、地下道を行くんだってことが判明。懇切丁寧な説明に半ばいらいらしながら、礼を言って階段を駆け下る。えーっと、左方向まっすぐ行って泉の広場たらの出口から上がったところと、あった!!でも、すでに時間は2時45分。映画館は満員、ほとんど最後一枚だった。一番前の一番端に席があった。普段だったら絶対座らない座席だ。おお!なんと滑り込み。ぴたっと、本編が始まった。

 さて、『最高の人生の見つけ方』だ。よかったねぇ!まず、最高に近い。何って、せりふだよ、ほんと、洒落てるんだ。ガンで余命1年以内と宣告されたまったく境遇の異なる老人二人が、やり残したことを一つ一つやり遂げながら、自分に取ってもっとも大切なものを見つけて行くってお話なんだ。つまり棺桶リスト(The Buchet List)。これが原題。いつものことながら、邦題ってやつは、どうしてこうも説明的で薄っぺらなんだろう。タイトルで内容をわかりやすくする必要ってあるんだろうか?今みたいに情報が行き渡っている時代に。まっ、それはさておき、この設定そのものは、よくあるパターンだ。人間を信頼しない大金持ちと貧しいが愛情豊かな家族に囲まれた修理工、って対比もありふれてるって言えばありふれてる。

 ただ、その二人の動かし方とか、人物の細かな設定とか、ぐっとくるせりふとか、ああ、こういうのがウェルメイドなシナリオって言うんだ、と、いたく感激した。こんな小憎らしいせりふのやりとりを書いてみたいとつくづく感じた。こんな上手に組み合わされたストーリーを作って行かなくちゃって本当!感じた。ハリウッドの映画ってこの辺伝統的に巧みだ。もう、やりとりを聞いているだけで、うーん、憎いよ!憎い!って嫉妬してしまうもの。でも、こういうせりふの応酬って、我々がやったら、きざで、わざとらしくて、上滑りしたものになっちまうんだよね。どうしてだろう?やっぱり文化の違いなんだろうね。欧米では洒落た小話の一つもできないと、相手にされないみたいだけど、日本人の笑いってどうも、そういう洒落た言葉とは違うところに有るみたいだ。これは、いつかしっかり考えてみないといけない問題だ。

 なんか、批評的に冷静に見ていたように書いてきたけど、実は、もう、涙ぼろぼろだったんだ。二人の演技が実にいい、二人の表情が素晴らしい。そして、僕もそろそろそういう歳になってきてるってことが、何と言っても、身につまされたってことだ。こういうテーマもいつか書くことになるんだろうな。いや、熟年劇団やるなら、これでしょ、当然。

 

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『雲雀 はばたきて』いよいよスタートです!

2008-05-18 21:26:09 | 演劇

 文翔館創作劇場10月公演『雲雀 はばたきて』の打ち合わせが完了した。いよいよ、10月12日の公演に向けて正式スタートだ。

 打ち合わせでの議論は、今回、思い切った試み、センター舞台をどう作るかに集中した。そう!客席の真ん中に舞台を作ってしまおう、って目論見なんですよ。さらにそこから既設の演壇にまで平台をつなげて、二つの舞台どちらも使ってやろうって考え、どうです?不敵でしょう。

 でも、これやるといろんな問題が出てくる。例えば、センター舞台と前の演壇の間に設置された客席はどちらに向けるのかとか、その客席への入場や休憩の際入退場はどうするかとか、果たしてそんなかぶりつきに入る人がいるのかとか、センター舞台の高さとか、袖の作り方とか、まあ、出るは出るは、難問の続出だった。

 中でも、一番の問題は、客席が大きく削られてしまうってこと。そりゃそうでしょ、客席のど真ん中に2間半の幅で舞台を作ってしまうんだから。それでなくても、200~300程度しか入れない文翔館旧県会議場ホールだからね。うーん、どうしよう?ったって、仕方ないんだよ、もう、これで行くって決めてしまったんだから。で、解決法としては、大胆に桟敷席を設けるってこと。つまり、床に座布団敷いて座っていただくってことだ。これだと、椅子を入れるより、ぎゅーっと詰められる。こうすれば、多分、200くらいの客席を準備できるんじゃないだろうかってことになた。それにしても少ない。200って、いつもの菜の花座の観客動員数だかね。このくらい、あっという間に埋まってしまうだろう。

 となると、これは、プラチナチケットだよ!1000円のチケットが数倍に値上がりするかもしれない?ダフ屋だって出るかも?なーんて、あり得ないあり得ない!菜の花座で半分以上売らなければならないんだ。置賜のお客さんが、果たして山形市まで来てくれるか?知名度ゼロの菜の花座、座席が少なくなって、良かったってことになるだろうね。

 ともかく、二つの舞台を上手く使い分けられたと思う、台本の段階では。最後のシーンなんて、その二つをつないで、主役二人がせりふを投げ掛け合うんだから。お客さんにはあっち向いたりこっち向いたりと、かなり苦労をかけるけれど、見ていただく価値は十分にあると思う。ちょっと早いけど、10月12日午後2時開演、山形市文翔館議場ホールだから。ぜひ、計画に入れておいてくださいね。

 

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衣装の多さに、ご勘弁!

2008-05-14 21:34:40 | 演劇

 野田秀樹の『キル』だよ、定期公演。いや、とんでもない台本を選んじまったもんだ。

 何が非道いって、衣装の多いこと多いこと。もうすでに1ヶ月近く作り続けているってのに、未だに終わらない。て言うか、どこまで出来たのかも定かでない。

 今日だって、生徒に追求されたもの。

 この茶色い布、何作るんですか?こっちの紫の不織布はなんですか?

 待て、ええーっと、それは、確か、青い狼一族のファッションショーかな?いや、違った、最後の戦いのシーンのものだ。

 それは、こっちじゃないんですか?

 えっ!あっ、そうそう、それだ。じゃあ、これは、うーーん、もしかして予備かも?

 先生分かってないんですか?

 いや、だからさ、まず、始めの方から作っていって、もし、足りなかったこの布使うとか、・・・もう、完全にしどろもどろ。お手上げ、音上げ、万歳三唱状態。

 ともかく、毎日台本読みながら、ああ、ここの衣装はこんな感じかな。そうか、じゃあ買って来なくっちゃ。先生、羊の布足りません。分かった買ってくる。結髪の処刑の時の衣装は?絹のファッションショーは?村人の衣装は?カルダン一族のファッションショーは?兵士はなに着るんですか?人形に着せる型紙は?もう!いったいどれだけ作りゃいいんだ!

 それに、大布だよ。プロローグもエピローグも舞台全体を覆う大布が登場するんだ。舞台全体だよ、7間×5間だよ。しかも色違い。なんか、ミシン掛けしてるだけで、この芝居終わってしまいそうだ。

 さらに、松明つけろだとか、型紙を燃やせだとか、できねえよ、高校生の舞台じゃあ、スタッフさんが許してくれっこねえだろ。って、やけぱちで、当たり散らしちまう。ともかく、とんでもない芝居を始めちまったもんだと、ほとほと思う。

 でも、もう、やるっきゃない!布代で、予算すべてぶっとんじまおうと、学校のミシン数十台壊してしまおうと、ミシンがけで時間取られて稽古できなかろうと、宣伝に手が回らず、お客がさっぱり入らなかろうと、もう、もう、やるっきゃない!!

 さあ、皆さん、とてつもない芝居です。演技はともかく、作った衣装の数々、その工夫だけでも見に来てください。いやいや、使った布の多さだけかもしれない。それでもきっと、価値はあると思う。そう、高校生がここまでやったのかって!

 置農演劇部第9回定期公演『キル』作:野田秀樹、6月7日(土)川西町フレンドリープラザ午後1時半と6時の二回公演だよーー!

 

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