ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

コント台本『夢芝居』公開

2009-07-30 20:47:06 | 演劇

 まだ公演していないんで、今から公開するのはちょっと気が引けるけど、まっ、いいでしょ。この台本、お年寄り対象の歌謡ショーの一こまとして制作中のもの。だから主役はお年寄り。陪審員制度と振り込め詐欺を題材として扱った。演出は思い切って誇張した動きで仕上げている。受けるかどうか、それはやってみないとね。

 ちなみにこのタイトル『夢芝居』は歌謡ショー全体のタイトルで、コントの内容にはふさわしくない。なんせこの舞台、演歌舞踊が中心なのでね。

 そうそう、以前書いた僕のコントを山形短期大学の演劇部が取り上げてくれるって話だ。どんな風に演じてくれるのか、楽しみだね。

その一『閻魔庁陪審員

  源爺さん

  おくり婆さん

  予審官

  源爺さんの中学時代

  いかつい同級生

  同級生おけいちゃん

  同級生おゆうちゃん

源爺さんの家の居間。爺さん、おくり婆さんを伴って帰ってくる。

源     まっまあ、上がって一服してくこんだ。

おくり   ほんじゃまず、おめのほら話、よばれっことにすっか。

源     なんだことほら話たあ!おらの話しは、なーんもかも本当だ。ウソっ気なんざこれっぽっちもねえぞ。

おくり   まっ、毛がねえなは本当だ。

          と、源爺さんの頭をなぜる。

源     こら、やめろ!禿んでねえか!

おくり   もう、とっくに禿ったべ。

源     違う!ここさ一本、あれっ?あれっ?ねえ!今朝まであった最後の一本がねえ。おめえ、・・・!

おくり   ありゃ、こんなとこに、

          と、袖口に絡まった一本の髪の毛を引き抜いて掲げる。

源     ああっ!ああーっ!最後の一本を!!おめえ!!!とうとう、つる禿にしちまいやがって!

おくり   大げさな。なにや、こがな綿くずみてなもん!

          と、つまんだ髪の毛を吹き飛ばす。

源     あっ、こら、何すんなだ!ああー・・・。

          と、床を夢中で探し回る。おくり、知らんぷりでお茶を入れて飲む。

源     あーあ、こんじぇ、おらの青春も終わった。

          おくり、お茶を源さんの顔に吹き出す。

おくり   爺が何言ってっこと。

源     うっせー。

おくり   はい、お茶。おめのつる禿、50年も前からだした。

源     ほがなことあるわけあんめっち。ついこねえだまで黒々しったたもんだ。

おくり   ほだんかぁぁ!

源     おめえ、知らねえべ。おらがどんだけ持てたか。

おくり   ほれほれ始まった。源助爺のほら話。

源     学校生徒の時なんか、一度きに2人から好きだ!って告白さっちゃもんだ。

おくり   ほうほう、そんで、

源     いや、ほだからよ、女学校生徒2人が不良に絡まちぇたのよ。

おくり   ほうーー!

源     そんで、おらが不良に一発かまして、助けてやったなよ。したら、女学校生徒、素敵ぃぃぃぃってな、

          予審官入ってくる。

予審官  あのぉぉぉ、源助さんのお宅はこちらでですかぁぁぁぁ?

源     ああ、ほだぜ。・・あんただれや?

予審官  いやぁぁぁぁ、歩きましたぁぁ。こんな険しい道、地獄にだってありませんよぉぉぉぉ。

源     何が地獄だ。それよか、おめえ何もんだ?

予審官  ああ、申し遅れました。私、閻魔庁から派遣された者です。

源     なに?えんがちょ?

予審官   えんがちょ?!いえ、閻魔庁!

源     按摩しょう、おっほだか、肩でも揉んでもらうべ。

予審官   違いますぅぅぅぅ。閻魔!え・ん・ま・!!

源     なんだと!?とんまだぁぁぁぁぁ?おらとんまだって言うなか?

予審官  とんでもない!!言ってませんよ、そんなこと。閻魔って言ったんですよ。え・ん・ま。

源     けんま。

予審官  えんま。

源     たんま。

予審官  たんまなし!えんま。

源     えんまん。

予審官  えんま。

源     あんまん。

予審官  食べたい。ち、違います!閻魔様の閻魔です。

おくり   閻魔様って、あの地獄の閻魔様だか?

予審官  そうです。地獄の裁判官、閻魔大王様!

源     閻魔大王だぁぁぁぁ?そがなもんいるわけねえべ?

おくり   源さん!そがなこと言ったらバチ当たるよ!

源     バチ?まかせとけ、おらバチなんざいっくら刺さっちぇも屁とも思わね。

おくり   そのバチと違うこで。もう、わかんね!

源     わかってっこで。閻魔大王だべ。あのべろべろとした着物きて、大って書かっちゃ冠被って、しゃもじの細長げえの持った、

予審官  あ、いえいえ、今はそんな格好していません。地獄社会も近代化が進みましたから。大王様もスーツ姿です。

おくり   閻魔様がスーツ!似合わねえぇぇぇ。

予審官  「愛されてるね、地獄!」「一度は行きたい地獄巡り!」これが私どものモットーでございますから。

源・おくり 行きちゃくね!

予審官  まあまあ、で、地獄近代化の目玉といたしまして、この度、陪審員制度を設けることになりました。

源・おくり 陪審員制度?

予審官  はいっ!陪審員制度。これまでの大王様お一人の判定では、様々冤罪事件なども発生いたしたということもあり、

源     冤罪事件!

予審官  はーい!先日明らかになった事例では、小さなウソでベロを引っこ抜かれたため、重大事件について申し開きもならず、60年間も血の池地獄で溺れ続けた者が、ぬれぎぬだったことがわかりました。

おくり   もごせえこと!

予審官  はーい!助け出された時は、体中から血が吹き出し、一週間も止まりませんでしたね。お陰で血の池がもひとつできたほどでした。

おくり   うおっ!

源     そんじぇ、その陪審員制度がなして、ここさいるわけだ?

予審官  はーい!陪審員になっていただく方を探して歩いております。

源     ちゅうことは、おらがその候補ちゅうわけか?

予審官  はーい!

おくり   わっはっはっは、わっはっはっは、

源     おめ、なして笑うなや?ちゅうよりその笑い声、なんとかなんねか?

おくり   ほだて、可笑しいべした。このほら吹き爺さんが、陪審員だなんて!なんかの間違えでねえな?

予審官  いいえ、確かにこちらの源助さんです。厳正なる抽選の結果選ばれた候補者のお一人です。

源     なんだこと、抽選かい。

おくり   ほだべなぁぁ。

予審官  全国のお年寄りから、800人を選びました。

源     なしてや800人て。

予審官  嘘800!

源     なるほど!って、だじゃれかい?

予審官  で、私ども予審官の仕事は、候補者の方が本当に陪審員にふさわしいかどうかを審査することでございます。

おくり   あっ、そんなん無駄無駄!ダメに決まってる。

源     うっせー!婆すっこんでろ!よし、ほんじゃまあ、やってもらうべ、その審査たらいうなを。なにすんなや?

予審官  はーい!簡単なことです。あなたの過去をちょこっと覗かせていただくだけのことですちょこっと。日頃あなたがおっしゃってることが本当かどうか。

源     おもしぇぇ!覗いてもらうべ。

予審官  はーい!ご協力ありがとうございます。それでは、先ほどお話になっていた女学生を助けたという件でいかがでしょう。

源     えっ!あれかぁぁ・・・

予審官  何か不都合でもごさ゛いますか?

おくり   ほら、白状しちまうこんだ。

源     うっせー!よし、見にいくべ。

          と、女学生のおけいちゃんに追われるように、中学生の源さん出てくる。

源     おっと、あれがおらかい?いやあ、若けえなあ。

おくり   ちびだなえ、それにぷよぷよして。

源     めんごいべした。

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着物で稽古

2009-07-27 20:59:28 | 演劇

 うーん、誘惑に負けた!このブログの基本ルール、安易に画像に頼らない!今回も破ってしまいそう。このところビジュアルの魔の手に捉えられること、多いなぁ。

 今日は、演歌舞踊の稽古時の写真だ。そう、着物着て踊ったんだよ。どう?見たいでしょ?!部員たちみなかっこいいんだから。馬子にも衣装ってやつだよね。だれが馬子やねん?!やっぱり演歌舞踊は着物着ないとね。

Rimg0316

 これは『夢芝居』を踊る三人。華やかでしょ。これでさらに髪結って花まで付けるんだって。最近の若い娘たちはなんか汚れた感じのファッションが多いけど、こういうきらびやかなものってやっぱり似合うよね。若さだもの。

Rimg0306

 次は『津軽海峡冬景色』のメンバー。これ浴衣着てるけど、本番はもっと色あでやかなものになる。二人分足りなかったので、さっき帰りにオーディンに寄って仕入れてきた。着物4着、帯5本でしめて4920円!偉い!オーディン!!この調子で洋服も前みたいに安くしてくれ。

 最後は『男の情話』。これは男踊りを女がやる。これがなかなかいいんだよ。女が男を演じる魅力ってたしかにある。宝塚がずっと人気を保っている理由、わかる気がする。男よりよっぽと、男を美しく表現できるんだ。

Rimg0328

 おっといけねえ、男どもを忘れてた。入れなくちゃ、・・・・って思ってファイル探してみたら、なんと撮ってなかったよ。あははは、ごめん!やっぱりなぁ、男はなぁ。あっ、でもかっこいいよ、君たちも。なんて、今更遅いか。

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先輩がうらやむ部活動

2009-07-26 09:16:27 | 教育

 置農演劇部には卒業生がよく来る。まあ、どこの部活でも同じかもしれないけど。数年前なんか、途中で止めた部員までちょくちょく顔を出していた。

 昨日も今年卒業の3人が顔を出してくれた。一人は首都圏から、今帰ってきました、と駆けつけてきた。本当に懐かしいんだね。2時過ぎに来て、結局6時に終了するまでずっと見ていた。最後には一緒に踊ったりして。それも新曲だよ。今日初めて聞いた曲、初めて見たふりだって言うのに。きっと去年までの楽しく充実していた部活を思い出していたんだろうね。

 で、その卒業生が、最後に言った言葉。今までにない楽しいことやってて、うらやましい。そう、演歌舞踊の踊りの稽古日だったんだ。先生がいらして、曲ごと分かれて練習をしていた。演歌を踊るなんて、今年が初の試みだからね、卒業生はびっくりしたと思う。と同時に、うわっ!楽しそう!!感じたんだろうね。

 卒業生が、新しい活動をうらやましがるのって、今回ばかりじゃない。10年前くらいにミュージカル始めた時にも、なんで私たちの時やってくれなかったんですか!ってきついダメだしを食らった。今年の定期公演でも、こんなのやりたかったよぉぉ!って恨みがましく僕を見つめていた。

 で、そんな卒業生の恨み節を聞くたびに、思うわけだ。ごめんな、力不足で!でも、活動は年々進化するものなんだ、仕方ないだろ、ってね。毎年新しいことができる、年々、それまでを超えた活動を作り出せる、これ、とても大切なことなんだと思う。演劇部は、他の部活と違って、公演の演目が変わるので、毎年の変化が出る。その年年の思い出も作れる。でも、それだけに安住しないで、もっともっと奇抜な、斬新なアイデアを繰り出して、部員たちにとてつもない体験させてやれるんじゃないか。

 ミュージカル、ダンス、子どもミュージカル公演、演歌ショー、部員が教えるワークショップ、アフリカンドラムワークショップ、ジャズ音楽祭出演、東京公演、・・・やれることは数限りないと思う。問題は、柔軟なアイディアと猪突猛進の行動力だろうね。って、これ部活動指導の顧問の先生に読んでもらいたいんだけど、見る人いるかねぇ。

 

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『きき耳族の少女』再び

2009-07-25 08:45:59 | 演劇

 今年の大会作品は『きき耳族の少女』。10年ほど前に菜の花座で上演した作品の再演になる。と、言っても登場人物などかなり変わっている。部員に合わせて新しい役もたくさん作ったからね。それにしても、とうとうネタ切れか?うーん、それもあるかな。

 でも、大きな理由は、定期公演『LOST SEVEN』なんだ。あれ楽しかったからね。部員たちも生き生きと跳び回っていたし、こんなわくわくするファンタジーを大会にぶつけてみたいって思ったんだ。高校演劇であまりお目にかかれない分野だからね。およそ等身大じゃないし、およそ現実的でないし、ギャグものってわけでもない。でも、入り組んだストーリーに身を任せる心地よさは絶対の魅力だもの。そんな世界が舞台に再現できるってことを、見せてやろうじゃないの!ってちょっと気負った気持ちもある。

 それと、せっかく作った衣装や道具もかなりの力作だったから、あれ一度で廃棄ってのも寂しいもの。もちろん金もかかってる。そう、ドレスだけでも7着、それ以外すべて含めると30着近くあるかな?あんなの高校生が作ったってこと、他校の部員たちに見せてやりたいんだ。衣装を作るなんて考えたこともない演劇部、少なくないみたいだから。装置も紗幕や階段や塔の作り物などもなかなかいい。これももう一度日の目を見せてやりたい。

 こんな使い回しが効くてのは、旧作『きき耳族の少女』の舞台設定が『LOST SEVEN』にほぼ重なるってことからなんだ。偶然なんだけど、なんか運命的?って感じだね。森が出てくるだろ、宮殿の場がある、宮殿前広場がある。時代が中世で舞台がヨーロッパ?ってのも同じ。ここまでくりゃ、やらないわけに行かないでしょ。

 菜の花座の公演も好評ではあったんだけど、一回しかやれなかったし、やや寄せ集め的なキャスティングで納得できない部分もあったんだ。そうそう、結局役者足りなくて僕まで出てしまったからね。ありゃいかん!その点、今度の舞台の方が、手持ちのキャストに合わせて書き直しができるから、きっといいものにリメイクできると思う。部員たちのエネルギーも煮えたぎってるてるしね。

 と、言うことで、さあ、そろそろ脚本書きにかからないと。

 

 

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男、『柔』を踊ります!

2009-07-22 22:03:26 | 地域文化

 町内高山小学校の公演、さすがに、今回は締まった舞台だった。一昨日、米沢市六郷で大失敗してるからね、僕もかなり気を遣って注意したし、それ以上に部員たちが緊張感もって臨んだ結果だろうね。まずはよかった。観客の方は、なんせ小学生少ないのでねえ、広い体育館に数十人てのは、ちょっと寂しかったかな。でも子どもたちはとっても良い笑顔で反応してくれていた。終わった後も、積み込みする部員たちに向かって何度も何度もさよならを繰り返してくれたしね、いい思い出になった公演だった。

 学校に戻ったのが、4時過ぎ。4時半からは演歌舞踊の高橋先生がござって、踊りの稽古。今日は、前回の『夢芝居』の続きと『柔』を教わった。そう!そうなんだ!!男たちの番だよ。初めて踊る日舞、どうかな?って心配したんだけど、結構、様になっていて、へへぇぇぇ、なるほどねぇ、とちょっと感心した。やっばり日本人なんだな、およそ昔風の暮らしとは縁のなさそうな高校生なのに、和風の形や仕草をさっさとまねていた。それと、誰一人として、詰まらなそうにしてる者がいなかったのも、へへぇぇぇ!だったね。

 女子は、着付けの黒澤先生に全員和服を着せてもらって、これまた、大満足。『夢芝居』を踊る三人なんて、振り袖着せてもらって、学校中見せびらかして歩いていた。こうやって、演劇部でいることの幸せを積み重ねて行くんだよね。それじゃあ、男たちの凛々しい決め姿を特別公開!着物着たら、もっと格好よくなるぜ、絶対!!

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