ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

美味い酒請負人

2015-11-30 08:39:05 | シニア演劇

 前日の危機的状況、からくも突破した。時に行き詰まること数回、台詞をぶっ飛ばすことかなり、他の役者が台詞を代替えすること数知れず、舞台裏をばらせば、冷や汗ものの公演だったが、まずは、観客の皆さんにはそこそこ面白いお芝居と好意的に見ていただけたようだ。

 人生初の晴れ舞台、思ってもみなかったスポットライトを浴び、お客さんの暖かい手拍子、拍手に包まれて、ともかく1時間40分を演じ通せた満足感、シニア4期生メンバーにとっては、感激!感動!嬉しさ大爆発の素晴らしい体験だった。おそらく一生の宝物になるだろう。

 直前までとことん苦しんだ。頭真っ白病の蔓延に、メンバーはみなパニック状態、前日のゲネなど、ラストシーンで1ページ近くもすっ飛ばして、ストーリーが繋がらない有様だったから、さすがに開演前の休憩時間も全員が必死の形相で台本とにらめっこしていた。とりわけ重篤な一人には、シニア1期生の先輩がつきっきりでお相手して、台詞の注入に頑張った。お助け役の事務局役者など、他のメンバーが詰まる台詞きっかけをすべて手のひら書き込んで本番に備えていたほどだった。

 そんな薄氷を踏み、綱渡りしてやり遂げた舞台だっただけに、公演後の打ち上げは目一杯盛り上がった。それぞれが苦労を語り、苦心惨憺を白状し、緊張しながらも、役者を存分に楽しめたことを感激の面持ちで話してくれた。わずか一年前には考えもしなかった演劇世界、そこに広がっていた目も眩むような別世界に、みんな魅せられ、引き寄せられて、何人かは来春からの菜の花座入団の決意を語ってくれた。

 初舞台を踏むシニアたち、彼らに達成感を思う存分味わわせる、それが講師たる僕の仕事、僕の力量。今回もその難事を無事成し遂げることができた。感激に熱く語り合い、美酒を傾けあうシニアたちを横に見ながら、一人ノンアルワインを美味しくいただくことができた。そんな深い充足感を与えてくれたシニア4期生の役者たち、裏方としてサポートしてくれた菜の花座メンバーたち、感謝だな。

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スリルとサスペンスの通し稽古

2015-11-28 22:43:58 | シニア演劇

 こんな通しは、もう二度とごめんだ!はらはらドキドキ、イライラがっくり!

 なんせ、所用時間の半分は、台詞に詰まって立ち往生の時間!あるいは、間違えて繰り返したり、行きつ戻りつするロスタイム!あるんだなぁ、こんなことが!頭真っ白ってヤツだ。それも一人二人じゃない。一人の行き詰まりが瞬く間に伝染し、次々と役者たちの脳と心臓を冒していった。お助け役の事務局役者Gもほとんど唖然と見つめるだけの惨状!真っ白病の発症者は、頭は抱える、目頭は押さえる、立ってその場にいるのがやっとという有様だった。

 たしかになぁ、もっともっと通しをやって上げていれば良かった。これはこちらの落ち度だ。まさかここまで台詞が抜け落ちるとは思いもよらなかった。だって、事前の稽古じゃすらすらとはいかなくても、ます゛はなんとか繋がっていんだから。入ってるな、って思って、さらに演技の質を高めることを目指した。それが誤りだったってことか。棒読みでも、ぎこちない動きでも、そこは目をつぶって台詞の暗記を重点にすべきだったのかみしれない。でも、後の祭りだ。

 2時間を超えた通し、終わった時は、役者の半数は顔面蒼白!残り半分は苦虫噛みの渋い表情。僕としは、もう笑うしかなかった。せいぜい明るく笑い飛ばして、気持ちを切り変えらせることだけを心がけた。多分、台詞は入っているんだ、ただ、初の体験で脳細胞が一斉ストライキ状態に突入してしまったってことなんだ。だから、やる気を奮い起こさせるより、リラックス、軽く笑い飛ばすことの方が大切なんだ。って思ってはいても、あちらも不安、こっちも心配、さて、夜のゲネはどうなるのか?

 人間って、本当に不思議な生き物だ。あんなに立ち止まり行き詰まっていた人たちが、すらすらと台詞を話し、役をこなしたじゃないか!やっぱりな、入っていたんだよ。ただ、急性真っ白病に襲われただけだったんだ。まだ、全員が完璧にできたってことじゃない。人によってはお助けマンに台詞を食われ、どうにかこうにかストーリーが繋がったシーンも多々あった。よく聞けば、変なやりとりもそこらじゅうだった。

 でも、ともかく、一つの舞台として、成り立った。下手ではあっても、危うくはあって、最後までたどり着けた。これでいい、今日のところは。この行き着けたとの自信が、明日の最後のゲネ、さらには本番で生きてきくるはずだ。

 さあ、本日29日、14時開演だ。『シェアハウス ブルース』でスリルとサスペンスを味わおう。

 

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走る女性は美しい!

2015-11-27 15:42:39 | ランニング

 なぜだろう?マラソン大会に集う女性はみな美しい。

 いやいや、まじまじと見つめれば、美人とか麗人ばかりってわけではない、おっと、失礼!でも、彼女たちの溌剌とした美しさにはいつも心打たれている。一つは、日頃から鍛えているからってことだろう。鍛え続ければ、身体ばかりか顔だって引き締まった凛々しさを湛えるものだ。ヤバっ!メタボ、ちっと走って無駄肉減らすか、なんて恥も外聞もないおっさんたちのような存在はほとんど見られない。

 しかも、彼女たちは、十分に見られることを意識している。今時のウエアの華やかさはどうだ!スコート、ランパン、色とりどりのウエアに身を包み、それぞれが装いを競い合っているかのようだ。いや、かのようではない、ぜったい見せびらかせている。ねえねえ、私を見て、見て!この点も、夕涼みついでに大会出てみた的な男たちとか、それ超昔の部活ジャージだろ的な爺さんたちとは、雲泥の差だ。

 だから、大会ともなれば、ついふらふらと、麗しき女性たちのそばでスタートを待っていたりする。できれば、ずっと並んで走りたいところだが、あっという間に置いていかれたり、逆にいくらなんでもそんなスローペースには付き合えんと、結局は一人旅になるわけだが、時折、抜きつ抜かれつする女性ランナーには、大いに励まされている。

 ジムのマシーン走行だって同じことだ。いやいや、こちらはスピードが違ってたって、ずっと隣り合って走り続けられる。これは張り切るよ。ただ、ここらのジムは老人のケアハウスまがいだから、本格的に走っている女性は数人に過ぎない。いや、男を含めたところで両の手の指で事足りるほどでしかいないのだ。

 で、今日はその数少ない女性ランナーと隣り合わせることとなった。すっぴんの素顔が、美しい!ジムながら、本格的にウエアをまとった姿が凛々しい!おおーっ、こりゃ!しゃきっとせねば!しゃきっとね。彼女が来る前は、明日からのゲネプロ、本番を前にして、軽めに7分/km、せいぜい6分30秒/kmで流そうって思っていた。ところがだ、走り始めるや否や、軽々とこちらのペースを越えていくじゃないか。こ、こ、これはいかん!たとえ爺と言えども、ランナーの意地を見せねば示しがつかぬ!とこっちもスピードアップ。ところが、ところが、彼女はさらにペースを上げて、なんと5分40秒のペース!お、おい、ちょっと速過ぎじゃないか、オーバーペース、オーバーペース!なんて思いつつも、仕方ない、こっちは5分30秒に!速い速い!マシーンの5分30秒ペースは飛ぶかのようだ。どうやらこの時点で、ペースの張り合いには勝利したが、すぐにペースダウンってわけにはいかない。うーん、辛い!苦しいぞ!いつまで走るんだ、お隣さん!

 8kmを越えるあたりで、ようやく彼女はマシーンを降りて別のトレーニングへ。やれやれ!とは言っても、お隣がいなくなったからって、即座にペースダウンなんて、そりゃあまりに下心見え見えじゃないか。こっちだって自尊心てもんがあらぁな、ってことで頑張り通し、目標の10kmを走破してしまった。しかも予期せぬハイペースで!

 と、まあ、ランニングにおける女性の美しさは、かくも男たちの、あ、僕だけか、やる気を燃え立たせ、ぎりぎりの踏ん張りを引き出すものなのだ。

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紗幕吊りだって、講習だから!

2015-11-27 09:35:38 | シニア演劇

 シニア4期生公演『シェアハウス ブルース』の話しがしつこく続く。後3日、だものね、宣伝しなくっちゃ。

 先日の仕込みは異例だった。スタッフさんとの打ち合わせが、なんとその日の仕込み直前、てことは、打ち合わせが終わってすぐに仕込み、こんなのあり得ないよなぁ、他のホールでは。これまで数限りなくここで公演打ってきたからできることだ。そう、信頼関係ってやつだ。こちもホールの事情はわかっている。どこまでが許されて、どこからは手を出せないか、十分に心得ている。スタッフの方も、こちらのやり方はほぼ理解してるし、何より、任せる部分は任せても問題ないと思っている。なんせ、ホールのある部分に関しては、僕の方が詳しい部分だって少なくないんだ。

 例えば、今回台上に敷いたグレーパンチ、その半端もんがどんだけあるかなんて、スタッフは把握していない。2階の隠し部屋?にどんな装置類がしまわれているかってことだって、こちらの方がよく把握している。そんな有様だから、お互い信じ合い、尊重し、理解しあって仕事している。

 今回も、手薄な当方を心配して、空いた時間に紗幕のつり込みをやっておこうか、とありがたい提案をもらった。一瞬、お願いします、と出掛かったが、そこはやはり演劇学校、紗幕のつり込みだって授業だから、自分たちでさせてもらいます、とお断りした。

 さて、仕込み、自分たちで、と胸張れたのには理由がある。シニア演劇学校の卒業生を中心にした菜の花座のメンバーが手伝ってくれることになっていたからなんだ。たかだか数年前に演劇の道に入った彼らだけど、次から次と舞台を踏んで、各種仕込み作業も手慣れたものだ。初めての経験に戸惑う4期生をリードして、黒パンチを舞台全面に敷き込み、

紗幕を吊り、立て込んだ装置の上をグレーパンチできれいに覆い、吊り物の千代紙パネルもさっさとつり込んでくれた。

 演劇学校創設から4年、確実に地域の演劇力は高まっている。劇団が核になって、高校演劇部、シニアをバックアップする体制が出来上がりつつある。シニア演劇学校は、シニアの元気を掘り起こすこと以上の大きな成果を上げつつあるってことなんだよ。

 

 

 

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本番まであと4日!シニア4期生『シェアハウス ブルース』

2015-11-26 10:35:44 | シニア演劇

 やはりシニアだなぁ!思いかげないことが矢継ぎ早だ。歳も歳だから、身近な人たちの不幸も頻発、食欲不振で流動食たよりなんて人、覚えても覚えても台詞が抜けてい人、50肩で腕が上がらない人、次から次と難題だ。

 でも、ぜったい上手くいくって確信は変わらない。楽観的と言われようと、能天気と言われようと、僕が作る舞台は上手くいく!どうだい、この自信!別に気負ってるわけでも、無理矢理思い込まそうとしてるわけでもない。これまでの経験だ。メンバーの意欲が衰えない限り舞台は成功するもんなんだ。もちろん、質の問題はあるわけだけど。

 1週間前、早くも舞台を仕込むことができた。プラザの舞台を使う催しが、我々の舞台本番までないってことで許可してもらった。プラザ主催行事の強みだね。これからずっと、装置も道具もすべて本番そのままに使って稽古ができる。照明や音響も使えればなおいいが、そこまで欲張っては、罰が当たるってもんだ。ボーダーの明かり(作業灯)で十分、この舞台で稽古を積み重ねられれば、本番の不安も遠のくはず。

 今回の実験、千代紙パネル、うーん、設置した感じは今イチか?でも、装置って舞台照明入れてみて初めて輝くものだから、前日の明かり作りで際だつよう工夫するしかない。少なくともベタの明かりで見るよりははるかにましになることだろう。

 鏡先生に来ていただいて、ダンスの稽古も進んでいる、が、どうしても芝居中心になりがちだ。そりゃそうだ、演劇学校だもの。いつものことながら、もう少し時間があったらなぁ!

 ないものねだりにうつつを抜かしてる場合じゃない。残された時間、ぎりぎりいっぱい、できることをやりきることだ。きっと、上手くいく!ぜったい、面白くなる!必ず笑いが取れる!間違いなく、じんわりとさせられる!どこまでも、お気楽に信じて、さあ、今夜も稽古だぜえ!

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