素晴らしい出来だった。
あっ、ネタバレありなので、まずはドラマを見てから読んでくれ。
前回の生き残りゲームを勝ち伸びた主人公が、手にした莫大な賞金に目もくれず、悪徳組織の壊滅に乗り出す。
ちょっと無理筋じゃねえか?命拾って金も得て、さらに地獄のゲームに飛び込むなんて、って、まぁ、滑り出しは引くはな。
でもまっ、そこんとこはお約束として見逃せば、後は様々驚きの仕掛けが準備されてた。
中でも、斬新なのは、1ゲーム終了ごとに、生き残った者たちに離脱のチャンスを与えること。ただし、多数決で、ゲームオーバー決定がされればって条件付き。
危険と賞金増額とのぎりぎりの選択、参加者一人一人の迷いと決断や、双方の争奪合戦、いがみ合いなど新しい見物の一つなってた、なんてことは誰もが書くことだろ。
赤と青の2チームに分かれての惨殺ゲームの恐ろしさ、人間の業の凄まじさ、これも喉元の匕首当てられる気分だったが、これも誰もが触れることだろう。
脱北女性の陰のある活躍姿もPart1同様に惹きつけられた。
脱北者の存在って暗くやり切れないドラマだよな。自由と豊かな暮らしを夢見て命賭けて逃げて来たのに、たどり着いた同胞の国・韓国は蔑視と排除で冷たく迎える、この構図の理不尽さ。なんか、人間とか社会ってものの、辛い本質を垣間見せているような気がする。「日本人ファースト」を掲げた参政党が大勝ちする一部日本人の歪んだ心性にも通じるものがある。
おっと、書きたいことはそこじゃない。
終盤に近付くにつれ、このドラマの主張がとてもくっきりとしかも見事に描き出されて行くんだ。
だれが生き延びるべきなのか?
醜い策略で次々に競争相手を蹴落としてきた金の亡者の中年男か?
期せずして己の赤子と生存を張り合うことになった若者か?
若い母親と赤子の生還を主人公に託した老婆か?
殺戮の真っ只中を生き延びつつ、赤子を出産した若い母親か?
一人、欲得まみれの競争者から離れも自己に課した使命を全うしようとする主人公か?
最終ステージ、断崖ゲーム!これが心理ゲームとして凄まじい。憎々しいルール設定によって、次々に予想外の者が生き残り、喜びもつかの間、さらに過酷なゲームで、一人減り、二人減りして、
ついには赤子を抱いた主人公と赤子の父親との死闘が繰り広げられ、主人公と赤子が生き延びる。ここまで頑張って来た主人公だ、この熾烈なケームを切り抜けて当然だよ、見る者みんな期待してるし、疑わないさ。
が、
非情なルールが待ち受けていた!
ラストの断崖ステージに残れるのは、一人だけ!
えっ、赤ん坊も数に入れるのか!?それないでしょ!いや、当然か、乳児だって人間なんだから。
これまで必死に守って来た老婆や母親との約束をかなぐり捨てて赤子を投げ落とし、自分が生き残る道を選ぶのか?
あるいは・・・
母親や老婆とともに、赤子の命を守り通し、自ら死を選ぶのか?
緊迫の時間!究極の決断は?
崖から身を躍らせる主人公!
ゲームをすべて勝ち抜き最後まで到達したのは、
赤子だった!
これがまさに、この作品に託されたメッセージなのだ。
生き延びるべき、赤子!
未来に踏み出す、赤子!
老婆も、いやその前に命を投げたした女性志望のトランスジェンダー青年も、母親も、そして、主人公の男も、自らの命を捧げて、小さな生命を守り通したのだ。
新しく芽生えた命を、大切に次の世に送り出そう、そのために全力を傾けようじゃないか!現実が、環境が厳しいものであればあるほど、大人たちはその使命から逃れてはならない。
君たちはそんな勇気と実行力を持ち合わせているか?
決断の瞬間にためらうことはないか?
そんな過酷な覚悟を問いかけてこのドラマは幕を閉じる。
大人たちの無私の行いによって救われた小さな生命は、なんと、この悪逆非道のゲームを企画指揮した男によって、新しい一歩を踏み出すことになる。
道を大きく誤った男の再起の一歩とともに。
すべては赤子のために!
子どもたちにすべてを託そう!
果たして、俺は・・・