ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

塩水選 米作り2016スタート!

2016-04-05 08:53:07 | 農業

 例年だと、渋々、嫌々、仕方なく、作業に入る。軒下にはまだ雪がもっさり、冷たい風もぴーぷー、あーあ、とうとうその季節がやってきてしまったか!あと1週間、ストーブの前でトロトロしていたいもんだが、先の予定を思えばそうも行かず、冬眠にゆるみ切った心と体と頭を振り起す、それが塩水選の日の恒例だ。

 でも、今年は違う。まるっきり違う。雪がない!冷たい風も吹かない!日差しは暖かい!しかも、すでに農作業は始めている!ここまで好条件が揃えば、外に飛び出すのも苦にならない。神さんがいない今年はすべてを一人でせねばならない、としてもだ。まっ、これまでだって、ほとんど独力で済ませてきた仕事、やってやれないことはない。

 朝のうちに塩水選用ブラ容器に水を張る。お日様の熱で少しでも温水に近づけられれば、溶かしこむ塩も簡単に溶解するはずだ。午前中は、ブログ書きやらまき運びやら部屋の片づけやらなんやかんややって、午後からいよいよ作業開始。

 大量に使う塩はもちろんお安い公社塩、数日前からちゃーんと買い込んである。町中のスーパーでいかにも季節商品風に積み明けられていた。さすが農業地帯だよな、スーパーの店員さんもわかってらっしゃる。大きなブラ桶なので、放り込む塩の量も半端じゃない。4~5キロは溶かし込む。よくよくかき混ぜて溶けきったら比重計で比重を図り、最初はモチ米、次にもう少し比重を上げてうるち米を選り分ける。実入りの悪い籾や病気に罹ったものは浮いてくるので、それを網で掬い取る。昨年は水口で青立ち同然の稲もあったので、大量に浮かぶものと諦めていたヒトメボレも、思いの外の実入りの良さで、必要な量をたっぷりと確保できた。

 以前は几帳面に、沈んだ籾は一粒残らず取り込んだりしていたが、最近はかなり適当、必要量さえ確保できれば後はいいや、どうせ余りは鶏の餌になるわけだし。専業農家では塩水選を行わないってところもあるようだし、多少、不良籾が混ざったって気にしない、気にしない。

 取り分けた優良籾、今度は温湯殺菌だ。60度の温水に5分間浸して、表面についている有害菌を殺す。以前は無農薬栽培を率先する農家の篤農技術だったが、今じゃ省農薬米作りでもこの方法採用しているようで、テレビでも大規模にやっている農協の様子が紹介されていた。そのあと、水漬けして芽を出して農家に配られるって言ってたから、もはや当たり前の技術になってるんだなぁ。こうやって、異端だった無農薬栽培がありきたりの栽培へと進化していってるわけだ。

 せいぜい30キロ程度しか準備しない我が家では、ガス台に据えた寸胴が殺菌装置だ。火を強めたり弱めたり、時にはガスを止めたりしながら、60度前後を保つ。これも58度から63度くらいまでかなり大雑把だ。そんな程度のいい加減さで十分だってこと、もう長くやってきて知ってるからね。ただ、3キロ程度ずつ1袋1袋やっていかなくちゃならないのが、なんとも退屈な作業なんだなぁ。温度管理があるから常についていなくちゃならない。が、やることはガス栓を加減するだけのこと。5分たったら引き上げて冷水に漬けて急冷する。

 テレビを覗きながら、繰り返すこと10数回、ようやくすべて完了。あとは、水漬け用の容器に入れて水漬けする。種まきまでの20日ほど冷たい水をたっぷり吸いこみ発芽に備えてくれるわけだ。

 米作り2016、いよいよスタート!まずは順調に滑り出した。今日の作業時間は塩水選2時間、温湯殺菌1時間、計3時間だった。なんで、時間書き込むかって?今年は、米作りに費やす労働時間きっちり調べておきたいと思ってね。我が家の米の労働価値はどんだけのものか、興味あるじゃないか。忘れなきゃいいけど、どうも途中でほったらかしになりそうな気もする。まっ、始まりはいつだって新鮮、意欲満員なもんさ。

 

 

コメント
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