ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

今時の読書案内

2025-03-09 10:14:25 | 本と雑誌
なに読んだらいいんだよ?
誰か、面白い本、薦めてくれぇぇ!

読書サークルとか、入りゃいいじゃねえか、って、ダメダメ、お付き合いての辛い人だから。劇団活動だけでもうお腹いっぱい、ゆとりなし。
ジムだってもう10年以上通ってるけど、言葉かわすどころか会釈する人だって数人、いるかいないか、って人間嫌い。
もう面倒、人付き合いは!

そんなんでよく台本書けるなぁ、って?
なっ、だからさぁ、情報集めは最重要なのさ。最近はSNS、中でもXとか役に立ってるけど、やはりまとまった知識となると、本だよな。

台本書きの参考本なら、アマゾンでそれっぽい単語打ち込んで検索かけるってのが手っ取り早い。次回6月公演のために「ふるさと納税」関連本、数冊買い込んだみたいにな。

ただ、いざ勝負!の前に、もっと興味関心の守備範囲を広げておかにゃならんだろ、雑読、乱読、拾い読みで。
うわっ、おもしろそう!とか、うーん、なんか引っかかるなぁとか、来たぞ、来たぞピンと来た!とか、先々役立つかどうかなんて関わりなく、心が動いたものを見つけたいって思うのさ。
ってぇか、心の感度を磨いておきたいってことかな、って、ちょっと格好つけ過ぎ!!

部屋から出ず、人付き合いもせずに、ときめきの情報、ひらめきの話題を手に入れるにはどうしたらいい?

以前は、新聞の読書欄と論壇時評とかが役に立ってた、が、ここ数年、あっち側が変わったのか、こっちが違う方見るようになったのか?さっぱり、要チェック本が上がってこなくなった。どうも、すれ違いが起きてるみたいだが、まっ、これでいいのだ!と割り切っておこう。

で、その穴を埋めてくれてるのが、ユーチューブ動画の幾つかのサイトなんだよな。
何度も書いてるが、エアーリボルーションとか、マイノリティレポートとか、韓国通信とか。それと、それらから刺激得て購入した本。
例えば、
藤原辰史がゲストの回で興味持った『分解の哲学』、



生産や成長と同様に分解や腐敗の大切さを、時に積み木に、時にカレル・チャペックのSFに、時にバタ屋の生き方に、さらには金継ぎの技に、・・・と縦横無尽に解き明かす見事さ、読み応えある、ってことはちょっと難しい?本だった。
その藤原が著書の中で薦めてくれたのが、『園芸家の一年』だったりする。

奥泉光もエアリボのゲストで、そうか、山形の作家なのにまったく読んでなかったって、さっそく古本購入の『石の来歴』と政治学者加藤陽子との対談『この国の戦争』も買い、そこから、山本七平の『一下級将校の見た帝国陸軍』往年の名著ってことで、これまた即購入。



って具合に、本が本を呼び、それがまた、新しい関心分野を広げていくってねずみ講みたいな仕組みで興味関心本が増えて行ってる。
で、このほとんどが積読本になって、デスクの横で威圧を与えているってのが今の状況なんだな。

気楽に読書を続けていられりゃいいんだが、すでに3月、台本書きの時期、それが終われば農作業、この未読のつけを払い終わることなんてんないだろう。
って、言ってる間にまたまたご新規さんが続々なんだから、もう、まったく!

求む!回転の速い頭脳、速読力。
願う!集中力の回復。


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『帝国の慰安婦』著者の勇気に驚き!

2025-02-19 10:48:51 | 本と雑誌
凄いなぁ、こんな本書いたなんて、勇気あるなぁ!

『帝国の慰安婦』朴・裕河、朝日文庫



そりゃ韓国でつるし上げくうよな。元慰安婦の名誉を棄損したって裁判所に訴えられた。ってことは、韓国内の多くの人たちから指弾されて来たってことだぜ。

元慰安婦やその支援団体からは激しく叩かれたけど、決して日本の慰安婦否定派に阿る内容じゅない。
学者としての信念のもと冷静かつ丁寧に、慰安婦の実態を解き明かして行った本なんだ。

実態はどうだったのか?

日本軍による関与は当然あったが、韓国側支援者や世論に広まっているような、強権的な拉致、強姦、監禁、ではなかった。女性たちの徴集に大きな役割を果たしたのは、民間の仲介業者で、貧しくふるさと以外に生きる道を求めた女性たちを仕事、給与待遇などを騙して連れ去り、強引に売春に従事させた場合が多かった。
その女衒とも言うべき業者にはら日本人もいたし朝鮮人もいた。その営業形態も、旅館の一室から戸外の掘っ建て小屋、時には日本軍が準備した施設など多様であった。時には、部隊とともに移動し、その兵士たちの性処理を担わされたことから、近年従軍慰安婦と呼ばれることにもなったが、あくまで、女性たちのとりまとめ、慰安所の運営は民間の仲介者が勤めたものだった。
暴力を伴う性加害もあったが、多くは、その雇い主によるもので、慰安婦たちの怒りの対象もこれら搾取するものたちに向かっていた、と。

兵士たちの性欲を受け止め続ける苦しみは心身ともにかなりのものだったが、場所によっては、のどかな時を過ごしたり、小金をためるゆとりもあったりもした。
兵士たちが慰安婦に求めたものは当然性欲の処理であったが、遠く離れたふるさとや家族への思いの代償、癒しという部分も少なからずあって、時には、恋愛関係も含め、人間としての心の交流が生まれることもあった。

慰安婦たちにも日本人としての愛国意識も生まれ、時には看護婦の役割を果たしたり、国防婦人会的支援者として働いたり、戦闘訓練さえ行われたということだ。

彼女たちはまさしく帝国の慰安婦だった。

このような、半ば強制的ではあっても、日本軍に協力的な慰安婦像を、韓国民に提示することは、とても勇気を必要とする行為であった。何故なら、韓国民にとって植民地化の過去は、犠牲と反逆の時代と認識されていて、それが被害者歴史観として、通説であり、アイデンティティになっているからだ。日本の被爆、空襲被害者意識と同じだ。都合の悪い加害や協力の事実からは目を背ける。

韓国の人々にとって、挺身隊の少女たちが日本軍に強権的に拉致され性奴隷とされたという歴史認識こそが大切だった。実際の慰安婦は20代がほとんどで、挺身隊の少女たちとは階層の違う貧困層の娘たちだったのだが。

ただし、日本の否定論者たちの慰安婦は売春婦だったとの立場も厳しく反論している。結果的に些少の代金を受け取った場合もあったとしても、もともと仕事として性を売る者たちではなかった。

日本の植民地化とその後の大陸、東南アジアへの侵略進軍が必然的に求めた性処理システムとして女性たちは役割を押し付けられて行った。
ただし、あくまで二級ながらも日本人として。差別と同化のないまぜの中で。

その点、侵略した先、中国、インドネシア、オランダの女性たちとは扱いは違っていて、強姦、輪姦、果ては殺害といった残虐な行動は稀であった。もちろん、日に十数人、時には数十人の男たちの相手をすること自体、性的暴行であることは違いないのだが。

『帝国の慰安婦』は後半に続く。そこではこじれた慰安婦問題の経過と原因が丁寧にたどられている。韓国の元慰安婦やその支援者についても責任を追及し、翻って、日本側の支援者に対しても、問題解決を妨げる役割を果たしたことをも糾弾している。

慰安婦問題は、韓日それぞれの思い込みの激しさから、不幸なデッドラインに乗り上げてしまっている。双方の誤解を解きほぐしていく道は、限りなく険しいと感じた。

日本人として、忘れてならない出発点は、当時の日本が西欧の真似をして帝国主義的侵略を敢行し、多くの人々に耐えがたい苦難を強いたという事実の認識だ。過去の過ちを正しく理解し、償いの気持ちを持ち続けつつ、新しい友好の絆を築いて行くしかないだろう。

ちなみに、韓国の最高裁は、この著者に対する告発に対して、無罪の判決を下した。韓国も少しづつ、思い込みから事実に向けて心を開きつつあるということだろうか。





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ポピュリズムですが、それが何か?

2025-01-01 17:58:46 | 本と雑誌
年明けて、お屠蘇気分の人、家族そろって団らんの人、初詣で家内安全、世の中平穏!を祈って来た人たち、許せ!

今年一年、勝負の年だ!世の中、どこもかしこも曲がり角、悔いない道を選びたい、それが年頭の思いなんで、無粋な行いとは知りつつも、さっそく政治ネタを突っ込むぜ。



ポピュリズム?だからどうした。

ポピュリズム!って言葉投げかけただけで、批判しつくしたって思ってる人、この本読んでからにした方がいいぜ。
『ポピュリズムと何か』水島治郎著・中公新書。

”〇〇とは何か?”本ってさぁ、テーマの周辺さらっと浚ってはいお終い、って、底浅いの多いよな、って、半ば小ばかにしながら読み始めたら、これが!

やられたっ!世界の政治状況の見事な解析書だったぜ。繰るページ繰るページ、発見の連続で、付箋付けまくりになっちまった。なるほど、石橋湛山賞受賞だけのことはある。

もちろん、ポピュリズムとは何かの定義、説明もしっかりしているが、それ以上に、何故今の時代にポピュリズムが脚光浴びるのか、その各論がとても的を射ていて、重要なんだな。

ポピュリズムの潮流が押し寄せる二つの地域、南米各国とヨーロッパの国々の事情を、丁寧に分析して示してくれる。

南米については、圧倒的な貧困と格差がポピュリズム政党誕生とその後の隆盛の原因となっている。旧来の特権的支配階級が富を掻き集めて栄華を極め、社会の主導的地位を独占しており、そこでぎゅうぎゅうと搾り取られ、社会の隅っこに追いやられた人々が、黙ってられっか!って、反富豪、反支配層の火の手を上げて突っ走った党派に結集したのがポピュリズム政党だ。

この動きは、第二次大戦後の社会構造の組み換えの時期、ずいぶん早い時期から始まり、国のポピュリストが多数派となって、弱者救済の政策を積極的に進めた。
しかし、支配層の巻き返しも激しく、時には武力抗争にも発展したため、せっかく掴んだ権力を羅ぎり続けるために、強権的手段に訴えることも多くなり、ついには独裁に至ってしまった例も少なくない、と、こんなところか。

ヨーロッパ各国ではどうか?

国により、違いはあるようだが、かつて見られたナチス礼賛、反ユダヤ主義のような古典的?極右勢力は今は昔、すでに往年の勢いを失い、今や新しいタイプの右派ポピュリズム政党が議会の多数を覗うまでに成長している。

その特徴は、リベラリズムの価値を認め、だからこそ、イスラム移民との共存は不可能だと主張する。リベラル原理の延長としての排外的主張だ。
例えば、政教分離とか男女平等とか表現の自由、こういったリベラルな諸価値を大切にするからこそ、それらを認めないイスラム教徒とは共に暮らせない、って、うーん、なるほどある意味説得力のある主張だぜ。
あるいは、移民への財政支出によって自国民、従来からの白人層、その福祉が削られることは我慢ならん、という福祉排外主義の動向も大きくなっている。

南米のような極端な貧困や格差がきっかけとはなっていないが、取り残され落ちこぼされた者たちのルサンチマンが、社会を牛耳る支配層、既得権益層への反発として右派ポピュリズムの運動を支えている。

では、これら全世界的に広がって来ているポピュリズムの政治的動きをどう考えたらいいのか、著者の見立てはどうか?

ポピュリズム政党の登場、議会での進出そのものは決して悪いものではない。
社会が二極化し、保守、革新、どちらの政治勢力も大きな違いが生み出せず既成勢力として特権化している現実に、弾き出された者たちが異議を唱えるのは当然のことだからだ。
その動きによって、落ちこぼれ、追いやられた人たちの声を政治の場に引き入れることができたことは評価しなくてはならない。
それって、間違いなく多くの人たちを政治の場に引き込むことができたからだ。

さらに、新興勢力の進出によって、多数を占めて来た既成政党の側も否応なく点検、反省、脱皮を迫られる。その結果、社会全体の政治の活性化が進む可能性がある、これも見逃せない効果だってことだ。

底辺層、周辺民の声が届き始めることで、これまで見捨てられていた分野や政策に光が当たることも期待できる、たしかに!

ただし、それも、議会主義と法律順守、非暴力の行動に徹する限りでの話だ。南米の一部やフィリピンのように、デモクラシー、法治主義からの逸脱には気を付ける必要はある。そこだな、不安なのは。

ここまでが、この本の内容なんだが、
理性的に整然と排外主義を主張する動きにに対して、どう対応して行くか、ここはポピュリズムとは別の問題を突きつけて来る。
イスラムや他宗教、他民族との共存、あるいは文化の多様性を一国内でどう保証して行くべきなのか?
この先、多くの国、社会にとって避けて通れぬ難題となって行くことだろう。左派ポピュリズムにとっても大きな課題になるだろうな。

『ポピュリズムと何か』水島治郎著・中公新書の内容を軽く紹介した。本を読みつつ常に頭にあったのは、日本ではどうなんだ?ということだった。日本のポピュリズムはどんな状況にあって、それは先々どう社会を切り開いて行くのか、行けないのか?まっ、俺の考えなんて拙いものだが、次回それを書いてみたい、よろしくね、ってことで、今日はここまで。

さっ、元旦の目出度き?酒にしばし頭をしびれさせようかね。

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『オシムの言葉』今さらかよ?

2024-12-20 14:53:58 | 本と雑誌
だいたい、オシムって誰や?
知らない人だって少なくないよな。
俄かサッカーファンの俺だって、オシムが監督時代の日本代表を知らないからな。まして、それ以前に弱小チームのジェフ千葉を指導し、奇跡的な快進撃を成し遂げたってことなんて、へぇ、ほだったんか!って具合。
いや、聞くだけは聞いてたさ、当時の名選手たちからは、すごい監督だった、って畏敬の念込めて。

にしても、この本は2005年に出たんだよ。もう20年も前!古っ!でも、この本自体、伝説の名著だった、らしい、サッカー界以外でも。
俺が知ったのだって、、動画配信番組「エアーリボルーション」でだったものな。白井崇と島田雅彦の対談番組、固っ!ドイツ博識の藤原辰史がゲストの回だったと思う。

なんだって、オシムが出て来たんだ?たしかウクライナとか東欧の問題、話題に上げてたときじゃないかな、よく覚えていないが。

その時引っかかたのがこの本『オシムの言葉』三人とも、本についても著者についても敬意を持って語ってたのさ。こりゃ読まなくっちゃ、で、即座にポチ。他にも『分解の哲学』とか『中学生から知りたいウクライナのこと』どちらも藤原辰史著、なども衝動買い。机の積読コーナーで出番を待っている。が、
まずは、『オシムの言葉』副題は、「フィールドの向こうに人生が見える」だ。著:木村元彦



見てくれよ本の写真!スポーツのインタビュー本でこんなに付箋付けるか?!
久しぶりの一気読みだった。

彼の監督としての才腕、あるいは指導理念、それが常に結実した見事な成果等にも大いに惹きつけられた。特に、弱小貧窮チームのジェフ千葉の選手たちを奮い立たせた魔力とか、圧倒されるものがあった。いやいや、世界中の選手たちがこの男に育てられ、一流の道を歩んでいる。

彼のサッカー理論、走れ!走れない者は使わない、とか、攻守の切り替えの早さ、とか、チームへの献身性とか、リスクを冒さなくて成果は得られない、とか、これらって、全部、今の日本代表に受け継がれいるじゃないか!
うーん、たしかに、日本サッカーはオシムによって大変身したってのは本当だったんだ。

が、この本の、ってことはつまりオシムって人間の物語は、有能なサッカー監督の成功物語だけに止まらない。
政治の動乱に、痛めつけられ、悩み、翻弄され、民族の分断をサッカーを通して誠実に生き切ったことなんだ。
そう、ユーゴスラビア紛争。「5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を内包するモザイク国家・・」が血みどろになって戦い憎悪がしばしば虐殺をも生み出した最悪の政治混乱の一つ。その真っただ中で、統一ユーゴスラビアの最後のナショナルチームを率いた男なのだ。

92年欧州選手権に向けてのユーゴの快進撃は、内戦の激化とせめぎ合うように進んで行った。90年9月、対北アイルランド2-0、10月、対オーストリア4-1、11月、対デンマーク2-0、と勝ち進む中、
12月にはセルビアで独裁者ミロシェビッチが大統領に選出され、スロベニアは離独立を宣言、翌年1月、マケドニアも独立を宣言、3月、クロアチアとセルビアの地方警察同士が銃撃戦、5月、対デンマーク1-2、6月、クロアチアが独立、9月クロアチア内戦激化、・・・と、10年以上におよぶ壮絶な憎しみの激突が繰り広げられた。

激しい内戦のさ中でも、サッカーの試合は続く。これも驚く。

対デンマーク戦では、「代表に呼ばないでください」という選手たちも現れる。もはや、セルビア中心のユーゴ代表への参加は名誉ではなく、自国を裏切ることととらえられるような選手たちも現れていた。

すでに90年のW杯の準々決勝では、前回チャンピオン、スペイン相手に退場者を出しつつもPK戦に持ち込みながら、選手9人のうち7人がPKを蹴りたくないとスパイクを脱ぎ、敗退していた。民族間の対立が激しさを増し、選手たちへの罵り合いがプレッシャーとなって、尻込みさせるほどになっていたのだ。

そして、92年オランダとの対戦中ハーフタイムに、故郷ボスニアが戦火に包まれたと知らされる。試合後半は彼はロッカールームからベンチに戻らず抗議の意思を表した。

それでも、国内リーグの監督として、地元チームを率いて強敵を撃破し、カップ戦の優勝を勝ちとったが、もはや戦乱は多くの地域に拡大し、すでに監督辞任、国外避難を決心していたオシムは、市長への報告にも向かうことなく、チームを離れ、以降、オーストリアなど他国のリーグで足跡を残し続けた。それもいずれも無名の弱小チームを率いつつ。

内戦の争乱の中でサッカーボールを武器として戦い続けた男・オシム。母国が幾つもの国に分裂し、ともに戦った選手やスタッフとも引き裂かれつつも、常に公平・平等、リベラルな姿勢を維持し続け、誠実な態度で身を処し続けた男、ほぼ無名の選手たちを引き出し、徹底した指導と巧みな話術で育て上げた世界一とも言うべき監督人生、その半生が感動的でないわけないだろ。

どれほどに世界が邪悪に満ちていたとしても、信念を守り、人々を大切にし、サッカーを愛し続けた男。世界中から畏敬とともに愛され、人々の心に深く刻まれ続けた男。
その見事な生き方に、これまた素晴らしい本を通して浸り切った一時だった。

オシムの姿ばかりでなく、この本では、日本で寄り添った通訳のインタビュー、彼もオシムの言葉で成長しプロチームの監督を目指している、や、
内戦後初の対立国家チーム同士の緊張感あふれる試合の観戦記も、憎み合った者たちが歩み寄る半歩の記録として貴重だ。
その前段、墓地に代ったサッカー場の描写や、セルビア人地区でのいさこざ。イスラムのタクシー運転手を激しく罵る酒場の男たちとの著者の真剣な対決など、本の作者そのものが、確固たる信念と鋭い感性を持って、人々に対面していることも大きな魅力となっている。

いつまでも、この社会から争いや集団殺戮が絶えぬ限り、サッカーというスポーツが埋もれてしまわぬ限り、つまり、いつまでも、この本は多くの人に生きる勇気と正しい方向性を与え続けてくれるだろう。
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みんな、詭弁について徹底学習だ!

2024-07-25 11:26:54 | 本と雑誌
『詭弁社会』山崎雅弘著・祥伝社新書!
デモクラシータイムスで著者の話し



を聞き、即、注文!
届くや否や、順を待つ積読本の山を尻目に即、熟読!



何故か?って、そりゃ、今の詭弁横行社会に怒り心頭だからさ。

ウソと詭弁だらけで腐敗堕落に一挙転落中の国会答弁、記者会見!
お答えは差し控え、
ご指摘は当たらず、
記憶にございませず、
丁寧に説明しつつ内容なし、
誤解を与えたならお詫びする、って、誤解じゃねえってえの!

苛立ちMax、いらいらつのり、このいかさま社会、どうしてくれよう!!

まずは奴らの手の内を知ることだ、って、ことで、横行する詭弁の手口を徹底解説してくれてるのが、この本だ。

著者の山崎さんのツイッターX、手を抜かないんだよ、詭弁、誤魔化し、強弁、すり替え、見逃すことなく、徹底的に追及し、からくりを暴き、警鐘を鳴らし続けてくれている。

本には、あった、あったの詭弁現場の数々が、これてもかっ!と網羅されている。どれも、その時々、腹を立て怒りに震えたやり取りなんだが、論理力不足の俺には理路整然と批判することができなかった。

そのモヤモヤを一気に晴らしてくれるのが、この本『詭弁社会』だ。

こりゃ、全国民、必読の書だぜ。

なんせ、為政者が、手練手管の数々で国民を騙しにかかっている世の中なんだからな。いつまでも、その手に乗せられてるから、舐められて、勝手放題されまくりなんだ。

さらに恐ろしいことにゃ、それら政治家の詭弁を見逃すことなく指摘し、糾弾し、腕捩じ上げるべきメディアが、もはや、完全に相手のペースに乗せられちまってる、こりゃ危ねえ、危ねえ!

後半は、軍のウソと詭弁、政治家、官僚のお追従、そこにメディアの尻馬乗りの同調が、あの悲惨なアジア太平洋戦争へとなだれ込ませた原因としてやり玉に挙がっている。

そうなんだ、今や、戦前なのかもしれない、憲法改悪、緊急事態条項、やみくもの軍備増強、武器輸出、日米同盟、外交なしの中朝敵視、一歩間違えば、いつか見た道いばらの道、ってことになりかねない。

なっ、だからさぁ、みんなして詭弁の論理をしっかり学んで、やり返してやらなくっちゃよ、せめて、騙されないよう用心しなくっちゃ!
って著者の危機感に諸手を上げて賛成だな。






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