ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

積ん読本の壁!

2024-03-25 09:30:06 | 本と雑誌
あぁ、ゆったり読書、この際蓄積!の冬眠読書月間が終わった。
朝鮮・韓国の歴史に絞って読み続けてきたが、
先日読み終えた『新・韓国現代史』で、中断だ。うーん、まだ関連本だけだって、7冊も未読のままなのに。

今期、積ん読本の仲間入りしたのは、



ざっと20冊か?
女性問題とか農業問題、それと小説、評伝の類。

時間なんてあんだろ?リタイアジイサンだもの。

違う、違う。農作業始まるのさ、3月末にゃ。ハウスのビニール張りとか、米の芽出しとか、春野菜や夏野菜の種蒔き、おっと、その前に畑に堆肥撒いて、耕して・・・。

それと、4月から稽古に入る菜の花座新作の台本書きも始めてんのよ。
もちろん、春のマラソンレースのためにトレーニングにも力入れなきゃならんし。

夜は夜で、菜の花座東京公演の稽古、照明のラフプラン作りとか。そうだ、山形ワンコイン演劇祭てのにも出してもらうことになって、その準備とかもあったっけ。

要するに、本読んでる暇なんてあるわけあんめっち!
の二股掛け暮らしが再開するってことなのさ。数十年間続けて来た生き急ぎ人生、どこまでも続くわけだ、これもう、俺の生き方パターンだから、体動かなくなるまで突っ走るしかない。

この多忙人生、結局勉強がおろそかにするしかなかった。基礎基本の教養がまるで不足だ。世の人たちとの共通体験がまるでない。烏山明?アラレちゃん?たらこ?えっ、なにそれ?

せめて冬休みくらい、のんびりせっせとため込むか、って目論見も敢え無く絶たれることになった。
結局、こんな薄っぺらな知識と貧しい経験頼りに、拙い作品を書き続けるしかないんだな。

なぁんて、詠嘆?してねえで、暇な時間の無駄使い、読書に当てろよ!
うん、それとっても真っ当!
てもなぁ、Neflixも見なきゃならし・・・
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むむっ、こりゃいい本だ!

2024-02-27 10:00:02 | 本と雑誌
『排外主義克服のための朝鮮史』梶村秀樹著・平凡社刊。
群馬の慰霊碑も取り払われちまったし、朝鮮学校へのヘイト攻撃は相変わらず。どうしてこうも朝鮮人を嫌悪し続けるんだろ?
朝鮮人だけじゃないか、中国人も、最近はクルド人も、自分と違う人たちの暮らしぶりが我慢ならんって、どんだけ狭量なんだよ。

ますます広がる、外国人出てけ!の風潮、ヤバいよねぇ、ここんとこ、しっかりひっくり返さないと、また、関東大震災時の二の舞、朝鮮人とか外国人とか虐殺が再来しちまうぜ。
能登地震でも、中国人の窃盗団がバスで大挙到来!なんてヘイトデマ流れたくらいだから。

ずっと気になってたんだが、ここらで朝鮮の近現代史をじっくり、まっ、さらっとかな?知っておこうか、で、何冊か手に入れたうちの1冊がこれ。



えっ、なんか読みにくいんだけどぉ!?

朝鮮史を考える上での基本から解き明かす、そこからかよ。福沢諭吉の朝鮮蔑視は知ってたけど、わっ、大井憲太郎までやり玉に挙がってるぜ。うんでも言いたいことはわかる、大阪で強盗やって資金集め挑戦に渡って革命だって、日本で政治改革できない奴が朝鮮でならなんとかって、甘く見過ぎだろ、その感覚が大陸浪人たちの横暴な行動につながったわけだ。

つまり、著者がとことん否定したいのは、朝鮮は自ら変われない、ずっと停滞社会だったって、それまでの歴史学説や巷に流布した共通認識は決めつけで現実じゃないってことなんだ。
つまり、他律性史観と停滞史観、これが日本の韓国併合、植民地化の口実になったってわけだ。お前ら自分じゃ近代国家に変われんだろうから日本が引っ張り上げてやるよってお節介。今でも信じてる奴らうようよいるよな。

って、他人事で済ませられないんだぜ。俺もなんとなくこの印象、差別感に囚われてたもの。解放以降の朝鮮半島の歴史なんかも興味なし、漠然と知らないまま過ごしてきた。この無意識の無視、漠然と、遅れた国なんだぁ、って蔑視感覚に流されてた。まっ、ヘイト発言繰り返すネトウヨたちと大差ねえよな。

実際の歴史じゃ、何もなかった、なんてとんでもない。日本の植民地化の強圧の中で、様々な抵抗が諦めることなく繰り広げられていたんだ。民衆の粘り強い活動が歴史が時代を追って紹介されている。

朝鮮史の主人公は朝鮮人人民だっ!
この事実を明らかにすることが本書の最大の目的なんだ。

地を這い、山野を駆け巡った人々の絶えることなき抵抗活動、東学党の甲午農民戦争から3/1独立運動、厳しい弾圧にさらされながらも、言論で、組織で、民衆運動で引き継がれていく反日独立闘争。

それは決し途切れることなく8/15の解放以降にさらに大きく盛り上がって行く。が、自主的即時独立を目指すうねりは、ソ連とアメリカの身勝手な意図で引き裂かれ、ついには朝鮮戦争の惨事へと流れ込んでしまう経緯、戦線が畝ローラーのように国土を国民を押しつぶして行った悲惨。
こんなこともほとんど知ろうとしなかったなぁ。

その後の繰り返される独裁政権、幾多の犠牲を出しつつも自主独立と民主主義を求めた人たちの尊い活動の連続性。彼らには決して屈しない反骨の精神がずっと受け継がれているんだ。
ほとんど民主主義が機能しなくなって久しい日本の現状、好き勝手やり玉たい放題の政治に効果的な反撃一つ打てない日本、学ぶものはいくらでもある。

どんなに苦しくとも、どんなに屈辱的であっても、怒りの炎を絶やすことなく粘り強く行動し、言うべきことは発言し続ける朝鮮の人たちの姿、著者の断固とした主張、民衆への信頼、たしかに受け取ったぜ。

ただ、この本には疑問点もあった。
一つは、左翼運動に偏り過ぎちゃいないか?ってこととか、民衆ってもんを型に嵌め過ぎじゃないか?ってことなどだ。
それと、なんせ古い本、刊行は1990年、再刊が2014年、でも、実際に書かれたのは1970年代。韓国の漢江の奇跡以降の韓国には当然触れようがない。北朝鮮の軍事国家化、独裁化と経済停滞についも当然言及しようがない。著者が今の時代に生きていたら、どんなまとめ方をしてくれるんだろうか?

そんなないものねだりしてたって仕方ない。もっともっと知りたい韓国のこと、北朝鮮のこと。その容易ならざる紆余曲折の歴史。だったら、さらにじゃかじゃか読めばいい。

『語り継ぐ済州島四・三事件』『司馬遼太郎の歴史観』『新・韓国現代史』『義兵闘争から三・一独立運動へ』・・・次から次と購入クリック。

当分は朝鮮、韓国読書月間が続くな。




コメント (2)
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介護ロボット登場!

2024-01-22 11:23:27 | 本と雑誌
新作に介護ロボット出すぞぉ!
って、いいのかよ、ネタバレさせちゃって。

いいんじゃないか、この芝居、東京阿佐ヶ谷上演に限定だから。2日間で3回公演って言ったって、ホールのキャパは50人!超々の小劇場、完全満席でも150人にしか見てもらえないだし。ブログで話しわかったから見なくていいや、なんて人、まっ、いないよな。

老人問題についてさらっとお勉強済ませたから、
blog.goo.ne.jp/taowatarukaze2014/e/f49a34b898132869fcad93293bd91ecd
今度はヒューマノイド、人型ロボットについてちょい知っておかなくっちゃ。

選んだ本は5冊、

おっ、頑張ったじゃねえか、って、まっ、ざっと眺めての摘まみ読みさ。今さら新知識を実装する気はさらさらない、台本書きに役立ちそうなヒントを拾わせてもらった。

『ロボットとの付き合い方、教えます』と『ロボット21世紀』は瀬名秀明さんの本だ。ほら、『パラサイトイブ』で衝撃のデビュー飾った人だ。当人は薬学部出身の生物系だけど、ロボットにはぞっこんらしくて、特に、前書はロボコンを詳しく紹介したりして、若者にロボットの魅力を丁寧に語り尽くしている。後者はちょっと古いが、ロボット界隈の全容を広く伝えてくれている。

石黒浩さんは、言わずもがな、アンドロイド製作の第一人者、当人のそっくりさん他、マツコデラックスや米朝アンドロイドで、刺激的な挑戦を続けている。アンドロイドの可能性って面も参考になったが、アンドロイドを通して人間を理解するって視点の方も大いに面白かった。特に、心とは他者との関係性の中で感じられるもの、とか、平田オリザさんとの実験的アンドロイド演劇から得られた知見などはとても納得行くものだった。一歩前に出る、とか、首を傾げるとか、相手との距離の取り方とかで、アンドロイドの気持ち!が表現できる、と言った指摘には、演出担当する者として、そうそうそうなんだ!って拍手喝采しちまった。

メタバースも利用できるかも、ってこれはちょっと菜の花座には高嶺の花だったな。アバターが集まる仮想社会、てのも、人嫌い、コミュ障気味のジジイにゃ、縁遠い話題だ、って思っていたら、いいアイディア浮かんでしまったぜ。近未来、葬式にはバーチャルリアリティで参列することになる、どう?ありそうだろ。うん、やっぱり本は眺めて、読むんじゃないのかい?みるもんだ。

『生成AIで世界はこう変わる』今井翔太著、どうして生成AI?
作品の狙いは、ただ介護するだけじゃなく、年寄りの人生に寄り添うような相手をアンドロイドにさせたいってものなんだ。
と、なると、介護相手の記憶とか今の思いとかに付き合えなくちゃならないわけで、そうなりゃ生成AIの出番だろ。
新知識の軽い紹介本じゃあったが、浮ついたところはなく、丁寧かつ網羅的に生成AIについて教えてもらえた、言い本だったな。生成AIはこの先世界を大きく変える!これは間違いない。詳しく知ろう、なんて大それたことは思わないが、尻尾の先くらいは握っておきたいもんだぜ。

って、ことで、資料?はざっと目を通したし、いよいよ、台本書きに入るぞ、あ~ぁ。って、なんだよそのため息は!
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『消えたソンタクホテルの支配人』なるほど日韓併合の頃の朝鮮についちゃ何も知らんぞ!

2023-12-10 10:48:52 | 本と雑誌
えっ、ソンタクって忖度?
って勘違いして買ったわけじゃない。韓国に実在したホテルの名前だった。その主もソンタクさん。

おっ、これはって思わせる味のある装丁も気に入ったし、それ以上に、日韓併合以前の韓国の様子が書かれているようなので、興味津々、しかもミステリーだってよ。
読み始めて、うーん、なんか会話の文とか下手くそだぞ、こんな風に話しするか?やたら説明的だし。主人公は16歳の少年、これが冒険?謎解き?入り込みにくい設定だなぁ。
と、なげやり気分でたらたら読んで行ったら、なぁんだ、そうか、少年少女向けだった。なるほど、それなら仕方ない。
日本が無理やり属国化しよと企んだ乙巳(韓国語読みでウルサ)条約、その無効を国際社会に訴えようとオランダハーグでの会議に提出を試みた皇帝の密書、それを奪い合う独立派と親日派の陰の画策がテーマの本だった。
ミステリー仕立てで興味をかき立てるように書かれているが、この本の執筆の動機の主たるものは、当時の歴史背景を若者たちに伝えること、もちろん、韓国の視点で。
当時の漢城の街、現在のソウル、の様子も丁寧に詳しく描写されていて、登場人物も、主役他数人を除くと、ほぼ全員が実在の人物だった。当時の抵抗運動を主導した教会やその牧師さん、メディアの立場から反日運動を主導した新聞社等も実際に果たした役割に即して登場する。
親日派で韓国の植民地化に専心した李完用(イワニョン)、あれ、こいつ、『ミスター・サンシャイン』に出てた超級の悪役じゃないか?そうか、その筋じゃ名うての売国奴だったんだ、も出て来るし、反対に密書をオランダまで運んだ李ジュン(名前の文字難しすぎ!)烈士も活躍する。
韓国の独立に命を掛けて助っ人するのが、このホテルの支配人ソンタク女史で、生まれはアルザスのロシア出身?と言い、多くの人たちが日本の非道を阻止しようと懸命に働いた姿が全編にわたってちりばめられている。
これなら、韓国の植民地化直前の歴史をしっかり学ぶことができるな。言ってみれば司馬遼太郎の幕末ものと同じ役割か。おっと、あれは大人向けだったっけ。
あの時代について、日本じゃほとんど教えられない。せいぜい、日韓併合くらいだ。日清戦争が朝鮮の地で闘われたこととか、日露戦争が朝鮮と中国東北部の権益の奪い合いに端を発したなんてことも日本の若者は教えられていない。まして、東学党の戦いやその後続いた義兵たちのゲリラ戦なんて、韓ドラ見ない限り知る由もない。
そんな無知な一人として、この本の詳しい歴史解説はとても役に立った。もっともっと知りたいって関連本探すうになったもの。
それと、人命、地名、役所名等、すべて韓国語読みのフリガナがふってあるのもとても助かった。韓ドラ見てて悩みの一つは、名前が覚えられない!ってことだったんだ。この本のフリガナで少しは韓国語語感に馴染めた気がする。
ってことで、ミステリーとしてはも一つ物足りなかったが、韓国歴史案内本としては上々だったなぁ。
つい最近手にした「朝鮮半島の歴史」新城道彦著は近代編では、日本の立場から見た当時の動きがよくわかる。李完用も反対派を抑えて、日韓併合を粛々とリードした人物として好意的に描かれていた。

暗殺された伊藤博文も実行者の安重根も評価はまるで反対、それが歴史ってものの難しさなんだよな。
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少子化対策が失敗し続ける理由

2023-08-12 09:31:06 | 本と雑誌
少子化対策をおちょくる台本書こうと思って、手に入れた本。
『「全身〇活」時代』大内裕和+竹信三恵子著、青土社刊。

完全に騙されたっ!このタイトルだ、〇活時代を面白おかしく突っつく内容だと思ったら、なんのなんの、くそが付くくらい真面目に3つの「全身〇活」を論じてた。
そりゃそうだ、竹信さんだぜ、マジ社会に切り込むに決まってんじゃん。
就活と婚活と保活、ふーん。
実態の描写?それもあるけど、ルポじゃないから、そこに至る過程の方にみっちり踏み込んでいる。皆さん必死で追い求める就職、結婚、保育園、この騒動がなぜ生まれて来たか、表層を撫でるんじゃなく、日本の政治、経済、社会の動きを歴史的に追いながら解き明かしていく。
切り開くメスは「世代間断層」だ。
高度経済成長期からバブル期までに暮らしを手にした親たち世代、その後の低成長じり貧時代をもがき苦しむ子供たち世代の断絶、葛藤。これが「〇活」のアクセルになってるって視点できっぱりと仕分けされる。世代間断絶のあちら側とこちら側の意思疎通の不全、これを繰り返し多面的に探っている。
あちら側の親たちは日本型終身雇用制度の元で手に入れた、男は稼ぎ手、女は専業主婦の家族像を当然の有り方として、息子や娘たちに押し付ける。
そんな要求突きつけられたって、こっち側は、景気低迷からの脱出に失敗した、ここ数十年の日本。新自由主義の働き手使い捨ての勢いに押され、雇用は不安定化し、非正規増殖、正規雇用も長時間労働低賃金が当たり前になって、男たちの稼ぎはじり貧、結婚しても女も働かねば食っていけない荒野が広がっている。
責める親世代、反発しつつ戸惑いもがく子ども世代。この行き違いと、それをもたらした日本のバブル崩壊以降の政治の過ちが随所で鋭く指摘されている。
要するに、親も子も無いものねだりに翻弄された30年だったってことだ。
安定した就職など手に入りにくくなっているのにそれを目指す就活の悲惨。専業主婦の座を狙うも標的(年収600万円以上の適齢期男性)は限りなく小さく、婚活に励まざるを得ない女たちの徒労。
すべては、この「世代間断絶」、あっちとこっちの思いの行き違いと、それを根本的に是正することが出来ないでいるこの社会の無為無策さに起因するってことだ。もちろん、それに拍車をかける自助偏重の社会。
すべての過ちは、オイルショック等で好景気が去り、構造的な低成長の時代に突入した時に始まる。
働き過ぎの男たちを職場から解放し、差別的な地位に置かれていた女たちに仕事を融通しつつ、共働きでゆとりを獲得する別の道に進めなかった過ちが、今も至るところに淀みを生んでしまっている。
これでは少子化から抜け出せるわけがない。
男も女も結婚できる収入がないのだから。
保活については、差別され貶められ続けた女たちの真っ当な要求運動として、小さな希望の灯りとして描かれる。
締めは、
「展望のない全身〇活に陥るのではなく、生存権を守るための運動こそが、私たちに強く求められている。」
そうそう、だから、れいわ新選組山本太郎、
「何があっても心配するな。
あなたには国がついている。
あなたが困る前にあなたを支える公助がある。」
具体的な少子化対策としては、
➀最低賃金の引き上げ
②住まいの保証
③教育の無償化
って、
ほらね、れいわ新選組の公約そのまんまだ。
10年前に出された本だけど、現在のどん詰まりを見事に提示しているぜ。



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