気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

「フーガの技法」の中にある「自然」

2018-02-24 10:11:00 | 音楽
 私にとってバッハの音楽は「鎮静」に誘うものである。「平均律クラヴィーア曲集」も「無伴奏チェロ組曲」も然り。その最たるものが「フーガの技法」である。シンプルな音の流れは、高まった感情を虚無の手前まで引き下げ、自我の意識を薄め、万物との融合を促す。そこに生じる静寂は「死」を想起させるが、不思議なことに恐ろしくはない。
 「生」と「死」は同体であり、それぞれ単体で存在することはできない。「フーガの技法」には「生」と共に「死」が描かれている。私はこの曲に自然のあるがままの姿を感じ、時々そこに帰りたくなってしまう。


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景色が近づいて来る

2018-02-18 10:02:30 | 
 暗い山道を歩いていると、何かがいつもと違う。道の両側にある木々や道が自分に向かってくるように感じる。車やバイクに乗っていればそう感じることもあるだろうが、歩いているときなのだ。実感としては自分が歩いているのではなく、景色が近づいてくる…
 暗闇に包まれ、すべてが一つに観えた(物が分かれて見えない)からかも知れない。からだが自覚が無いほど軽かったからかも知れない。
 暗い山道は、もう一つの世界を私に見せてくれる。

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杜甫まで20年

2018-02-10 09:55:50 | 
 北京に留学中(23歳頃)、李白の「月下独酌」を大変気に入り、紙に書き写して部屋の壁に貼っていた。長江・三峡を船で下るときには「早発白帝城」を読んだ。それから20年以上もたって、杜甫の詩を読んでいる。李白に比べて愁いが強く、思い通りに生きられない処に魅かれるのかも知れない。各詩の中から気に入った句を幾つか書き出してみる。

「寛心應是酒 遣興莫過詩」
「易識浮生理 難教一物違」
「隔屋喚西家 借問有酒不」
「衆賓皆醉我独醒」
「放歌破愁絕」
「人生半哀樂 天地有順逆」

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蒸留酒の記憶

2018-02-03 11:15:48 | 
 太極拳教室の生徒から日本酒や焼酎、ビールを頂くことがあるが、嬉しいことである。先日はフランス人の生徒が一時帰国した際に、お土産に洋ナシの蒸留酒を持ってきてくれた。彼の好きなお酒だということである。含むと口中にアルコールがジュワッと広がり、果実が鼻を突く。
 厦門大学へ留学したときに、ユーゴスラビア(現スロバニア)の友人の父親に飲ませてもらったのが初めての蒸留酒だった。その後北京に留学中、ブルガリアの友人がやはり一時帰国した際に持って来てくれたのは、自家製の蒸留酒だった。どれも美味しかった。その記憶はアルコールがキツイ分しっかりとからだに刻み込まれたのかも知れない。もちろん嬉しそうな彼らの顔と一緒に。
 ニュージーランドの友人が言っていた一番うまい酒「キウイの蒸留酒」をいつか飲んでみたいものだ。


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