気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

虫の秘密

2009-09-27 19:54:05 | 風景・自然

 20分前の小さな出来事。駅からの帰り道、山道を歩いていると、木の下から突然、沢山の黒い虫のようなものが飛び出した。不意を衝かれて、何が起きたか直ぐにはわからない。7、8匹位はいたであろう虫(コオロギかな?)が山道の下に向かって、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら逃げていく。捕まえようとしてみたが、あまりの速さに追いつかず。辺りは黄昏で姿が見えず、正体不明。枯れ葉の上に着地する軽いカサッという音があちこちで聴こえる。不思議に思ったのは、彼らが木の根本に「集団」でいたこと。バッタのような昆虫が、集団でいることなどあるのだろうか。皆で餌を食べていたという感じではない。集まって話し合いでもしていたようだ。なんだか彼らの秘密を覗いてしまったような気がする。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木を読む・・・円空の魅力1

2009-09-25 10:00:34 | 

 円空の仏像は魅力的だ。実際に観たのは6体、あとは作品の写真集を眺めてそう思う。円空仏は素材である木をそのまま活かして彫るという。木の個性を見抜く力があったのだろう。木目や形状など物質としての個性を見極めることはもちろん、木の勢いというか、成長しようとする方向のようなもの(非物質的なもの)まで感じ取っていたのではないか。こうして木を読み、作品を作り上げたのではないか。 

 円空彫はダイナミックに鉈とノミをふるい、その彫りあとも生々しく残すのが特長であるが、円空その人はとても繊細な感情を持っていたのだろう。木の個性(気と言ってもいい)を大切にする気持ちがあったから荒々しくならず、こんなに生き生きとした仏像に仕上がったに違いない。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アケビは何時死んだ

2009-09-18 20:11:47 | 風景・自然

 ウチには五葉アケビと三つ葉アケビ(紫水晶?)が植えてあり、味は五葉の方が良く、房の色は三つ葉が美しい。三つ葉の房は4月ころに受粉してからずっと、アマガエルのような緑色をしているが、初秋に実が熟してくると、少しづつ紫がかる。

 先日アケビを食した後、房の紫色があまりにも美しかったので、しばらくテーブルの上に置いて、時どき眺めていた。最初は青みがかった明るい紫色だった房が、2日目、3日目と段々紫が濃くなっていく。4日目、5日目と今度は暗くなってきて、その色は愛用している信楽焼きの「ぐい呑み」の焼き色に似ている。そして6日目の朝、美しさの極に至る。その後急速に色が精気を失って行く。

 アケビは、枝から切り離したときに死んだのではなく、食したときに死んだのではない。色を失ったときに死んだのである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

静かな感受性

2009-09-13 20:59:30 | 気気

 ただ手をあてることの喜びは、「静かな感受性」をもって感じられる。日常の強い刺激の中ではわからない。普段は利害損得の考えが強すぎて、本来人が持っている感受性が動かない。気気をして重心がさがると、「静かな感受性」がハタラキだす。大小の基準をもって観なくなり、その喜びの大きさをはじめて感得できる。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする