留学する前に通っていた中国語学校の、院長から頂いた氏の著作と唐詩のサイン。
「千里の目(ながめ)を窮(きわ)めんと欲し、更に上る一層の楼」・・・遠くを眺めようとして 更に上に登る。
当時は仕事に追われて漢詩を味わう余裕がなかったが、今はココロが動かされる。高い処へ登るのは、あくまでも「自分」である。自分の夢や希望を叶えるのに、他人や道具に頼ることの多い昨今、エレベーターではなく「自分の足」で登ろうとする。
下のような詩があったとしても面白くないのは、「自分の力」で何かをしようとするのではなく、安易に「他の力」に頼っているからである。
欲治於百病 更找一名医・・・諸々の病を治そうとして 更に医者をさがす
欲至於仙境 更上一輌車・・・ユートピアに行きたくて 更に車に乗る
まだこの方がいいだろうか?
欲知尽寿命 更飲一杯酒・・・寿命の尽きしことを知りたくて 更に飲む一杯の酒
これではどうだろう?
既知尽寿命 更写一篇詩・・・既に寿命の尽きることを知り 更に書く一篇の詩