気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

たまには詩でも③

2023-01-22 09:43:57 | 

【影】

影は主である人と共に生まれ
片ときも離れることはなく
つき纏うようにして生きる

誰の眼差しも受けることなく
ただ淡淡と役割を果たす

主が利に囚われ乱れても
咎めることなく
色をかえることはない

命が尽きて臥し
主が己を動かす一切の術をなくしても

彼は応じて動く意思を未だ蔵している


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自作の歌 「半分だけの月」 

2022-01-14 13:08:48 | 
 拙歌をYouTubeにアップしました。30年ほど前に作ったシンプルな曲で、歌詞は気に入っていますが、歌とギターはなかなか上達しません。


「半分だけの月」 

ぼくたちはすでに 歩き出してる
ぼくたちはすでに 歩き出してる
足下も 見えない道を
足跡も 残らない道
何を話すも 闇に消され
息の白さを 闇に浮かべ
ただ君を 感じるだけ
ただ君を 感じるだけ
誰も知らない ふたりだけの道
半分だけの月が 明るすぎる

草むらに姿を 隠され
遮るものを この手でかき分け
たどり着いた 池のほとり
いつか沈む 水の底
昨日と明日の 狭間にたたずみ
躊躇いながらも 小舟に乗りこみ
もう二度と 戻ることはない
もう二度と 揺れることはない
誰も知らない ふたりだけの夜
半分だけの月が 明るすぎる

誰にも見えないだろう
ふたりの影は
ふたりは確かに観た
月の影を
ふたりの乗った舟が
黒い湖に浮かぶ

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たまには詩でも

2021-07-11 07:13:28 | 

「跡」

子供の頃 
なにげなくつかんだ葉の裏に
大きな芋虫がついていた
驚いて振り払うと 
重たく空を飛び
壁にぶつかり
つぶれた

しばらくすると その場処に
影のような跡がついていた
それから数年間 そこを通るたび 
私の眼は その跡に吸い寄せられた

強い雨や風が何度もそれを洗い流そうとしたが
消えることはなかった

跡は何も訴えない
罪の意識を催促しない
ただうっすらと黒く在るだけ

その道を再び通ることがあれば
私の眼は それを探そうとするのだろうか
有機体ではない その跡を

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