気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

カブトガニを食す (後)

2009-12-28 15:22:52 | 中国

016

 カブトガニをどうするか。食べるか逃がすか(宿舎から海岸まで歩いて5分)、迷ったあげく、食べることにした。料理の仕方がわからないが、とりあえず大きな鍋にお湯を沸かし、入れてみた。

 カブトガニは熱いのかカラダを曲げたり伸ばしたりしている。鍋からハミ出た尾がアンテナのようにピンと伸び、しきりに動いている。一向に死ぬ気配がない。可哀想になって鍋から引き上げようかとも思ったが、最初の決定に従った。海老や蟹のように直ぐに死んでくれたら罪悪感が少なくて済むのに。私は鍋の横で逃げ出すわけにもいかず、苦しい時間を過ごした。

 カブトガニの味は、美味とは言い難く、大味である。それでもダシの出た汁は、蟹のそれに似ていた。

 あれから23年間、私はカブトガニと暮らしている。誰よりも長く一緒に暮らしている。

 写真は夕陽を受けたカブトガニ、夕陽よりも紅い。


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カブトガニを食す (前)

2009-12-24 11:52:53 | 中国

011

 カブトガニを食べたことがあるというと、驚く人もいるだろう。カブトガニは日本では天然記念物だからなおさらである。これは私が中国の福建省のアモイに留学していたとき(1986年頃)に、ユーゴスラビア(当時・現スロバニア)の女友達にもらったのだ。世界中にどれだけ男がいるのか知らないが、女の子から誕生日プレゼントにカブトガニ(上記写真)をもらったのは私ぐらいではなかろうか。彼女は市場で買うときに、店の人に一対(2匹一緒)でないと売らないと言われたらしいが、なんとか1匹だけにしてもらったらしい。なんでもカブトガニは漁で捕まえると一対になっていることが多いから、売るときも一対ということらしい。

 頂いた日の夜、留学生仲間の宴会があり(当時は毎晩のようにどこかの部屋か屋上で宴会を開いていた)、呑んで歌って酔っ払い、カブトガニをどこかに置き忘れて寝たらしい。翌日、カブトガニを置いてきてしまった部屋の友人から、「寝ていたらカブトガニが頭にぶつかってきて大変だったぞ~」と聞かされた。カブトガニは夜行性に違いない。


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黒紫

2009-12-08 16:20:00 | 風景・自然

007

 小生のブログに初めて写真を掲載しました。この葉は先ほど山道で拾ったもので、紫が美しく、一目惚れしました。辺りは黄色っぽい葉ばかりで、この一枚だけが紫でした。

 真っ赤なモミジよりも、黒くなりつつある紫に特別の美しさを感じるのはなぜだろう。


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