気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

蜥蜴の血

2010-08-25 21:12:35 | 風景・自然

 蜥蜴(トカゲ)を一匹、殺してしまった。事の発端は、神社の境内で蜥蜴を見付けたことだ。蜥蜴は私の気配を感じて逃げた。ブロックが斜めに立てかけてあり、その裏側に隠れた。私はブロックに近づき、腰を下ろし、捕まえる姿勢をとった。ブロックの左側に左手を置いた。右側から右手を差し込み、枯葉を鳴らして脅かし、左側から逃げて来るのを捕まえるという作戦である。してみると予想通り左から出てきて、もう少しで捕まえられるところだった。蜥蜴は、別のブロックの裏側に隠れた。「同じ手」を使うと、左手の中に蜥蜴が収まった。

 様子がおかしい。本来なら逃げようと暴れるはずで、そういう振動が掌にあることを予測していたのに、それが無い。蜥蜴は仰向けになって口を開けていた。しかも口のあたりから、出血していて、その血が枯葉の上に落ちて、丸く溜まっている。蜥蜴の血は少し茶色がかっていたが、人のそれと似ていた。

 蜥蜴がどうして出血したのかは判らないが、恐らくブロックの下の隙間に逃げ込もうとして、何かの拍子でブロックが浮き、その下敷きになったのではなかろうか。

 私には罪悪感がある。そもそも蜥蜴をどうしても捕まえたかったのではなく、ちょっと捕まえてみたいなという感じだった。すばしっこい蜥蜴を捕まえることで、運動神経を試したかったのかも知れない。それが結果的に殺してしまうことになるとは・・・私にとっては遊びでも蜥蜴にとっては命懸けの逃亡だったのだ。遊びと本気では、生き方の質が違う。気持の悪さを癒さずに引きずって行くことにした。


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「紫」つかまる

2010-08-16 17:29:20 | 風景・自然

Murasaki

 山道に階段があり、それは木材や切断された木の幹で作られている。その一つに紫色のナニかが付いている。

 私にとってはこの正体を知ることよりも、この「色」が大事である。紫に近い色は、他色に比べて私をグッと惹き付ける。

 この「紫」は今後、色を変えて行くだろう。黒味がかって来るのか、あせて来るのか。それもまた楽しみなことである。

 私は既にとらわれてしまったようだ。もう暫く、その「色」が完全に無くなるまでは。


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気気についての Q&A

2010-08-13 11:25:22 | 気気

ホームページに「気気についてのQ&A」を書きました。ご関心のある方はどうぞ。


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私の足を止めるもの

2010-08-10 15:57:03 | 風景・自然

Nanahushi1

 いつもより遅く家を出た私は、少し急いでいた。

 山道に入る前に石段があり、その横の壁にコレがいた。

 ナナフシである。

Nanahushi2

 彼を見つめたり、持ったりしているうちに、

 いつのまにか枯れ(彼)の時間に合わせていた。

 ナナフシには私とは違う時間が流れていた。

 電車に乗り遅れることなど、すっかり忘れていた。

 キャデラックもハーレーも私の足を止めることはできないのに・・・


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白い窓

2010-08-05 17:23:51 | 風景・自然

(8月5日夜7時35分過ぎに一部書き直しました。)

Shiroimado(真ん中辺の小さいもの)

 坂道を登っていたら、眼の前に「白い窓」が現れた。写真では地表に見えるが、実際は垂直に近い感じでそれは在った。穴のやや奥まった処に、白いものが見える。

 この山の下には地下壕があり、戦時中には航空機のエンジンなどを造っていたという。

 陶淵明の「桃花源記」では、漁師が偶然にユートピアを発見するが、そこには数百年前に秦の乱世を避けて、移り住んだ人々の末裔が楽しく暮らしていた。

 もしもこの「白い窓」が開いて、道が地下壕に続いていても、そこには戦争のために働いていた人々の末裔はいないだろう。

 私は想像したい。私の歩いているこの山の下で、命を削った人々の毎日を・・・

 


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