師と弟子の関係は、深ければ深いほど同じ価値観を共有しやすい。と言うよりは、弟子は師に感化されやすい。師の人間性が豊かで魅力的であればあるほど影響を受けるだろう。良い影響はどんどん受ければよい。しかしこの状態をいつまでも続けていってもよいのだろうか。弟子が師を尊敬するあまり、自分の考えを持たない「思考停止」状態にならないだろうか。
私を導いてくれた数人の師(もちろんGちゃんも)や友人は、私に何かを強いたり、思想を改めさせるようなことはなかった。その距離感が心地よく、私は自分の考えを育てることができた。
師はもし、弟子が自分を慕い過ぎている(自分のコピー化している)と感じた場合、人として自立できるように「突き放す」こともその役割なのではないだろうか。多少未熟でも、独り立ちさせることの方が、弟子本人のためになることも多いのでは。
山口百恵の「曼珠沙華」でも「・・・どこでけじめをつけましょ 窓辺の花が咲いたとき はかなく花が散ったとき いいえ あなたに愛されたとき」と歌っているではないか。