我々は「河西回廊」に沿って、敦煌から「嘉峪関(かよくかん)」を目指した。途中「安西(アンシー)」で一休みした。「安西」は中国一風が強い所と言われていたが、沙漠だったらどこでも遮るものがないから、いつでも風が吹いている。
「嘉峪関」は、万里の長城の西の極点である。当時、東の極点は「山海関」で、Lちゃんは両方とも行ったと自慢していたが、2009年に「遼寧省・虎山」が最東端となった(Lちゃん、残念!)
嘉峪関は高い城壁で囲まれ、その上の通路を歩くことができる。
観光名所の北京・八達領などは立派な城壁だが、西は低い土塀である(写真・砂漠の中に城壁が続いている)。
既に用を成した長城は、中華民族にとって「誇り」をもたらすだけではあるまい。確かに(日本の国土よりも)長い長城を築き上げることは人類初の出来事で、こんなに大規模な建造物は他に類を見ない。しかしそのスケールは、そのまま遊牧民(匈奴など移民族)への恐怖の大きさを現しているのだから・・・
酒を飲まないLちゃんと、「酒泉駅」
「酒泉」には、酒の味のする泉の伝説がある。本当にそんな「酒泉」があれば、「陶淵明」もこのような詩を書かなかったに違いない(白石拙訳)。
但恨在世時(ただ恨めしいのは、生きている時に)
飲酒不得足(思う存分酒を飲めなかったことだ)
酒泉から「蘭州」を経て、「西寧」へと旅は続く。