中村雅俊に「海を抱きしめて」という歌がある。中学生の頃観ていたテレビドラマ「夕日が丘の総理大臣」のエンディングテーマに使われていた。一番の歌詞(作詞:山川啓介)を引用させて頂く。
生まれて来なければ よかったなんて 心がつぶやく日は
人ごみに背を向け 会いに行くのさ なつかしい海に
幼な児よりも ひたむきに 遠い名前を叫んで
汗ばむ心 潮風が 洗うにまかせれば
いつのまにか 生きることが また好きになる ぼくだよ
この歌の中の「海」の存在は、「気気」の存在と近い。悩んだときに「海」に来て静かに坐っていると、いつのまにかリセットされて、現実に向かう力が湧いてくる。悩み事を誰かに相談してアドバイスをもらわなくても、問題を理論的に解決しなくても、ただ「海」に来ればいい。気気も「ただ手をあてる」「ただ手をうける」、これでいい。