気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

35年前のアケビは何処にある

2010-10-05 19:26:05 | 風景・自然

Akebi_2010103_2

小学2年生の頃の遠足で多摩川に行った。クラスメイトのS君が、植物の実をどこからか採取してきた。初めてアケビを観たときである。紫色の房が少し開き、中には半透明の実があり、種が透けている。S君は食べたことがあるらしく、この実は甘いと説明した。

 25年間アケビを忘れなかったのは、アケビについて「しなければならないこと」があったからだ。それは単にアケビを食べることではなく、S君のように山か川で自然のアケビを探し、それを食すことである。

 以来そういう機会があり、食した。また6年程前から自分でもアケビを育ててもいる。しかしどれも、S君の持っていたあのアケビとは似ていない。S君のアケビは、もっと黒みがかった紫で、房の中はもっと深くて暗かった。その味を想像することのできない神秘性があった。


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