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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

NACK5賞ルーキーズサマーカップ&重訳

2025-08-21 11:45:15 | 地方競馬
 昨日の第3回ルーキーズサマーカップ。御神本騎手が病気のためロードレイジングは笹川騎手に変更。
 ウォークアップは発馬時の加速が鈍く3馬身の不利。コパノワイアットが逃げて向正面に入るあたりで2馬身弱のリード。単独の2番手にカンターレで3番手をアムールピスケスとアンジュルナで併走。2馬身差でロードレイジングとレモンドロップとネイビーシンデレラ。2馬身差でウォークアップ。2馬身差の最後尾にユウユウシロパン。最初の600mは37秒0のミドルペース。
 3コーナーでもコパノワイアットが先頭でカンターレが2番手。アムールピスケスとアンジュルナは並んでコーナーは外から前の2頭を追う形。直線に入るところでもコパノワイアットが単独の先頭。前4頭の後ろからインを回って追い上げたロードレイジングがコパノワイアットとカンターレの間に進路を取ると,瞬く間に突き抜けて快勝。逃げたコパノワイアットが3馬身差で2着。ロードレイジングのさらに後ろから大外を回って追い込んだウォークアップがクビ差で3着。アムールピスケスがハナ差で4着。
 優勝したロードレイジングはデビューから3連勝で南関東重賞制覇。その連勝がともに出遅れて差してきてのものでしたので,展開面での不安はあまりありませんでした。浦和が初コースになる点が最大の不安点でしたが,かなり器用に走れましたのでまったく問題になりませんでした。現時点での完成度でほかの馬との差が大きかったように思います。父はモズアスコット。母の父はネオユニヴァース
 騎乗した笹川翼騎手は黒潮盃に続く南関東重賞25勝目。第2回からの連覇でルーキーズサマーカップ2勝目。管理している川崎の加藤誠一調教師は開業から13年9ヶ月で南関東重賞初制覇。

 このようなわけですから,スピノザが書いたものをラテン語から日本語に訳すのと,ナドラーSteven Nadlerが書いたものを英語から日本語に訳すのとでは,その条件は同一です。スピノザの文章を訳すときの方が,しなければならない作業はやや増えるだろうと思われますが,それぞれの筆者が書いた地の文章を和訳するというときは,それほど条件が異なるというわけではありません。
                            
 しかしナドラーは,スピノザが書いたものを参照して議論しているわけですから,その地の文章の中にスピノザが書いたものが含まれることになります。そもそもスピノザの哲学の概念notio,とりわけスピノザの哲学に特有の概念を語らずにスピノザのことを語るということはできませんからスピノザの哲学で用いられる概念が『哲学者スピノザの叡智Think Least of Death』の中に出てくるのは当然ですし,場合によっては『エチカ』の定義Definitioや公理Axioma,また定理Propositioといったものをそのまま利用するということもあり得るでしょう。しかしその文章はナドラーが書いているわけですから,当然ながら英語で書かれることになります。そしてその英語がそのまま和訳されることになります。よって『哲学者スピノザの叡智』の中に,スピノザが書いたものが重訳される,つまりラテン語が一旦は英語に訳され,その英語がまた日本語に訳されるという事態が生じることになります。要するに,ナドラーの地の文章の和訳の中に,重訳されたスピノザの文章や概念が入り込んでくることになるのです。
 一例として第四部定義八を示しましょう。『哲学者スピノザの叡智』出てくるこの定義は,「私は,美徳と力を同じものであると理解する。すなわち,美徳が人に関係している限り,それはまさに人間の本質あるいは本性である。そして,それはその人の本性の法則のみを通して理解される何かを引き起こす力を,その人がもっているときに限られる」。
 この文章は重訳されているからこのようになるのであって,日本語の文章としてはきわめて分かりにくくなっています。スピノザは,ある事柄がその人の本性hominis essentia, seu naturaの法則のみを通して理解される限りで,美徳virtutemを人の本性と理解するのですが,この和訳はその条件が後にきてしまっているからです。
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農林水産大臣賞典日刊スポーツ賞北海道スプリントカップ&結果としての行動

2025-08-15 14:59:01 | 地方競馬
 昨晩の第29回北海道スプリントカップ
 逃げたのはワンダーウーマン。2番手はエコロアゼル,マテンロウコマンド,ベラジオゼロ,ヤマニンチェルキの4頭の集団。2馬身差でヴィルミーキスミーとパレスゴールド。4馬身差の最後尾にミラクルヴォイス。前半の600mは34秒7のハイペース。
 3コーナーでもワンダーウーマンは単独の先頭。ベラジオゼロが押しながらついていき,その外からヤマニンチェルキ。内から追ってきたのがエコロアゼル。ワンダーウーマンが先頭のまま直線を迎えましたが,すぐに外からヤマニンチェルキが前に出ました。内からエコロアゼルも追い上げ一旦は2番手。そこに大外からマテンロウコマンドの追い込み。しかし先に抜け出していたヤマニンチェルキには追いつけず,優勝はヤマニンチェルキ。マテンロウコマンドが1馬身差の2着。エコロアゼルが2馬身半差で3着。
 優勝したヤマニンチェルキは重賞初制覇。3走前にオープンの勝利があり,ここは優勝候補の1頭。前走のオープンは大敗していたのですが,これは古馬相手のレースでしたから仕方がないでしょう。前々走は2着馬に負けていたのですが,距離短縮で逆転した形。したがって1400mよりも1200mの方がよいのだと思われます。母の父は2002年の京成杯を勝ったヤマニンセラフィム。Cerchiはイタリア語で探す。
 騎乗した北海道の石川倭騎手は2022年のJBC2歳優駿以来の重賞4勝目。北海道スプリントカップは初勝利。管理している中村直也調教師も北海道スプリントカップ初勝利。

 第一部公理三から理解できるように,スピノザの哲学では一定の原因causaが与えられると必然的にnecessario結果effectusが生じ,何の原因も与えられないのであれば結果が生じることはありません。これを結果の方からみれば,何らかの結果が生じるためにはその結果を生じさせるための必然的なnecessarius原因が必要とされ,そうした原因がないのであればその結果は生じ得なかったということです。
                       
 したがって,人間が何らかの行動をするという結果が生じるのであれば,そこにその人間をしてその行動に至らしめる何らかの必然的な原因があったということでなければなりません。このとき,その行動をしたのが自由の人homo liberであったら,あるいは賢者viriest sapientisであったら,その原因は偏にその自由の人ないしは賢者にあったことになります。いい換えれば自由の人や賢者というのは,その行動に対して十全な原因causa adaequataであるということになります。これに対して,奴隷servusや無知者というのは,自身が十全な原因となってある行動をなすということはありません。自身の行動に対して自身が原因でないということはあり得ませんから,これは奴隷や無知者の行動は,奴隷や無知者が部分的原因causa partialisとなって生じる行動であるということになります。
 このとき,現実的に存在するある人間が,部分的原因として行動したとき,その行動が自由の人ないしは賢者がなす行動と一致するのであれば,その人間つまり無知者や奴隷は敬虔pietasといわれることになります。奴隷も愚者も一定の原因によって行動に決定されるので,その行動が自由の人や賢者の行動と必然的に一致するとはいえません。一致する場合もあれば一致しない場合もあるでしょう。しかしもし一致するのであればそれは敬虔といわれるのですから,敬虔が合倫理性の規準となる以上,その限りでは無知者も奴隷も合倫理的であるといわれることになります。これを共同社会状態status civilisの中の合倫理性として規定すれば,共同社会状態において人間が合倫理的に暮らしていくことは不可能ではないでしょう。したがってこの規準による合倫理性は,第五部定理四二備考でいわれているような,稀なものとはならないでしょうし,現実的に存在している人間にとって困難difficiliaでもないでしょう。
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日刊スポーツ賞黒潮盃&敬虔の規準

2025-08-14 11:05:49 | 地方競馬
 高知から1頭が遠征してきた昨晩の第59回黒潮盃
 ランベリーが逃げて2番手にセイエイで3番手にマウンテンローレル。この後ろはプレミアムハンド,ドナギニー,ミクニサンビーム,フレンドローマ,アレンパの5頭の集団。2馬身差でユウユウスキー。2馬身差でコスタデラルス。ヤマノアシオトとヨシノダイセンが最後尾を併走。最初の800mは50秒3のミドルペース。
 向正面でセイエイがランベリーに並びかけていき,3コーナーではコスタデラルスも追いついてきて3頭が雁行。ほどなくしてランベリーは後退。2頭の外からミクニサンビームが追い上げてきました。この3頭が直線の入口で横並び。そこから内と中と外に分かれて直線の追い比べ。中のマウンテンローレルが前に出て優勝。内のセイエイが4分の3馬身差の2着。外のミクニサンビームは1馬身半差の3着。
 優勝したマウンテンローレルは南関東重賞初挑戦での優勝。これまで5勝,2着1回,3着1回と安定した成績を残していて,4連勝中。オープンを連勝していましたので,実績も十分でした。ペースが上がらなかったため,道中の位置取りは結果に大きく影響したかもしれません。崩れていない馬なので今後も注目でしょう。母の父はキングカメハメハ。祖母の6つ上の全兄が1998年の北海道3歳優駿を勝ったキングオブサンデーで,5つ上の全兄が2003年に京都ジャンプステークス,小倉サマージャンプ,阪神ジャンプステークス,京都ハイジャンプを勝ったウインマーベラス
 騎乗した大井の笹川翼騎手は習志野きらっとスプリントに続く南関東重賞24勝目。第52回以来となる7年ぶりの黒潮盃2勝目。管理している大井の福田真広調教師は南関東重賞3勝目。黒潮盃は初勝利。

 人間がある何らかの行動をするとき,その人間が理性ratioに従ってその行動をしている場合は,その行動をしているのがだれであったとしても同じ行動をすることになります。このことは第四部定理三五から明らかであるといわなければなりません。
                       
 この定理Propositioは理性に従う限りでのこと,いい換えれば自由の人homo liberである限りのことについて言及しているのですが,その場合はすべての人間の本性natura humanaが一致することになるという原理は,人間が十全な原因causa adaequataとなっているということ,あるいは同じことですが人間が能動的であるということや,人間が十全な観念idea adaequataに依拠しているという点にあるので,このことは人間が第三種の認識cognitio tertii generisに依存して行動する場合にも当て嵌まります。すなわち賢者viriest sapientisの行動にも該当します。したがって自由の人も賢者も同じように行動するのであって,それは自由の人であろうと賢者であろうと,その本性が一致するからです。
 敬虔pietasの基本的な原理は,このような,人間の本性が一致する限りでの行動のことをいうと理解してください。したがって,自由の人や賢者は敬虔であるということになります。ただここで注意しなければならないのは,自由の人であれ賢者であれ,それが敬虔であるといわれるのは,たとえば自由の人も賢者も能動的であるからとか,十全な観念に依拠しているからというわけではなくて,それに依拠して行動するからそういわれているということです。つまりある人間が敬虔であるといわれまた敬虔ではないといわれる規準は,その行動にあるのであって,それ以外の事柄が規準とされるわけではないのです。
 よって,たとえ人間が受動的に行動するのであったとしても,あるいは混乱した観念idea inadaequataに依拠して思惟するのであったとしても,その行動が自由の人や賢者が採る行動と一致しているのであれば,その人間は敬虔であるといわれることになります。このために,敬虔という規準を合倫理性の規準とした場合には,奴隷servusであろうと無知者であろうと,合倫理的であることはできるということになります。この場合は賢者と無知者,自由の人と奴隷の相違は,常に必然的にnecessario敬虔であることができるか,そうではないかという点にのみ存します。
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農林水産大臣賞典クラスターカップ&倫理の規準

2025-08-11 18:59:27 | 地方競馬
 第30回クラスターカップ。幸騎手が9日の中京の4レースの馬場入場後に落馬し右足を負傷したためサンライズアムールは岩手の高松騎手に変更。
 サンライズアムールが逃げました。アドバンスファラオが2番手でエイシントルペードとキャンディドライヴが3番手。ウラヤが5番手で6番手はチカッパとスプラウティング。8番手以下はヒビキ,ダノンスコーピオン,カリュウ,レディブラウン,マツリダワールド,サンエイウイングの順でスマートセラヴィーが最後尾。集団でのレースになりました。
 3コーナーでは3番手がエイシントルペードとキャンディドライヴの併走。ウラヤが単独の5番手となりチカッパとスプラウティングがその後ろ。サンライズアムールが逃げたまま直線に。アドバンスファラオの外からキャンディドライヴが追い,さらに外からチカッパ。アドバンスファラオを差したキャンディドライヴが,フィニッシュにかけてサンライズアムールに迫りましたが届かず,一杯に逃げ切ったサンライズアムールが優勝。キャンディドライヴがクビ差の2着。アドバンスファラオが1馬身半差の3着でチカッパが1馬身4分の1差で4着。前半の600mは34秒4のミドルペース。
 優勝したサンライズアムールは重賞初勝利。ただオープンを4勝もしている馬ですから,重賞を勝つのが遅かったというくらいです。2着馬がJRA時代は3勝クラスを勝てなかった馬なので,全体のレベル自体にはやや疑問が残ってしまうような結果となってしまいましたが,タイムは速いですからあまり重い斤量を背負うようなレースとならなければ,これ以降も重賞路線で活躍できるのではないかと思います。父はモーリス。母の父はタイキシャトル
 騎乗した岩手の高松亮騎手はデビューから11年4ヶ月で重賞初勝利。管理している小林真也調教師はクラスターカップ初勝利。

 自由の人homo liberが合倫理的で,奴隷servusは非倫理的であるという見方自体は誤っているとは僕は思いません。しかし,自由の人だけが合倫理的であり,奴隷だけが非倫理的であるとするならば,僕はそれには疑問を呈します。スピノザの思想における倫理性は,自由の人と奴隷という区分だけで示されるというわけではなく,これがその規準のひとつになるということは僕は否定しませんが,それとは別の規準もあるとみるからです。
                       
 たとえばスピノザは第五部定理二五において,人間の精神mens humanaにとっての最高の徳virtusは,物を第三種の認識cognitio tertii generisで認識するcognoscereことにあるといっています。『エチカ』では第三種の認識でものを認識する人は賢者viriest sapientisといわれ,この賢者の対義語となるのが無知者です。これについては第五部定理四二備考を参照してください。そこでこれを参照して合倫理性に言及するなら,賢者は合倫理的であって無知者は非倫理的であるということになるでしょう。少なくともこの規準によって合倫理的であることと非倫理的であるということを区分することはできるのであって,自由の人と奴隷の区分とは別の区分によって,合倫理性をスピノザの哲学の下で解釈することができるということは明白だと思います。
 もっとも,第五部定理二五は,最高の徳について言及しているのであり,最高であろうとそうでなかろうと徳が徳であるということに違いはありません。したがって第五部定理二五は,自由の人が合倫理的であるということを否定するnegareわけではありません。ただ,徳というのを倫理の規準とするならば,自由の人と賢者のどちらがより有徳的であるのか,すなわちより合倫理的であるとスピノザが考えているのかということもまた明らかなのであって,自由の人は賢者ほどには有徳的ではないし,合倫理的でもないという結論にはなるでしょう。
 一方で,このような意味で合倫理性を把握するとするなら,第五部定理四二備考でいわれているように,そうした人間が現実的に存在するということは稀であり困難difficiliaであるということになるでしょう。つまりこれらの規準で合倫理性を解するならば,僕たちが合倫理的であるということはきわめて困難だし稀であることになります。
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スポーツニッポン賞習志野きらっとスプリント&ノートパソコン

2025-07-31 12:25:31 | 地方競馬
 愛知から1頭,高知から1頭が遠征してきた昨晩の第15回習志野きらっとスプリント
 好発はパレスレガシー。その後に内から出てきたティアラフォーカスとラヴラブクロフネが並んで後続を引っ張る形に。ボヌールバローズが3番手で4番手にデュアリストとファーンヒル。パレスレガシーはその後ろになってストライクオンとメンコイボクチャンとスワーヴシャルルの3頭が併走。ユアマイドリームとプライルードも併走。エンテレケイアは後方3番手。ザイデルパストとサンダーゼウスが最後尾を併走。最初の400mは22秒5のハイペース。
 直線の入口ではティアラフォーカス,ラヴラブクロフネ,ファーンヒルの3頭が雁行。追い上げて雁行に持ち込んでいたファーンヒルが外から抜け出して優勝。ティアラフォーカスとラヴラブクロフネの間を突いたデュアリストが一旦は2番手に上がりましたが,ファーンヒルの外から追ってきたストライクオンがそれを差して3馬身差で2着。デュアリストが半馬身差の3着で大外から猛然と追い込んだザイデルバストがクビ差で4着。
 優勝したファーンヒルはここがJRAからの転入初戦で南関東重賞初制覇。前々走のオープンで3着に入っていましたから,力が衰えての転入というわけではありませんでした。このレースは南関東重賞で実績を残してきた馬たちが凡走した結果でもあり,どこまで評価できるかは分かりませんし,外枠に入ったのもよかったのだろうと思います。スピードは通用することははっきりしましたが,タイムのわりには差がつきすぎのような気もします。父はキンシャサノキセキ。4つ上の全兄に2017年の函館2歳ステークスを勝ったカシアス。Fern Hillはディラン・トーマスの詩。
 騎乗した大井の笹川翼騎手は優駿スプリントに続く南関東重賞23勝目。第12回以来となる3年ぶりの習志野きらっとスプリント2勝目。管理することになった大井の荒山勝徳調教師は南関東重賞31勝目。習志野きらっとスプリントは初勝利。

 このときに生じたパソコンの問題というのは,ソフトの問題ではありません、これは一体型のパソコンでしたが,画面の右上が暗くなってしまって,正常に映らなくなってしまったのです。製品の不良ではなくて,僕が誤って強い衝撃を与えてしまったことが原因でした。ソフトに問題はありませんでしたから,使おうと思えばそのまま使い続けることも可能でしたが,映らない部分があるというのは不便ですから,新しいものを買うことにしました。
 購入したのはノートパソコンで,これを現在でも使っています。ノートパソコンにしたのは,家のどこでも使えるようにしたかったからです。家にはWi-Fiはあって,以前は有線でパソコンを使用していたのですが,この頃はWi-Fiに繋いでいました。僕は外出時にパソコンを持ち歩くことはしませんので,一体型の大きなものを自室で使っていました。しかし,妹が帰ってくることが少なくなってくると,リビングでパソコンが使えた方が明らかに便利でした。ただ一体型のパソコンを自室からリビングへ持ち出すのは,自室が2階でリビングが1階ということもあり,なかなか大変で,実際にリビングで使うことはなかったのです。ノートパソコンであれば持ち運びが簡単ですから,自室からリビングへ,またリビングから自室へと持ち運ぶのも簡単です。今は自室で使うよりもリビングで使っている時間の方が長くなっています。なお,外出時に持ち歩かないのは現在も同じです。
                            
 7月31日,水曜日。妹を通所施設に迎えに行きました。通所施設は終業が午後3時ですから,通常はその時間に迎えに行きますが,この日は午後1時半に行きました。この後,歯科保健医療センターでの予約が入っていたからです。前もっていっておいたように,歯科保健医療センターにはバスで横浜市役所前まで行くのですが,上大岡駅からもそこへ向かうバスがありましたので,それを利用しました。この日は抜歯をしました。この抜歯が今回の治療の中心です。これもいっておいたように,僕はここでの治療中は診察室には入っていませんので,どういう手順で抜歯され,そのときの妹の様子がどうであったのかということは分かりません。
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農林水産大臣賞典マーキュリーカップ&時間

2025-07-21 18:49:31 | 地方競馬
 メイセイオペラ記念の第29回マーキュリーカップ
 外の方からヒロシクンが前に。その後にメイショウフンジンが追い上げてきてこの2頭が並んで逃げる形に。5馬身くらいの差がついてクラウンプライドが単独の3番手。ライトウォーリアとディープリボーンが並んで4番手。3馬身差でセラフィックコール。8馬身くらい離れてカズタンジャー。6馬身差でサクラトップキッド。3馬身差の最後尾にドテライヤツとマルカイグアスととても縦長の隊列。ハイペースでした。
 逃げた2頭は3コーナーで一杯。クラウンプライドが自然と先頭に。ディープリボーン,セラフィックコールの順で追い上げてきたのですが,直線に入るところで2馬身くらいのリードになったクラウンプライドが直線でこの2頭をさらに引き離しました。後方から外を捲り追い上げ,直線の入口では4番手となっていたカズタンジャーが外から追い込むと,フィニッシュを前にクラウンプライドを差し切って優勝。クラウンプライドが1馬身差で2着。ディープリボーンが4馬身差の3着。
 優勝したカズタンジャーは重賞初挑戦での勝利。5月に2勝クラスと3勝クラスを連勝し,前走のオープンで2着になっていた上昇馬。後方からの追い込みが持ち味の馬なので,このメンバーが相手となると展開が重要になってくるのですが,ここはペースに乗じて差し切りました。ただオープンの中距離や長距離でこのような競馬は安定性を欠きますので,後方からの競馬を続けるのであれば,展開の助けはどうしても必要になってくるでしょう。母の父が2007年のJRA賞で最優秀3歳牡馬に選出されたアサクサキングス
                            
 騎乗した川田将雅騎手第15回,24回,27回に続き2年ぶりのマーキュリーカップ4勝目。管理している新谷功一調教師は第28回からの連覇でマーキュリーカップ2勝目。

 念のためにいっておきますが,この1時間半というのは,洗浄と清掃に要した時間のことではなく,業者の方が来訪してから帰るまでの時間です。下水管の洗浄というのを業者に依頼した経験がある方は少ないかもしれませんので,ここでは手順を詳しく説明しておきます。
 下水管の洗浄を行うためには,こちらで用意しなければならないものがふたつあります。ひとつは洗浄に使用する水で,もうひとつは高圧洗浄機の動力となる電気です。僕の家は玄関を出た左側,下水管が設置されているところの手前の部分に水道があります。これは僕が幼い頃からあったもので,なぜこんなところに水道が設置されているのか分かりませんし,僕も使うことはありませんが,下水管の洗浄のためにはとても便利な位置に水道があるといえ,この点では苦労することがありません。大抵はこんなに都合のよいところに水道はないでしょうから,室内から,おそらく業者が用意してくるであろう長いホースで水を用意する必要があるでしょう。
 電気のコンセントはさすがに屋外にはありませんから,家の中から繋がなければなりません。延長コードは業者が用意していますからそれを使用します。ですから実際に洗浄するまでの準備に時間を要しますし,事後の片付けにもそれなりの時間が必要です。
 今回は最初の桝と次の桝の間の下水管だけが目詰まりしていて,それ以外の部分は問題ないように思われました。ただ確認の必要がありますから,実際に水を流してみて,どこを洗浄する必要があるのかを決定します。当初の部分だけの洗浄で済みました。前回は3番目の桝から2番目の桝の間も洗浄する必要がありましたから,その分の時間は前回よりも短くなっています。下水管の洗浄が終わると,汚れた枡の清掃をします。これも前回はふたつの桝の清掃をしなければなりませんでしたが,今回はひとつだけでしたから,時間は短くなりました。ただ,下水管の洗浄に比較すると枡の清掃に掛かる時間はごく短いですから,これはトータルの時間にはさほど影響していません。
 支払いですが,僕は作業の終了後に現金で払いました。手元に現金があればそれがよいと思います。
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サンケイスポーツ盃優駿スプリント&2024年4月の通院

2025-07-18 19:20:58 | 地方競馬
 昨晩の第15回優駿スプリント
 好発はリヴェルベロでしたが内の方からハーフブルーが抜け出しまずは先手を奪いました。パンクビート,ハセノブライアン,リオンダリーナの3頭が追いかけ,このうちリオンダリーナがハーフブルーの前に出ました。5番手にジューンドラゴンとジョイフルロックとリヴェルベロ。8番手にフリーダムとブライトフラッシュとキエティスム。11番手にカンノンミカヅキとフィエレッツァとタツノキングオー。14番手にランベリーとフレンドローマ。3馬身差の最後尾にコーラルキング。前半の600mは33秒8のハイペース。
 3コーナーではリオンダリーナ,ハーフブルー,ハセノブライアンの順でこの3頭が抜け出し,内から4番手に上がってきたジューンドラゴンが4馬身差の4番手。直線に入るとハーフブルーがまたリオンダリーナの前に。そのまま抜け出して優勝。リオンダリーナが逃げ粘って1馬身差の2着。後方から外を追い込んだフレンドローマが4分の3馬身差で3着。
 優勝したハーフブルーは南関東重賞初挑戦での勝利。デビューは北海道で3勝。エーデルワイス賞で4着に入ったのを最後に南関東に転入。転入後は4戦して1勝,2着3回と安定して走っていました。前走はリオンダリーナに負けていたのですが,このレースはリオンダリーナがハナを奪うのに力を使った分だけ逆転したという形。この2頭のスピード能力が上位で,ここは初速で優ったハーフブルーに軍配が上がったということでしょう。
 騎乗した大井の笹川翼騎手は金盃以来の南関東重賞22勝目。優駿スプリントは初勝利。管理している大井の鈴木啓之調教師は南関東重賞4勝目。第1回以来となる14年ぶりの優駿スプリント2勝目。

 吉田の論文に関係する考察はこれですべてです。『スピノザーナ9号』には,この後にいくつかの書評が掲載されていますが,それについてはとくに深く考察するべき事柄は含まれていませんでした。よって『スピノザーナ9号』に関する論考もここまでとして,また日記に戻ります。僕がこの本を読み終えたのは昨年の4月24日です。それ以降の日記です。
                            
 4月25日,木曜日。総講でお寺に行きました。
 4月26日,金曜日。午後7時10分にグループホームの妹の担当者から電話があり,1種類の目薬の残量があと僅かであると伝えられました。このことについては事前に書いておきましたから,ここでは詳細は省略します。なお,妹のグループホームの担当者は,今年度つまり今年の4月から,別の職員に交代しました。このときに電話をくれたのは,その当時の担当者であって,現在の担当者ではありません。どういった理由から今年度より担当者が変更になったのかは僕には不明です。
 4月30日,火曜日。みなと赤十字病院の内分泌科の通院の日でした。僕の通院は月曜日でしたが,この前後の月曜日は休日が多かったため,例外的に火曜日になったものです。
 病院に到着したのは午後2時15分でした。中央検査室では3人の患者が待機していました。なのでまず採尿をしてから注射針の処理をし,最後に採血という順番になりました。
 診察が開始になったのは午後3時20分でした。HbA1cは7.3%で3月のときと同じ値でした。そしてこの間に低血糖は1度も発症していませんでした。これならインスリンの注射量を変更する余地はありません。それまでと同じ措置が継続されることになりました。
 この日はこれ以外には何の異常も出ていませんでした。これも3月に続いてのことでした。
 合併症関連の検査は,前回は異常があってMRIの検査も行ったのですが,それから1年が経過していました。なのでまた検査を受けることになりましたので,この日は次回の予約と,その検査のための予約の両方を入れてもらいました。
 薬局に寄って帰りました。インスリンも注射針も処方された分を受け取ることができました。
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サンタアニタトロフィー&身体のコナトゥス

2025-07-17 12:00:27 | 地方競馬
 昨晩の第46回サンタアニタトロフィー
 ワンダーランドが鞭を入れていましたが,ポリゴンウェイヴが外から前に出ての逃げ。リードは2馬身。ティントレットとランリョウオーが2番手を併走。ワンダーランドは2馬身差の4番手に。ライトボンドが直後に続き2馬身差でグランデマーレとメーサンデュラント。3馬身差でタイガーチャージとイーグルノワール。直後をエイシンピストンとゴールドレガシーが併走。2馬身差でマースインディ。3馬身差の最後尾にマンダリンヒーローという隊列。前半の800mは49秒2のミドルペース。
 3コーナーからはポリゴンウェイヴ,ティントレット,ランリョウオーの3頭が雁行。その後ろからライラボンドとゴールドレガシーが並んで捲り上げてきました。直線に入るとすぐにランリョウオーが単独の先頭に。内の2頭は後退し,捲り上げてきた2頭が追い上げてきましたが届かず,4コーナー先頭のランリョウオーが優勝。大外のゴールドレガシーが1馬身4分の3馬身差の2着でライラボンドが4分の3馬身差で3着。
                       
 優勝したランリョウオーは昨年の金盃以来の勝利で南関東重賞6勝目。これまでは長めの距離での南関東重賞を制覇していましたが,マイルグランプリの2着もあり,この距離にも対応は可能でした。むしろ南関東重賞6勝のすべてが大井ですから,コース適性が高いということでしょう。57キロで出走できたのも大きかったと思います。母の父はシンボリクリスエス。祖母がファビラスラフイン
 騎乗した船橋の本橋孝太騎手は昨年の金盃以来の南関東重賞35勝目。第34回,35回に続き11年ぶりのサンタアニタトロフィー3勝目。管理している浦和の小久保智調教師は南関東重賞73勝目。第37回以来となる9年ぶりのサンタアニタトロフィー2勝目。

 人間の身体humanum corpusが,それを滅ぼそうとする毒物と出会うと,第三部定理六により,人間の身体は自己の有suo esseに固執しようとしますperseverare。このとき,そのコナトゥスconatusのpotentiaが上回れば,人間の身体は毒物を撃退することになります。一般に免疫力といわれている力はそのひとつであって,それはコナトゥスそのものといえます。しかし毒物の力の方が上回れば人間の身体の方が弱体化していき,ついには滅ぶすなわち死に至ります。これは人間の身体と毒物の出会い方がどのようなものであったとしても成立するわけです。したがって,この人間の身体と毒物が出会う時点で,その人間の精神mens humanaが自身の死を肯定しているか否定しているかということとは関係ありません。いい換えれば,その人間の精神が自身の死を肯定しているとしても否定しているとしても同じように人間の身体のコナトゥスは働くagereことになります。よって人間の精神が自殺をしようとしているのかしようとしていないのかということは,このこととはまったく関係がないのです。
 しかし一方で,人間は死ぬためには何らかの外部の原因causaに依存せざるを得ません。繰り返しますが僕が原因の外在性ということでいっておきたいのはこのことです。人間の身体はどのような場合であっても同じように自己の有に固執するわけですから,死ぬためには外部の原因に依存するほかありません。これは人間の身体が現実的に存在するならば,常にコナトゥスが働くからであって,この働きactioは,人間の身体を滅ぼそうとするどのような外的な原因と出会ったときにも働いているのです。他面からいえば僕たちは僕たちの身体が自己の有に固執する力自体を制限することはできないのであって,自殺しようとするなら,僕たちの身体のコナトゥスを上回る外部の原因と出会うという,間接的な手段を採用することができるだけです。
 このことから理解できるように,第三部定理六とか第三部定理七は,現実的に存在する人間が自殺することを企てているときにもそれを実行しているときにも成立しているのですから,これらの定理Propositioは人間が自殺することがあるということとはまったく矛盾しないことになります。外部の力の大小だけが,人間の死を決定するdeterminareのです。
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農林水産大臣賞典スパーキングレディーカップ&外部の原因

2025-07-10 10:50:56 | 地方競馬
 ホクトベガメモリアルの昨晩の第29回スパーキングレディーカップ
                            
 テンカジョウは発馬後の加速が鈍く2馬身の不利。ニシノカシミヤが逃げましたがすぐ外にフェブランシェが並ぶ形。向正面に入ったあたりで2頭のリードが4馬身。3番手にはアンモシエラ。1馬身半差で巻き返してきたテンカジョウ。1馬身半差でライオットガール。1馬身半差でマーブルマカロン。3馬身差でマテリアルガールとネバーモア。4馬身差でカンナリリー。3馬身差の最後尾にマインドユアミモザととても縦長の隊列。前半の800mは49秒5のミドルペース。
 向正面の途中でニシノカシミヤは一杯。フェブランシェが単独の先頭で3コーナーを回り,2番手にアンモシエラ。外からテンカジョウが追ってきてその後ろは内がライオットガールで外がマーブルマカロン。アンモシエラが4コーナーでやや外に膨れたため,ライオットガールはアンモシエラの内に進路を選択。アンモシエラの外を回ったテンカジョウと大外のマーブルマカロンの4頭が逃げたフェブランシェを追いました。4頭からはライオットガールが抜け出してフェブランシェに迫りましたが届かず,楽に逃げ切ったフェブランシェが優勝。ライオットガールが1馬身半差で2着。テンカジョウが2馬身半差の3着でマーブルマカロンがハナ差で4着。アンモシエラはクビ差で5着。
 優勝したフェブランシェしらさぎ賞から連勝。重賞は初制覇。クイーン賞は5着でしたが,アンモシエラやテンカジョウから大きく離されたわけではなく,そのときより距離が短縮したのはこの馬にとってプラスでしたから,ここは優勝候補の1頭でした。見た目と違ってそれほどペースが速いわけではなかったという点が有利に働いたという面はありますが,スピード能力で圧倒したという結果。距離は延びるよりも短くなる方がよいでしょう。父はリアルスティール。母の父はクロフネ。4つ上の半姉が2019年に紫苑ステークスを勝ったパッシングスルーで2つ上の半姉が2023年の中山牝馬ステークスを勝ったスルーセブンシーズ。Fee Blancheは白い妖精。
 騎乗した金沢の吉原寛人騎手兵庫ゴールドトロフィー以来の重賞10勝目。スパーキングレディーカップは初勝利。管理している大井の藤田輝信調教師は開業から15年強で重賞初制覇。

 現実的に存在する人間の精神mens humanaのうちに自殺を肯定するaffirmare意志作用volitioがどのように発生するかということは理解できました。そしてこれでみれば分かるように,ある人間がXを否定するnegare意志作用を有することによって自殺を肯定する意志作用が発生するのですから,もしその人間がXを否定する意志作用を有さなければ,その人間は自殺を肯定する意志作用を有することはないでしょう。つまり,Xを苦にして自殺する人間は,Xが存在しなければ自殺をする意志作用というのを有することはないので,もしもXがなければその人間が自殺することはないということになります。これは,借金を苦にして自殺する人は借金がなければ自殺しないであろうとか,病気を苦にして自殺をする人はその病気に侵されていなければ自殺をしないであろうといっているのと同じであって,当然といえば当然のことです。
 このとき,借金とか病気といった諸々のことは,人間の現実的本性actualis essentiaに含まれているわけではありません。すなわちそれは,外部から現実的に存在するある人間に対して与えられるのです。僕たちが自殺の動機といっている事柄はすべからくそうなのであり,それは自殺する人間の現実的本性に含まれているわけではありません。よって人間はその人間の本性natura humanaのみによって説明されるような仕方で自殺をするということはないのであって,その人間の本性と何らかの外部の原因causaによって説明される仕方で自殺するのです。すなわち現実的に存在する人間が自殺するときには,その人間は自殺に対して十全な原因causa adaequataであるということはできず,部分的原因causa partialisでしかありえないことになります。このようにして,現実的に存在する人間が自殺をするということと,第三部定理六第三部定理七は両立することになります。他面からいえば,第三部定理六や第三部定理七は,現実的に存在する人間が自殺をすることがあるということは矛盾しません。むしろ自殺をする人間もまた,その人間の現実的本性によって説明される限りでは自己の有に固執しているのであって,何らかの外部の原因が第四部定理三の様式でそのコナトゥスconatusを凌駕しているのです。自殺も病死も事故死も,そこに相違はありません。
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農林水産大臣賞典帝王賞&共通概念の発生

2025-07-03 10:54:50 | 地方競馬
 昨晩の第48回帝王賞。メイショウハリオが食道閉塞のため競走除外となって13頭。
 ミッキーファイトが逃げられそうでしたが,鞭を入れていた内のヒーローコールに譲るような形。すぐ外の2番手をミッキーファイトが追走。2馬身差でウィルソンテソーロ。4番手にアウトレンジとノットゥルノ。1馬身半差でラムジェットとシンメデージー。2馬身差でディクテオンとミックファイア。1馬身差でオピニオンリーダー。3馬身差でキタノヴィジョンとグランデマーレ。6馬身差の最後尾にヴィアメント。前半の1000mは60秒7のハイペース。
 3コーナーを前に逃げたヒーローコールは一杯。ミッキーファイトが先頭に立ち,ウィルソンテソーロとノットゥルノが並んで追いかけ,その後ろは3馬身ほど離れてアウトレンジとラムジェットとシンメデージー。直線の入口では前の3頭はほぼ並んでいましたが,そこからミッキーファイトが追う2頭を離していきました。内を回ったアウトレンジが直線ではノットゥルノの外へ。そこから抜け出したミッキーファイトを追い詰めましたが届かず,優勝はミッキーファイト。アウトレンジがクビ差で2着。ノットゥルノが2馬身半差で3着。
 優勝したミッキーファイトはアンタレスステークスから連勝。重賞4勝目で大レース初制覇。強い4歳世代の1頭。実績はメンバーの中では上位とはいえませんでしたがジャパンダートクラシックでフォーエバーヤングに迫った内容から,ここでは最有力候補だろうと思っていました。僅差でしたが内容的には完勝で,もう少し力強さが出てくれば,フォーエバーヤングの域まで到達することができるのではないかと思います。母の父はスペシャルウィーク。6代母がパロクサイド。3代母がエアグルーヴ。5つ上の半兄が2019年に中京記念を勝ったグルーヴィットで4つ上の半兄が2022年にシリウスステークスとチャンピオンズカップを勝ったジュンライトボルト
                            
 騎乗したクリストフ・ルメール騎手はヴィクトリアマイル以来の大レース制覇。第41回以来となる7年ぶりの帝王賞2勝目。管理している田中博康調教師はチャンピオンズカップ以来の大レース7勝目。帝王賞は初勝利。

 ここでは第三部定理三九の文言に注目します。この定理Propositioはスピノザが人間の身体humanum corpusという,そう多くは用いない語を使用している個所のひとつだからです。なお,村上が指摘しているように,スピノザは人間の身体を物体corpusの一部とみなしているのですが,それはいってみれば哲学における身体論の開始の時点でのことです。これについては第二部公理四の意味について説明したことを参照してください。しかし第二部定理一三系において,論証Demonstratioによって人間の身体が実在することは確定していますので,この定理でスピノザが人間の身体と外部の物体を区分していることは何も問題がありません。
 この定理がいっていることは,たとえばAという人間が現実的に存在しているとして,Aの身体にとって外部の物体たとえばBがあるとき,Aの身体とBに共通かつ特有な要素たとえばXがあるなら,Xは十全に認識されるということです。これはAの知性intellectusにとってもBの知性にとっても妥当しなければならないと僕は考えますが,このことを考察するとかえってややこしくなってしまいますから,ここではAの精神mensによってXが十全に認識されることになると限定しておきます。
 ここで重要なのは,この定理ではBがAの身体を刺激するafficereのを常とする物体と規定されている点です。逆にいえば,もしBがAの身体を刺激しないのであれば,Xの観念ideaはAの精神のうちには生じないのです。つまり共通概念notiones communesが人間の精神mens humanaに発生するのは,その人間の身体が外部の物体によって刺激されるafficiからなのです。
 第二部定理一七によれば,この様式がAに生じるとき,Aの精神のうちにはBの表象像imagoが発生することになります。しかしこのBの表象像は混乱した観念idea inadaequataです。なぜかといえば第二部定理一六系二にいわれているように,この観念はBの本性essentiaの観念と同時にAの身体の本性を含んだ観念であるからです。スピノザが第一種の認識cognitio primi generisといっているもの,知覚perceptioや感覚sensusも含んだものとしての第一種の認識というのはこのような認識のことです。したがってこれは論証には役に立たない認識だとスピノザはみなします。ただ,この様式で生じる観念のすべてにそのことが妥当するわけではないのです。
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農林水産大臣賞典さきたま杯&感覚の有益性

2025-06-26 10:43:51 | 地方競馬
 昨日の第29回さきたま杯
 コスタノヴァは発馬を躊躇し5馬身の不利。前に行ったのはシャマル,アウストロ,ティントレットの3頭。向正面に入って3頭で3馬身くらいのリード。4番手はムエックスとチカッパになり,6馬身差でエンペラーワケア。7番手にタガノビューティー。8番手にマーブルマカロン。3馬身差でヘリオス。4馬身差でオメガレインボーとサヨノグローリー。2馬身差の最後尾にコスタノヴァ。最初の600mは34秒9のハイペース。
 3コーナーまでにアウストロは後退し,エンペラーワケアの外にティントレットで最終コーナー。チカッパがさらに外の4番手。後退したアウストロをうまく捌いたムエックスがティントレットとチカッパの間に。直線に入ると逃げたシャマルが2番手以下との差を広げていき,鮮やかに逃げ切り,レコードタイムで優勝。ティントレット,ムエックス,チカッパの3頭が競り合うところ,大外からエンペラーワケアが追い込んできて2着争い。中のムエックスが制して5馬身差で2着。大外のエンペラーワケアがアタマ差の3着でティントレットがクビ差で4着。
                       
 優勝したシャマルかしわ記念に続き大レース連勝で3勝目。能力はコスタノヴァやエンペラーワケアの方が上かもしれませんが,コースに対する適性を踏まえれば最有力候補だろうと思っていました。不良馬場は得意中の得意で,大雨で7レースと8レースが中止になったような馬場状態も味方したのではないかと思います。もう7歳なのですが,能力は衰えていないどころかさらに強くなっているように思えます。父は第13回第14回を連覇したスマートファルコンで父仔制覇。母の父はアグネスデジタルで祖母の父はダンスインザダーク。母の従妹に2022年のローズステークスと2023年の愛知杯を勝ったアートハウス。Shamalはペルシャ湾岸に吹く風。
 騎乗した川須栄彦騎手はかしわ記念以来の大レース3勝目。さきたま杯は初勝利。管理している松下武士調教師はかしわ記念以来の大レース4勝目。さきたま杯は初勝利。

 ここまで検討してきた通り,スピノザは人間の身体humanum corpusがほかの物体corpusから区切られた自分の身体として規定せず,むしろ諸々の物体のひとつとして発見されるものであると規定していることが分かります。したがって村上がいっているように,デカルトRené Descartesが身体というのをもっぱらほかの物体から区切られて発見される自分の身体として規定しているのだとすると,スピノザはそのデカルトの規定を受け継いでいないことになります。
 村上はこの相違が生じる理由を,感覚sensusの有益性という観点から説明しています。この点も考察しますが,これも当ブログの趣旨に沿って,スピノザの側から考えてみます。
 第二部公理四は,僕たちがある物体が刺激されるafficiのを感じるといっているのですから,ある感覚についての公理Axiomaであるといえます。つまり僕たちには,物体が刺激されていると感じる力potentiaがあるということを前提しているわけです。このとき,この感覚が,その物体が自分の身体であるということを知るために役に立つかどうかというと,デカルトの哲学の場合では役立つといえるのだけれども,スピノザはこの有益性を認めないのです。つまり,自分の身体を他の物体から区切るということに対して,自身の感覚が役に立つとデカルトがいうのに対して,スピノザはそこには有益性はないと考えているということです。実際にスピノザが自分の身体が存在するということをどのように証明しているのかということをみれば,スピノザがこの身体的感覚にはまったく頼っていないということは,ここまでにみてきた通りであるといえます。
 このことは,ここまでの考察と照合させるためにこのようにいったまでであって,この場合に限ったことではありません。つまり一般的に,何事かを真verumであるということを証明するために,デカルトは感覚が役に立つということを認め,その感覚に頼ることによって論証Demonstratioを進めていく場合があるのに対し,スピノザは真理veritasの論証のために感覚を用いることはしないのであって,つまり一般に感覚というのは真理の証明のためにまったく役立たない,より積極的にいえば無益であるとみなしているのです。
 これをもっと具体的にみていきます。
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農林水産大臣賞典関東オークス&歴史的知見

2025-06-19 11:05:52 | 地方競馬
 昨晩の第61回関東オークス
 グレアネオンライトとレペンテは発馬が悪く1馬身の不利。大外のジョートビーが前に出ての逃げ。クリノスワローとプラウドフレールが2番手を併走。4番手にオモチチャンとクリノメイ。6番手にメモリアカフェとハナノウタゲ。8番手にツキノアカリ。9番手にコパノエミリア。10番手にベルグラシアスとリコーテリア。12番手にグレアネオンライト。13番手にダイシンゲキ。最後尾にレペンテで発馬後の向正面を通過。ジョートビーは前に出てからも飛ばしていき,1周目の正面ではリードが7馬身。プラウドフレールが単独の2番手になりました。ハイペースでした。
 2周目の向正面の半ばを過ぎるとジョートビーは一杯でプラウドフレールが単独の先頭に。クリノスワローが2番手で追い,その後ろにクリノメイとメモリアカフェ。さらにコパノエミリアとツキノアカリ。最終コーナーでメモリアカフェが外からクリノスワローの前に出て2番手。直線に入るとプラウドフレールも差して先頭に立つとあとは差を広げる一方で圧勝。プラウドフレールが粘るところ,コーナーで内を回ったコパノエミリアが追い上げ,差して5馬身差の2着。プラウドフレールが4分の3馬身差で3着。
 優勝したメモリアカフェは重賞初挑戦での勝利。デビューが遅れて今年の2月。そのレースは2着でしたがその後は3連勝で重賞を制覇しました。このレースはJRAで1勝クラスを勝った馬と,南関東のクラシック路線で戦った馬の対決。結果的に勝ち馬の能力が一枚以上上であったようで,2着に伏兵が食い込むことになりました。このレースの勝ち馬は概ねその後も活躍しています。それでこの勝ち方ですから,この馬の将来も楽しみです。母の父はマンハッタンカフェ。祖母の父は2004年のCBC賞と2005年のシルクロードステークスを勝ったプレシャスカフェ
                            
 騎乗したクリストフ・ルメール騎手は第53回以来となる8年ぶりの関東オークス2勝目。管理している柄崎将寿調教師は関東オークス初勝利。

 スピノザは『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』の第十二章で,聖書の神聖性について次のようなことを述べています。
 聖書が神聖なものとされるのは,聖書自体が人びとを奉仕に駆り立てるからです。逆にいえば,もし聖書が人びとを奉仕に駆り立てないのであれば,聖書は何ら神聖なものではありません。実際にかつてのユダヤ人にとっては聖書は神聖なものでなかった時代があったのであって,そのときには聖書というのは神聖な書物であったわけではなく,紙に書かれたインクの文字以上の何ものでもなかったのです。すると書物としてみられたときの聖書は,その間に汚されてしまい,破損だらけの残骸が残ることになります。しかしそれは,単に書物としての聖書が汚されたということを意味するのであって,神のことば自体,すなわちオリジナルの教説自体が損なわれたり失われたりしたというわけではありません。
 この部分は,ここで手島がいっていることと関係しています。スピノザがここでいっているのは,預言者が聞いたとされる神Deusのことばとしてのオリジナルな啓示と,聖書という書物に書かれたインクの文字は分けて考えなければならないということなのであって,まさにその地点から,つまりこのふたつの地点を分離するところから,スピノザの歴史的な立場からの聖書批判が開始されることになるからです。すでに指摘しておいたように,もし聖書の中に意味が受け取りにくい一文ないしは一節があるとしたら,それは聖書のほかの部分のテクストとの整合性によって理解されなければならないとスピノザは考えるのですが,それは基本的には聖書の全体は預言者たちが聞いた神のことばによって構成されているからなのであって,さらにそのゆえに、もしもその部分の整合性が合致するならば,本当に正しいであろうひとつの解釈だけを結論として提示する必要性はないのです。
 これを手島は,聖書自体の歴史の中から聖書そのものを理解するという方針に従ったスピノザが,聖書が成立するまでの過程を研究しまた調査した上で到達した歴史的な知見であったとしています。テクストの片言隻語にまでオリジナル性を要求する聖書学とは一線を画しているからです。
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東京スポーツ賞川崎スパーキングスプリント&歴史批判

2025-06-18 11:57:21 | 地方競馬
 習志野きらっとスプリントトライアルの昨晩の第5回川崎スパーキングスプリント。ティアラフォーカスは御神本騎手から矢野騎手に変更。
 逃げ争いを演じたのはリノディスティーノ,カプリフレイバー,エンテレケイア,ティアラフォーカスの4頭。5番手にボヌールバローズで6番手にパレスレガシーとプライルード。2馬身差でキモンアップルとレベルフォー。4馬身差で発馬直後は取り残されていたシンヨモギネスとマッドシェリーとサンダーゼウス。ハイペースでした。
 前の4頭からエンテレケイアとティアラフォーカスが抜け出し,3コーナーで3番手との差が3馬身くらいに。コーナーは2頭が並んで回って直線へ。ここからエンテレケイアがティアラフォーカスを引き離していき,鋭く逃げ切って優勝。ティアラフォーカスが1馬身半差で2着。中団から追い込んできたプライルードが2馬身差で3着。
                      
 優勝したエンテレケイア船橋記念以来の勝利で南関東重賞4勝目。もう少し距離があってよいタイプと思いますが,スピード能力は卓越したものがあり,ここはそれを生かしきりました。ハイペースでもとにかく逃げて直線で粘り込むというレースが最も適しているようです。父はアジアエクスプレス。Entelecheiaは哲学の用語で完成された現実性。
 騎乗した金沢の吉原寛人騎手しらさぎ賞以来の南関東重賞42勝目。川崎スパーキングスプリントは初勝利。管理している浦和の小久保智調教師は南関東重賞72勝目。川崎スパーキングスプリントは初勝利。

 聖書の中に,テクストを確定することができない部分があると仮定します。そのテクストを確定させるようとするとき,ふたつの説があると仮定しましょう。このときにそのふたつのテクストが両方とも,Deusを愛せという教えと隣人を愛せという教えに反しないのであれば,オリジナルのテクストがどちらであるかを確定させる必要はないというのがスピノザの考え方です。しかしどちらか一方が,その教えのどちらかあるいは両方に反するようなテクストであるなら,そのテクストは誤りであって,どちらにも反していないもう一方のテクストが原テクストであるとスピノザは判断します。
 このことはさらに,テクストの原本にも関係します。もしも聖書の原本とされるテクストの中に,この教えに反するような一文あるいは一節が含まれているとすれば,それは原本のテクストの中に何らかの書き間違いがあるのであって,それをこの教えに反しないように書き改めなければなりません。すなわちどのような場合であっても,優先されるのは聖書のオリジナルなふたつの教説なのであって,もしもその教説に反しないのであれば,それはどのようなテクストであろうと構わないし,テクストをどのように解釈しても構わないのです。しかしもしもその教説に反するようなことが含まれるのなら,それがテクストそのものに含まれている場合はテクストそのものが誤っているとみなければならないし,確定できないテクストの部分であればその書き直したものが誤っているとみなければならないのです。
 このことから理解できるのは,スピノザは聖書の根本的な教説,すなわちオリジナルな啓示の内容に関心をもっているということです。したがって,聖書そのものの研究をする場合も,また聖書の解読を研究する場合にも,スピノザが示したような理解の根底を崩すような異読は存在しないという結論を出すことが,スピノザにとっては最も重要であったということになります。そして実際にそのような結論を出すことができる以上は,聖書のオリジナルな原本がどのようなものであるか,つまり原本のオリジナル性に関わるような研究は不要なのです。それがスピノザの歴史批判の中心です。
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農林水産大臣賞典東京ダービー&外形的事実

2025-06-12 11:57:35 | 地方競馬
 昨晩の第71回東京ダービー
 一旦はスマイルマンボが前に出ましたが,すぐ外からナチュラルライズが掛かり気味に追い抜き,向正面に入るあたりでは5馬身くらいの差をつけての逃げ。控えたスマイルマンボが2番手。3番手にはナイトオブファイアとシーソーゲーム。2馬身差でクレーキング。2馬身差でウィルオレオールとカナルビーグル。3馬身差でアメージング。3馬身差でフレンドローマ。以下はプレミアムハンド,ミーヴァトン,ケンシレインボー,テディージュエリー,プローラーティオーの順となり,4馬身差でカセノタイガー。8馬身差の最後尾にスキャロップ。前半の1000mは62秒7のスローペース。
 3コーナーを回るとスマイルマンボの外からシーソーゲームが追い上げてきて2番手が入れ替わり,インからナイトオブファイアが3番手に。直線に入るとナイトオブファイアは逃げたナチュラルライズとシーソーゲームの間に進路を取りにいきました。逃げたナチュラルライズは詰まっていた差をそこからまた広げていき,鮮やかに逃げ切って優勝。競り合うナイトオブファイアとシーソーゲームの外から伸びたクレーキングが2馬身半差で2着。シーソーゲームが2馬身半差の3着でナイトオブファイアが2馬身差の4着。大外を追い込んだカナルビーグルがクビ差で5着。
 優勝したナチュラルライズ羽田盃に続き大レース2勝目。このレースは羽田盃の上位馬とユニコーンステークスの上位馬の対決。引っ掛かって先頭に立ったときは心配しましたが,さほどペースが速かったわけではなく,展開的にはむしろ有利でした。前半の走りをみると本質的にはもう少し短い距離の方が向くのではないかという気もするのですが,それで逃げ切っているわけですから,上積みはまだある馬だと思います。相手云々よりも自分との戦いが重要となる馬かもしれません。レース全体としては見た目は大味でもスローペースだったため,位置取りが結果に大きな影響を与えたように思います。父はキズナ
 騎乗した横山武史騎手は羽田盃以来の大レース9勝目。東京ダービーは初勝利。管理している伊藤圭三調教師は羽田盃以来の大レース2勝目となりました。

 前もっていっておいたように,ここで僕が着目するのは外形的事実だけですから,これらのこと,というか久保の論文はここで示したことよりもかなり多くの事柄が含まれていますので,それらも含めてのことですが,それを久保がどのように評価しているかということの判断はここでは控えます。一方,『スピノザーナ9号』の久保の論文に対しては,上野修のアンサーがありますが,このアンサーは思想内容の観点から久保の論文を評価しています。グレフィウスJohann Georg Graevius,上野はフラーヴィウスと表記していますが,これもグレフィウスのことなので当ブログではグレフィウスといいますが,グレフィウスはフェルトホイゼンLambert van Velthuysenと同じようにデカルト主義者なので,スピノザと関係があったとしても,それをホイエルJacobus Goyerとスピノザの関係に直結させることに疑問を呈しているのです。よってこのアンサーも,外形的な事実以上の内容に踏み込んでいますから,僕は判断を控えます。
                           
 書簡四十九の内容は,スピノザがシモン・ド・フリースSimon Josten de Vriesから借りた文書をグレフィウスに又貸しし,その又貸しした文書の返却を督促する内容です。したがって上野が指摘しているように,グレフィウスとスピノザは思想面では相容れるところがなく,実際にグレフィウスはライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizに宛てた書簡の中で,『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』のことを最も有害な書物といっているのですが,それでも大事な文書を貸し借りするような間柄ではあったのであり,それは双方が相手のことを人間的には信頼していたということの裏返しだと僕には思えます。僕が示そうとする外形的事実にとって重要なのは,思想的にどのような関係であったのかということよりは,どのような信頼関係があったのかということの方です。
 スピノザはイエレスarig Jellesに送った書簡四十四の中で,教授が訪ねてきて,『神学・政治論』のオランダ語版を出そうそしている人物がいると告げられたので,それを阻止するように協力を求めています。上野はこのときにスピノザを訪ねた教授というのがグレフィウスであったかもしれないというメインスマの説を援用しています。それは上野がその説にある種の信憑性を感じていることの証拠だと僕には思えます。
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ラジオNIKKEI盃若潮スプリント&注釈の価値

2025-06-05 11:02:58 | 地方競馬
 昨晩の第5回若潮スプリント。矢野騎手が個人的な事情で騎乗することができなくなったため,アナザーメイトは本橋騎手に変更。
 ピーエムナナは発馬で立ち上がり2馬身の不利。アステローペも立ち上がって3馬身の不利。パンクビート,ハセノブライアン,ベアバッキューンの3頭が並んで逃げるようなレース。2馬身差でリヴェルベロとアッカーマンとカンノンミカヅキ。4馬身差でエイシンマジョリカとアステローペ。1馬身差でライトスリーとフィエレッツァ。2馬身差でピーエムナナ。アナザーメイトは8馬身ほど離されました。前半の600mは34秒8のハイペース。
 3コーナーを回るとパンクビートの外からハセノブライアンが前に出て先頭。ベアバッキューンもその外を必死についていき,カンノンミカヅキが単独の4番手に進出。ここで4番手と5番手以下の差が開きました。直線に入るとパンクビートも一杯。単独の先頭から粘り込みを図るパンクビートの外から追ったベアバッキューンが競り落とすと抜け出して快勝。ハセノブライアインが3馬身差で2着。カンノンミカヅキが1馬身半差で3着。
                       
 優勝したベアバッキューンはここが鎌倉記念以来のレース。デビューからの連勝を5まで伸ばして南関東重賞3勝目。鎌倉記念の後で骨折してしまい,ここは復帰戦。相手関係は楽でしたので,能力を発揮できれば勝てるだろうと思っていました。この開催は降雨の影響があり,先行馬が有利で馬場の内側はやや走りにくい馬場状態になっていましたので,外目の枠から先行できたのも有利でした。3コーナーからの走りをみるとこの距離は本質的には短いと感じますが,しかしそれは久々のレースの影響だったのかもしれません。スピード能力はなかなかのものですので,適性が明らかになるのはこれからでしょう。父はモズアスコット。母の父はネオユニヴァース
 騎乗した川崎の町田直希騎手は東京プリンセス賞以来の南関東重賞18勝目。若潮スプリントは初勝利。管理している川崎の鈴木義久調教師は南関東重賞3勝目。若潮スプリントは初勝利。

 ホイエルJacobus Goyerの蔵書の競売にブールマンが関わったことにより,特別の価値があるとみなされた蔵書のいくつかは,ユトレヒトUtrecht市が買い取った上で,ユトレヒト大学に寄贈したという記録が残っています。つまりホイエルの蔵書の中には,そのまま大学の図書館に寄贈することができるような価値があるものが含まれていたということです。その中にギリシャ語大辞典という一冊があり,これは蔵書というより,ホイエル自身が筆写したものであったと久保は報告しています。
 肝心の『ホメロス全集』ですが,これはブールマン自身が買い取ったという記録が残っています。『ホメロス全集』は1517年に発刊されたもので,おそらくすでにユトレヒト大学にあったので,ユトレヒト市で買い取らなければならないようなものではなかったのだろうと思います。また仮にそうでなくとも,この本にはホイエル自身による注釈がたくさん書き込まれていたわけですから,大学に寄贈するような性質のものではなかったのかもしれません。ブールマンはその価値,『ホメロス全集』の価値ではなく,ホイエルが書き込んだ注釈の価値が分かっていましたから,自身で買い取ったということでしょう。
 久保はブールマンは後に古典学者として名を馳せたといっていますが,この人がどういう人かは僕には分かりません。ただ名を馳せたとされるそのブールマンが,ホイエルについて何も言及しなかったのは学者としての誠実さに欠けると思う人がいるかもしれませんが,僕は必ずしもそのようには思いません。ホイエルは葬儀の例から分かるように,当時の人にはそれなりに知られていました。それは学者としての優秀性が知られていたといっていいでしょう。なので同時代を生きたブールマンが,ホイエルに関してとくに言及しなくても,ましてホイエルの人となりについて詳しい記述を後世に残さなかったとしても,それはそれで自然なことであるように僕には思えるからです。ブールマンはホイエルの注釈に価値があるということは分かっていたと思いますが,それを自分自身の研究の資料として参照するために入手しただけで,ホイエルのことを研究しようとする気はなかったでしょう。
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