スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

有馬記念&第五部定理四二備考

2022-12-25 20:03:36 | 中央競馬
 グランプリの第67回有馬記念
 タイトルホルダーが先手を奪いました。2番手との差が最も広がったのが2コーナー付近で3馬身くらい。2番手にはブレークアップ。3番手はジャスティンパレスとボッケリーニとディープボンド。6番手にイズジョーノキセキとエフフォーリア。8番手にポタジェ。9番手にイクイノックス。10番手にウインマイティーとアリストテレスとヴェラアズールとラストドラフト。14番手にジェラルディーナ。15番手にボルドグフーシュ。3馬身差の最後尾にアカイイトという隊列。ミドルペースでした。
 3コーナーからは後続がタイトルホルダーとの差を詰めにいきました。直線の手前ではタイトルホルダー,ディープボンド,エフフォーリア,イクイノックスの4頭が雁行。一番外のイクイノックスはとても手応えがよく,直線に入って先頭に立つとそのまま抜け出して快勝。その後から追い上げてきたボルドグフーシュが2馬身半差で2着。直線の入口でもまだ後方だったジェラルディーナがボルドグフーシュを追って1馬身半差の3着。
 優勝したイクイノックス天皇賞(秋)からの連勝で大レース2勝目。少ないキャリアで天皇賞を勝った馬ですから強いことは分かっていて,ここでも有力候補でしたから,優勝自体は驚くような結果ではありませんが,こんなに楽勝することができるとは僕には予想外でした。この勝ち方ですからこの路線ではトップに立ったとみていいのではないでしょうか。父は第62回を勝ったキタサンブラックで父仔制覇。母は2015年にマーメイドステークスを勝ったシャトーブランシュでその父がキングヘイロー。4代母がブランシュレイン。ひとつ上の半兄に昨年のラジオNIKKEI賞を勝ったヴァイスメテオール
                                        
 騎乗したクリストフ・ルメール騎手は天皇賞(秋)以来の大レース制覇。第50回,61回を制していて6年ぶりの有馬記念3勝目。管理している木村哲也調教師は天皇賞(秋)以来の大レース4勝目。有馬記念は初勝利。

 入門書を読むことの意義についての概説はここまでにします。ここからは『はじめてのスピノザ』の内容に関係する考察に移ります。これも前もっていっておいたことですが,ここからの考察は,入門書に見合った考察,いい換えれば入門者向けの考察というわけではなく,スピノザの思想の中身に深く入っていく場合が生じます。
 『はじめてのスピノザ』の第一章の二節で,國分は第五部定理四二備考の一部を抜粋しています。この節は哲学する自由libertas philosophandiという表題となっています。
 「無知者は,外部の諸原因からさまざまな仕方で揺り動かされて決して精神の真の満足を享有しないばかりでなく,その上自己・神および物をほとんど意識せずに生活し,そして彼は働きを受けることをやめるや否や同時にまた存在することをもやめる」。
 これが國分が抜粋している部分です。國分はこれが具体的に何を意味しているのかということを解説しています。僕もここでこの部分の意味というのを考察していきます。
 まず最初に,ここでは無知者といういわれ方をしています。この備考Scholiumでは賢者といういわれ方をしている部分がこの部分の前後にあり,この無知者というのは賢者と比較されているということは,備考の全体を読めば理解することができます。ただ,具体的に無知者がどういう人のことを意味して,賢者がどういう人のことを意味するのかということが明らかでないと,この部分は,外部の諸々の原因causaから多くの仕方で揺り動かされる人のことを無知者というのだというようにしか理解できません。そして同様に,そのようには精神mensを揺り動かされない人のことを賢者というのだというふうにしか理解できないでしょう。もちろんそれらの説明は,確かに無知者および賢者の特性,存在しているあり方というのを正しく説明しているので,そのように理解して問題があるというわけではありませんが,『エチカ』の他の個所との比較で,この備考でいわれている無知者が何を意味して,また逆に賢者がどういった人のことを意味しているのかということが分かれば,この備考でスピノザがいわんとしていることもより容易に理解できるようになるだろうと思います。
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