スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

マリーンカップ&第三部定理六

2010-04-14 19:05:34 | 地方競馬
 関東オークス馬2頭が中心視された第14回マリーンカップ
 ユキチャンが発走で少し外によれましたが大した問題はなし。ケイアイガーベラが先手を奪い,2番手にトーホウドルチェ。やや掛った感じもありますがユキチャンは3番手の外で宥め,これらを見るようにラヴェリータ。前半の800mは49秒5でスローに近いくらいのミドルペース。
 力量差もありますが,3コーナーに入るあたりでは前4頭と後ろに水が開きました。順位は変わらず直線まできましたが,すぐにトーホウドルチェがケイアイガーベラを差して先頭に。外のユキチャンはやや伸びを欠き,ケイアイガーベラとトーホウドルチェの間からラヴェリータが伸び,トーホウドルチェに内から迫って並んだところがゴール。どちらが勝ったかまったく分かりませんでしたが,写真判定の結果,優勝は先に抜け出していたトーホウドルチェ。ラヴェリータが2着でケイアイガーベラは差したユキチャンが3着。
 優勝したトーホウドルチェは昨年春にオープン入りし,直後のプロキオンステークスで2着。その後も牡馬を相手に勝てないまでも差のないレースを続けていて,待望の重賞初制覇。ラヴェリータより斤量が2キロ軽かったのもこの差ですから大きかったでしょう。牝馬同士であれば力量に上位のものがあることははっきりしましたが,父がサウスヴィグラスですので,距離がさらに伸びるのは微妙なところでしょう。
 騎乗した四位洋文騎手,管理している田島良保調教師ともにこのレース初制覇となりました。

 第一部定理二四の意味を踏まえ,続いて第三部定理六をみることにします。
 「おのおのの物は自己の及ぶかぎり自己の有に固執するように努める(Unaquaeque res, quantum in se est, in suo esse perseverare conatur.)」。
 これはたびたび注意していることですが,ここで努めるconaturといわれているのは,そのように努力をするというような意味ではなく,本性essentiaのうちにそういった傾向を有しているというほどの意味です。したがってこの定理Propositio全体の意味というのは,どんな個物res singularisも,その本性のうちには,自身の実在性realitasすなわち完全性perfectioに固執するperseverare傾向を有しているということになります。
 ところで,このような傾向conatusを各々の個物が有するならば,各々の個物は必然的にnecessario自身の実在性に固執することを希求するということになるでしょう。いい換えればそのように欲望するということになります。スピノザが第三部諸感情の定義一において,基本感情affectus primariiのひとつである人間の欲望cupiditasという感情を定義するとき,一定の条件のもとにではありますがこれを人間の本性と等置しているのは,このような理由に依拠しているといえるでしょう。
 また,この定理は,各々のものがどのような属性attributumに属しているかということに関係なく妥当します。したがって人間の身体corpusに妥当するのはもちろん,人間の精神mens humanaにも妥当しているということになります。もっともこのことは,この定理が欲望という感情の定義Definitioと直接的に関係しているということからも明らかだといえるでしょう。というのは,第三部定義三にあるように,感情ということばはスピノザの哲学においてはやや特殊なことばであり,人間の身体についても精神についても同様に用いられることばだからです。そして現在の考察ではとくに,これが人間の精神にも妥当するということがとくに重要であるということになります。
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