スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋王戦&前提

2010-02-27 19:04:55 | 将棋
 棋王奪還を目指す佐藤康光九段の先勝で幕を開けた第35期棋王戦五番勝負第二局。
 ここは佐藤九段の先手で久保利明棋王のごきげん中飛車。③Bですが,▲9六歩ではなく▲7八金。先手が穴熊を目指したところで後手から仕掛けました。この後,打ち合った角を交換し,後手が銀を犠牲にするような形で2筋を突破し,龍を作りました。
               
 ここで先手は▲2八銀。これは龍を捕獲しにいく狙い。△3六桂▲同角△2九龍▲3九金でその目的は達しましたが,△同龍▲同銀△1七角成(第2図)となってみると,この大局観が正しかったかどうかは微妙な気がします。
               
 この後,観戦中は先手が勝負どころを失ったのではないかくらいに思っていたのですが,実際にはそれほどの開きはなかったようです。しかし将棋は70手目の△5九飛以下うまく寄せた後手が勝っています。
 久保棋王が勝って1勝1敗となりました。第三局は来月7日に指されます。
 

 第二部定理四九系をそれ自体で証明するという場合には,以下の点について,それらが僕の証明の手続きの前提条件となってきますので,先にそちらを確認しておきたいと思います。
 もしも何らかの事物があるという場合,あるいは,何らかの個物に関して,それが現時点では現実的に存在していないとしても,第一部公理三により,一定の原因が与えられさえすれば,存在するようになるとき,この事物には力があると僕は解します。しかしこれに反して,ある事物が存在することができないとするなら,こうした事物は無力である,すなわち,力があるというのと正反対の意味で無力であると解します。いい換えれば,スピノザの哲学にあっては,必然と不可能が反対の概念となるわけですが,ある事物がその存在に関して,必然であるならばこれは力であると解し,逆に不可能であるならこれを無力と解するということです。なお,これらのことに関しては,スピノザが第一部定理一一第三の証明で用いている原理と同様なので,ここでもこれを前提とすることについては,スピノザの哲学の範疇ではそう大きな問題がないものと考えます。
 次に,こうした事物の力というのは,その事物の本性から即座に生じてきます。このことは,第二部定義二の意味の中に,事物の本性はその存在を定立するが排除はしないということが含まれているということからも明らかですし,そもそもここでは人間の知性と意志についてのみ考察の対象としていますから,第三部定理七に訴えるだけでも十分であると思われます。僕はスピノザの哲学における本性と実在性の関係については,すでに何度か,実在性というのは力という観点からみたその事物の本性であるということを説明してきましたが,要するにここでもこの考え方に依拠するということです。
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社会主義者&第二部定理四九

2010-02-26 18:58:37 | 歌・小説
 『明暗』における夏目漱石のほかの小説との相違において,主要な登場人物が多いということだけでなく,その中に,社会主義者とみられることに喜びを感じるような人物がいるという点も挙げられるのではないかと思います。つまり登場人物の量的側面だけでなく,質的な面においても,『明暗』にはほかの小説と異なった点があると思うのです。
               
 もっとも,社会主義者とみられることに喜びを感じると表現したように,この小林という人物が,僕たちが理解するような意味で社会主義者であるといえるかどうかは微妙なところです。清水忠平氏は『漱石に見る愛のゆくえ』という著書の中で,この小林について,「アナーキストまがいの貧民代表」といっていますが,確かにこの方が,小林という人物の特徴をよくつかんでいるような気はします。
               
 貧民といえるような登場人物に関しては,それまでの漱石の小説の中にも登場していなかったわけではありません。たとえば『それから』の平岡とか,『門』の宗助などは,必ずしも裕福な暮らしを送っているわけではないといえるでしょう。ただ,平岡というのは事業の失敗により生活に困窮するようになったわけですし,宗助も,産まれ自体が貧しかったというわけではありません。しかし小林との最大の相違は,小林というのは確かに貧民の代表であるということ,いい換えれば小林という人物は自分が貧民であるということに自覚的であり,その立場から行動するという点です。
 いかに小林自身の口からドストエフスキーに言及する場面があるとはいえ,この点に関しては,漱石とドストエフスキーの関係において,必ずしも漱石が一方的に受けた影響であるとはいえないかもしれません。しかし小林という人物が登場することによって,『明暗』という小説に,ドストエフスキーの小説に似たような匂いが含まれるようになったということは,否定し難いように思えます。

 ここまでのことを踏まえて,第二部定理四九系の証明に入ることにします。
 第二部定理四九系というからには,これは第二部定理四九からの帰結事項です。なのでまずはそこから証明されるということになります。
 「精神の中には観念が観念である限りにおいて含む以外のいかなる意志作用も,すなわちいかなる肯定ないし否定も存しない」。
 この定理が意味しているところは,意志作用というものがあるとすれば,現在は人間に関してのみ考察していますから,もし人間の精神の中に何らかの意志作用というものがあるとしたら,それはある観念の中にしかないということです。しかし同時にこれは,もしも人間の精神のうちにある観念が存在するならば,この観念のうちには必ずこの観念の肯定ないしは否定,すなわち意志作用が含まれているということも意味しています。これは,後で説明しますが,この定理のスピノザによる証明からも明らかです。
 ところで知性とは個々の観念であり,意志とは個々の意志作用ですから,前述のことを一般的にいえば,意志は知性のうちにあり,知性は必ず意志を含むということになります。いい換えれば知性と意志の相違は,ある思惟の様態について,これをどういう観点から説明するか,つまり単純にある思惟の様態を形相的な側面から説明するのか,それともその観念がいかなる肯定ないしは否定を含んでいるのかという側面から説明するのかという相違であるということにほかならず,実際には同一のものであるということになるでしょう。
 これが『エチカ』における論理の順序です。しかしここでは第二部定理四九系をこれ単独で経験論的に補強するという主旨を企てていますから,この第二部定理四九からの帰結事項としての証明では少し不備があるといえます。そこで,第二部定理四九系というのを,それ自体で,つまり第二部定理四九には依存しないで証明するということを試みたいと思います。
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エンプレス杯&意志作用

2010-02-24 18:42:19 | 地方競馬
 ダートの牝馬限定戦では最高峰に位置する第56回エンプレス杯
               
 好発はブラボーデイジーでしたが,外から押してきたシスターエレキングを先に行かせ,2番手に控えました。1周目の正面に入ったところでラヴェリータ,ツクシヒメ,ウェディングフジコと続きました。ペース自体は速かったです。
 2周目の向正面に入るとラヴェリータがブラボーデイジーに並び掛け,シスターエレキングは早くも後退。レースはここからこの2頭のマッチレースとなり,最後まで僅差の競り合いが続きましたが,とうとう抜かれることなく,ブラボーデイジーの優勝。ラヴェリータが2着で,3着には中団から追い込んだコスモプリズム。
 優勝したブラボーデイジーは昨年4月に福島牝馬ステークスを勝った後,離されはしたもののヴィクトリアマイルでも2着になっていて,力量はここでも上位。問題はダートがどうかという点でしたが,父がクロフネということもあり,問題なくこなしました。今後もこの路線に使ってくるのであれば,中心馬の1頭となるでしょう。
 鞍上は武豊騎手で,2004年のレマーズガール以来のエンプレス杯2勝目。管理している音無秀孝調教師は初のエンプレス杯制覇となっています。

 意志とは個々の意志作用volitio,というか,個々の意志作用の総体のことを意志というわけですが,さらに注意しなければならないのは,こうした意志作用について,スピノザはさらに特別な考え方をしているということです。これに関しては第二部定理四八の備考の中でスピノザが説明しています。そしてそれによれば,スピノザが考える意志とは,事物を追求したり忌避したりするような欲望cupiditasではなくて,真理veritasを肯定し,虚偽falsitasを否定するような精神の力potentiaなのです。
 岩波文庫版の『エチカ』で意志と訳されているラテン語はvoluntasです。実際に『エチカ』の中でこの術語が用いられるとき,それは明らかに真理の肯定や虚偽の否定negatio,ないしはそうした力というよりも,むしろある事物への希求や忌避と理解すべきではないかと思われる部分もあります。このことは岩波文庫版の訳者である畠中尚志も指摘しています。このあたり,やはり唯名論者であるスピノザの用語の使用法のルーズさが表れているといえるでしょう。しかし僕はこの考察においては,意志というのを,スピノザが第二部定理四八備考で示している意味に理解します。というか,これは単に今回の考察に限ったことではなく,このブログ全体を通しても同様です。そもそもそのように理解した方が,確かに意志作用というものが,とくに人間の精神mens humanaのうちでどういう思惟の様態cogitandi modiであるのかということが,明瞭に理解できると僕は考えているからです。
 ただし,僕がこのように意志という思惟の様態を理解し,またそれを意志作用ないしは単に意志というとき,ひとつだけ留意しておいてほしいことがあります。僕は意志を真理を肯定し虚偽を否定する力であると解するとき,それを真理の肯定ないし虚偽の否定と解するのと同じくらい,あるいはそれ以上に,これが力である,能力であるという点を重視します。すなわち意志は思惟の様態ですが,僕はとくにそれを,力という観点から理解するのです。
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東西王座戦&意志

2010-02-22 19:09:46 | 競輪
 今年初のビッグとなった東西王座戦は玉野競輪場を舞台に,昨日それぞれの決勝が争われました。
 レース順にまずは西から。並びは村上義弘-村上博幸-市田-前田の近畿,小川-園田-岩津-吉永の西国で山口が単騎。
 スタートは村上博幸が取って村上義弘の前受け。山口が5番手で6番手から小川の周回。小川の上昇に山口が切り替え,6番手まで引いた村上義弘が打鐘過ぎに発進するとホームでは小川を叩いてかまし先行。小川を捨てた園田の捲りは3番手で一杯。村上博幸が直線から踏みましたが,外の市田の伸びがよく,楽に捕えて優勝。村上博幸が2着で,3着にも前田が入り近畿の上位独占。
 優勝した福井の市田佳寿浩選手は直前の奈良記念に続いて連続優勝。ビッグは2006年のサマーナイトフェスティバル以来の2勝目。近況から調子がかなりよさそうに思われますので,この後のダービーでも要注目の選手でしょう。
 続いて。並びは山崎-伏見-成田-佐藤の北日本,平原-武田-神山の関東で,兵藤は海老根に。
 武田がSを取って平原の前受け。4番手が海老根で6番手から山崎の周回。山崎が打鐘前のバックで前を抑え,これを海老根が叩きに出ましたが出させず。引いた平原が打鐘過ぎからかまして先行。山崎は3番手に飛びつくも,神山が死守。バックから伏見が自力発進。一旦は山崎と並走になるも立て直して迫りましたが,余裕の番手から武田が発進し優勝。伏見の勢いをもらって伸びた成田が2着に入り,3着に伏見。
 優勝した茨城の武田豊樹選手は先月の熊本記念以来の優勝。ビッグは昨年のオールスター以来で5勝目。山崎に油断があったかもしれませんが平原がかましていったスピードはなかなかのもので,よくつけきりました。番手での戦いにも随分と慣れてきたようで,この分ならまだまだビッグを勝てそうです。

 スピノザが知性intellectusと意志voluntasとは同一であると主張するとき,知性とはどういうものであると考えているのかということ,また,僕が第二部定理四九系について考察するときに,とくに人間の知性というものについて,それをどのような思惟の様態cogitandi modiであるとみなすのかということについてはこれでご理解いただけたものと思います。そこで今度は,意志というものがどういうものであるのかということを説明しておきます。
 スピノザはこれについてもこの系の証明において説明を与えていて,そこでは意志とは個々の意志作用volitioであるというようにいっています。したがって,知性と個々の観念ideaとの間にある関係が,意志と個々の意志作用との間にある関係と同様であると考えてよいということになります。
 ここでは単に人間の意志として説明しますが,僕たちがあることを意志するという場合には,常にある具体性をもって意志するわけです。かくして人間の精神mens humanaのうちには様ざまな意志,あの意志,この意志といわれるような数多くの意志があるということになります。個々の意志作用というのは,それら一つひとつの意志のことであり,意志とはそれら一つひとつの意志作用の総体であるということになります。というよりも,それらの総体のことを,便宜的に意志といっているといった方が,おそらくスピノザの哲学の理解としては正確であるといえると思います。
 意志の場合はもちろん,知性に関しても,これはスピノザの哲学の一般性と特殊性についての考え方,すなわち事物というものは一般的に考えられる方がむしろ混乱して考えられ,特殊的に考えられるほど明瞭とまた判然としてくるという考え方が反映されているのだと僕は考えています。知性とは個々の観念であり,意志とは個々の意志作用であるといわれているわけですが,やはりこうした考え方に鑑みても,個々の観念を知性といい,また個々の意志作用についてそれを意志というと説明した方が,スピノザの哲学の本当の意味での正しい理解には適しているように思います。
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フェブラリーステークス&有限知性

2010-02-21 19:02:24 | 中央競馬
 中央競馬では今年初の大レースとなる第27回フェブラリーステークス
 芝からの転戦馬もいて先行争いはひとつのテーマでしたが,かなり押していったローレルゲレイロがすぐに先手を奪っての逃げ。レッドスパーダが2番手につけて3番手にエスポワールシチー。サクセスブロッケンがこれをマークするように進みました。前半の800mは47秒0のミドルペース。
 ローレルゲレイロの逃げは直線入口まで。エスポワールシチーが楽々と先頭に立つと,追いすがるサクセスブロッケンを置き去りにしていき,余裕さえ感じさせる内容で楽勝。早めに負かしにいったサクセスブロッケンの方がむしろ苦しくなり,中団のインからやや詰まるところはあったものの,捌いて追ってきたテスタマッタが2着で,サクセスブロッケンが3着。
 優勝したエスポワールシチーは昨年5月からかしわ記念,南部杯,ジャパンカップダートに続き大レース4連勝。名実ともに現在の日本のダート競馬の最強馬で,今日もその実力を十分に発揮しました。逃げることに固執しなければならない馬というわけではありませんから,極めて順当な勝利といえるでしょう。父はゴールドアリュール,母系はチップトップジーゲリンの分肢。エスポワールはフランス語で希望。
 騎乗した佐藤哲三騎手,管理している安達昭夫調教師共にジャパンカップダート以来の大レース優勝で,このレース初制覇です。
 テスタマッタはこのくらいの距離の方がよいのでしょう。サクセスブロッケンは強い馬を負かしにいった分,テスタマッタにも差をつけられてしまった印象。結果からみてもここではこの3頭の力が明らかに上位でした。

 知性は個々の観念であるということの第一義的な意味はこれで理解できました。しかし現在の考察は,人間の知性と意志が同一のものであるということを経験論的に説明することをその主眼としています。第二部定理一一系により,人間の精神は神の無限知性の一部,すなわちこれをそれ単独の知性とみなす場合には有限な知性ということになります。そこでこの場合に,知性が個々の観念であるといわれることの意味も把握しておかなければなりません。
 無限知性と有限知性の決定的な違いは,もちろんそれが無限か有限かという部分にあります。しかしもうひとつ重要な相違は,無限知性の場合には,この知性を構成する無限に多くの観念は,すべて十全な観念なのですが,有限知性の場合には,この知性を構成する観念のうちには,十全な観念だけではなく,混乱した観念も含まれているということです。
 哲学的な立場では,混乱した観念についてはこれを知性から排除するという考え方もあります。しかし,スピノザが混乱した観念も有限な知性に含むと考えているということは,この第二部定理四九系の後の長い備考でスピノザが主張していることから明らかだといえます。
 なぜスピノザがそのように考えるのかということは,第一部定理一五により,あらゆるものは神なしには考えられない,したがってある混乱した観念も神なしには考えることができないのですが,ひとたび神と関連して考えられるならば,第二部定理三二によりそれは真の観念,すなわち十全な観念ということになるからだと考えられます。また,これは問題のある定理ですが,第二部定理三六により,混乱した観念といえども,それは十全な観念と同一の必然性をもって生じるからだと説明することもできそうです。
 いずれにしても,ここでは,このスピノザの考え方に倣い,ある人間の知性には,混乱した観念も含まれるというように考えます。あるいは混乱した観念も,ある人間の知性の一部を構成する観念に含まれるというように考えます。なお,このことについては後で別の観点から詳しく説明することになります。ただ現時点でも,このように考えるということにだけは注意しておいてください。
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妙手⑧&知性

2010-02-20 19:08:33 | ポカと妙手etc
 第20期棋王戦五番勝負第三局より。
               
 第1図は妙手が出る少し前の局面。3七の桂が跳ねたところで,攻めと同時に☖1九龍とされたときに☗7八飛と逃げた手が龍取りになるようにした一石二鳥の手。ここで後手は13分考えて☖8五歩と打ちました。これには☗7七銀と逃げる一手。今度はノータイムで☖5四角(第2図)。
               
 実はこの角打ちが俗手のようで妙手。ここでは☗5二歩成として,☖8七角成☗同玉☖8九龍に☗7六玉と逃げておけばまだ難しかったのですが,角を打った狙いが☖8七角成しかないように思えますのでそれを☗7六歩と受けました。しかしそこで☖3六角。実はこう銀を取るのが☖5四角の真の狙い。部分的には大して働きのない銀をわざわざ角を打って取るのですから大損なのですが,☗同馬とさせれば,実戦の☖1九龍に☗7八飛が龍取りになりません。そこで☖8六香と入手した香車をすぐに打つことができ,☗同銀☖同歩☗同金に☖6七銀(第3図)と攻めが続きます。
               
 先手はこの局面で4分考えて☗4六馬と戻りましたが,これでは大事なところでパスがあったも同然。☖7八銀成以下,素早く寄せきった後手の勝ちとなりました。

 こうした理由により,今回の考察の主旨である経験論を展開する前に,第二部定理四九系を論理的な観点から先に証明しておくことにしますが,これを証明する前に,この系Corollarium自体についていくつか確認しておきたいこと,あるいは確認しておいた方がよいと思うことがありますので,まずそれらのことに関して若干の説明を与えておくことにします。
 最初に,知性intellectusと意志voluntasが同一であるというとき,スピノザは知性とはどういうもので,また意志とはどういうものであると考えているのかということについてです。そしてこれについてはスピノザ自身がその証明Demonstratioの中で説明を与えています。これによれば,まず最初に知性とは,個々の観念ideaのことであるとされています。したがってあるもの,たとえばAの知性とは,Aのうちにある客観的有esse objectivum,すなわち観念の総体であるということになります。
 これについては,神Deusについて考えるのが最も理解しやすいだろうと思います。第二部定理七系は,神のうちにある観念がすべて十全な観念idea adaequataであるという意味を示したものですが,これを離れて,この系から,神のうちには無限に多くの観念があるということが理解できます。なぜなら,第一部定理一六により,神の本性divinae naturaeからは無限に多くのinfinitaものが無限に多くの仕方で生じますが,それら生じるすべてのものの観念もまた神のうちにあるということになるからです。
 このように,無限に多くの仕方で生じる無限に多くのものの観念によって構成されているから,神の知性はとくに無限知性intellectus infinitus,infinitus intellectusといわれるわけです。知性というものが個々の観念であるといわれるとき,まず第一には,このように,無限に多くの仕方で生じる無限に多くのものの観念を有する客観的有,あるいは思惟の様態cogitandi modiが,神の知性,無限知性であるということを意味していると僕は考えています。
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王将戦&論理と経験

2010-02-18 18:20:22 | 将棋
 今後のシリーズの行方を占う意味で大きな一番となった第59期王将戦七番勝負第四局。
 羽生善治王将の先手で久保利明棋王のごきげん中飛車。3Bの変化で持久戦でしたが,初日の午後に突如として戦いに入りました。
               
 それが第1図からの▲2四歩。△同歩▲同飛に△3三桂はこのまま収めて構わないという意図が感じられる手ですが,さらに▲8五歩といきました。一見したところ,第1図の先手陣は,攻めてもよい陣型には見受けられませんから,この攻撃には後手も面食らうところがあったのではないかと推測します。
 この将棋は終盤に入ってからも驚くような手が出ました。
               
 それが第2図からの▲3三馬。しかしここは後手が冷静に対応しました。以下,△7七歩成と攻め合い,▲8四桂の王手にあっさり△同銀。▲同金に取った桂馬で△8七桂の王手。▲同銀△同とで後手勝勢。これはいかにも急転直下で,おそらくは先手に大きな誤算があったのでしょう。
 久保棋王が勝って3勝1敗と王将奪取に王手。ごきげん中飛車で羽生王将に勝ったのはこれが初めてだそうで,このエース戦法で1勝を上げたのは,ただの1勝以上に大きな価値があるものと思います。

 今回の考察の主旨というのは,あくまでも第二部定理四九系に関する経験論からの補完であって,当該する系に関して何らかの疑問を呈するとかそれを解明していくとかいうものではありません。しかしながら,哲学というものは,とくにスピノザの哲学というものは,きわめて論理的なものです。したがって,これは今回の考察に限ったことではなく,どんな事柄であったとしても,それをいくら経験論的な観点から詳細に記述することによって主張したとしても,もしもそれを論理的な仕方によって証明するということができないのであれば,その記述は無効であると僕は考えます。すなわち経験論的観点からの主張というのは,あくまでも論理的な観点から同じことが証明された上で,初めて意味をもってくるのだと思います。つまり,経験論的な主張は,あくまでも論理展開の補完にすぎないということです。
 このこと自体は,たとえば第二部定理四〇から明らかだといえます。もしもある事柄が論理的に証明されるならば,それは十全な観念から十全な観念が生じるということであり,すなわち真理から真理が生じるということです。ところが,第四部定理四により,人間は受動から免れ得ないのですから,経験というものは常に,少なくともいくらかは,人間の受動状態を含みます。したがって第三部定理一により,経験論的な主張は,混乱した観念による主張,すなわち虚偽による主張である可能性を否定しきれるものではないのです。
 第三部定理二とか,あるいはゼノンの逆説について考察した内容は,確かに僕たちが普通はそのように確信していること,すなわち経験的にそう思い込んでいるようなことの中には,虚偽が含まれているということを明らかにしていると僕は思います。よって今回の考察の主旨は,あくまでも経験論的な事柄ですが,それを始める前に,少なくとも第二部定理四九系が,論理的に正しいということを証明しておく必要があるでしょう。
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グランプリカップ&主旨

2010-02-17 18:48:44 | 地方競馬
 昨年の南関東クラシック戦線の主役を張ったナイキハイグレードの復帰戦となったグランプリカップ
 ナイキハイグレードがやや出負け。好発はナイトスクールでしたが1番枠のモエレラッキーが最初のコーナーワークで先頭を奪っての逃げ。ナイトスクール,マンオブパーサー,ギャンブルオンミー,クレイアートビュンと続きました。最初の800mは48秒3でこれはミドルペース。
 ナイトスクールが積極的に3コーナーでは先頭に。モエレラッキーは後退し,後ろの馬たちはついてきたものの,直線の入口ではまだかなりの差。これはセーフティーリードかと思われましたが,ゴール目前でナイトスクールの脚色が急激に鈍り,しぶとく追い上げてきたマンオブパーサーが交わして優勝。外を並んで追い込んだクレイアートビュンとギャンブルオンミーが2,3着となり,ナイトスクールは4着。
 優勝したマンオブパーサーは2006年のダービーグランプリの勝ち馬。その後は苦戦を続け,昨年から南関東転入。ようやく水にも慣れてきたか,前走のオープンで転入後の初勝利を飾っていました。年齢的に大きな上積みを見込むのは酷ですが,立ち直ってきたことは間違いなさそうで,今後の南関東重賞でも注目の存在でしょう。父はタヤスツヨシ
 鞍上は短期免許で騎乗中の岩手の菅原勲騎手。岩手の馬で南関東でも重賞は勝っていますが,南関東重賞はこれが初制覇。管理しているのは船橋の川島正行調教師で,2007年プライドキム以来,3度目のグランプリカップ制覇です。
 ナイキハイグレードは,休み明けの対古馬初戦。その上に57キロの斤量と条件はかなり不利でしたが,あるいは重賞でもと期待していた馬で,個人的にはこの敗戦は残念です。

 第二部定理四九系についても,僕はここでスピノザが主張していること,すなわち知性と意志が同一であるということ,ここでは僕はこれを単に人間の知性と人間の意志というように解し,この観点から説明していきますが,それが同一であるということについて,何らかの疑義を抱いているというものではありません。あくまでもスピノザが論理的に主張していることを,経験論的な観点から補強しようと意図しているにすぎません。
 この点では第三部定理二の考察と同様なのですが,主旨がいささか異なります。といいますのは,自分の意志によって自分の身体を運動に決定したり静止に決定したりすることが可能であるということは,とくに哲学に興味を持っているか否かに関係なく,多くの人がそのように感じているのではないかと僕は思うのです。スピノザはその感じ方が誤りであると主張し,僕はその論理的主張を経験論的に補完したわけですから,このことはとくに哲学的関心の有無とは関係がないような意義があったといえます。
 しかし,知性と意志が同一であるかどうかというようなことについては,とくに哲学的関心がない限り,あまり考えたり感じたりはしないでしょう。したがって今回の考察の対象は,より哲学的関心に傾倒しているということになります。
 ところが,一般的に哲学的な考え方においては,スピノザのように意志と知性が同一のものであると考える方がむしろ少数派であると思われます。たとえばスピノザとニーチェの対立の原因のひとつにはこのことがあると僕は考えているのです。よって,ごく一般的な意味での関心度というのは第三部定理二の経験論的考察と比較した場合には低下することが免れ得ないかと思いますが,哲学的な主旨というものは,今回の考察の方がより深くなるのではないかと思います。
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マイナビ女子オープン&第二部定理四九系

2010-02-16 18:38:27 | 将棋
 第3期マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦は,斎田晴子女流四段に甲斐智美女流二段という,振飛車党同士の顔合わせとなりました。対戦成績は斎田四段が4勝で甲斐二段が6勝。
 振駒で先手は斎田四段。序盤の駆け引きで後手が居飛車を選択。先手は中飛車から早い段階で8筋に転換。後手は矢倉と玉頭位取りをミックスしたような指し方。作戦的には明らかに先手が成功,着々と攻撃態勢を築き上げ,先攻。駒得の分かれになったのですが,そのために駒を費やしてしまい,大幅なリードを奪うには至りませんでした。そのまま終盤戦に突入し,難解な寄せ合いに。
               
 △5六桂打を防いで▲5七歩と打ったところ。ここで△4六歩が手筋で,結果的にはこの将棋の勝着になりました。▲同歩△4七歩▲同金に△3五桂と打ち,▲2四歩に△4五歩が好手。▲2三歩成△4三玉▲2四と(第2図)は先手としても仕方ないところでしょうが,ここで後手が手番を手に入れました。
               
 △4七桂成以下,質駒の馬も入手した後手が寄せきり,先手の反撃にも冷静に応じて勝っています。
 甲斐二段が矢内女王への挑戦権を獲得。五番勝負の第一局は,来月28日に指されます。

 もう1年半ほど前のことになってしまいましたが,第三部定理二というのをテーマに設定して考察したことがありました。もっともこの考察は,その定理自体に問題ないしは疑問があるという理由でテーマとして設定したわけではなく,むしろそこでスピノザが主張していること,なかんずく人間の意志が自分の身体を運動や静止に決定できないということ,一般的には可能であると信じられているのではないかと思われますが,実はそれは可能ではないのだということを,経験論的な観点から後押しするための考察でした。そしてこれを考察するときに,僕はひとつの例として,人間の排泄という運動を取り上げました。
 そのときに排泄を例として採用したのには,ふたつの理由があります。ひとつは,排泄という行為はどの人間も日常的になす行為なので,経験論的な題材とするに相応しいというものです。そしてもうひとつは,実は排泄行為を例として採用することにより,そのときのテーマであった第三部定理二とは別に,『エチカ』における別の箇所についても,やはり経験論的な観点からそれを補強できると考えていたからなのです。そしてその箇所こそ,今回からテーマとして設定する第二部定理四九系です。
               
 「意志と知性とは同一である」。
 第三部定理二の考察は,実は僕の精神のうちではこの第二部定理四九系の考察とセットになっていました。しかしその後,頂いたコメントにより別の部分の考察を先に行ってしまい,さらにその考察をしている間に糖尿病に罹患して入院生活を送り,そのことに関する記述も闘病記と称してしたということで,実に1年半もの時間が過ぎてしまったわけですが,僕の中ではあくまでもセットしなっていますから,改めて今日からはこの系について考察していくことにします。
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佐賀記念&経過

2010-02-15 19:28:33 | 地方競馬
 佐賀競馬場の冬の重賞,佐賀記念(動画)は11日に行われました。
 先手を奪ったのはラッシュストリート。フサイチピージェイが2番手,ロールオブザダイスが3番手。たぶんフサイチピージェイはロールオブザダイスの方を気にしたためだと思いますが,先頭と2番手はやや離れてのレースとなりました。
 2周目の向正面ではフサイチピージェイが追い上げ開始。しかしそこまで楽に逃げていたラッシュストリートもペースアップする余裕があり,結局は最後まで抜かせることなく逃げ切って優勝。フサイチピージェイが2着。ロールオブザダイスは4コーナーで一杯かに見えましたが,直線は内目から盛り返して3着を確保。
 優勝したラッシュストリートは前走の中山で準オープンを勝ちこれが重賞初挑戦。昨年夏から力をつけてきた馬で,先行して好結果を残していましたので,ここも楽に逃げることができたのが最大の勝因でしょう。こういうレースが可能なときは,このくらいのメンバーではこれからも活躍できそうです。父はマーベラスサンデー
 騎乗した武豊騎手2007年サイレントディール以来の佐賀記念4勝目。管理している岡田稲男調教師には佐賀記念初制覇となりました。

 糖尿病というのは不治の病です。よって闘病,といっても僕自身の感覚としては糖尿病との闘いというよりは糖尿病との共生ということばの方が近いのですが,便宜的に闘病というならば,この闘病生活はそれこそ僕が死ぬまで続くということになります。したがって闘病記もまたエンドレスに継続させるべきものではありますが,一旦はこのあたりで終了ということにします。そこで最後に,その後のごく最近までの経過について簡単に説明しておきましょう。
 1月4日が今年最初の総合内科の通院日でした。この日,ヘモグロビンA1cの値が7.0%と悪化していました。日々の血糖値を記録してある自己管理ノートを見たM先生は,昼食前の血糖値が平均的に高めで推移しているからということで,朝食前の超速効型のインスリン注射の量を増やし,0.1mlにするようにと指示しました。この4日の朝食というのは当然ながらすでに食べ終えていますから,翌5日からそのように注射しています。それで昼食前の高血糖状態が改善されたのかといいますと,正直なところ,改善されたともいい得るように思いますし,見方によってはあまり変わっていないともいい得るところでやや微妙です。ただこれはヘモグロビンAc1の値がどう変化しているのかということによって,どの程度の効果が表れたのか判断できるという面があります。次は3月8日に通院日が指定されていますから,この日の検査によって結果は明らかになるでしょうし,その結果次第で,さらにインスリン注射の量の変更もあるかもしれません。
               
 いつもはテーマを設定し,その考察が終了しますとまとめをしていますが,今回は闘病記という性質上,まとめは省略します。次回からはこのブログの本来性に回帰し,『エチカ』の内容について再び具体的に考えていくということにします。また,闘病記に関しては,いずれ第二弾を書くということもあるかもしれません。
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奈良記念&最後の診察

2010-02-14 19:01:14 | 競輪
 年明けから続いた記念競輪の連続開催も今日の奈良記念の決勝(動画)で一段落です。並びは神山-十文字-阿部-稲村の関東,稲垣-市田-大井の近畿で,谷津田と三宅は単騎。
 後ろ攻めとなった神山が上昇も,前受けの稲垣は最後まで出させず,打鐘前から突っ張り先行。ただし,内をうまく掬いあげた十文字が番手に入り,市田は3番手。後方になった谷津田が,流れから稲村-阿部を引き連れての捲り。バックで稲垣を捕えました。市田が番手に飛びつき,後方で十文字,三宅,大井が落車。直線は市田が谷津田を抜いて優勝。谷津田が2着で,3着には稲村が入りましたが,落車の原因を作ったために失格となり,繰り上がった阿部が3着で確定。
 優勝した福井の市田佳寿浩選手は昨年5月の別府記念以来となる記念競輪節目の10勝目。この開催はややメンバーが弱化していて,その中では展開面の恩恵もありそうでここは本命視していました。番手を奪われた走行はあまり誉められたものでもないと思うのですが,うまく谷津田の番手に飛び付けたのが勝因でしょう。突っ張りきった稲垣もよく頑張ったと思います。

 クラス2ということは,完全な意味でいえば僕の身体,限定すれば喉の状態は正常であったということではありません。しかし,身体のうちに異常なもの,スピノザ哲学流のいい方をするなら,自分自身の身体のうちに,その身体の実在性すなわち完全性を低下させるような物体が侵入ないしは発生した場合に,それを退治するために白血球が活動をするということは,必然的なことです。このことは単に医学的な見地からもそのようにいい得るでしょうし,またスピノザの哲学から考えても,自己保存という考え方からして同様だと思います。そしてこのことは,一般的に人間の身体の本性について対象にした場合にも真理でしょうし,またそうではなく,具体的に僕の身体というように考えてみた場合にもやはり真理であるといえると思います。したがって,この精密検査によって白血球が検出されたということ,すなわち僕がクラス1ではなくクラス2であると診断されたことは,前回の繰り返しになりますが,ある意味では,僕の身体がむしろ正常に機能しているということを示すものであったといえるのではないかと思います。
 こういう事情でしたから,たとえクラス2であるといっても,僕にはこれ以上の処置は不要であると診断されました。すなわちこの7月10日の診察が,僕の耳鼻咽喉科における最後の診察となったわけです。
 僕が最初に喉の違和感を感じたのが6月25日の午後に清水ヶ丘公園を散策していたとき。本当の意味でのシックデイというのは激痛に悩まされ,また血糖値の高騰があったごく短期の間ということになるのかもしれませんが,もしこれを非常に長い単位でみるならば,僕のシックデイはこの7月10日に本当の意味で終焉を迎えたといえるのではないかと思います。
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朝日杯将棋オープン&クラス

2010-02-13 20:00:28 | 将棋
 招待券に応募したら当選しましたので朝日ホールで現地観戦となった第3回朝日杯将棋オープン。午前中の準決勝を勝ち上がったのは羽生善治名人と久保利明棋王。一昨日の王将戦が終わった段階で羽生名人が29勝で久保棋王が11勝。
 振駒で久保棋王の先手。先手の中飛車から相穴熊。先後が逆で最近よく指されている戦型です。
               
 この将棋は差がついていたとしても微差で終始しました。第1図から後手は△1四歩と突き,▲4八金寄に△1五歩。以下,▲同歩△1六歩▲3六銀△1五金。この端攻めが意外とうるさく,ここからはずっと後手が微差ながらリードを取っていたようです。流行型とは先後が逆ですから,先手は1手多く指している勘定ですが,その1手は▲1六歩ですから,少しばかり皮肉なところ。この後,▲2七銀引に△3四飛と回り,▲3八金寄に△4六歩▲同歩(第2図)で飛車の横効きを遮断しました。
               
 ここで今度は△8八歩。▲7七桂は当然ですが,そこで△6四歩が落ち着いた好手だったよう。これで跳ねた桂はもちろん,角も働かなくなったため,久保棋王は非勢を意識されたとのこと。羽生名人はまだ自信をもっていたというわけではなかったようですが,そのまま押し切って後手が勝っています。
 羽生名人が優勝。大盤解説会場での感想戦の直後に表彰式。それも見てから帰りましたが,終局直後の表彰なのでリアリティーがあるとおっしゃっていました。

 これは総合内科も同様ですが,耳鼻咽喉科の診察室というのは3部屋か4部屋あります。医師はその中で決まった診察室を使います。すべての部屋に常に医師がいるとは限らないでしょうが,この日の場合でいえば,m先生だけが耳鼻咽喉科にいたというわけではなく,別の診察室には別の医師がいました。ですから待合室で待っていた患者のすべてがm先生の診察を受けようとしていたというわけではありません。
 僕が診察室に入ったとき,m先生は笑顔でした。もっとも,元来がm先生はにこやかな方でしたから,あるいはそれは僕の見間違いであったかもしれません。ただ,少なくとも僕には,このときのm先生がいつも以上ににこやかにしているように見えました。
 検査の結果はクラスという単位に分けられていたのですが,僕はクラス2でした。クラスは5段階で,最悪がクラス5で,これは悪性の腫瘍が見つかるような場合です。はっきりとは聞けませんでしたが,クラス1というのはたぶん正常ということではないかと思います。僕の場合はクラス2でしたから,正常というわけではありませんでしたが,異常としてはごく軽微なものであったということになります。
 抽出された成分はやはり唾液でした。唾液だけであればこれはクラス1でしょうが,クラス2になったのは,その中に白血球が認められたからです。ご存知の方も多いでしょうが,白血球というのは血液の成分にあって,身体の中に侵入してきたり,あるいは身体のうちに発生した異物と戦うような成分です。僕から抽出された唾液の中にこの成分が検出されたということは,おそらく唾石によって唾液が通る管か,あるいは唾液を作る袋の中が傷ついたためだろうというのがm先生の見解でした。皮膚は傷つくと瘡蓋ができますが,要するにそれと同じようなものが喉の中にできていると考えてよいということでした。そういう意味でいえば,これはクラス2とはいえ,むしろ僕の身体は正常な働きをしていたといえると思います。
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ユングフラウ賞&バス

2010-02-12 19:24:31 | 地方競馬
 来月24日の桜花賞のトライアルレースの第2回ユングフラウ賞が10日に争われました。
 発走後の正面でプリモエナジーが先頭に立ちましたが,1コーナーを曲がりきれずに外へ逸走。直後に付けていたバックアタックとレッカは目立った不利は受けなかったように見えましたが,後続には何らかの影響があったかもしれません。
 最初の600mは37秒0で,これはハイペースなのですが,3番手以降の馬はむしろ追走に汲々といった感じで,4コーナーを回っても2番手と3番手以降の差がほとんど詰まりませんでした。直線では途中からの逃げとなったバックアタックがもうひと伸びし,2馬身の差をつけて優勝。レッカが2着。出遅れたため追い込む競馬となったスパンキーラビットが新境地をみせての3着。
 優勝したバックアタックは北海道デビューで2戦1勝。暮れの南関東転入初戦を快勝し,やはり桜花賞トライアルの桃花賞は4着。ここは途中からでもすんなりと行けたこともよかったでしょうが,距離短縮がプラスに働いた面もあると思われ,本番に向けてはそのあたりが最大の課題となってくるでしょう。父はアグネスデジタル
 騎乗した大井の坂井英光騎手は昨年の鎌倉記念以来の南関東重賞制覇。このレースは南関東重賞に格上げ2年目で初制覇。管理している大井の宗形竹見調教師は開業3年目で南関東重賞初制覇となりました。

 m先生自身の手による検査の結果が伝えられることになっていたのは7月10日の金曜日。予約時間は午前10時でした。僕はみなと赤十字病院へはバスで行きます。病院というのは県道82号線というそれなりに広い道から少し海側に入ったところにあります。僕の家から行く場合は,バスはこの県道沿いにあるみなと赤十字病院入口という停留所を経由して横浜駅へ行くものと,病院の前まで行くみなと赤十字病院行きの2種類で,そのどちらかに乗るわけですが,病院まで行くバスの方は1時間に1本。ただし,この1本は必ず毎時45分から50分の間くらいに病院に到着するようになっていますから,予約時間が何時ちょうどという場合にはとても便利。すでに説明しましたように,総合内科の通院は検査が正午で診察が3時ですから,病院行きのバスに乗れますし,この日のように午前10時の予約という場合にもこれは同様になります。ただ,行くときが1時間に1本ということは,当然ながら帰りも1時間に1本ということになります。検査や診察が終了したらそのバスにちょうどいい時間になるということはさすがに稀ですから,帰りは大抵の場合はみなと赤十字病院入口のバス停まで歩くということになります。たぶん帰りにこの1時間に1本のバスとうまい巡り合わせになったのは1度きりで,それはCT検査をした6月30日のこと。これも帽子を置き忘れて時間がかかったためであって,それがなければやはりこの日も入口まで少し歩いていただろうと思います。
 いつもと同じ手続きを済ませて耳鼻咽喉科の待合室に行きますと,大勢の患者がすでに待っていました。僕が最初に診察をした日にもこれは同様でしたから,おそらく木曜と金曜の午前の耳鼻咽喉科はいつもそんな状態だったのでしょう。しかしこの日はそうしたたくさんの患者を差し置いて,僕の名前が真先に呼ばれました。少し驚きましたが,僕はすぐに診察室へ向いました。
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王将戦&帽子

2010-02-11 19:17:12 | 将棋
 両者が1勝ずつをあげて迎えた第59期王将戦七番勝負第三局。
 久保利明棋王が先手で,石田流を目指しましたが,羽生善治王将は相振飛車を選択。先手の三間飛車,後手の向飛車になりました。先手が7筋の歩交換を果たした後,後手が受けなかったので,先手は歩を垂らし,これを巡る攻防が最初の焦点に。後手がこちらに金銀を集中させて支配したのに対し,先手が薄くなった盤面右側を絡めて仕掛けを狙う展開となりました。
               
この局面,確かに後手玉は堅いのですが,後手からの攻撃力という面ではかなり乏しいように思います。すでにここでは後手がつまらない将棋にしてしまっているのかもしれません。
 進んで第2図。
               
 ここで先手は▲2三銀不成と捨て,△同飛に▲3一飛成と龍を作りました。銀損の攻めですから決めにいくという意図があったと思いますが,実際にこれで後手が局面をリードしているようです。この後,先手から飛車を取っての2枚飛車の攻めが厳しく,先手の勝勢といえるくらいの局面に。その後で,おそらく手順前後と思われる攻めと,ポカと思われる角打ちがあり,かなり差が詰まったのですが,逆転には至らず,先手の勝ちとなっています。
 久保棋王が2勝1敗とリードを奪いました。第四局は17日と18日です。

 僕が自分の部屋の鴨居に頭をぶつけて初めて救急車に乗り,その怪我が一端となって坊主にしたことはすでにお話ししました。そしてそのときから,僕には外出時の必需品というものができました。それが帽子,キャップです。坊主というのは夏は照り返しが強くてかえって暑いですし,冬は冬で髪がありませんから寒くなります。つい先日も伯父の法事があり,墓参りに行ったのですが,かなり寒くて参りました。ということで,これ以降の僕はよほど近所の外出であるとか,あるいは前述の法事のときのようなスーツや礼服など,キャップを被るのが不自然であるという場合を除いては,必ず帽子を着用することになりました。おかげで帽子だけは10以上のコレクションがあります。もっとも,帽子自体は学生の頃から被ることもありましたので,これを機に被り始めたというものではないのですが,それまではその日の気分で被ることもあればそうでないこともあったのに対して,これ以降は必ず被ることになったわけです。
 そういう事情ですから,このCT検査の日も,僕は帽子を被って出掛けました。そして検査の準備のときに,身に付けているものは外すように言われましたから帽子も脱いだのですが,この脱いだ帽子を検査室のロッカーの中に忘れてしまいました。このことは,検査後に耳鼻咽喉科の待合室で待機しているときに気付いたのですが,その後,m先生による検査などが優先されましたので,結局,薬の処方などの後,会計ができるという段階になってようやく取りにいくことができました。
 2階に戻り,受付で事情を話すとロッカーを見に行ってよいということでしたので,行ったのですが,ロッカーにはありません。そこで部屋にいたおそらく検査の助手と思われる女の人にまた事情を伝えると,どうやらだれかが届けておいてくれたようで,帽子は僕の手に戻りました。こうしたつまらないことに時間がかかったこともあり,この日は5時前にようやく家に戻ることができました。
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女流名人位戦&抗生物質

2010-02-10 19:05:28 | 将棋
 里見香奈倉敷藤花が好内容で一気に王手を掛けて迎えた第36期女流名人位戦五番勝負第三局。
 里見倉敷藤花の先手で中飛車。清水市代女流名人が序盤でちょっとした工夫をして天守閣美濃に組み持久戦に。その後,相銀冠となった駒組段階では後手の模様がよく,先手が勝負をかけなければならない将棋になりました。
               
 飛車を走られるのを防いで銀が上がったところ。先手が☗6五桂と跳ねたのに対し,後手は☖8六歩と攻め合いに。このため☗7三桂成の勝負手を与え,☖同銀に☗6一飛成。☖8七歩成にも構わず☗2五歩とこちらに手をつけ,☖7八と☗2四歩☖1三銀に☗8四歩☖8二飛と押さえ,一転して☗6四歩(第2図)とこちらにと金を作りにいきました。
               
 この間の駒割は後手の金桂得ですが,龍と玉頭の拠点が大きく,ここでは少なくとも難しい,あるいは先手の方がむしろ指せる局面かと思います。
 後手はここで☖3五桂。対して先手は☗6三歩成。この後,玉頭戦が展開されましたが,部分的な戦いになってしまうと駒得はあまり生きません。盤面右側の駒をうまく使った先手の勝ちになりました。
 3連勝で里見新女流名人誕生。3局を通して苦しかったのはこの将棋の序盤くらいですから,シリーズを通しての完勝といっていいでしょう。今日は女流棋界の新時代の幕開けとなる日だったかもしれません。

 話が少しだけ前後しますが,中央検査室におけるm先生自身の手による検査の後,僕たちは再び耳鼻咽喉科の診察室へと戻っています。次回の診察の日付などは,中央検査室で告げられたわけではなく,耳鼻咽喉科の方で告げられたわけです。そしてこの日はさらにの処方がありました。
 処方されたのは2種類で,まず抗生物質。これは初診のときにも処方されたのと同じメイアクトMS錠というもの。初診のときに処方されたのは,痛みや腫れの原因となっているであろうものを殺すためであったわけですが,このときは,喉に注射をしましたので,その部分が化膿してしまうのを抑止するためです。僕にも経験がありましたが,歯医者で抜歯をしたときに抗生物質を処方されるというケースがあるかと思います。このときの処方の理由に関してはそれに似たようなものと考えていいのだろうと思います。とくに僕のような糖尿病患者は,一般に身体の免疫力というものが低下していますので,化膿してしまう危険性というのもその分だけ高いのかもしれません。もっとも,このときは,とくに僕が糖尿病であるからという理由で処方されたわけではありません。また,処方の理由がこうしたものでしたから,3日分でした。
 もうひとつは胃薬です。これは抗生物質で胃が荒れることを防ぐため。やはり前回と同様のガスロンN・OD錠でした。
 僕は薬学の知識はまったくありませんから,メイアクトMS錠が抗生物質としてどの程度の強さをもつものかは知りません。ただ,薬品としての抗生物質としてはもっと効果が強いものもあります。抗生物質を飲めばだれでも胃が荒れるというものではなく,体質による個人差もあるでしょうが,医師や病院によっては抗生物質だけを処方し,胃薬は処方しないというケースもあるようですから,もしもそうした場合には,胃薬も処方してくれるようにお願いした方がいいのではないかと思います。
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