スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

サンタアニタトロフィー&三角形の本性

2016-08-03 20:52:36 | 地方競馬
 第37回サンタアニタトロフィー
 サトノタイガーがハナへ。ゴーディー,リアライズリンクスがそれぞれ半馬身差で外に並んでこの3頭で先導するレース。ムサシキングオー,ショウナンラムジ,インサイドザパークの3頭が集団で好位を形成。テムジンはこれらをみる位置を単独で追走。その後ろにミラーコロ,ジャルディーノ,アメージングタクトの3頭。前半の800mは50秒8のスローペース。
 向正面半ばからアメージングタクトが外を上昇。前をいく3頭のさらに外の4番手に取りつきました。このまま3コーナーに入ると最初に苦しくなったのがゴーディーでこれは後退。直線に入るとサトノタイガーを交わしてリアライズリンクスが先頭に。追ってきたのはアメージングタクトのさらに外に進路を取ったテムジンでしたが,抜け出したリアライズリンクスには追いつくことができず,優勝はリアライズリンクス。テムジンが1馬身4分の1差の2着で同一厩舎のワンツー。早めに動いたアメージングタクトが3馬身差で3着。
 優勝したリアライズリンクスは一昨年12月のゴールドカップ以来の南関東重賞2勝目。その後もいいスピードをみせるレースを続けていましたが,昨年後半からはそのスピードが影を潜めるようになってしまいました。こういうタイプの馬はなかなか復活するのが難しいのですが,今日はスムーズなレースができたこともあっておよそ1年4か月ぶりの勝利。馬自体の傾向が以前とは変わってきているのは明らかなので,以前とは違ったイメージをもつ必要がありそうです。父は2000年のシンザン記念,スプリングステークス,鳴尾記念,2001年の京都金杯,2002年の京都金杯を勝ったダイタクリーヴァ。その父はフジキセキ。母の父はマイネルラヴ。Lynxはオオヤマネコ。
 騎乗した大井の的場文男騎手は大井記念以来の南関東重賞制覇。第2回,4回,7回、21回、27回を制していて10年ぶりのサンタアニタトロフィー6勝目。管理している浦和の小久保智調教師はサンタアニタトロフィー初勝利。

 スピノザによる第二部定理四九証明を読む限り,平面上の三角形の観念の本性に,内角の和が二直角であることを平面上の図形について肯定する意志作用volitioが属していると,スピノザ自身が考えていることは間違いないといえます。同時に僕たちもこれらふたつが同一ではないというように認識する方がむしろ困難であるといえます。なのでこの例を定義論の範疇で考察します。
 三角形とは,内角の和が二直角である図形であるという命題があったとしましょう。あるいは『エチカ』の多くの定義と合致するように,三角形とは,内角の和が二直角の図形のことと解するという命題があったとしても構いません。仮にこれを定義命題と解した場合には,定義されるものと定義された内容が一対一で対応し合っています。事実,内角の和が二直角である図形は,平面上では三角形だけなのであって,それ以外のいかなる図形のことも正しく説明できないからです。そしてこの定義内容が三角形の本性に属することをスピノザは認めていると理解できます。よって第一部定理八備考二でスピノザが示している定義の条件も満たしています。つまり,書簡九のいい回しに倣えば,これはよい定義であるように思えます。
                                     
 ところが,『スピノザ哲学研究』では,工藤はこれは三角形の定義ではあり得ないといっています。僕も工藤と同じように考えます。これらの命題をいずれも,スピノザは三角形の定義であると認められない筈なのです。なぜなら,『エチカ』では詳しくは触れられていないですが,スピノザの哲学の全体では,第一部定理八備考二で示されていること以外にも,ある命題がその命題の主語の定義であるために必要とされる条件というものがあるからです。そのことをスピノザはいくつかの場所で述べています。なので『エチカ』の場合だけそうした条件から除外されるというようには考えにくいと僕は考えるのです。
 スピノザが定義論としてある程度まとまった論述を展開しているのは,『知性改善論Tractatus de Intellectus Emendatione』の(九五)から(九七)にかけてです。この部分も僕は定義論として十分とは考えていませんが,ここからはそこでいわれていることを綿密に検証していきます。
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