スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典桜花賞&第五部定理二五

2016-03-23 19:11:16 | 地方競馬
 第62回桜花賞
 ワカチナはダッシュが鈍く最後尾に置かれました。先手を奪ったのはオウカランブ。インカローズ,モダンウーマン,リンダリンダ,スアデラ,タケショウメーカー,ノーノーイエース,ポッドガゼールという隊列でしたが,この8頭はほぼ一団でした。前半の800mは50秒3のミドルペース。
 向正面の中ほどからモダンウーマンが内から,リンダリンダが外から上昇。この2頭に挟まれたインカローズは後退。3コーナーを回ると外のリンダリンダが2番手になり,モダンウーマンはインの3番手。少し離れて外からスアデラが追い掛けてきました。直線に入るあたりでオウカランブは一杯。一旦はリンダリンダが前に出たと思いますが,最内を突いたモダンウーマンがこれを捕えて優勝。1馬身差でリンダリンダが2着。最後に動いたタケショウメーカーが大外を伸びて3馬身差の3着。
 優勝したモダンウーマンはトライアルのユングフラウ賞に続いて南関東重賞4連勝。コースも距離も心配ないことは分かっていましたので,枠順が最大の問題。3枠を引けた時点で勝利の可能性がだいぶ高まったといえるのではないでしょうか。リンダリンダには前に出られましたが,直線に入るところでは手応えに余裕があり,前が開けば大丈夫と思いました。最内はそこがたまたま開いたということでしょう。距離が伸びるのはプラスとは思いませんが,同世代の牝馬相手なら能力で相殺は可能と思います。ただ2着馬の方が適性は高そうなので,東京プリンセス賞では逆転の可能性がないとは思いません。父はサウスヴィグラス。母の父は2000年のアンタレスステークス,2001年のアンタレスステークス,2002年の平安ステークス,2003年の平安ステークスとマーチステークスを勝ったスマートボーイ。祖母の半弟に2002年の阪神ジャンプステークスを勝ったミレニアムスズカ
 騎乗した川崎の山崎誠士騎手はユングフラウ賞以来の南関東重賞制覇。桜花賞は初勝利。管理している川崎の佐々木仁調教師も桜花賞は初勝利。

 現実的に存在する人間の精神による個物の認識は,第三種の認識cognitio tertii generisに分類されています。これはスピノザがこの認識に,神の属性の形相的本性の認識から事物の本性の認識に進むという説明を与えていることから明白です。確かにスピノザは事物の本性と記述し,個物の本性とは記述していません。しかし共通概念は個物の本性の認識ではないので,ここでいわれている事物の認識が個物の認識であるということ,あるいは仮にそう等置することができないとしても,個物の本性の認識がここでいわれる事物の本性の認識に含まれなければならないのは間違いありません。
                                     
 このことは『エチカ』の定理によって確かめることができます。第五部定理二五をみてみましょう。
 「精神の最高の努力および最高の徳は,物を第三種の認識において認識することにある」。
 この定理を論証するにあたり,スピノザはまず第三種の認識が,神の属性の形相的本性の認識から事物の本性の認識に進む認識であるということを確認しています。そしてその上で第五部定理二四を援用して,この仕方で事物をより多く認識するほど神を多く認識することになるといっています。しかるに第五部定理二四は,事物の認識について言及しているのではなく,個物の認識について言及しているのです。したがって第三種の認識は神の属性の認識から事物の本性の認識へと進む認識であると定義されていますが,そこでいわれている事物を個物と等置してよいか,少なくとも個物の認識は,そこでいわれている事物の認識に含まれているということを,スピノザ自身が認めていることは明らかだといえるでしょう。
 なお,この定理は精神の徳について言及されていますが,こちらの点はここでの考察とは直接的には関係しないので,詳しい証明は割愛します。スピノザは精神の最高の徳は神を認識することにあると考えていますので,神をより多く認識する第三種の認識が,精神の最高の徳であるということになっています。
 第三種の認識が徳と関連付けられているということ自体はここでも意味を有します。第三種の認識は,単に個物を真に認識するという意味だけを有するのではありません。
コメント
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