スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦&実在論と認識論

2006-11-30 22:38:03 | 将棋
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 竜王戦第四局。封じ手は▲3八飛でした。この局面は両者ともあまり自信をもっていなかったようです。直後,後手の佐藤棋聖の方から千日手を避ける感じで55手目に△3一飛。ここから銀交換になり,今度は両者とも盛り返したと感じたようなのですが,この大局観は渡辺竜王の方が上回っていたようで,ここからは先手が指しやすくなったと思われます。したがって△3一飛は悪手だったといえるのではないでしょうか。62手目,佐藤棋聖が△4九角と打ち込んだのに対し渡辺竜王は▲5八銀などと相手にせず,▲7五歩と一気に勝ちにいきました。さらに75手目の▲6一銀から寄せに入り,79手目に▲6八歩と一旦受けたのが好手。これに対する△6五桂は疑問手だったようですが,ここでは先手の勝ちは動かないのではないかと思えます。87手目の▲8四銀が決め手(渡辺竜王自身はこの前の85手目の▲8五金で勝ちを確信したとのことです)で,以下,緩みなく寄せきって渡辺竜王の勝ちとなりました。結局,穴熊に潜った先手の玉は手つかずで,快勝といえると思います。これで対戦成績は2勝2敗の五分ですが,渡辺竜王からみると第一局が完敗,第二局が逆転負け,第三局が逆転勝ちで本局が快勝ですから,内容が徐々によくなってきているように感じられ,流れは竜王側にあるとみました。

 定義四はそのまま理解すると,知性が実体の本性を構成していると認識するものについてそれを属性というということになります。したがってこれは,認識論(観念論)的な定義であるということになるでしょう。しかし,これについては問題があって,訳注をみてもスピノザ哲学の研究者の間でも諸説があることが分かります。僕の考えでは,これを単に認識論的な定義であると考えるのは,後にスピノザがこの定理に訴えて定理を証明する仕方からみて,あまり好ましくないように思えます。したがって,ここではこの定義は実在論的(認識論的というのとは反対の意味において)定義であると解釈することにします。つまり,このテーマに関連した定義四の意味は,属性とは,実体の本性を構成するものであり,また,知性は属性を,実体の本性を構成するものと認識する,ということになります。ドゥルーズはこれを,スピノザ哲学では知性は実在するものだけを認識するのだから,これは実在論的に考えて問題ないという意味のことをいっています。僕はそこまでいうのはいい過ぎのような気がしないでもないのですが,少なくとも,この定義における知性というのを,無限知性(無限知性も知性であることにはかわりないので)と考えれば,ドゥルーズのような置き換えが可能であると思われますので,こう解釈すること自体は問題ないかと思います。
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倉敷藤花戦&知覚と概念

2006-11-29 23:13:01 | 将棋
 昨日の第二局に続いて,今日は27日に指された倉敷藤花戦の第三局を回顧してみます。
 三番勝負の第三局ですので,改めて振駒(おそらく)。先手を得たのは斎田晴子女流四段。前日同様に四間飛車にしました。対して清水市代倉敷藤花はこの日は持久戦を選択。左美濃に固めました。
 仕掛けたのは斎田四段の方で,飛車を5筋に転換して39手目に▲5五歩。ここからの中盤戦はほぼ先手からみて盤面の右側での戦い,つまり玉頭戦となったのですが,斎田四段が71手目から▲3五歩~▲2五歩~▲6八角と角をこちらに効かせたのがよい構想だったようで,その後,銀桂交換の駒得に成功。その後,ややもたついたような気もしないではないのですが,駒得しながら着実に攻め続け,そのまま押し切っています。快勝といえるのではないでしょうか。
 藤井システムVS左美濃は,とくに四間飛車側が先手の場合には藤井システムに利がある感じで,この将棋もそうした決着となりました。斎田四段は久々のタイトル獲得。一時期は女流棋界のトップグループを形成していましたが,失礼ながら最近の成績からは挑戦者になったこと自体,僕には意外で,まさか奪取できるとは思っていませんでした。これで清水前倉敷藤花は女流王位の一冠に後退。矢内理絵子女流名人,千葉涼子女流王将と四冠を四人で分け合うという形になりました。

 竜王戦は佐藤棋聖のごきげん中飛車でした。渡辺竜王の▲2五歩~▲5八金は急戦を目指す指し方ですが,佐藤棋聖は避けて9筋の位を取り,手損の角交換から持久戦になりました。封じ手の段階では馬もできて僕にはばかに先手がいいように思えます。大平五段もそういう見解のようですが(素人目というのがちょっとおかしいですね),藤井九段の解説だとそうともいいきれないらしいです。

 『エチカ』では,知性が事物を知覚するといわれる場合と,事物を概念する(考える)といわれる場合では意味合いが異なるということになっています。知覚といわれる場合は知性(精神)の受動を意味し,反対に概念といわれる場合には知性の能動を意味するというのがその違いです。これについては第二部定義三の説明でスピノザ自身が触れているのですが,その部分に関する訳者の畠中尚志の訳注からも分かるように,そういいつつスピノザはあまり厳密にタームを使い分けません。第一,この説明からして,知覚は何となく受動を意味するような感じで,概念は能動を意味する感じだから,ここ(第二部定義三)では概念の方を使いますよという感じです。
 そこで,第一部定義四も知覚するといわれているのですが,ここではこのことについてはあまり問題にしないことにします。知覚と概念は,知性(精神)による認識の受動性と能動性を問題にしていますので,ここでの知覚するということばは,単に認識するという意味で理解することにして,先に続けることとします。
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倉敷藤花戦&第一部定義四

2006-11-28 22:59:14 | 将棋
 倉敷藤花戦は昨日,終りましたが,今日は清水市代倉敷藤花が1勝1敗のタイに追いついた26日の第二局を回顧します。先手が挑戦者の斎田晴子女流四段で,9手目に早めに▲5七銀と上がってからの四間飛車。これに対して清水倉敷藤花は急戦を挑み,30手目に△6五歩と仕掛け,36手目に△6二飛で右四間飛車にしました。工夫したという印象ですが,あまりうまくいったとはいえないのではないかと思います。その後,57手目の▲7三歩成を△同飛と取って飛車交換。ここから互いに龍を作って長い中盤戦となりました。そして形勢が一方に傾いたとはいえないままかなりきわどい終盤戦に突入。おそらく120手目の△5六角が攻防の好手で,やはりきわどいながらもここからは清水倉敷藤花の勝ちになっているものと思われます。その後の先手の攻めを凌ぎつつ,先手玉を徐々に寄せていき,最後は受けなしに追込み,即詰みに討ち取って一手勝ちを果たしました。なかなかの熱戦で,好局だったのではないかと思います。
 明日からは竜王戦第四局が始まります。第三局の逆転勝ちを生かすためにも,渡辺竜王としてはここで対戦成績を五分に戻しておきたいところでしょう。順当なら後手の佐藤棋聖の一手損角換りが予想されます。

 ここで問題になっているのは,複数の実体が存在し,かつひとつの実体の本性が複数の属性によって構成される場合の,各々の実体が有する属性の共通性です。したがって,実体の定義である定義三は,定理五の立場が名目的であるという点ではこの問題に関係していますが,むしろ実体についてのスピノザの考え方よりも,属性についての考え方の方がより重要であろうと思われます。そこでまず,属性の定義をみておくことにします。これは第一部定義四です。「属性とは,知性が実体についてその本質を構成していると知覚するもの,と解する」。これまでも,スピノザの哲学では実体の本性についてはそれをとくに属性というというような仕方で,この定義四には簡単に触れてきたことが何度もありますが,こうして全文を紹介するのは初めてです。また,この定義はそれ自体でもいくらかの疑問を抱えているのではないかと思われますので,まずその部分から考えていくことにします。
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一宮記念&謎の解き方

2006-11-27 20:55:57 | 競輪
 一宮記念(映像)。山内選手がSを取って,中部の前受け。中団が西で後方から東。残り2周のホームから白戸選手が上昇。バックで志智選手を抑えて前に出ると,志智選手は内の4番手まで車を下げて外の佐々木選手と併走。打鐘から今度は佐々木選手が上昇し前を抑えると,残り1周のバックでは一旦流し,それから抑え先行の形になりました。白戸選手は番手ではなく3番手の国村選手のところで粘り,バックではどかして3番手を奪いました。そこから志智選手が発進したのですが,小野選手に届くか届かないかというところで失速。これで中部勢はレース終了となってしまいました。直線入口手前から白戸選手が出ていこうとするところ,満を持して佐々木選手の番手から小野選手が発進。そのまま後続を封じ込み優勝を飾りました。2着には白戸選手の番手から,直線では佐々木選手と小野選手の間を割った鈴木選手が入り,鈴木選手追走の後閑選手が3着で,やや波乱の決着。楽に逃げられた感のある佐々木選手が4着に沈んでしまったのは物足りない感じ。志智選手もそうですが,天候の関係で自力型には厳しかったのかもしれません。優勝した大分の小野俊之選手は先月の向日町記念に続く記念競輪優勝。今日は展開に恵まれた部分も大きかったように思いますが,どうやら復調してきたと考えてよさそうです。

 スピノザとライプニッツがそれぞれどのように考えているのかということについて僕が出した結論から,この定理に関してその謎をどのように解けばいいのかがみえてきます。もしもスピノザが,たとえ実体の本性が複数の属性から構成されるということがあったとしても,複数の実体が共通の属性を有するということはないと考えている場合,しかしそのことは,確かに定理五のスピノザの見解の論理構成から導かれているとは認定し難く,そのことは別の文脈から導かれるであろうということになります。したがって当面は,エチカのほかの部分に訴えることによって,そうしたことを導き出すことができるかどうかということを考えなければならないだろうと思います。しかしもしも,複数の実体が存在する場合に,それらの実体の本性を構成する属性の共通性については,この定理五のような方法でしかそれを論理的に証明することができないということであれば,ライプニッツの見解が正しいということになるだろうと思います。つまりそれは,ライプニッツの疑問はスピノザに対する疑問として完全に成立しているものであって,少なくともこの文脈からは,複数の実体が存在する場合に,それらの実体が共通の属性を有さないということまでは証明することができず,よって定理五は成立しないということになります。
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ジャパンカップ&両者の結論

2006-11-26 21:24:00 | 中央競馬
 第26回ジャパンカップ
 コスモバルクが久々に先手を取って逃げました。ディープインパクトはいつものような発馬。日本の馬のダッシュとの関係で最後方になりました。前半1000メートルが61秒1のスローペース。ハーツクライは3番手,ドリームパスポートは普段より前目の4・5番手,ウィジャボードはディープインパクトの1頭前からのレースになりました。
 ディープインパクトが追撃を開始したのは3コーナーを過ぎてから。大外を徐々に進出していって4コーナーでは前段を射程圏といえる位置まで捕えました。今日はその後,かつての日本のレースではなかったほどに数多くの鞭を入れられていました(14回だそうです)が,坂下からは真直ぐに伸びて先行勢を抜き去り,逆に2馬身の差をつけてのゴール,GⅠ6勝目となりました。
 後半の800メートルだけが速いという競馬は,常識的には前の組が有利で,それを最後方からほかの馬は関係なしに大外を回って勝ったのですから,圧勝といっていいでしょう。また,これがこの馬の勝ちパターンといえる競馬で,武豊騎手がうまくこの馬の力を存分に発揮させたと思います。
 逃げたコスモバルクが直線で外へよれたので,開いた内目をついたドリームパスポートが菊花賞に続いて2着。今日は相手を考えれば大健闘といえるでしょう。
 3着には馬群の中から追込んできたウィジャボードで,個人的にはありがたい決着でした。
 ハーツクライは失速して10着。この馬はこれまでは休み明けでもある程度の力を発揮していた馬なので,この大敗の理由には気掛かりなものがあります。

 明日は一宮記念の決勝。並びは白戸-鈴木-後閑の東,志智-山口-山内の中部,佐々木-小野-国村の西で3分戦。ほぼ先行一車なので,佐々木選手◎と小野選手○。白戸選手の出方によっては捲る志智選手▲と山口選手△。好調に思える後閑選手もある程度までは食い込んできそうです。

 今日の倉敷藤花戦は清水倉敷藤花が勝ったので明日が第三局(記事は29日以降)。勝った方がタイトル獲得です。

 第一部定理五について疑問といわずといった理由から推測されたかもしれませんが,この部分を巡るライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizとスピノザの言い分は僕の理解する限りでは次のようになります。
 複数の実体substantiaが実在的にrealiter区別されなければならないということから出てくる結論は,実体は少なくともほかの実体には属さない属性attributumをひとつは有するということであるというのがライプニッツの言い分で,そこから共通の属性を有する実体は存在しないということを導くのは,スピノザがひとつの実体の本性essentiaがひとつの属性によって構成されることを前提しているからだということになります。しかし,この批判が正当であるということからも分かるように,スピノザ自身はひとつの実体の本性が複数の属性から構成されるということはあり得ると考えていたわけですから,僕が思うに,スピノザが複数の実体は共通の属性を有さないという場合には,たとえひとつの実体が複数の属性によって本性を構成される場合でも,共通の属性を有する実体は存在しない,すなわち,ライプニッツが例として挙げるような,実体Aの本性が属性Xと属性Yから構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zから構成されるというようなことはあり得ないと考えていたのではないかと理解しているのです。
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ジャパンカップダート&謎

2006-11-25 23:01:08 | 中央競馬
 第7回ジャパンカップダート
 メイショウバトラーが逃げるという予想外の展開。ミドルペースのレースでした。ヴァーミリアンが先行2頭の後ろ,シーキングザダイヤは好位,ブルーコンコルドは中団,サンライズバッカスは後方からの競馬。
 例年,道中で何かが動くような競馬になるのですが,今年は日本馬だけのレースであったということもあってか,大した馬順の変動もなく直線へ。前を走る馬たちの外へ持ち出したシーキングザダイヤが追い出されるとよく伸び,一旦は抜け出しかかったのですが,道中はシーキングザダイヤの内にいて,こちらは手を動かしながらも最内を回ったアロンダイトが猛追。外のシーキングザダイヤが馬体を併せるように寄せていったのですがアロンダイトの伸び脚が上回り,最後は逆につき離し,重賞初挑戦にしてGⅠ勝ちとなりました。
 今日はまず後藤浩輝騎手の好騎乗だったと思います。この馬は6月に未勝利を勝ったばかりの3歳馬で,それを含めて条件戦を4連勝。未勝利と前走の準オープンがここと同じ東京ダートの2100メートルで,勝ちタイムが共に2分13秒台だったのでさすがにここではどうかと思っていたのですが,今日は5秒も時計を詰めてきました。シーキングザダイヤにつけた着差,またシーキングザダイヤが後続の有力馬(4着のヴァーミリアンと5着のサンライズバッカス)につけた着差から考えると,現状では日本のダート競馬ではトップクラスの能力と考えられ,僕は完全に見誤っていました。
 シーキングザダイヤは9度目のGⅠ2着。今日は能力を十分に発揮してのもので,相手を褒めるほかありません。
 3着にはこれもこの夏の上昇馬で4歳のフィールドルージュが食い込み,全体的にダート競馬は既成勢力から新興勢力への過渡期に入った印象です。
 ブルーコンコルドは直線で前が詰まる不利を受けての9着ですが,距離の壁もあったように思います。
 
明日はジャパンカップ凱旋門賞3着入線のディープインパクト◎とキングジョージ3着のハーツクライ○の激突。オッズほどに能力の差はないと思いますが,東京の2400メートルなのでディープインパクトの方を上位にみました。ただ,ローテーション的には両馬とも不安がありますし,配当を考えるとこの馬券は買いたくないですね。ウィジャボード△かドリームパスポート△を狙いたいです。

 それから倉敷藤花戦の第二局(記事は28日以降)。もし清水倉敷藤花が勝つと,続けて明後日に第三局が指されます。

 僕は第一部定理五には疑問があるというより,謎があるといういい方を好んでしてきました。というのは,僕にとって分からないことは,本当は第一部定理五には疑問が生じているのかいないのかということだからなのです。
 確かにこの定理に対するライプニッツの疑問というのは,それ自体の論理構成を比較したならば,スピノザの見解の論理構成よりも優れているようには思えるのです。したがって,これだけでみればこのスピノザの見解にはがあって,この定理は成立していないと結論したくなります。ところが,ライプニッツの疑問というのがスピノザへの疑問として正しく成立しているのかどうかという点には,実は僕には微妙ではないかと思える部分があるのです。
 つまりライプニッツはこの疑問を呈示する過程で,実体Aの本性が属性Xと属性Yによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成される場合というのを例示するわけですが,たとえこれらの実体の存在を名目的に考えるのであったとしても,実体がそのような仕方で存在するということがあり得るのかどうかという点については,僕は疑問を感じるのです。そしてもしもそれが不可能であったとしたら,ライプニッツの疑問はその前提が崩壊してしまうのですから,疑問として成立していないだろうと思うのです。
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松山記念&穴

2006-11-24 22:01:44 | 競輪
 昨日の松山記念(映像)。Sを取った小倉選手が佐藤選手を迎え入れこのライン4車の前受け。中団に山内選手,後方から武田選手で周回。残り3周のバックから武田選手が上昇し,残り2周のホームでは外から佐藤選手に並び掛け,バックでは完全に前に出ました。佐藤選手は後ろまでは引かずに4番手の内で山内選手と併走。外の山内選手が残り1周のホームから発進して叩きに出ましたが,これは武田選手がうまく合わせて前に出させず,抑え先行のようなレースになりました。市田選手が山内選手のラインに切替え,バックから自力で捲りを打ったのですが,山内選手のさらに外を行く形で前段までは届かず。また佐藤選手もこの結果インに封じられる形となって動けませんでした。こうなるとレースは前の組のもの。直線入口辺りから武田選手の番手の神山選手が早めに踏み出して優勝。武田選手が2着に残り,3着には諦めずに外,外と踏み続けた市田選手が入線しています。武田選手がうまく抑えてうまく駆けたということに尽きるレースだったと思います。後方からの周回になったことが幸いしました。結果からすると佐藤選手は突っ張っていくほかなかったようです。優勝した栃木の神山雄一郎選手。記念競輪は7月の松阪記念以来です。
 明日はジャパンカップダートです。頭からは買いにくいですがシーキングザダイヤ◎を中心に推します。ただ,能力だけでいえばたぶんブルーコンコルド○の方が上。徹底して1600メートル以下を使ってきた馬で,いきなりの2100がどうかです。こちらも距離がいくぶん長めですが,サンライズバッカス▲もかなりの力の持ち主。侮れないのはヴァーミリアン△で,体重が増えていることが望ましいです。ハードクリスタルやジンクライシスが入着候補でしょうか。

 ここでスピノザの見解の論理構成を確認して,ライプニッツの疑問から考えて,そのどこに穴があるのかということを検討してみると,それはその最後の部分,すなわち,仮に複数の実体が存在するならば,それらの実体は実在的に区別されなければならないというところまでは問題がないのですが,そこから,複数の実体は異なった属性を有し,そのゆえに共通の属性を有する実体は存在しないということを導く点にあることは明白だと思います。ライプニッツからすれば,この手続きが成立するのは,ひとつの実体が単一の属性によってその本性を構成されるということを前提としている場合のみで,もしもスピノザも認めるように,ひとつの実体が複数の属性によってその本性を構成されるという場合もあるということを認めるならば,複数の実体が実在的に区別されるということから導かれる結論は,共通の属性を有する実体は存在しないということではなくて,少なくとも存在する複数の実体は,その各々がそれ以外の実体が有さないような属性をひとつは有するということになるのだろうと思います。そしてこの手続きをこのように検証する限りでは,確かに僕にもスピノザのいうことよりもライプニッツのいうことの方に利があるように思えるのです。
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兵庫ジュニアグランプリ&疑問の正当性

2006-11-23 20:13:11 | 地方競馬
 第8回兵庫ジュニアグランプリ
 人気を集めたトロピカルライトが先行すると,紅一点,荒尾のフジヤマロマンは外の2番手に控え,正確なラップは分かりませんが,実況によるとどうやらスローペースで展開したようです。タッカーテンビーとトップサバトンは並ぶように中団,ロイヤルマイウエーは最後方でした。
 向正面でこのペースに業を煮やしたトップサバトンが一気に進出,3コーナーでは2番手まで上がり,押しながら逃げるトロピカルライトを追いますがトロピカルライトの手応えはまだ楽。この時点で勝負ありという感じで直線ではトロピカルライトが逆につき離して優勝となりました。
 ほかの馬とはスピードの絶対値が違ったという感じで,ここは快勝といえるでしょう。ただ,逃げられなかった場合や,左回りには依然として課題は残っているように思います。
 トップサバトンはトロピカルライトを負かしにいって離されるというきつい競馬でしたが,2着を確保したのは立派。北海道2歳優駿の勝ち馬で,距離はもう少しあった方がいいかもしれません。
 3着にはスナークトモクンが入りました。地元の2頭はどうやらここでは力不足であったようです。

 明日から一宮記念が始まります。

 もしもひとつの実体の本性を構成する属性がひとつだけである場合には,実体が実在的に区別される場合には,必然的に共通の属性を有する実体は存在しないということになるでしょう。実体Aの本性が属性Xと属性Yによって構成され,実体Bの本性が属性Yと属性Zによって構成されるという仮定からも理解できるように,ライプニッツの疑問は,ある実体の本性を構成する属性は単独ではない(ひとつであるとは限らない)という前提から生じているのです。
 そこでこの前提が正当であるのかどうかをまずは考えなければいけないだろうと思いますが,少なくともスピノザ哲学に対して訴える限りでは,これは完全に正当であると僕は考えます。というのも,単に第一部定義六に訴えるだけでも,スピノザは神という実体には無限に多くの属性が属するといっていて,単一の実体の本性が複数の(無限というのを数で示すことは本来的な意味では妥当ではないかもしれませんが)属性によって本性を構成されるということを認めているからです。
 また,第一部定理一〇の備考においては,異なる属性が実在的に区別されても,その属性が同一の実体の本性を構成するということはあり得るという意味のことをいっていて,これは明らかにひとつの属性の本性が複数の属性によって構成され得るということを認めているとしか考えられません。したがってこの観点からは,ライプニッツの疑問は完全に正当なものであるといえるのではないかと思います。
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浦和記念&ライプニッツの疑問

2006-11-22 22:39:48 | 地方競馬
 第27回浦和記念
 クーリンガーが出遅れての発走となりました。先手を奪ったのは大井のケイアイミリオン。僕が逃げると思っていた愛知のキングスゾーンは2番手。コアレスタイムがインの3番手,グラッブユアハートが外の4番手につけ,その後ろにビービートルネード,さらにレマーズガールで,2000メートルということもあり,隊列が落ち着くとそのままの態勢でレースは淡々と進みました。前半の1000メートルが62秒9で,これは典型的なミドルペース。
 後続は3コーナー手前から動こうとしたのですが,カーブでうまく外を捲れませんでした。結局,この間に一旦は息を入れる形となったケイアイミリオンが,直線に入ると後続との差を広げ,最後まで脚色が衰えることなく逃げ切り勝ち。2着にもキングスゾーンがそのまま粘り込み,大波乱の決着となりました。
 勝ったケイアイミリオンはここが11ヶ月ぶりのレース。その前は埼玉新聞杯,オールスターカップと南関東のローカル重賞を連勝していた馬。もう8歳ですが,ここは初騎乗となる川崎の今野忠成騎手にうまく導かれての金星といえるでしょう。有力馬が後ろで牽制し合ったこと,また前の残りやすい重馬場になったことも幸いしたように思います。
 キングスゾーンは逃げると思って前予想でも名前を挙げておきましたが,枠順が逆でこちらが逃げられていればあるいはというシーンもあったかもしれません。JBCマイルでは果敢にナイキアディライトに競りかけ,8着とはいえそのナイキアディライトには先着していたわけで,ある程度の力はもっている馬です。
 人気を分けた2頭はレマーズガールが3着でグラッブユアハートが4着。結果からすれば,両馬とも,もう少し早めに動いていくべきであったかもしれません。

 明日は園田で兵庫ジュニアグランプリ。ここは北海道のトップサバトン◎に期待します。強敵はJRAのトロピカルライト○。気難しさを抱えている現状ですが,あるいはスピードで圧倒するシーンがあるかもしれません。あとは地元勢で,タッカーテンビー△ですが,ペースがかなり速くなるようだとロイヤルマイウエー△の差し脚が穴になりそうです。

 そして松山記念決勝(記事は24日の予定)。並びは福島の佐藤に徳島の小倉で,市田-浜口の近畿中部がここを追走。武田-神山-為田の関東,静岡の山内に岡山の三宅。市田選手も動くので,実質は4分戦でしょう。マドンナカップの再戦模様なので再び市田選手◎が中心で浜口選手○。叩き合わなければ佐藤選手▲か武田選手△になります。

 ライプニッツがどのような立場から第一部定理五に疑問を呈しているのか,カーリーが詳しく説明していないこともあって僕には判然としないのですが,僕は第一部定理五の立場は名目的であると解釈していますので,その線でこの疑問を理解してみます。
 仮に名目的であれ,複数の実体が存在するならそれらの実体は区別されるように(区別し得るように)存在しなければならず,その区別はスピノザが第一部定理五で証明しているように実在的な区別でなければなりません。僕が理解する限りではライプニッツが前提としているのはこれだけで,この前提についてはスピノザも同意すると思います。
 そこで仮に実体Aと実体Bのふたつの実体が存在するとします。そして実体Aは属性Xと属性Yのふたつの属性によってその本性を構成され,実体Bは属性Yと属性Zのふたつの属性によって本性を構成されるとすれば,実体Aと実体Bは属性Xと属性Zによって実在的に区別され,かつ属性Yという共通の属性を有するということができます。したがってスピノザが第一部定理五で,複数の実体は共通の属性を有さないというのは誤りであるというのがライプニッツの指摘といえるでしょう。これはなるほど,理に適っているようにも思えます。
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マドンナカップ&ライプニッツ

2006-11-21 20:34:21 | 競輪
 松山記念の2日目優秀として争われたマドンナカップ(映像)。注目の並びですが佐藤の後ろは群馬が主張して稲村-亀井。茨城栃木は武田-神山-浦川で折り合い,あと近畿両車,小倉は単独でのレースでした。前を取った武田選手に対して残り2周のホームから佐藤選手が上昇。やや突っ張られましたがバックでは先頭に。小倉選手が4番手に切替えました。打鐘過ぎから5番手まで下がっていた武田選手が発進。小倉選手が神山選手をどかして番手を奪い,残り1周のホームから内の佐藤選手と外の武田選手で先行争い。このとき,今度は佐藤選手の番手の稲村選手が離れてしまい,小倉選手は労せずしてどちらが主導権を奪っても番手に嵌れる態勢になりました。先行争いはバックまで続きましたが佐藤選手が勝って武田選手は後退。しかしこの展開では後方で脚を矯めていた市田選手の出番。バックから発進すると豪快に捲りきり,そのまま先頭でゴール。水島選手も離れずにつききっての2着で,近畿ワンツーでした。3着は少し離れましたがうまく立ち回って佐藤選手の番手に入った小倉選手となっています。
 明日は浦和で浦和記念。JRAの3頭が強力と思われ,人気面を考えクーリンガー◎を中心に推しますが,グラッブユアハート○,レマーズガール▲まで差はないでしょう。能力ではコアレスタイムもかなりのものですが,ここは距離が微妙。ビービートルネードはどこまで食い込めるか,あとキングスゾーンが逃げてどこまででしょう。

 僕がエチカに回帰して定理五を読んだとき,とくにここで立ち止まるということもなく先に進みました。つまり僕はそのときはスピノザの見解には穴はなく,したがってこの定理には何の問題もないと考えたのです。しかし実際にはこの定理には謎があるのだということは,カーリーの著書を読んで知りました。ただしその指摘はカーリー自身によるものではなく,ライプニッツによる疑問の呈示です。ライプニッツというのはスピノザと同時代の哲学者で,スピノザと面会したこともありました(当時はスピノザ主義が危険思想とみなされていたために,ライプニッツ自身はこの事実を否定したと伝えられています)。デカルトの哲学にある程度の影響を受け,しかしその哲学にはどこか不十分なところがあると感じ,自身の哲学によってその不十分さ,あるいは不備を乗り越えようとしたという点では,スピノザと相通じる部分があり,僕はライプニッツの哲学に関してはスピノザの哲学と比べていえばまったく知らないといってもいいくらいなのですが,たとえばドゥルーズなどが触れているライプニッツの哲学に関する指摘などを読む限りでは,やはりそうした理由からか,哲学そのものについても,スピノザと似ている部分もあるようです。
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別府記念&スピノザの見解

2006-11-20 22:27:19 | 競輪
 昨日の別府記念。ネット上に動画がなく,レースを見損ねてしまいましたので,記事を基に回顧します。前を取ったのが静岡。以下,3番手から中部,6番手から九州,後方8番手に平原選手で周回。残り2周のホームから平原選手が上昇,九州が続き,平原選手が前を抑えると,静岡が3番手を確保し九州は5番手。打鐘後に後方に置かれていた永井選手がかまし。平原選手も抵抗しましたが永井選手の先行となりました。ただ,このダッシュに宮越選手がついていけなかったため,少し離れた3番手は平原選手。8番手からの中川選手の捲りは不発で,そのまま直線に。差を詰めながら迫った平原選手がコースの中央を突き抜けて優勝(決り手は差し),平原選手マークの前田選手が2着に流れ込み,永井選手の番手から加藤選手が3着でした。優勝した埼玉の平原康多選手は,追込み型を考えずに自力の4人だけを比較すればここでは力は最上位と思われるので,ある意味では当然の優勝といえるかもしれません。前予想では◎も考えたのですが,▲にひよってしまい失敗しました。8月に富山のふるさとダービーを優勝していますが,記念競輪はこれが初優勝です。加藤選手は絶好の展開でしたが,3番手が千切れてしまったのが誤算。九州勢は失敗レースでした。
 明日は松山記念の2日目優秀です。確実に並ぶのは市田-水島の近畿。関東が5人いて,茨城栃木は武田-浦川-神山か,浦川が一歩譲って武田-神山-浦川でしょうか。群馬のふたり,亀井と稲村はどちらも動けるので前後は微妙。佐藤が北日本単騎で,群馬勢や神山がここを主張する可能性もありそうですが,小倉がここにつけられるのでしょうか。いずれにしろ並びがあまりにも不明確なので予想は差し控えます。

 スピノザの見解の論理構成がどのようになっているかを少し詳しく検証してみます。まず,複数の実体が存在するなら,各々の実体が区別し得るものとして存在しなければならないというのは,おそらくだれもが直観的に理解し得ることだと思われますので,この部分には何の問題もない筈です。そして区別し得るならそれは実在的に区別されるか様態的に区別されるかであるということは,定理四から明白で,ここに問題があるなら定理四そのものが問題であるということになるでしょう。次にしかし,複数の実体が区別し得るのであればそれは様態的にではなく実在的に区別されなければならないというのは,定理五の証明の要の部分であって,もしもここに問題があるのだとすれば,これはこの証明の手続きそのものに問題があることになるでしょう。そしてこの見解の論理構成はこれで終了ではなく,複数の実体が実在的に区別し得るということは,各々の実体が異なった属性によって本性を構成されるという意味で,これは各々の実体が同一の属性を有さないという意味に置き換えることが可能であるとされています。この部分に問題があるという場合は,この置き換えの手続きに難点があるということになると思われます。
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マイルチャンピオンシップ&第一部定理五証明

2006-11-19 20:18:38 | 中央競馬
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 マイルチャンピオンシップ
 予想通りにステキシンスケクンが逃げ,ダイワメジャーは2番手でこれをがっちりとマーク。ラップは前半の800メートルが46秒ちょうどのミドルペース。ダンスインザムードはいつもより矯めて中団やや後ろより,ハットトリックはテレグノシスと相前後する最後方からのレースとなりました。
 4コーナーから直線に入るところでダイワメジャーが外目に持ち出し馬群が左右に大きく広がりました。失速したステキシンスケクンを捕えてダイワメジャーが先頭に立ち抜け出すと,内からキンシャサノキセキ,外からマイネルスケルツィが追いますがむしろ離され加減。そこへ馬群の中をスムーズに進出し,マイネルスケルツィの外へ出したダンスインザムードが伸び,ダイワメジャーに迫りました。脚色からは交わすのかとも思われましたがダイワメジャーがそこから二の足を使ってクビ差先着。天皇賞に続く連勝で,GⅠ3勝目となりました。秋になってさらに一皮むけた感じで,実力通りの勝利といえるでしょう。
 2着のダンスインザムードは武豊騎手が自賛するほどの完璧な騎乗の上での2着で,力の差というほかはありません。これだけ多く対戦すると馬も相手のことをよく覚えていて,最初から敵わないと諦めてしまうのかもしれません。
 3着には大外を伸びたシンボリグラン。1600メートルで好走できたのは大きく,今後への展望が広がったように思います。
 4着・5着のマイネルスケルツィとキンシャサノキセキはまだ3歳ですからこれからでしょう。
 上位をすべて関東馬が占めるという近年では稀なGⅠとなりました。
 コートマスターピースは7着。雨が降ったこともあり,ある程度は日本の競馬にも対応できたと思いますが,やはり日本の馬は発走後のダッシュが速いため,前半で苦しい位置取りになってしまいました。
 同様のことは8着のハットトリックにもいえ,上位に入った馬である程度後方に位置していたのはダンスインザムードだけですから,今日の流れで最後方ではアウトでしょう。こちらには降雨も災いしたのではないかと思います。

 明日から松山記念です。

 第一部定理四が証明されると第一部定理五の証明は容易であるといえます。
 もし複数の実体が存在するなら,当然のことながらそれらは各々が区別されるもの(区別し得るもの)として存在しなければなりません。したがって,複数の実体は実在的に区別されるか,そうでなければ様態的に区別されるかのどちらかでなければなりませんが,複数の実体が様態的に区別されるということはあり得ません。なぜなら,様態的区別というのは,同一の属性に属するものが様態としての相違によって区別される区別ですから,もしもAとBが様態的に区別されるのであれば,それはAもBも様態であるということを前提していることになるからです。ここでは様態ではなく実体の区別を問題としているわけですから,それが様態的に区別されるということはあり得ないわけです。
 したがって複数の実体というのは実在的に区別されなければなりません。ところで,実在的区別というのは実体の本性を構成する属性による区別なのです。したがって,もしも実体Aと実体Bが実在的に区別されるなら,実体Aの本性を構成する属性と実体Bの本性を構成する属性は異なった属性であるということになります。そしてこのことは,実体がふたつではなくそれ以上いくつあるとしても妥当します。よって,複数の実体が存在するなら,それらの実体の本性を構成する属性はすべて異なり,いい換えれば,同一の属性を有する複数の実体は存在しないということになるというのがスピノザの見解です。
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シーザリオ&第一部定理四

2006-11-18 23:10:22 | 名馬
 メルボルンカップで見事にワンツーを決めたデルタブルースポップロックを管理する栗東の角居勝彦調教師。今日は角居調教師の管理馬で,初の海外GⅠ制覇を達成した馬を紹介します。それはシーザリオという牝馬。僕は詳しく知りませんが,シェークスピアの戯曲の登場人物の名前のようです。
 2歳の暮れに新馬を勝つと,1月の下級条件,3月のフラワーカップGⅢまで3連勝。桜花賞GⅠは主戦の福永祐一騎手がファンシミンを紹介したときに触れたラインクラフトに騎乗したため愛知の吉田稔騎手に乗り換り。よく追込んだもののそのラインクラフトにはわずかに及ばず2着。優駿牝馬(オークス)GⅠは,ラインクラフトがNHKマイルカップGⅠに回ったために再び福永祐一騎手に戻り,出遅れてしまい非常に厳しい競馬となったのですが直線だけで外を豪快に追込み差し切り勝ち。国内GⅠ勝ちを達成しました。するとその足でアメリカに遠征。アメリカンオークスGⅠに出走すると終始外を回りながら後続に4馬身もの差をつけて快勝しました。常識的な意味でいえば,日本の馬がアメリカでGⅠを勝ったのはこれが初めてといっていいと思います(記録上はハクチカラという馬が勝っていますが,この馬は実質的にはアメリカの馬になっていたと考えられるので)。
 その後,シーザリオは故障してしまい,残念ながらその傷が癒えることなく引退。6戦5勝2着1回,約半年の短い現役生活でした。

 明日はマイルチャンピオンシップです。狙いはハットトリック◎。この馬も角居厩舎で,昨年の暮れに香港でGⅠを勝ってから冴えないレースを続けていますが,天皇賞の内容に僕は復調を感じました。この時期に強い馬です。当然その天皇賞を勝ったダイワメジャー○が相手。そしてそのダイワメジャーには1年以上先着できないでいますが,ほかとの比較からダンスインザムード▲。イギリスから遠征してきたコートマスターピース△の取捨が微妙。日本のスピード競馬への適性が未知で,もとより後方から競馬をしている馬なので,ついて回るだけの可能性もありますが,出走できない帯同馬をわざわざ連れてきているように陣営の本気度は高そうですし,能力的には勝っても不思議ではない馬です。デットーリ騎手の騎乗というのも怖い。僕の判断はここまでですが,今の京都の芝コースは外枠の方が有利という印象で,キンシャサノキセキやアグネスラズベリが穴をあけるシーンもあるかもしれません。

 そして別府記念の決勝(記事は20日を予定)。関東単騎の平原に大阪の前田,中井-栗原の静岡,永井-加藤-宮越の中部,中川-小野の九州で4分戦。混戦模様ですが加藤選手◎から考えます。ただ展開いかんでは小野選手○の頭もありそうです。あと,平原選手▲と前田選手△。静岡勢の一発も十分にありそうです。

 今回はそこにどういった謎(疑問)があるのかということを説明する前にスピノザによる第一部定理五の証明Demonstratioをみておきたいのですが,そのためには第一部定理四が必要ですので先にこちらから。
 「異なる二つあるいは多数の物は実体の属性の相違によってか,そうでなければその変状の相違によってたがいに区別される」。
 第一部定理四を取り上げるのは2度目なのでここでは簡単に証明するにとどめますが,この本文の前者の区別distinguereを実在的区別といい,後者の区別を様態的区別というわけです。そしてこれは第一部公理一意味が,自然のうちには実体substantiaと様態modi(実体の変状substantiae affectio)だけであるということから明白で,もしもそうであるのなら,AとBというふたつの事物があって,これらが区別し得るなら,AとBは実体の本性essentiaを構成する属性attributumが異なっている(実在的区別)か,属性は同一であるが様態として異なっている(様態的区別)のどちらかだからです。どちらでもない場合は,AとBは区別できない,つまり同じものであるということになります。
 なおこれは,AとBが実在するものとして区別される場合の必要条件を示していますが,認識論的にも同一です。すなわちこれは,知性intellectusがAとBを別の事物として区別し得る場合の必要条件でもあるということになります。
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イブラトロビウム&第一部定理五の立場

2006-11-17 21:54:22 | 海外競馬
 凱旋門賞で3位に入線したディープインパクトのレース後の検尿で禁止薬物が発見されたというニュースがありましたが,昨日,正式な裁定(ディープインパクトの失格と調教師への制裁金)が発表され,JRAからリリースされました。記者会見の内容などは須田鷹雄さんが書かれていますのでご参照ください。
 発見されたイブラトロビウムという物質は,それ自体で競走馬の競走能力を上昇させる物質とは思えないので,故意によるものではなく,不注意によるものと思われますが,僕の印象では明確な原因が特定されたとは思えず,今後の教訓のためには残念な気がします。あと,思うところをいくつか。
 まず,ディープインパクトがこうした薬品を必要とする呼吸器系の疾患を抱えていたことは驚きでした。フランスに行って急に発症したわけではないということで,にも関わらずそれまであれほどのパフォーマンスを見せていたこの馬の能力の高さは驚異的です。
 それから,投薬には日本人獣医師が立ち会ったということですが,どうも診断し,処方し,投薬するという行為は許されていなかったようで,そのために現地の獣医師に頼る必要があったと思われます。そのために意思の疎通を欠いた可能性はあり,獣医師の資格というのは国際的なものであっていいように思います。
 最後に,日本ではこうしたことが生じた場合,競馬法の関係で刑事罰に問われます。JRAの理事長が最初の記者会見で「汚点」ということばを用いたのにはそうした理由があったかもしれませんが,これはよくない。たとえば,スポーツ選手が故意に禁止薬物を使用した場合(いわゆるドーピング)でも,出場資格を剥奪されるようなことがあっても,刑事罰に問われることはありません。スポーツの内部における違反はそのサークルの内部で処分するべきです。日本の競馬にも海外から馬が参戦してきているわけで,そうした馬から日本で禁止されている薬物がレース後に発見される可能性がないわけではありません。こうした場合,日本の競馬界が独自に処分を下せずに,警察の捜査を待つということになれば,おそらく大きな問題になると思われます。この部分は早く改正するべきであると思います。

 まず最初に,僕が第一部定理五の立場(位置付け)をどのように考えているかということを説明しておきます。
 これは以前にもいったと思うのですが,僕は第一部定義三は名目的な定義であると考えています。したがって,第一部定義三を軸として導かれる第一部の最初の方の定理,なかんずく第一部定理一から第一部定理八まではすべて名目的であると理解しています。
 ここは第一部定理五がテーマですので,その部分に限って説明すれば,もしもこの定理が実在的な意味をもつなら,実際に複数の実体が存在し,それら各々の実体は一切の共通する属性を有さないということになります。しかし『エチカ』を読み進めていけばすぐに分かるように,実際には存在する実体というのは神が唯一なのです(第一部定理一四および系一)。したがって,スピノザがこの定理を実在的であると考えていたとは僕には思えません。すなわちこの定理は,仮に複数の実体が存在する場合には,それらの実体に共通な属性はないという意味の,名目的な定理であろうと思います。
 基本的に『エチカ』は実在的なもの(リアルなもの,あるいはヴィヴィッドなもの)についての哲学であるというのが僕の考えで,そのゆえにこの名目的な定理は,謎が残るものの『エチカ』の主題からは離れるだろうと思うのです。
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京成盃スカイライナースプリント&第一部定理五

2006-11-16 20:19:19 | 地方競馬
 昨日の第1回スカイライナースプリント
 逃げたのはグローリーウイナーで,ベルモントギルダーが3番手,逃げると思っていたプリティスキャンはその外で,カセギガシラは中団からの競馬になりました。1000メートルですからそうも大きな変動もなく直線へ。
 ベルモントギルダーは無理なく先行する2頭の外へ出し,さらに外からカセギガシラ。しかしグローリーウイナーの逃げ脚はまったく衰えずそのまま逃げ切り勝ち。後続に1馬身半ですから危な気のない快勝だったといえるでしょう。これが南関東重賞初制覇です。2着争いは接戦となりましたが外のカセギガシラの方が制し,1番人気のベルモントギルダーは3着でした。
 勝ったグローリーウイナーは前予想ではあげ損ないましたが,メンバーの中で1000メートルに最も適性があったと思われる馬で,ここは格下ながら持ち前のスピードを十二分に発揮したということでしょう。
 2着のカセギガシラは最も格上の馬で,距離適性では勝ち馬に劣るかもしれませんが,同じ斤量でこの差はむしろ物足りない気もします。
 ベルモントギルダーはうまいレース運びをしたと思いますがこんなものなのかもしれません。やや出負け気味のスタートも短距離戦だけに影響したと思います。
 プリティスキャンはスピード負けした印象。左回りも応えたかもしれません。

 今日からは,個人的には『エチカ』の主題にはあまり影響しないという気もしているのですが,いささか謎の残る定理として第一部定理五を取り上げて,これについて考えていきたいと思います。
 「自然のうちには同一本性あるいは同一属性を有する二つあるいは多数の実体は存在しえない(In rerum natura non possunt dari duae, aut plures substantiae ejusdem naturae, sive attribute.)」。
 『エチカ』においては,実体の本性を構成するものについてそれをとくに属性という(第一部定義四)わけですから,この定理の意味についてはさしたる問題はないと思います。すなわち,自然のうちに複数(ふたつ以上)の実体が存在する場合に,それらの実体は共通する属性を有さないということです。つまり,たとえば実体A,実体B,実体Cというみっつの実体が自然のうちに実在すると仮定した場合,もしも実体Aの本性を構成する属性(のうちのひとつ)が属性Xであるなら,実体Bと実体Cの本性はXによっては構成されません。また,もしもこのとき実体Bの本性を構成する属性が属性Yであるなら,実体Cの本性を構成する属性はXでもYでもないZであるということになります。
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