「自由党史」掲載の西郷隆盛肖像画
光永眠雷という肖像画家がいたことを、井上智重氏著「異風者伝」で知った。
長さ8尺という絵筆を駆使して眉毛一本乱れることなく描いたという人物である。
実は板垣退助のことを調べているうちに「板垣退助顕彰会」のサイトに導かれた。
「西郷隆盛肖像画と板垣退助」
上野の西郷像の除幕式に鹿児島から上京した夫人が、「主人はこんな人ではなかった」と似ていないことを語ったとされるが、これはお孫さんから聞いた話として海音寺潮五郎の小説に出ている話で、似ていないのは事実らしい。
板垣退助は画家の協力を得て、写真が存在しない「西郷隆盛の顔の復元」に尽力したというが、親族に「これが西郷隆盛」と言わしめたのが光永の「西郷隆盛肖像画」で、板垣が天覧に供したとされる。
その証拠に、宮内省宮内公文書館に「西郷隆盛翁肖像画説明書並画者(光永眠雷)履歴書」なるものが残されている。
「自由党史」の巻頭に掲載された。
西郷の肖像と言えばキヨッソーネの肖像画を思い浮かべるが、光永はそのキヨッソーネの許で修業した人である。
師より以上によく似ているというのだからまさに出藍の誉れというべきであろう。
光永は当然のことながら、西郷に会ったこともないから、関係者に聞き取りを重ね何度かの失敗作を披露してここに達した。モデルがいないモンタージュである。
いひゅうもんでん
異風者ぶりは井上智重氏著「異風者伝」をお読みいただきたい。
異風者伝から引用
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