津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■「阿部茶事談」(13)釈文

2020-01-03 10:05:14 | 史料

13        尓て年来之御高恩を報奉るへしと悲願の涙
         尓く連なから惜らぬ命存へて君命の重を守
         ける尓世の悪口尓弥市右衛門厚き御恩を蒙りし
         者なれハ此度御供可申上処殉死の御免な紀を
         幸尓して命を惜ミ可存事臆病の至り也 如何
         尓御免無迚も一途尓御供存極る殉死ならば腹
         を可切尓口尓てハ追腹も致能真実の殉死ハ成ら
         ぬ物也 瓢尓油をぬりて成共切連かし抔悪口し
         狂歌落書抔人口尓乗けれハ弥市右衛門傳へ聞て
         扨々是非尓不及事哉何可惜命尓あら祢共
         君命重キ故斯存て武運尓不叶仕合也いで
         さらば瓢尓油をぬりて悪口せし奴原へ腹を切
         て見せんと御免なき尓強而殉死をとけ尓ける
            光尚公御家督
            幷十九人之遺跡被 仰付御憐之事         の下に
         かきり阿れハけふぬき捨る藤衣果なきものハ
         泪なりけりと古歌の如く御中陰の日数も過キ
         けれハ同年五月五日光尚公御家督御相續
         多年勤労の面々御代替の時尓合新知加
         増役替等其外人々の働次第尓御恵み有て
         難有中ニも今度殉死十九人の遺跡未幼少の男

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