津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■「旦夕覺書」 鳥--14

2014-08-07 19:23:30 | 史料

富田貞右衛門は御入國前より歩の御使番勤原田小右衛門同前にて拙者御中小姓被 仰付候て御駕奉行被 仰付候時両人ともに年も寄候故に見習候様にと思召被 仰付候事故心安語申候 其後貞右衛門五拾石御加増新組に被 仰付御次に居申候 小兒の薬覺居申候 十左衛門殿舎人殿御息女幼少之刻為療治達御耳両所へ参候快気の以後右の禮に舎人殿御振舞候 右の通故結構成料理にて拙者相伴に御頼被成候 貞右衛門父子拙者三人舎人殿も其座にて相伴被成候 料理過候時分に去る仁千石餘取結構に被召仕候其刻御見舞申と次迄被参候か案内被申候故未御食不参候ハゝ夫にて参候へ爰許は給仕舞申と使を出し被申候 頓て其座に被参候ゆゑ拙者居申下座に着被申候故居間にてせまく候へ立可申と仕候へは拙者ひさに手をかけて留被申候 其儘居申候 舎人殿御息女幼少に候故貞右衛門に御逢候為に奥より被出候時何も其儘居候へと御申候故居申候所に彼仁は初てにて拙者に向扨々能御姫様との口上故拙者もあきれ兎角の挨拶にこまり居申候 御姫様の外には御一門衆の御息女にても何とそ可申様も可有に彼仁は拙者同前に度々江戸相勤其上公義相勤申役儀も相勤御國にては御家老歴々衆と出合被申仁にて候に輕薄成口上と心中に存居候 其後十左衛門殿ゟ手紙にて候に参候へは扨々先日舎人方へ富田相伴に参由咄承候に誠に/\拙者は能相伴前々相役近日日を極め此方へも呼申候必々差合申共何とそ参候へと御申候奉得其意候 しかし御存のことく左様の時分別て挨拶等不調法にて迷惑と申候へは其儘舎人殿所にて御姫様聞た/\八代より鶴もらひ後段は失念勝手には貴殿も心安き一八作右衛門も参る筈にて候 物いわすにうすき物給候へと御申候故奉得其意とて参候 舎人殿次の座はるか間有之御奉行御目附郡頭なとも居申候へとも中々咄の聞へ申事にては無之候 家来も可申様無之候能あんし候へは十左衛門殿舎人殿御相伴御母儀方にては二従弟にて前髪の時分より心易き事能存候 無左候ても定て御家中上下の侍中の御批判はなくて不叶事と存候へは直に舎人殿御咄と存候 又其仁拙者式の存寄も富田も拙者も同前にて小身者何をか可存と其身より利發者さのみ有ましく唯舎人殿へ能く思はれさへすれは其身の為に能と一筋に被存たると存候 此類は世間に多く有之さのみ疵ならぬ事と思ふ者又多く候 拙者はせまき心にて一言にてもけいはく成事を申は拙者家来にても嫌ひゆゑに別て耳に立候 其後在宅いたし廿年に成候故昔の事存候に右の仕合の拙者故十左衛門舎人殿江御家中備頭衆より下に壹人も不残挨拶萬事別而舎人殿にて見申候 前廉沼田小兵衛殿御勤候時分の衆中の内にては小兵衛殿につゝく衆未無御座候 誠におのつから如座配有之侍大将にては小兵衛殿下知を受度物と心の内に存居候 箇左馬の事各此後心持に可成事書置候 尤其時分は 眞源院様被召仕候者多く角入抔時分の侍はまれに御座候 拾人の内七八人は拙者とも位の衆にて候 前廉古き侍中の咄老父承居候 くらへ見申に誠に上を學ふ下にて御三代の侍中皆々三色に衣類着用物すき咄まて其時々の 殿様ならてはとの咄幼少の時より承り候 角入不白兄弟にても替り申噺にて何も尤なる儀御恩を蒙りたるを第一に奉存候は當前の道理と年寄候ては基本/\と吟味仕候はゝたとえは不被召仕時代にて御目見不仕共 御先祖 玄旨公より御代々と成來候へは侍中も又代々と成候 各能了簡被仕祖父親も御恩蒙りたれ我等蒙り申さぬなとゝ大形在る様に成可申候 聖賢の言に孝は志を継を専一と申候へは忠孝と申候へは見ぬ 殿様をも同前に被存候心底にて善悪とも真實に被存候はゝ御守可有御座道理と存候内入拙者同日に新知を致拝領候日は島原の働御吟味に洩候衆小崎孫右衛門・魚住市郎右衛門・佐野左大夫三人も皆とも同日に被為拝領尤筑後守殿も其時御存生にて具には覺書に可有御座候 拙者は其日の末座に被 仰渡候故何も召置直に御老中御一門に廻り申候故右三人は其刻老人にて七十はかりにて歩行おそく候へは拙者道にて追付申候 先に参り候へと被申候故いや御同道可仕とてそろ/\参り候内に拙者申候は今日は互に難有就中各様と御同前に被為拝領候事別て難有と申候へは三人ともに被申候は皆共儀は年寄申御奉公勤申間無御座候に拙者共は被召仕候最中皆共と一同に被為拝領難有と被申唯今も思ひ出し互に挨拶其刻信實に難有奉存候 時にて互の挨拶尤と存候 其後に舎人殿御申候は十左と此頃各兄弟衆の噂申候唯今の時節各兄弟ともに何と難有時には両御寺に参詣との志と見へ候 拙者先日の御請の様子跡にて十左と感し入候 尤の體に候 併唯今は人の心も夫々替り拙者心安咄申故にはいかにも難有事を一々咄申事尤に候 又夫程心安咄さぬ者にも同前に申候はゝ先の者より何も一同に被為拝領候に拙者はかりわけて難有と申はいな事をと却てそしる者も可有之間其了簡仕候へと御申候 其時の御請の様子神以上其時分より何と申たるか何と仕たるか其刻も存候へともしかと覺不申扇子忘れ罷立候とも十左衛門殿御立是々と御申御渡被成候時目出度/\と御申候を覺申候 内入に被仰渡罷立皆共其居申所にて惣様に如斯と被申候時拙者扨も/\難有儀と涙出候をそろりと人の見ぬ様にぬくひ申たるは覺申候 其時拙者は定て御切米抔の御加増か新知被下候共二百石は被下まし神以いか様に被仰付候とても兄に先に被下難有心實より存候故神以/\拙者身の上の事毛頭思ひ不申候處に村井源兵衛罷出貮百石拝領と申時扨は拙者も御知行か定て百五拾石にて拙者は可有御座哉御知行と御座候へは難有事と神以/\少も/\失念不仕候 惣體拙者は常々まんかちに見へ申生れ付諸人左様に思ふと拙者も存候 併曾て心に左様に不存候は右の趣神以今も慥に覺申候 此志は段々死後にも吟味可有候 實より出申心にて候へは書置不申共後々知れ可申候 右の通に両御寺と御申候へは内入は被参候哉拙者は終に泰勝寺には参詣不仕候 併近年は心付極月二日 忠興公の御征月には精進仕候 尤玄旨公の御歌抔拝し中心にて見申候 是も両御寺へ参詣の心と御申候儀に付心付申事多く候へは皆々十左衛門殿舎人殿御教を請たる心にて拙者よりは出申さぬ事にて一言事にても善言を請申は師たると古語に有之候 如此調置候事皆々親の咄に善悪共に書付置候へ咄はかり承候ては失念仕候事有之由被申候 老父は拙者より悪筆故書置たる物見へ不申候 其時代悪筆のみ多く無筆多く御座候つる 

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■松寿庵先生 第110講

2014-08-07 07:52:36 | 史料

                                 超高速参勤交代 http://www.cho-sankin.jp/index.html

                                 湯長谷藩    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%AF%E9%95%B7%E8%B0%B7%E8%97%A9

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