一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

鹿(しし)おどし

2015-08-09 13:41:23 | 雑記


      「鹿おどし」別名「バッタンコ」。
      バッタンコとは何か。

      「山彦(やまびこ)や茂みの中の
               バッタンコ」
            相島虚吼(きょこう)

      つまり、竹筒に水がたまると一気
      に傾いて音の出る仕掛けのこと。

      「鹿おどし」とはのどかな名称だ
      が、文字通り、鳥獣を追いはらう
      のが目的であろう。

      歳時記には他にも「案山子」「鳴子」
      「鳥おどし」などがあり、
      「鹿垣」は木や竹で編んだ獣よけの
      垣根のことをいう。

      はるか昔から鳥獣の害を避けるのに
      ありとあらゆる知恵をこらさなけれ
      ばならない山里の暮らしであった。

      それがどうだろう、近年では電気柵
      などが設けられ、先日は流れた電流
      により、二家族7人を死傷させると
      いう事故が起きてしまった。


      設置者は川辺の花壇を鹿から守る
      という、ごく単純な発想であったが、
      まさかこんな惨事になろうとは思わ
      なかったであろう。

      しかし、起きてはならないことが
      起きてしまったことは事実。

      しかも……
      「申し訳なくて死んでお詫びしたい」
      と語っていた当事者が2~3日前、
      本当に自殺してしまった、というの
      である。

      近年の鳥獣類の作物への被害は、
      昔日のようなものではない。
      どこでどうなったか、人間も必死
      なら鳥獣類も生きるのに精一杯なの
      である。

      犠牲に遭ったご家族が最大の犠牲者
      であることはいうまでもないが、
      自殺した設置者だけを責めて済む
      問題ではあるまい。

      自然の破壊、人間と動物との共生を
      どうしていくか、地球規模で考え
      なければならないだろう。


      ※ いつだったか奥多摩方面に旅行
       したときに見つけた看板