さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

世界フライ級の頂点、納得の熱戦 ロドリゲス、エドワーズをTKO、二冠王者に

2023-12-19 05:09:41 | 海外ボクシング



日曜日、衝撃的な試合続きだった神戸の興行ですが、唯一良かったのは、早く終わったこともあって、帰宅後、配信あった海外の試合を、結果知らずで見られたことでした。
遅くなっていたら、情報遮断も諦めて後日見よか、となっていたかもしれませんが。
DAZNのメイン、WBO&IBFフライ級タイトルマッチについては、特にそう強く思った次第。簡単に感想です。



初回、エドワーズのジャブが速いが、ロドリゲスも前の手、右フック気味のリードで切り返す。早々に、リング上に緊迫の空気。
ロドリゲスのボディ攻撃、少し低めのがあり、初回終了後のインターバルでセコンドが「ローブローが4度あったぞ」とレフェリーにアピール。

2回、ロドリゲス右ジャブふたつ。エドワーズ、右ボディストレート返すが、ロドリゲスがショートで「ツーワン」を被せる。
するどエドワーズ、足を踏み換えて右ジャブ、ロドリゲスかろうじて外す。ジャブ応酬、エドワーズ右ショート。
これらの攻防を十秒足らずの内に詰め込んでいる。両者の技術、身体の切れ、集中の高さは並外れている。

しかし、こういう濃密な攻防自体を「外す」のが、エドワーズ本来の持ち味ではなかったか、とも思える。
ロドリゲスとて楽ではないし、隙を見せられないタイトな展開ながら、スーパーフライ級でもカルロス・クアドラスやシーサケット・ソールンビサイを相手に、激しいラリーを演じて勝ってきたロドリゲスにとり、徹底して躱し、外されるよりは、はるかに良い展開にも見えました。
それは続くボディブロー応酬、ロドリゲスの左ヒットの場面でも見えたように。


その辺を考えたか、というと少し違うかもですが、ロドリゲスがペースを握ったか、と見えたのち、3回、エドワーズが局面を変えに来る。
右構えで立っていたが、40秒くらいにロドリゲスの右ボディジャブが伸びたあと、右足前に出して、サウスポーにスイッチ。逆に右ジャブ連発し、ヒット。
エドワーズ、右相打ち、右ボディ。左ボディ打ちにくるロドリゲスに左フックカウンター。巧いところを見せる。

そうかと思ったら、左クロスヒットに右フックミスの後、クリンチ。ロドリゲスがラビットパンチをアピールするが構わず押して打ち、アタマを持っていってさらに押す。
なおもホールドまがいのクリンチを続ける。ラフで狡猾な立ち回りで、ロドリゲスを乱そうという狙いか。
実際、その後打ち合いで、ロドリゲスが少しフォームを乱した印象あり。
エドワーズ、最後の方また右構えに戻し、右クロスを飛ばす。

右から左に変え、巧さを見せたあとにラフな行為もして、また右に戻す。
この回、ポイントはともかく、エドワーズの仕掛けに、ロドリゲスが少し揺さぶられたように見えました。

4回も右リードの応酬かと思いきや、エドワーズが押し込んでおいてロドリゲスを引き倒し、スリップダウン。
右から左にスイッチして、左クロス狙う。

エドワーズの攪乱はそれなりに奏功もしている。しかし「やり合う」展開であることに変わりは無い。
5回、ロドリゲスがエドワーズのパンチを外し、それをきっかけにリターンのヒット、そしてコンビネーションへと繋ぐ場面あり。
左アッパーからワンツー、右ボディ返し、さらに打ち込む。
流れは徐々に、しかしはっきりとロドリゲスに傾き始める。

6回、エドワーズのジャブの引きに合わせて、ロドリゲス左で飛び込む。右ボディ打ちの応酬、はっきりロドリゲスがまさる。
右ジャブの打ち合いでも、ロドリゲスがまともにヒットを取るように。エドワーズ、左目下に傷が出来ている。
ロープを背負ったエドワーズに、ロドリゲス左ボディから右フック、防がれるが左をガードの真ん中へ。
ワンツー繰り返し、さらにガード崩しの狙いをもって左右フックを叩きつける。
そして自ら下がり、舌を出して挑発しながらエドワーズに打たせて、ゴング。

完全に当てる、外せるという自信を掴んだロドリゲスのアピール。エドワーズのように、相手を捌いて勝ってきた選手の心身を揺さぶるには充分なもの、と見えました。


ダメージと共に、動揺もあるか、7回エドワーズ、左のチェックフックを空振り。ロドリゲスの右ボディジャブを嫌ったものだが、ロドリゲスは何もしていませんでした。
とはいえワンツーの応酬ではまだ、鋭さも見せるエドワーズ。左を外され、逆にカウンターもらい、攻められるが必死に打ち返す。
しかし8回、ロドリゲスのスリーパンチ、締め括りは右ボディを打たれ、ジャブで追われ、足が絡んだあとワンツーをもらう。
ラウンド終盤、ロドリゲス左右フック、アッパーとコンビネーションで打ちまくる。エドワーズも返すが、劣勢ますます鮮明に。


詰めた間合いで攻防の頻度が高まるほどに、両者の「防御率」に差がつく一方。
それは単に、最初の構えの設定、ガードの高低の違いに出ていて、顔を隠すほど高く構えるロドリゲスと、肩の位置に手を置くエドワーズ、その差の反映でもある。
もちろん足も良く動くが、ガードによる防御も普段からしている、ボクサーとファイターの高品質な折衷型たるロドリゲスに対し、普段は足を使って距離で外し、ガードへの依存度が低い「ボクサー寄り」のエドワーズが、本来得手とはいえない展開で闘っている以上、当然の帰結と言える。

何故そうなったのかについては、エドワーズのこの一戦に賭ける思いが悪く作用したのか、ロドリゲスの技量力量ゆえか、となるのでしょう。
それは言ってしまえば、おそらく両方、なのでしょうが、試合前には、俺はKO「なんか」狙わない、と言っていたエドワーズの心中に秘められた「熱」がほの見えて、それはそれで、見ていて惹かれるもでもありました。


9回、左ストレート同時に打ち合い、ロドリゲスがヒット。エドワーズ、マウスピース落とす。
それでも左返し、右フック返し、懸命に抵抗していたエドワーズだが、ラウンド終了間際、ロドリゲスが右ボディから左のクロスを上に決めると、遂にダウン。
顔からキャンバスに落ちたように見えたが、エドワーズ何と立ち上がり、ゴング。しかしセコンドがレフェリーに棄権の意志を伝え、TKO。

勝者となったジェシー・ロドリゲス、歓喜と安堵でしょうか、キャンバスに伏してしまいました。
敗者サニー・エドワーズに起こされて、健闘を称え合っていましたが、ここだけ見たらどっちが勝ったんやら、という絵でありました。



試合展開自体は、ロドリゲスに幸いする形で進んだ試合ではありました。
しかしエドワーズも、その是非はともかくも、濃密な攻防を繰り広げる中、ロドリゲスに僅かな隙や緩みがあれば、そこを突き崩すだけの力量を常に示し続けていて、試合の緊迫は最後まで途切れませんでした。
両者の繰り広げる鋭い攻防、切り換えの繰り返し、その緊迫と熱量は、まさに世界フライ級の頂点を争奪する一戦はこれだ、と見ているこちらを納得させるものでした。
偉大な二人の王者に拍手したい、素晴らしい試合でした!




セミはムロジョン・アフマダリエフvsケビン・ゴンサレスの一戦。WBAがスーパーバンタム級の挑戦者決定戦と認めた試合でしたが、6回、8回に二度ずつダウンを奪ったアフマダリエフが、8回TKO勝ち。サウスポーの強打対決を制しました。
先日発売された、ボクシングマガジン増刊のインタビューにおいて、井上尚弥への挑戦意志を、敬意を込めて語っていたアフマダリエフ、全体的にマーロン・タパレス戦よりも好調でした。
この感じなら、タパレスに負けることはなかっただろうなあ、という印象。井上尚弥への挑戦者の中で、最上位につけて良いのでは、と思わせる試合内容でした。


アンダーではピーター・マクグレイルが、二度倒してリードしていたんでしたっけ、優勢の試合で右一発くらってダウン、立てず、逆転KO負け。
日本での試合も直に見た(あまりしっかり見られませんでしたが)マクグレイル、相変わらず巧いなあ、と感心しつつ、ぼーっと見てましたが、こういうこともあるのだなあ、と。

もっとも、こういう巧い選手でも、僅かに隙があったり、ミスをしたりすればただでは済まない、そういうレベルの相手と組まれている前提があればこそ、の話ですが。
ここのところが我が国とはちょっと...と思いかけて、最近はそうでもない話も増えて来ているなあ、と思い直しもしましたが。



以上、DAZNの方を見終えて、WOWOWオンデマンドの方も見たら、なんとロバート・ゲレロとアンドレ・ベルトの再戦からスタート。
何も知らんかったので、最初は再放送かと思ったくらいですが、そんなわけもなし。へー、こんなのやるんや、と。
さすがに遅い時間やし、これは後日ということで、セミのホセ・バレンズエラとクリス・コルバート再戦も(こちらは興味津々でしたが)パスして、メインだけ。
デビッド・モレルをきちんと見るのはこれが初めてだったと思うんですが、あらー、こら強いでんな、という感じ(←さすがに疲れて、だんだん、いい加減になっていきます)。試合は2回で終わりました。



そんなことで、神戸で観戦したのち、日曜の夜遅くまで、あれこれ試合を見続けた感想文でありました。
まあ、全部めでたしめでたしで終わっていれば、また違う感情もあったのでしょうが、さすがに疲れました、というところで...。



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挑戦者の懸命、勝負の非情 大内淳雅、山中竜也ともにTKOで陥落

2023-12-18 07:04:19 | 関西ボクシング

昨日は神戸ポートピアホテル、大輪田の間にて観戦してきました。
衝撃的な試合の連続でした。


日本ライトフライ級タイトルマッチ、執念の王座獲得から初防衛に臨む大内淳雅でしたが、川満俊輝の果敢なアタックに、やや押され気味に見える。
右カウンターのクリーンヒットがあって、初回のポイントは微妙ながら取った、という見方もあるかもしれないが、会場で見ていると、川満のボディブローはかなり威力を感じたし、何より迎え撃ちで止め切れていないのが気になる。
カウンター狙いにしては、間を詰められすぎているという印象。これ、危ないかも、と見えました。

しかし川満のアタックは半ば特攻というか、後先考えずに序盤からフルパワー、という印象でもある。
大内がカウンター当てつつ凌いで、川満が落ちてきたら、両者の力がそこで接するか、逆転するか...ここからしばらく、消耗戦を見ることになるのだろう、と思っていた2回、突然の決着でした。

川満のボディ攻撃続き、ダメージもあったのか、大内のガードが下がっていたのか。
何しろ川満の右がまともに大内を捉え、前のめりに崩れるダウン。
川満の足にしがみつこうとしてかなわない大内の姿を見て、これは無理だ、と思いました。
再開されるが、川満が攻めて、すぐにストップ。川満王座獲得、そして大内陥落となりました。


終わって見れば、大内がカウンター取るだけでは凌げない間の詰められ方をしていて、そのまま攻められた、という試合だったのかもしれません。
しかし大内の出来や、構えに大きな隙があったとも思えません。
川満俊輝の気迫、闘志、半ば捨て身で、それでいてしっかり好機を狙っていたボクシングが、大内を上回った、ということなのでしょう。
短い試合でしたが、ボクシングの凄みが凝縮された試合だったように思いました。



と、こういう試合を見たあと、山中竜也とジェイソン・バイソンの試合を、半ば茫然と見始めました。

こちらもまた、王者の山中竜也はまずまず好調そうなのだが、相手のバイソンが同じく、力強く切れを感じるパンチを振っているのが目を引く。
ユーリ阿久井政悟とフライ級で闘って、判定まで行った試合があるだけに、ライトフライでベストの状態だったら強いかも、くらいに思っていたのですが、ジャブが良く出て、右への繋ぎがスムースで、なおかつ威力もありそう。
山中、丁寧にジャブ当てて捌いて、とやらないと...でもまあ、それが山中のいつもの仕事だし、と見ていたら、2回、右アッパーが山中の顎の先端に、ベストタイミングで決まって、山中ダウン。
先刻の大内同様、これは無理だ、と見てわかる一撃。今度はレフェリーが再開させず止めました。


関西の王者が揃って2回で陥落、なんという日だ、これはメインとて何かが...と思いましたが、ほぼ休憩ゼロでメインイベントが始まると、原優奈が向山太尊に右を決め、猛攻してTKO勝ち。
初回、1分とちょっとくらいでしたか。
アンダー三試合判定のあと、残り4試合が2回、2回、2回、初回で終わるという、ちょっと記憶にない、凄まじい興行でした。


普通なら、アーリーKOをたくさん見られた、てなものですが、やはり大内淳雅の陥落は、個人的にショックです。
そこへ山中竜也も同じく、ですから。
前日までは妙に暖かかった気候が、当日になってぐっと冷え込む中、久し振りの会場観戦となりましたが、こういう気候の変化も、多少、選手諸氏に影響したのかな?などと考えたりもしました。
会場も妙に寒いままでしたし、アーリーKOというのは、ボクサーの身体が温まらないうちに起こるものでもあり。まあしかし、それは全選手、同じ条件ではありますが。


しかし、久し振りの観戦でいきなり「こんなこと」になるとは...何なんでしょうかね。
もうお前は会場には来るな、という神のお告げを聞いたのかもしれん、と思いつつ、寒風吹く中、予定よりもだいぶ早い帰路に着いた次第です。


幸いにも情報遮断して、DAZNもWOWOWオンデマンドもチェックは出来ました。
その辺の換装じゃなくて感想はまた後日、ということで。


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今日も配信三本立ての日曜日 大内淳雅、初防衛なるか

2023-12-17 07:29:55 | 関西ボクシング



さて、今日も今日とて大変な日曜日です。
最近、毎週こんな感じですが...。


今日はひさびさに会場行きます。神戸です。
U-NEXTでは15時半からライブ配信があります。試合開始時間も同じですから、全7試合、配信される模様。






8月、悲願の王座奪取なった大内淳雅、1位挑戦者の川満俊輝と初防衛戦。
世界へと飛び立った国内の強敵たちに、王座への道をあと一歩で阻まれてきたが、38歳になってもその力を維持し、王座に到達した大内が、さらに上のステージに歩を進めたいなら、最上位挑戦者との初防衛戦もまた、ある意味では新たな挑戦でしょう。


メインは原優奈、日本スーパーフェザー級王座の、これも初防衛戦。
相手の向山太尊は、勝つも負けるも派手な長身のサウスポーですが、この挑戦決定はちょっと意外な印象でした。
しかし爆発力がある選手ですし、タイプ的にもやりにくい回りになる可能性もありそうです。


セミはWBOアジアパシフィック、ライトフライ級王者、あ、これまた初防衛ですね、山中竜也がジェイソン・バイソンと対戦。
初防衛戦三本立てだったんですね。
大内と山中、両者共に勝てば、ご近所ですし、マッチメイクはしやすいんではないかと、何も知らん傍目の者は思いますが、まあその辺は、試合内容や、そこから生まれる機運のあるなしに左右されるんでしょうね。
両者共、時間に余裕があるとは言えないでしょうから、いざ勝負、となるかもしれません。

世界の頂点に立つ寺地拳四朗、元王者の矢吹正道に続くのは?となると...岩田翔吉は何か、色んな意味で別枠「扱い」ぽいですが、谷口将隆や高山勝成の元王者組、若いところでは坂間叶夢に尾﨑優日などもいます。
狭い日本で変な融通効かせてばかり、ではつまらんですし、配信バブルの恩恵?でもって、ひとつでも多く、直接対決が実現してほしいものですね。




で、神戸にお出かけする前に全部チェック出来るかというとおそらく無理でしょうが、DAZNとWOWOWオンデマンドで平行してライブ配信あり。
DAZNのジェシー・ロドリゲスvsサニー・エドワーズのWBO、IBFフライ級タイトルマッチと、ムロジョン・アフマダリエフvsケビン・ゴンサレスは、共に日本勢との絡みも将来的にありそう(ていうか、あってほしいですね)で、要注目。

WOWOWオンデマンドの方は、ショータイム通常放送のラスト試合なんだそうですね。
WBCフライ級チャンピオンのフリオ・セサール・マルチネスが、何か知らんがまた欠場なんだそうで。
バイト休むみたいに世界タイトルマッチを休みますね。何なんですかな、この人は。
大方、私生活からもうガタガタなんやろうな、と良くない想像をしてしまいますが...。



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DAZNの窮状、本社の意向、日本市場への無理解? サウジ興行、配信はPPV3300円

2023-12-16 07:35:13 | 海外ボクシング





日本時間だと12月24日、深夜1時から8試合予定の、サウジアラビアでの興行が、DAZNでPPV配信されるとのことです。


DAZNでやること自体は驚きませんでしたが、日本において、これがPPVになるとは思っていませんでした。
ひょっとしたら...くらいに思わなくもなかったですが、まさか本当にそうなるとは。

まず、はっきり言ってカード自体が弱い。
アンソニー・ジョシュアとデオンテイ・ワイルダーが今更別々の相手と試合します、と言われても、この期に及んで先送りでっか、試合数稼ぎでんな、と白けています。
ディミトリー・ビボルにしても、久し振りの試合ではあるが、相手は名の知れた強豪というわけでもない。

そこへ持ってきて、時間が真夜中開始、早朝終了。しかも8試合と長丁場。
顔ぶれ見ても、KO続出といくかどうか...ちょっと怪しい。

しかも、日本語のコメンタリーつける手間もかけない。ただ流すだけのものに過ぎない。


これでPPV、しかもお値段3300円。
先日、フューリーvsガヌーが1500円のPPVで配信されましたが、その視聴者数が好調だったのかもしれません。
しかし、今回のカードでさらに値上げしてくるというのは...前回のはUFC王者ガヌーの知名度、話題性も込みのものだったわけ、ですしね。

なんか、ボクシングファンの指向をあまり考慮せずに、物事が決まっているような印象です。
今後はヘビー級なら全部、別料金取ろうという方針なのでしょうか。
ひょっとしたら、本社の意向がそういうもので、DAZN日本はそれに従うしかないのかもしれません。

来年はフューリーとオレクサンドル・ウシクの試合が決まり、今回のダブルメインに出るジョシュアとワイルダーも、同じく対決する運びなのでしょう。
しかし別料金払ってまで、という視聴者がどの程度いるものか...私はウシクの試合なら、対フューリーは見たいと思う方ですが、他は別に...ジョシュアとは決着ついてますし、ワイルダー...厳しいなあ、というところです。



国内では、コンテンツ激減(ことにサッカー)にもかかわらず値上げ→加入者減少という話が聞こえてきますし、世界規模でいうと、以前の43億ドル補填による赤字回避、というベラボーな話に続いて、最近も10億ドルの資金調達があったとか何とか。
しかも、それがサウジアラビアの国家投資ファンドによるものではないか、放送配信局がスポーツウォッシングの手助けか、と疑惑の目を向けられている、といいます。

ことほど左様に、DAZNにまつわる話、最近聞こえてくるものは、碌なものがありません。
何しろ出始めの華々しさは、今や影もない、という印象です。

今回のPPVも、要は普通に流しても大した視聴者数があるでなし、しかし有料でも見たいという層が、少数でも居るならば、そこから利益を上げられないものか、という話なのではないか、とも思います。
やることなすこと、つまりは「窮状」故なんだろうなあ、と見えてしまう、というか...本当に、この先長くないかも、という気がしてなりません。



ということで私、この配信は、謹んでパスします。
年末、他にも色々見るものがあるし(井上尚弥の名を持ち出すまでもなく、全日本新人王戦や、木村vs坂再戦などの方が、余程大事、重要です)これは別に、見られなくても構いませんので。



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西と東で大興行、壊れた話はひとつもなし 田中恒成アマプラ初登場!

2023-12-15 00:08:17 | 関西ボクシング



昨日、AmazonPrime公式Xにて記者会見がライブ配信されました。今時なお話です。



さて、まずは1月23日、火曜日ですね。大阪府立体育館、エディオンアリーナ大阪。
メインはWBA、WBCライトフライ級タイトルマッチ、寺地拳四朗vsカルロス・カニサレス。
日本でお馴染みの元王者です。技巧ダニエル・マテヨンに勝っての挑戦ですから、堂々たる資格あり、ですね。
タイプ的には互いの良さが出る組み合わせかな、と思います。来日三度目でしたか、カニサレスの調整にも問題なさそう。レベルの高い試合になりそうです。

同じカードに入るのが、WBAフライ級タイトルマッチ、アルテム・ダラキアンvsユーリ阿久井政悟。
これは要注目のカードです。ダラキアンの状態が良ければ、かなりの強豪ですし、激戦になるでしょう。
フライ級ながら、お互いの耐久力を越える攻撃力を持つ者同士の、スリリングな試合が見られそうです。

さらにアンダーでは、辰吉寿以輝vs与那覇元気戦が入ります。
どちらも、関西という地域性に合ったカード。確かに国技館は良い会場ですが、府立でやるなら、応援の方々にとっても良いでしょう。結果的に良いラインナップになりました。


そして那須川天心、WBAバンタム級13位ルイス・ロブレスと、121ポンド契約で対戦とのこと。
相手も体重も、微妙な設定ですが...カタカナ選手だけど東南アジアでは格好つかんので中南米から、でも階級下で、という相手を続けて呼べるのは、さすが帝拳、という感じです。
スーパーバンタムからマイナス1ポンドという契約体重は、何を意味するものか、正直測りかねますが...。




さて2月24日、土曜日に両国国技館とは、良い日程ですね。
この2日前、22日には後楽園ホールでLeminoフェニックスバトルがあり、井上浩樹vs永田大士の再戦など、好カードが目白押しです。
続けて観戦という向きもおられることでありましょう。私が東京に住んでいたら、絶対そうします(笑)。

井上拓真vsジェルウィン・アンカハスは、以前も触れたかもですが、アンカハスの状態がバンタム級で良くなっていれば、好ファイトの期待充分、です。
しかし今回、井上拓真の肋骨骨折という事態を受けて、その辺がさらに流動的になった感あり、ですね。
正直、拓真の方にベストを期待するのは酷かな、という気がします。実際やってみて、勝ち負けとは別に、特に問題無かったね、で終われば良いのですが。


中谷潤人はバンタム級転向、初戦でWBC王者アレハンドロ・サンティアゴに挑戦。
これをすんなり決めるのは、良い意味でさすが帝拳。拍手です。

王者サンティアゴは、ドネア戦とあとひとつくらいしか見ていませんが、見た限りで言うと、一級品、上物、という印象は持ちませんでした。
小柄で上体が厚く、手数が良く出るが古傷持ちか、簡単に出血する。そのわりに露骨な頭からの突進もしたりする。
攻撃は一打の威力はないので、世界という話だと相当手数を出せる展開でないと難しそう。
その上、メキシカンにしては奇異なほど、ボディ攻撃が少ない。ヘッドハンター傾向あり。

ジェルウィン・アンカハスにも通じる話ですが、中谷潤人がバンタム級初戦で良いコンディションを作れれば、苦戦まではあっても...という印象です。
アッパーカットでお迎えするには丁度良い的かな、と思ったりもします。あとはラフファイトに注意ですかね。


その中谷潤人が返上したWBOスーパーフライ級王座を、田中恒成とクリスチャン・バカセグアが争います。
最近、世界ランクの変動があれこれとあって、その中で出てきた名前、というのがバカセグアについての、唯一の知識です。
専門誌のランキング頁を見ると「エドゥアルド」という名前になっていますが...。

何しろ、田中恒成のスーパーフライ級再挑戦がやっと実現しました。
それも名古屋の枠、柵を越えて、AmazonPrime興行に出るのですから、あとはその実力を存分に発揮してもらいたい、というのみです。
前回挑戦はダークグレーな相手との試合で完敗で、年内に目指していたIBF挑戦は自身の負傷で流したらしいですが、決定戦とはいえ、まずは勝って、その後の話へと繋げてもらいたいですね。


アンダーは増田陸がジョナス・スルタンに挑む、チャレンジマッチ兼再起戦が、これも流れず組まれました。
試合間隔としては、空いて丁度良かったのかも、と思います。これも要注目。



井上拓真の肋骨骨折、興行延期に端を発した、AmazonPrime興行のスケジュール調整は相当大変だったのでは、と思います。
しかしリスケが終了し、発表されてみたら、壊れたカードはひとつもない上に、中谷潤人が転級即世界挑戦、そして田中恒成が新たに参戦するというのですから、ファンとしては嬉しい驚きです。
これがTV放送の時代だったら、放送枠の問題がついて回り、ライブで見られない「漏れ落ち」カードが必ず発生していたことでしょうが、これだけ並んでその心配もありません。
それを思うと、本当に良い時代になったと思いますね。

しかも会場が西と東に分かれての、二ヶ月連続複数世界戦ですから、ダイナミックな話というのか、なんというのか。改めて、さすが帝拳、という気持ちでもあります。
那須川天心の知名度を土台にした、AmazonPrime配信による大イベントという側面もあり、その辺はちょっと思うところもありますが、せっかくの大舞台ですから、出場選手諸氏には、大いに持てる力を発揮して、ボクシング凄いやないかー、というところを、多く広くに見せつけてもらいたいです。
さらに言うなら、このラインナップには入らなかった阿部麗也にも、ニューヨーク近郊?であるという世界戦に勝ってもらって、凱旋試合をやってほしいものですね。






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年始の世界戦、本日正式発表の模様 Amazon公式Xにて会見配信

2023-12-14 09:55:02 | 関東ボクシング

色々書こうと思う話はあるのですが、こんなのが目に飛び込んできましたんで。
本日13時より、AmazonPrime公式Xにて、プライムボクシングの記者会見がライブ配信されるとのことです。






少し前に触れたとおり、1月2月と、世界戦興行の噂がありましたが、そこから話は少し変わっている部分もあると思われます。
寺地拳四朗vsカルロス・カニサレス、井上拓真vsジェルウィン・アンカハス戦は変わりないはずですが。
中谷潤人のバンタム級世界戦は入るのか、相手はWBCかはたまた?なのか。
噂では地域の柵を越えて、あの選手が参戦するとか、世界戦がひとつ、流動的になったのがあるとか、色々あるみたいですね。

しかし今日、全てが明らかになる!ということで、要注目です。取り急ぎ。



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順当勝ちで「決戦」が待つ来年へ 藤田炎村、TKO勝ちで防衛

2023-12-13 05:06:45 | 関東ボクシング


ということで色々話題もあれば(阿部麗也、日本では出来ないのですね...)、試合の感想もありますが、昨日のFODプレミアム、ダイヤモンドグローブの感想からです。



メインは藤田炎村が、関根翔馬を4回TKOで下し、日本スーパーライト級王座を防衛。
ワタナベジム最古参の関根、良い感じで重心が降りて、ボディも織り込んだ攻撃で前進。

しかし初回から、藤田がインサイドから左を合わせると、上体が泳ぐ場面あり。
関根はワンツー、ボディ、左右共に打てるパンチは全部繰り出して、ヒットもけっこう取っている。
とはいえ威力、正確さとも藤田がまさる。3回に左フックで耳の辺りを打たれ、右フォローされて、関根ダウン。

4回、関根はそれでも前に出て攻勢を取ったが、少しもつれたあとのアクションで、右足を前に出し、サウスポースタンスへの踏み替えをした藤田の右フックでダウン。
相手の視界の外から打つための仕掛けだが、藤田はいつも、これをこそっと、さりげなくやる。
立った関根だが、藤田追撃。右フック連発、4発目で関根またダウン、レフェリー止めました。


確かに戦力に差がある相手に、時折、という表現を少し越える頻度でヒットも喫していましたが、こういう風に最初から、半ば後先知らず、全開で来る、失うもののない相手との闘いというのは、難しい面もありましょう。
藤田が相手を引き寄せる闘い方をする面があるのも、幸いはしなかったというか。
しかし力の差を見せつけてのTKOでもありました。まずは順当、でした。

来年は藤田と、李健太との指名試合があり、同階級のライバルである井上浩樹と永田大士の再戦も決まるなど、国内のスーパーライト級は上位同士の闘いが続きます。
その先には当然のこととして「決勝戦」というか、勝者同士が雌雄を決する試合があってほしいものです。
以前なら諦め半分だった、このような願望ですが、昨今のオンデマンド配信バブル?がもたらす効果、そして需要が、このようなカードの実現を後押ししてくれるものと信じたい気分ですね。

さらにいうなら平岡アンディや、先日カザフスタンで敗れた近藤明広も、この辺りと絡んでの試合が見たかったところです。
それぞれに事情があり、目指す「上」の試合があるならば、そうならないのは仕方ないのかもしれませんが...。



セミでは、前日本フライ級チャンピオン永田丈晶が、中国のルオ・チェンハオとのサウスポー対決に、スプリットの判定負けを喫しました。
初回から腰の据わった感じのルオが、見るからに重そうなパンチで永田を脅かす。
初回終盤、左右の迎え撃ちで永田を泳がせたのを皮切りに、毎回ラストになってから、クリーンヒットを取る繰り返し。
パワーでは完全に上回るルオに、永田は手数と攻勢、ボディ攻撃によるダメージ狙いで攻めるが、永田のリズムに飲み込まれず、要所で強打を決めたルオが勝利。
判定は5対3、ルオと見ましたが、ひとりえらい差を付けて永田を支持しているジャッジがいました。このスコアを聞いたときは嫌な予感がしましたが、逆が出なくて良かったです。

中国人ボクサーはまた、強いところを見せました。
これを、往年の韓国のように、押し並べてタフで強い、全体的に水準の高い選手が揃っている、と見るべきか、今のところ中国方面の「呼び屋さん」が、選手の棲み分けを出来ていないだけ、と見るかで、だいぶ話は違ってきますが...今回のルオ・チェンハオは、直近の試合で、WBCバンタム級2位ペッチ(井上拓真に判定負け)に、タイで健闘したという話ですから、再起戦の永田にとっては、厳しい相手だったのかもしれません。



セミセミは山口仁也が、リカルド・スエノに判定勝ち。
倒す決め手の一打には欠けるが、能動的に動いて、ボディブローのダメージによる先手を取った山口が、順当に勝ちました。
しかしスエノは、バンタムでの試合経験があったとか聞きますけど、見たところフライ級でいっぱい、という感じの体格で、その差はあったかな、とも。


アンダーでは磯谷大心が、濱野秀平に3回TKO勝ち。
二度のダウンを奪ってTKO勝ちで連敗脱出なれど、どうも立ち位置の設定があやふやで、良い間合いで当てているのは良いが、攻め込まれる体勢になってしまう場面も再三。
見ていてどうも危なっかしいのは変わらず。
また、相手が網膜剥離や4年のブランクを乗り越えての試合だったとのことで、ダウンシーンは相手の耐性に限界が見えた、という印象もあり。
今回はとにかく勝てば良し、という試合だった、と見えました。勝負というか、正念場は次以降、ということになりましょうね。
リングサイドでは輪島さんが見守っておられました。表情に変化は見て取れませんでしたが、当然のこと、喜びや安堵のお気持ちだったことでしょう。



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休む間もなく配信は続く 本日はFODプレミアム、藤田炎村登場

2023-12-12 00:25:58 | 関東ボクシング



結局日曜日はDAZNの配信ふたつ(米国とカザフスタン)をチェックし、府立地下の二部の方は、TV大阪YouTubeチャンネルで見て、U-NEXTは月曜未明から。
さすがにIBAチャンピオンズナイトまでは手が出ませんでした。岡澤セオン、判定負けだったようですが、試合はプロ仕様?というのか、6回戦だったとか?

順番に、簡単な感想書いていこうと思いますが、その前に今日はFODプレミアム「三迫枠」ダイヤモンドグローブのライブ配信があります。






日本スーパーライト級タイトルマッチ、お馴染み藤田炎村に挑むのは、37歳の挑戦で話題の関根翔馬。
メディアに取り上げられることも多い藤田に対し、関根も異色の挑戦者、というに留まらないストーリーがあります


ボクサーそれぞれに、当然ながら人生がある。様々な思いがあり、譲れぬものがある。
それは分かった上で、ボクシングを見るのに際し、そればかりを言い募るのもどうなのか、しかし、やはり...いまだに答えが見つからないというか、迷いながらボクシングを見ています。
今日のこの試合についても、こんな記事読んでしまうと...という。
とはいえ、リングの上で描かれる、鮮やかな明暗は、そのような思いとは別のところにあり、時に辛く、しかしそれ故に美しくもあるわけ、ですが。




セミには前日本フライ級チャンピオン、永田丈晶の再起戦、相手は最近、油断ならない選手が多い中国人選手。はてさて。
さらに、中垣龍汰朗を下した日本ユース王者、山口仁也も登場。相手はリカルド・スエノ。以前見たとき、なかなかの好選手と見えた。
タノンサック・シムシーには初回でTKO負けでしたが、桑原拓には判定まで行きました。
あとはワジマゴ磯谷大心、連敗脱出成るか、という試合もありますね。



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「漏れ落ち」無しの見事な勝利、だが ヘイニー、プログレイスに完勝

2023-12-11 09:15:03 | 海外ボクシング




昨日は色々ありましたが、大阪のYouTube配信をのんびり見終えて、遅くになってから、DAZNで近藤明広のカザフスタン遠征試合、配信ありますよと教えてくれた方がいて、驚いてメインだけチェックしました。
昨日っていうかもう今日ですけど。しかし、いつ配信すると決まったんでしょう。ホンマにもう...。

話題もあれこれありますが、とりあえず昨日の「メインイベント」から感想です。



デビン・ヘイニーはレジス・プログレイスに大差の判定勝利で、WBCスーパーライト級新王者に。
基本、ヘイニーが打たせずに当てて、大差をつけるだろうと思ってはいましたが、細かいところでは、ちょっと違っていたところがありました。


序盤の内は、ヘイニーが距離の測定を慎重にやっていて、当然警戒しつつ、なので若干硬い。
初回、ヘイニーのワンツーがかすめ、プログレイスは右肘で押し返すのがせいぜい、という場面があり、スピードの差は初回から出ていたが。
ヘイニーはスリーパンチを空振りするなどしていたが、言えばこれも測定の作業、その一環だったか。


2回、プログレイスは左側へ身体を傾け、ヘイニーの右を誘う狙いか。
左上は当たらないと見てか、左ボディから打っていく。右手で抑えて左も。しかしそれでもヘイニーを捕まえられない。

ヘイニー、プログレイスの左オーバーハンドを外し、ジャブ、右。右アッパーで迎え撃ち。スリーパンチでプログレイス、スリップ。
ヘイニー、徐々にスピードアップ。ほぐれてくる。このまま走られたらワンサイドになりそうな印象、早々に。

3回、ヘイニー、ジャブでプログレイスの右ガードを「ピン留め」して、左アッパー。サウスポー対策としては高度な技。
直後、ヘイニーの右、ダイレクトで入り、プログレイスがダウン。打ち込み自体は浅いが、タイミングの芸術というべきか。

場内大歓声。しかしヘイニー、再開後、見る。詰めない、というより、打たれないことが最優先。
それはダウンを奪って、相手が目に見えてよろめいたりしていない限り、変わらない。 
右ダイレクト、もう一度見せ、ボディも打つ。ジャブ三つも。いずれも散発的。

4回、ヘイニーが当てて行く。速い。プログレイスも速い方だが、遅く見える。ヘイニーのワンツーに肩入れた右を返すが、一度だけ。
5回早々、プログレイス出るが、ヘイニーが足使って大きく外す。左上下にコンビ返す場面も。
6回も左アッパーでプログレイスを脅かし、速いワンツー。プログレイスの腰が落ちかける。大チャンスと見えるが、ヘイニー、ワンツーなどを「追加」はしても、激しく「追撃」はしない。


この辺、私のような旧型の目には、相手を回復させてやっているようなもの、と見える。
しかし、ヘイニーはあくまで、プログレイスが来たら、カウンター当てて、下がってジャブ、というのが基本線。
この膠着を築き、維持することが何より大事で、それより優先されるべきものはない。
それが彼の「方針」であり、それに忠実に闘っている。
ダウン奪取やクリーンヒットなども、相手が一押しで崩れるような状態でない限り、その方針を変える理由にはあたらない。
あくまでボーナス、オマケでしかない。

こうなってしまうとプログレイスには勝ち目がない。以前、例えばホルヘ・リナレス戦など典型ですが、終盤4つに失速し、連続失点を重ねたような、ヘイニーの体力面の不安、そこからくる「漏れ落ち」に期待するしかない。
しかし、どうもスーパーライト級に上げて最初の試合ながら、減量苦から解放され、コンディションは非常に良いようで、そんなことにもならなさそう。


7回、ヘイニーがジャブ、プログレイス前にのめる、ヘイニーがワンツー。方針に揺るぎなし。たまに左右ボディブローがあるが。
8回はアッパー気味の右がヒット。左ダブルも。9回、プログレイスまた前のめり、ヘイニー右当てる。いよいよ厳しい。

10回、状況変わらず。11回、プログレイスさらに出て、顔を突き出し、両手下げて迫るが、ヘイニークリンチに逃れる。
揉み合いになっても、プログレイスが振り回したり、抑えて打ったり、とはいかない。ヘイニーの体格は、この階級でも通じるものらしい、と見える。

プログレイス出るが、ヘイニー大きく足使う。ここまで省エネで闘ってきていて、終盤に来ても足が「残っている」。余裕の足捌き。
その上で、右ボディアッパーから左フックのコンビ、右ショートカウンターなどを要所で繰り出す。
最終回、プログレイスさらに迫るが、届かず。判定は大差でヘイニーでした。



全体的には予想した感じの試合展開でした。
しかし、これほど完璧に、水漏れ無し、漏れ落ち無しで、転級初戦のヘイニーが闘い終えるとは思っていませんでした。
そういう意味では脱帽モノです。圧倒的なスピードとセンス、そしてコンディションの良さがそれを支え、攻防共に無理も無駄も無い、現代的技巧派ボクサーの真骨頂というべき試合を、強打、或いは「恐打」のレジス・プログレイス相手に、ほぼ完璧にやってのけました。


しかし、上記したとおり、その闘い方、スタイル、方針、或いはボクシングというものをどう捉えるかという哲学...ちょっと大仰ですが、とにかくそういう面においては、予想どおり想像通り、今までどおりやなあ、つまらん奴や...という気持ちでもありました。

抜群の技巧を、時に嫌みなほどに見せつけ、巧さで相手を攻略し、結果的に倒してしまう...ライトやスーパーライトの頃に、フィリップ・ヌドゥやアルツロ・ガッティを、やりたい放題の末に倒していたフロイド・メイウェザーの再現を、減量苦から解放されたデビン・ヘイニーならやれるのではないか、と、3回早々のダウンシーンの時に、ちょっとだけ思ったんですが、そういう期待はする方が間違っていたようです。
そういう意味では、ちょっと残念な試合でもありました。勝手な贅沢を言いすぎかもしれませんが。



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あれこれありすぎる日曜日 プログレイス、ヘイニー戦のみならず、配信続々

2023-12-10 00:00:07 | 海外ボクシング



今日は、とりあえずこれが大事な日なんですが。
レジス・プログレイスvsデビン・ヘイニー戦、DAZNでライブ配信、10時から。メインはお昼過ぎるでしょうね。




英語実況をそのまま流すだけ、ではありますが、ライブで見られるのは本当に有り難いです。
WOWOW独占時代だったら、十中八九、録画でおしまいだったわけですから。

予想としては、ヘイニーが打たせず大差、でも一度くらいは「漏れ落ち」もある?
問題はそれが試合のいつ頃なのか。それによっては致命傷になることもないとは言えない。でも...というところです。
しかしヘイニーのペースで進んだとて、試合の緊迫が失われずに進むような気もします。
それがプログレイスの力ゆえに、となれば、試合としては良いものになるのですが。はてさて。


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こちらは国内、大阪です。
石田匠、加納陸、尾﨑優日らが出場の興行。
夕刻、17時半から、YouTubeにてライブ配信。





今日の府立地下は二部興行で、昼の部はグリーンツダジムのクラッシュボクシング。
以前触れた、前田稔輝の試合と、バンタム級挑戦者決定戦がありますが、配信は未定。
BoxingRaiseには、12月の配信カードがまだ発表されていません。おそらくここで、録画配信が見られると思うのですが...。


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あと、岡澤セオンが、IBA主催の特別イベント?に出るみたいです。
全然知らなかったんですが、アマチュアの世界選手権優勝や上位の選手が大挙出場する、という感じのワンマッチイベント、なんでしょうか。
ここに出られるだけで、名誉なことなのでしょうね、きっと。




ただ、IBAのイベントだけあって、場所は、ロシアの富豪受け容れ、及び投資、金融取引強化に突き進むUAEのドバイ。
ロシアの「半国営」エネルギー企業ガスプロム(西欧社会からはパージされている状態です)も、しっかりスポンサーに入っている。
いかにも、というのか...何とも言い難いものがあります。
日本のメディアがあまり(全く?)取り上げていないのは、この辺りが理由なのですかね。

ライブ配信はこちらから。アカウントを作成すれば見られるようです。
ただ、クレジットカード情報を入力するよう求められます。この辺は各自の判断で。この配信自体は無料のはず、なんですが。
ドバイで現地時間9日、19時開始とありますが、日本との時差は5時間ということで、本日0時からスタート。もう始まってますね(笑)。


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とまあ、色々と大変な一日であります。
どのくらいチェック出来るかはわかりませんが、頑張って見ていこう、と思ったら、これでは済まずに、明けて月曜深夜にまた。





WBOクルーザー級タイトルマッチ。王者ビラム・スミスは、ローレンス・オコーリーに勝った王者で、初防衛戦。
英国はボーンマスの国際センターという会場で行われるようですが、円形のホールが2500人、シアターでも4000人くらい、という施設で、大箱ではなし。
英マッチルームの興行なら、DAZNで配信ですが、プロモーターが違うのでしょうか、FIGHTSPORTSの放送に入っていたのでしょうね。
解説は小國以載とのこと。お疲れさまです。と先に言う。



さすがに、これらを全部チェックしていたら倒れてしまいます。
しかし、世界各地であれやこれやとあるもの、しかも全部見事に毛色の違うものを、見ようと思えば全部見られてしまうのも確かです。
改めて凄い時代だなあ、と思いますね。



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