さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

降臨式決定/決定が遅い/またも見られず/敵地で勝利/決定戦にも意義はあるが

2016-03-22 21:44:59 | 井上尚弥


さて、あれこれ気になる話題もあって、観戦も増えてくる今日この頃です。
話題あれこれ、雑感です。しかし柴田明雄が負けたのにはびっくりしました...。


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ということで井上尚弥さまの「降臨式」が決定。相手は既報の通りダビ・カルモナ。
5月8日、有明コロシアム。連休最後を締め括るイベントですね。これは会場に行きます。
どういう試合になるかについてはちょこちょこ思うところを書いた記憶がありますので、省きます。

挑戦者の方の意気込みはこのように、記事になっていますね。健闘を祈ります。
ただ、「私がランキング1位の指名挑戦者であることを知らしめる。」ってのはどうなんですかねえ。
それをパレナス戦で知らしめられなかったのは君でしょう、という感じですが...。

八重樫東はエリク・モラレス傘下の、前王者ハビエル・メンドサの同門、マルティン・テクアペトラと対戦。
初防衛から大きな試合ということには、やっぱりなりませんでしたね。仕方ないことでしょうが。
とはいえ、何もかも上手く回ったメンドサ戦のように行くとは限らず、前回八重樫の闘いぶりを
それこそつぶさに見た陣営が相手コーナーにいる試合です。油断は禁物ですね。


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結局は国内に決まった内山高志の次戦。暫定王者ヘスレエル・コラレスと。
まあこの話も、以前からあれこれとありましたので、改めて何かを言うこともないかと。
けっして弱い相手じゃないでしょうから、内山高志には、腐ること無く万全に仕上げてきてほしい、
それに尽きます。

それに続いて、改めて気になるのは、河野公平、田口良一、両王者の相手が
まだ決まらないのかということですね。
事情はさまざまにありましょうが、正直、あまり良い感じはしませんね。
言うてる間にもう、試合ひと月前になろうかというのに...
この流れだと、強豪挑戦者が選ばれることはまず無いでしょうし。
そもそも、「世界」戦って、そんな軽いものですかね?

このジムの興行面についての話は、考えれば考えるほど、こちらの気が滅入ります。
なんだかもう、我々の内輪の論理に異議ある者は、ボクシング見んでええで、と言われているような気さえしますね。


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日曜日は関西で、姫路と同日に、大阪の五月山というところで、丸田陽七太のデビュー二戦目がありました。
初回KO勝ちで、ラウンドガールさんの出番なし、とのこと。

まあ、勝負が速いのは良いことです。変に手控えてどうの、なんていうのは、
相手どう以前に、ためにはなりません。
丸田陽七太の試合は、次回こそなんとか観戦してみたいものです。


しかし関西における興行日程の重複だけは、本当にどうにかならんのですかね。
協会でちゃんと話し合ってもらいたいです。
来月半ばには、また狂気としか言いようのない日程が組まれているようですし。


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川島翔平、韓国で判定勝ち、無敗を守る
この選手は非常に筋が良く、綺麗なスタイルのボクサーファイターです。
KOは少ないですが、パンチ力もないわけではない、日本ランカーとしては申し分の無いレベルの選手でしょう。

これから上を目指すにあたり、敵地での試合経験は大きなプラスだと思います。
これが30年前なら、そういう話に収まらず「快挙」と言え、「箔が付く」レベルの話だったわけですが。
まあ、それはあくまで、相手方の事情ですけど...。


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和氣慎吾の世界戦は、この流れだと「やはり」空位決定戦になりそうですね。

まあ、世界のトップ同士が覇を競う「リーグ」に参戦している選手たちが、
「部外者」の存在を優先的に考慮するわけもない。それが現実なのでしょう。
残念ですが、仕方ないことです。

もし「挑戦」が決まればよしですが、決定戦になったらなったで、和氣慎吾には、
真に世界のトップ戦線に参戦するための足がかりとしてのタイトルを、まずは手にしてもらいたいです。
そういう意味づけから遠ざかろうとするための戴冠劇は、ファンとして、素直に支持は出来ません。


しかしIBFでは、2位決定戦なるものが開催されるそうですね。
私はランキング表を眺めて、極めて無邪気に「決定戦ならアルバート・パガラなのかなー」
「これはこれで楽しみやなー」なんて思ってたんですが。

ホント、我ながら馬鹿丸出しですね。いい加減、少しは賢くなれという話です。
でも、こちらの賢しらな予測を超える何事かを見せてくれる選手が、まったくいないわけではなく、
そんな選手達への敬意が、自分の気持ちをボクシングに繋ぎ止めてくれているのも、事実です。

和氣慎吾の今後を、自分がいかなる気持ちで見ることになるのか。
すぐに結論を出すには早い、と今のところは思っておくとしますが。はてさて、どうなりますやら。


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復帰三戦目も充実の勝利 大内淳雅、地元でTKO勝ち

2016-03-21 15:19:52 | 関西ボクシング



ということで、三寒四温のこの時期から、徐々にあれこれ観戦が増えてきます。
昨日は連休ということもあり、毎度の長旅、小旅行観戦。姫路に行ってきました。


メインイベントは、地元の姫路に戻って、網膜剥離のブランクから復帰後、
日本上位の実力がまだ衰えていないところを見せている、元日本ライトフライ級1位の大内淳雅(おおうち としまさ)。
現在はOPBF6位、日本10位です。30戦19勝(5KO)8敗3分、30歳。
対するのは元日本フライ級8位、大鵬ジムの金沢晃佑(かなざわ あきよし)。21戦13勝(7KO)4敗4分、23歳。

いざ対峙すると、金沢が少し大きく見えましたが、大内はがっちりした上体で、パワー負けはなし。
金沢は積極的に手を出すが、やや左が下がるか。
大内は緩急をつけた動き、コンパクトなワンツー、右がよく決まる。

3回、大内の右カウンターが金沢のこめかみあたりに入り、一瞬止まったのち、金沢ダウン。
かなり効いた倒れ方で、これは終わりかと思ったが、立った金沢、右を追撃されながらも
驚異的な粘りを見せ、連打で大内を食い止める。
4回は連打で大内にロープを背負わせ、5回はジャブ、ワンツーの応酬で渡り合う。

しかしダメージは当然あり、徐々に大内が打ち勝つ。
6回、大内の右がアゴに入り金沢一瞬前によろめく。大内が右で追撃、ヒット連発。
ここは堪えた金沢だが、7回にまた右を食い膝が揺れ、動きが止まったところに
大内の右がまた決まりダウン。大鵬ジムコーナーから即座にタオル、TKOとなりました。

大内は日本上位で闘っていた実力をしっかり見せ、キャリア20勝目を飾りました。
本人は日本、東洋のタイトル挑戦に意欲を見せていましたが、誰と組んでも
まず好試合が期待出来ると思います。このクラスは関西にも好選手、ランカーが多いので、
好カードやタイトルマッチの実現を期待します。

敗れた金沢晃佑も、積極的な試合ぶり、危機に見せた粘り強さは素晴らしく、
試合後、場内から大きな拍手が送られていました。
両者の健闘を称えたい一戦でした。


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以下はアンダーカード。
KOや熱戦が多く、けっこうな盛り上がりを見せた興行で、
さながら「姫路KO祭り」の印象でした。

4回戦

55キロ契約(女子)
満田美紀(姫路木下) デビュー戦
稲森綾子(千里馬神戸) 3戦3敗

満田2回TKO勝ち。右クロスで二度ダウン、ストップ。
最初のダウンがかなり効いていたように見え、続行は必要だったかどうか。


54キロ契約
山本竜児(姫路木下) 1戦1勝(1KO)
冴氣鷹(ワイルドビート) 2戦1勝1敗

山本2回KO勝ち。リードなしでダイレクトに左右を打つ山本、
2回に二度倒して、冴氣にカウント10を聞かせる。
良い踏み込みで打つが、同時に打たれる危うさもあり。


58キロ契約
竹中関汰(姫路木下) 2戦2勝
清水徳生(真正) 2戦1勝1敗

清水2回TKO勝ち。両者少し硬いスタート。サウスポー清水の右フックで竹中ダウン。
左ショートで二度目。2回、清水の左で竹中の膝揺れる。連打でストップ。


6回戦

フェザー級
芹澤天明(姫路木下) 8戦5勝(2KO)3敗
武市大輔(真正) 8戦4勝(1KO)4敗

芹澤3-0判定勝ち。
初回から左フック、アッパーを上下にダブル、トリプルと打つ芹澤。
この左のコンビが持ち味。武市初回からヒットを喫し、少し止まる。
2回、芹澤の左がカウンター気味に決まり、武市ダウン。

しかし武市ここから奮闘。芹澤の追撃をしのぎ、3回から反撃。
果敢に出て連打。4回は互いにヒットの応酬。芹澤は鼻血を出す。
5回、芹澤は左のコンビを中心に手数でまさる。
6回、芹澤の左右がクリーンヒット、武市出血するも最後まで踏ん張る。

判定は58-56、59-54、59-55。
場内大いに盛り上がる、なかなかの熱戦でした。


8回戦

54.5キロ契約
清瀬天太(姫路木下) 7勝(1KO)2敗1分
ペットガオラット・ガオラーンレックジム(タイ) 7勝(2KO)4敗1分

清瀬2回KO勝ち。初回右でのけぞらせ、2回右クロスから左ボディ。
まともに入ってタイ人立てず。

試合前、先週刈谷で見事なKO勝ちをした水野拓哉から激励賞が、とアナウンス。
昨年の西軍代表決定戦で、僅差で明暗が分かれた宿敵同士のはずですが、
今年に入ってから水野が関西に出稽古に来た際、スパーをする機会があり、
それがきっかけで友人となったのだそうで。
聞けば先週の刈谷にも、清瀬は水野の応援のため、会場に足を運んでいたとか。

闘う男同士の交流とか、友情とかいうものは、我々には計り知れない部分もありますが、
話としてはなかなか良いものですね。
もっとも、これから両者が勝ち進んでいくと、再び雌雄を決する日が来るかもしれず、
それを考えると複雑でもありますが...。


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さて、聞けばプロライセンスを持つ選手が20名に迫ろうかという姫路木下ジム。
もはや「大手ジム」と呼称すべきか(笑)と思うほどですが、それはおいても
これはなかなかの人数であることは間違いありません。

その土台となっている?のが、興行の度に行われるキッズボクシングのスパー大会。
今回も7試合が行われ、楽しく観戦しました。

やはり体格差があったり、男女の組み合わせがあったり、マッチメイク?の難しさも
散見されはしましたが、やたら強い女子がいたり、中学生同士にもなると結構な迫力だったり、
いろいろと興味深く見ました。

今回は、これまではあまり見なかったラフな闘い方をする子がいたり、
技術面で丁寧さがない子がいたり、ちょっと印象が良くない部分もありました。
この辺は、育成年代のうちに、しっかり指導しておいてもらいたいと思います。

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中部新人王が全日本MVPを倒した! 水野拓哉、試練の一戦で強烈KO

2016-03-13 20:57:56 | 中部ボクシング




先月発売のボクシングマガジンに載っていた試合予定を見たとき、
「え、何これ、ホンマにやるの、こんな試合」と驚いたカードがありました。

今日はそれを、名古屋から快速で20分ばかりの刈谷市あいおいホールで見て来ました。
結果、想像以上に劇的な、非常に満足度の高い「当たり」な観戦となりました。



昨年の新人王トーナメントで、全日本進出はならなかったものの、東西合わせても指折りの
圧倒的な素質、スケールの大きさを感じたのが、松田ジム所属のバンタム級、水野拓哉でした。

G+で中部決勝、西軍代表決定戦の二試合が放送されたのでご覧の方も多いことでしょうが、
スラリとした長身、バランスが良く、当て際の強いパンチを上下に散らして攻めこむ、
本格派のボクサーファイター。大阪での試合で、姫路木下の清瀬天太のスピードに先手を許し、
手数をまとめられて惜敗したものの、素材としての魅力は損なわれませんでした。

その水野拓哉の再起初戦が3月13日、刈谷。
そこまではいいとして、相手が「市村蓮司」と記載してあったわけです。

あれ、これってスーパーバンタムで、東と全日本の決勝を両方とも初回KOで勝って、
ベタにMVPに選ばれた選手と名前一緒やな、と。
で、もちろん、その選手だったわけですが。


こういうときって、普通にタイ人とやらせたりするのが常でしょうに、
一階級上の全日本MVPを連れてきて当てるとは、えらく大胆な話もあるです。
また、市村側の柳光和博会長もよく、新人王初戦で名古屋に遠征という決断をしたものです。

おそらく、両陣営がそれぞれに、若きホープに大きな期待をかけ、信頼をし、
その実力に自信を持っていることのあらわれなのでしょう。
だからこそ、選手に筋金を入れるための、試練でもあるカードを組む決断がなされた。
正直言って、こういうカードは非常に希少なもので、たとえ6回戦とはいえ、
これは何とか見ておきたい、ということで、久々の名古屋遠征を敢行しました。


今日は11試合予定でしたが、諸事情(というか、単なる寝坊です...)により、
会場に着いたのは8試合目の途中でした。
そういうことで、中部の新人、若手に好素材がいるかどうか、今日は全く見られず。
6回戦と8回戦を一つずつ見たあと、6回戦ながらメイン扱いの試合が始まりました。


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水野、市村、両選手入場、ここで予想外の情報が。リングアナのコールによると、
124ポンド契約のリミットを、市村がオーバーしたとのこと。
聞き間違いでなければ、市村は127ポンドと、なんと3ポンドオーバー。
試合後のインタビュー時には「1.6キロオーバー」という発言がありました。


遠方から、この試合を目当てにやってきた身にすれば、試合が挙行されるのは有り難いですが、
同時に、そんな条件で試合をやらせていいのかと、強く疑問を感じもしました。

見たところ、グローブハンデがあるでもなし、当然そんなアナウンスもなし。
当日の体重を何ポンドまでと縛って、試合が成立したとかいうような説明もなし。
その他、何事かの事情を考慮した上で試合を行います、という話も、何もなし。

ウェイトオーバーがありました。けど試合はします。ほなやりましょか。
こんな感じの流れで「事」が運ばれて行く。

この「運び」の異様さだけは、とてもじゃないが看過出来ないものでした。
何かにつけてルール軽視、そして説明不足、というより皆無。
JBCも協会も、根本のところで何かが狂っている、と思えてなりません。


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本来ならこの手の話は最後に置いて、まず試合自体について書きたいのですが、
試合展開がこの話にだいぶ影響されたものに見えたもので。ご容赦ください。


で、試合はというと、やはりひと回り大きく見える市村が、パワーでまさるスタート。

初回、重い右を振って出る市村。逆ワンツー、右追加、ヒット。
水野は右をヒットするが、市村が即座にリターン。
両者ヒットの応酬も、ロープ際へ後退を強いられるのは常に水野の方。体格差ありあり。
水野、初回は得意のボディ打ち、左右ともに見られず。市村。

2回、水野がそのボディを打ち始める。右ボディストレートを数回突き刺す。
左のボディ打ちは1度だけ。
市村は終始、手数でまさり、圧力かけてヒット取る。右はパワフル。
しかし手数のわりに、水野を抑え込めてはいない。それでもやや市村か?


3回、水野はヒットを取っても、これまでの相手のように怯まない大柄な市村に対し、
ボディから攻め上げて活路を開いていく。時にヒットを喫しながらも、果敢で速い踏み込みを見せる。
左ボディ、スリーパンチ、ワンツーを下へ。

市村手数出すも、微妙に芯を外し出す。左フックが水野を捉えるが、後続を断たれ、手詰まり。
対照的に精度が上がり、攻撃が厚みを増す水野、右一発で市村の左瞼を切り裂く。

体格で押されているのに、徐々に力みが取れ、むしろ身体を柔らかく使う意識が見える水野。
この辺り、ますます並の選手ではない印象。

市村、フックの連打でヒットを取るも、水野右ストレートを下→上の順でダブル。
さらに左ボディ、市村止まって後退。クリアに水野。


4回、水野時に打たれるが堪え、ワンツー、左ボディで止め、最後は強烈な右クロス。
市村、切り落とされるようなダウン。福地レフェリーが即座に試合を止めました。


このストップは、ダメージそれ自体に加え、前日からの体調を勘案したものだったかもしれません。
その辺の事情は、試合を見ただけの者には判断しがたい部分です。

しかし勝敗自体はクリアに決したものでした。
両者共に持てる力を発揮した、濃密な内容の打ち合い。
その末に見られた、鮮やかなフィニッシュ・シーンでした。


試合後の水野に対する勝利者インタビューの際、リングアナが
「今日駆けつけた皆さんの払ったチケット代は、けっして高くはなかったと思いますが」
と発言すると、場内からは賛同の声が多く上がっていました。同感です。
見に来て良かった、今日は当たりやった、と素直に思える一戦でした。


水野拓哉は、全日本新人王獲得に失敗した昨年の無念を晴らす、一気の挽回を果たし、
会場に姿を見せていた、中部唯一の世界王者、田中恒成に次ぐ、中部のホープに躍り出たと言えるでしょう。

不条理とも言える体格差のハンディを乗り越え、果敢さと柔軟さを兼ね備えた攻防で、
全日本のMVPを沈めた勝利は、新人王戦敗退後の初戦としては、あまりに大きなものです。
この手の再起路線として思いつく限りの記憶でいくと、それこそ竹田津孝との再戦で勝利した
長谷川穂積以来の「一気の挽回」の成功例かもしれません。



もちろん、今日の試合でも、距離や立ち位置と、防御の選択がかみ合っていない部分や、
ジャブを捨てて手応えを追う場面などに、まだまだ不安や不備が見えたのも事実です。
しかし今回の、期せずして、本来の意味以上に試練の一戦となった試合での勝利は、
非常に魅力的な若き逸材、水野拓哉の魅力を存分に見られるものでした。


今後、非常に楽しみで、気になる選手です。同時に、困ったな、という感じです。
また名古屋遠征の回数を増やさないといかんのかな、という。
以前は本当によくお邪魔した名古屋方面ですが、いざ行くとなると、けっこう大変なのですよ。
いやホントに。


※さっそく動画を見つけたので、紹介します。

1~2回。




3~4回。





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長期防衛王者の苦しみと、強者故の陥穽 山中慎介、激戦制しV10

2016-03-04 22:18:34 | 関西ボクシング



今日は会場には行かず、TV観戦でした。
行こうかなと思ってはいたんですが、いきなりチケット完売という「カマシ」を喰らってしまい(笑)
まあ、実際ホントに空席ゼロではないでしょうが、G+がセミ以下をカバーするということでしたし。

しかし、終わってみれば「現場にいたら大興奮やったな、これ」と思うような試合でした。
もちろんTVでもほぼ同様なんですが。


予想外、とタイトルにもしましたが、細かく言うと、相手次第でこういうこともあるかな、とは
スリヤン・ソールンビサイ戦の頃から思ってはいました。
ただ、リボリオ・ソリスがその相手だとは思っていなかった、ということです。


日本で世界戦2勝と盛んに喧伝されてましたが、私は河野公平戦しか見ていないので、
その印象でいくと、体力をフルに使って攻め、打つので、やったことの分だけきっちり疲れる選手、
という印象が残っていました。
一定以上の力はあるが、試合が進めば波が出て、粗が見える。そこに山中が左を決めて倒すだろう。
割と安易に、そんな風に思ってました。


で、実際はというと、ご覧の通り、ドえらい試合になりました。

Sフライでは減量がきつかったであろうソリスが、バンタムで良い体調だったこと。
山中の右足の外側、つまり左側に位置取りする意識を持って、そこから刈り込むように攻めたこと。
従って山中の右回りがかなり封じられ、ソリスの右が、高い頻度で山中を脅かし、時に捉えたこと。

正直いって、この試合に関しては「ああなるかな、こうなるかな」とあまり真面目に考えていませんでした。
ですので、ソリスのこうした研究、工夫の跡がしっかり見える闘いぶりには、驚かされました。

そして、山中慎介本人はどうだったのかな、と、試合を見ながら思ったりもしました。


山中は2回、右フックの合わせでダウンを奪ったあと、3回に同じパンチを打ったところに
今度は下から打ち上げるような右を合わされ、逆に倒されました。

そして、その後の対応が、非常に悪かったように思います。
左回りを強いられ、ソリスの右が当たる位置に追われているのに、そこから無理に左を打ち返そうとし、
逆に打たれて、ダウンを追加された一連の流れは、目を覆いたくなるほど拙いものでした。

もちろん、山中が強者である故の陥穽というか、倒し返してやろうという意地が出ることは仕方ないにせよ、
どう考えてもあの流れは、クリンチ等を駆使して、試合を「冷ます」べきところだったでしょう。

同様の印象は3回以降もしばらく続きましたが、中盤以降は割と冷静にソリスをコントロールする流れに。
左ストレートがボディにも入り始め、9回にはスリップ気味に見えたがダウンを取って、
最終回は左一発でソリスの鼻梁を切り裂く強打を披露。判定は大差で山中でした。


終わってみれば激戦をきっちりモノにした、という試合でした。
本人は不満そうなコメントをしていましたが、予想以上に手強かった挑戦者を、きっちり突き放して
クリアに差を付けて勝った。
湖国から大勢駆けつけた応援団の皆様を始め、京都の会場を埋めた観衆も興奮の一戦だったことでしょう。


しかし、上記したように、山中慎介が強者であるが故の陥穽、綻びのようなもの、
さらにいうなら長期防衛の王者が否応なしに直面する、挑戦者陣営による攻略法の確立といった
不安な要素が、改めて散見される試合でもありました。
これに加えて、山中自身の「衰え」を語る意見もまた、あり得るのかも知れません。
私は、まだそういうことはない、と見る側ではありますが。


あと、気になったのが、前の腕、右のフックによるカウンターの合わせです。
今まであまり見なかったような気もするんですが、あれが決まった2回のダウン奪取には、
少なからず驚きがありました。
ボクシング・マガジンによるモレノ戦後取材と、今回のソリス戦前のインタビューには、
山中が左ストレートに賭ける思いと、それだけに固執しているわけではないという説明が
それぞれに語られていましたが、今回見事に決まった2回の右と、3回に「逆」を喰らった事実は、
今後の山中に、どういう心理的な影響を及ぼすのかな、と。ちょっと気になっています。


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地上波では流れませんでしたが、セミの木村悠vsガニガン・ロペス戦は、G+で観戦しました。

木村にとっては、不完全燃焼の敗戦だったことでしょう。
単発ながら手応えを感じるヒットは、そこかしこに見えましたので。

しかし、軽打というか、当て際が弱い代わりに、手数とリズムの良さで目を引くロペスを、
単発のヒットで抑え込む強打を持たない木村が、手数で負けてもボディで止めて押し切ろうとした、
その選択は明らかに誤りだったと思います。

結局、ペドロ・ゲバラ戦の「大逆転判定勝ち」の経験が、悪く作用したように思えます。
あの展開、内容で、KOではなく判定による挽回、逆転勝利というのは、極めて稀な事例で、
今回もジャッジ三人のうち、一人だけがその稀な見方(ドローでしたが)をしていましたが、
それが少数派であること、或いは一人も存在しないことの方が、極めてノーマルに思えました。

きついようですが、そういう厳しい自己分析がなかったのかな、と。
遅くとも最初の途中採点を聞いた時点で、押し込むのではなく、もっと離れ、動いて、
正確なヒットの効果をアピールする展開にするべきだったように思いました。


さて、今後、この王座にまつわる試合は、どう展開していくんですかね。
関西には挑戦希望を持っていそうな選手がふたりいますけど。
今頃京都の夜の街では、あれやこれやとお話が進んでいたりするのやもしれませんね。


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