さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

世界スーパーフェザー級の頂点は 逸材スティーブンソンの真価問われる

2022-04-30 08:56:12 | 海外ボクシング




ということで明日は、アルファベット要らずの「世界スーパーフェザー級」タイトルマッチ、と目して良い一戦が行われます。
ネクスト・メイウェザーの期待を背負うサウスポーの逸材、シャクール・スティーブンソンと、メキシコの技巧派パンチャー、オスカル・バルデスが激突します。

杉浦大介氏の記事で、あちらの識者が予想や展望を語っています。
ジェリー・クーニーの分析とは、なかなか興味深いものがありますね。
両者それぞれ、この試合に抱えているテーマがあり、それを端的に問い、答える形です。


やはり逸材スティーブンソンが、強敵相手に、単に優秀なだけでなく「ファンを魅了」し得るボクサーなのかどうか、というのが、一番の注目点でしょうか。
彼の試合ぶりを見ていると、将来ボクサーを志す少年少女にとり、ある意味一番良いお手本となるボクサーだなあ、と思うことがあります。
打たせない心がけというか、その優先順位が高いというか。ある意味「このくらい」を目指す方が丁度良い、と。

しかし、ファンの勝手も込みで言うと、やはりそれ「だけ」では、真のチャンピオン、スーパースターとしては物足りない。
優秀で、セーフティな判断をするのみならず、さらにそれを越える何かを表現出来るボクサーなのかどうか。

キャリア最強の相手との一戦で、その答えが見られるのではないか、と期待するところです。
悪くすれば色々「露呈」してしまうのでは、という危惧もありますが。



対するオスカル・バルデスにとっては、汚名返上、悪評払拭のための闘いである、という側面がある一戦です。
コンセイソン戦の判定、及び薬物使用疑惑で、その好感度はヒスパニック系のファン以外の間では、地に落ちた感ありです。
それ故に、今回の試合に踏み切った、という見解が記事の中でも語られていますが、だとしたら情けない話です。

ただ「アリに対したフレイジャーのように」闘えるかどうかはともかく、過去の試合で苦しい経験を経ているという点は、はっきりとバルデスの方が上ですね。
スティーブンソンはそういう意味で「テスト」されていない部分があります。それも彼の優秀ゆえではあるんですが。


まあ、何から何まで対象的な両者です。そういう意味では、良い組み合わせであるはずです。
願わくば、その両者の特徴、そして現状の立場もろもろが、良い形で噛み合って、力と技が存分に見られる、好ファイトになってほしいものです。
明日はWOWOWオンデマンド、見逃し厳禁ですね。



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高地対策万全、打ち終わりに要注意? 京口紘人、メキシコで防衛なるか

2022-04-29 08:25:49 | 海外ボクシング




ということで日本側でも会見が行われたようです。
6月11日(日本時間)DAZNでライブ配信される、WBAライトフライ級タイトルマッチ、京口紘人の防衛戦。
相手は来日二度のカルロス・カニサレスを破ったエステバン・ベルムデスです。


昨年、二度にわたる負傷があり、試合を延期した京口が、敵地メキシコで最上位の挑戦者である第二王者と対戦。
ひと昔前なら、大概日本でやっていただろう試合ですが、この辺はもう、昨今の経済事情、そして日本ボクシング界の商慣習の変化ゆえ、ですね。
また、それがインターネットを通じてライブで見られるというのも、昔日では考えられなかったことです。


敵地メキシコとなれば高地への馴化が求められるし、レフェリングやジャッジ、リングの形状や会場の雰囲気やら、敵地ならではの不利もあれこれ襲いかかってくるはずです。
さらに言うなら、負傷の具合も、それは当然、本人は問題無いと言うでしょうが、本当にそうかもわかりません。

しかし記事にもあるとおり、高地対策に関しては、可能な限りの手を尽くしてトレーニングを行っているようです。
この辺ひとつとっても、昔なら何も無しで選手を送り出して頑張らせるだけだった時代とは、だいぶ違うところですね。

それに、京口はすでに海外防衛を一度、経験済みだというのも大きいでしょう。
相手の負傷でTKOになった試合でしたが、本人の思う以上に途中採点が相手に行っていた、ということも含めて、実際に色々と学んだ部分があったはずです。


あれやこれやと考えるに、海外リングでの闘い、防衛というのも普通になってきたわけで、京口紘人もその趨勢の中を生き抜いている一人です。
私などアタマが古いもんで、大丈夫かな、という気持ちも強いですが、堂々と闘い抜き、世界中に配信される試合で、その存在をアピールしてほしい、くらいに期待していれば良いのかもしれません。
ただ、上記したとおり、負傷の件だけは心配です。本当に万全であれば良いんですが、少なくとも完全に何も悪くない、ということもないように思いますしね...。






カルロス・カニサレス戦のハイライトです。
別個に見れば、カニサレスの方が良い選手に見えると思うんですが、長いリーチから、妙なタイミングで来る右の「ボラード」ってんですか、あれを外せずに食ってしまい、それが効いています。

また、打ち合ったときの「お返し」もまた、微妙に遅れてくるのが、嫌な感じです。
京口にしたら、良いの打ち込めた、と思った瞬間こそ、要警戒というか、防御に細心の注意が求められるのでは、と見えますね。
そこさえしっかり外せれば、京口の勝機充分、と思いますが。はてさて。




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DAZNの「目玉」カード カネロvsビボル戦、配信予定記載

2022-04-28 08:00:44 | 海外ボクシング





今月から来月にかけて、WOWOWはオンデマンド中心に、海外の注目試合を6回、ライブで配信及び放送する、という話題は以前取り上げました。
ですが、その合間、日本時間5月8日に行われるカネロ・アルバレスvsディミトリー・ビボル戦については、DAZNでの配信(あちらではPPVになるようですが)ということでしたが、まだ予定が出ていませんでした。

しかしそれから数日、先週半ばでしたか、DAZNのボクシング配信予定に、記載がありました。
午前9時から配信と出ています。
おそらく第一試合から全部流れるんでしょう。
まあ、日本語の実況解説はおそらくなしで、ただ流れてくるものをそのまま流すだけでしょうから、手間も要らんわ、てなところでしょうが(笑)。


この辺、我々みたいなのは特に気にもせず、これはこれで...くらいに思って見ます。
しかし、もちろん賛否というか毀誉褒貶というか、まあ色々あれど、今のボクシング界にとって看板スターたるカネロ・アルバレスの試合にしては、一般への広がりはほぼ見込めない放送・配信形態だなあ、とも思います。
今、DAZNはサッカーのイングランド・プレミアリーグ放映権交渉が、他の何ごとよりも大事でしょうし(最近の値上げは「そのため」?)、ボクシングなんぞに関して、細かいことは気にしていないのでしょう。まあそれは元々でしょうが。


とはいえ、サッカーその他はあくまで添え物、ボクシング第一で見る者にとり、要所でカネロ戦とか、ウシクやジョシュアといったヘビー級の試合があるし、スーパーフライ級戦線や、京口紘人なども「抑え」ているDAZNですので、なんだかんだ言って、当面、解約も出来ません。
こうして書いている間にも、再来月、つまり6月は京口、ベルムデス戦や、ジェシー・ロドリゲスvsシーサケット、アフダマリエフvsロニー・リオス、JCマルチネスが再起戦でMWアローヨと再戦、という報が出ています。
当然、これら全部、ライブなんですからねえ。

ただ、サッカーにおけるJリーグのみならず、ボクシングも国内の好カードなど、手がけてくれたらもっと良いなあ、と思ったりもしますね。
フジ系列やTBSや、G+でやらない、それ以外のグループ(DANGANとか、A-Signとか、その他)がまとまって何とかならんかな、とか。
まあ、外資相手ですから、帝拳みたいな大手ならともかく、そもそも話にもならん部分もあるんでしょうけど...。



話は戻って、これで今月から来月にかけて、海外の好カードやビッグマッチのライブ配信は7度を数えることになります(加えて、DAZN欧州系の試合や、女子のビッグマッチも)。
ただし、今後、これが当たり前に続くかというと、最近のNETFLIXやDAZNのように、WOWOWとて視聴料の値上げなどはあろうし、さらにいうならいつまでも「現状」が続くとも限りません。
それを思うと、今のうちに、この幸福な状況を大いに楽しんでおいた方が良いのかもしれませんね。




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英国から連日のライブ配信 ウェンブリー、9万人の壮観

2022-04-27 10:44:07 | 海外ボクシング





ということで今頃感想文、先週末、土曜と日曜、連日英国からのライブ配信。
おんなじことばっか書いてますが、本当に信じられんというか、良い時代になったものです。サッカーに負けてへんなあ、とか思ったり。


土曜は曰く付きのというか、日本同様色々ありましたなあ、というWBOバンタム級暫定王者決定戦。
ポール・バトラーが小柄な強打のファイター、ジョナス・スルタンを相手に、先手でヒットを取り、足使う安全策に出て判定勝ち。

自分の方が大柄なのに、言葉は悪いが「イモ引いて」闘うという、正直見ていてあまり良いものではない試合。
しかし、大阪でも試合したことのあるジョナス・スルタンの強さは、世界上位でも一定水準以上のものがあり、安易に出たり、打ち合ったりしたら、もっと危なかっただろうなあ、という意味では納得も。
ポール・バトラー、要は己をよく知っていた、ということでしょう。


ただ、その安全策も、世界タイトル争奪のレベルでは水漏れ無しとはいかず。
時に好打を喫し、危ないタイミングで狙われ、というところ、やはり「これが井上尚弥だったら」という目で見てしまいます。

もっとも、その辺の不足は、過去のタイトルホルダー、ゾラニ・テテやエマヌエル・ロドリゲスという一線級相手の試合で、内容と結果により示されていて、それは今も同じく、というだけのことでしょう。
従って、井上尚弥の新ライバル誕生、という目では、この勝利を見ることは出来ませんでした。
文字通り「暫定」的なものだったなぁ、というところで止まりですね。



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日曜日も早起きして、WBCヘビー級タイトルマッチ。
四つあるタイトルの内、数で言えばひとつだが、正統的な王者は、となるとこの人、と目されるジプシー・キング、口が達者で芸もある、タイソン・フューリーが、実力者ディリアン・ホワイトを相手に防衛戦。

カードとしてはなかなか良い、という事以上に、ウェンブリー・スタジアムに9万人、となると、もう試合どうとかいうより、その光景だけで見もの。
サッカーに勝ったぞ、という感じもあり(笑)。
実際、壮観というしかない光景。また、英国の大衆レベルにおける、スポーツに対する関心の高さ、その裾野の膨大さにも感心するばかり。


試合としては、フューリーの構築する距離を、ホワイトが正攻法で崩せず。
ええジャブ持ってる選手ですがほとんど出せず、使い物にならない、というレベルで通じませんでした。
そのせいか、徐々にラフな場面も見えて、揉め事手前まで、というのも二回ほどあり。
レフェリー、大変な仕事でしたが、なんとか収めたというところ。

6回のフィニッシュはそれまであまり出ていなかったフューリーの右アッパー。
スローで見ると「真芯」ではなかったようにも見えたが、充分ダメージは与えていたのでしょう。

そのあと、フューリーが両手で突いて、また打とうとしたのでしょうが、ホワイトの方はもう効いていて、倒れるところだったので、結果的にプッシングが「駄目押し」になってしまいました。
これは厳密に言えば反則でしょう。しかしレフェリー、咄嗟の判断ですし、難しいところでもあるか。

ただ、全部すっ飛ばして、心証だけを言えば、この辺がフューリー、手癖の悪いところというか。チャンピオンとしての風格、という面では不足あり、ですね。
もっとも本人、そんなもの食えんのか、てなところかも知れませんが。


月曜日の録画放送などを見ると、試合前の会見やら、試合後のインタビューやら歌やら、色々やってたみたいですが、私は興味ないので全部早送り「パス」しました。
報道では奥さんに引退を約束したとか、総合格闘技の方と闘うとか、色々言ってるようですが、基本的には、オレクサンドル・ウシクとアンソニー・ジョシュアが再戦するなら、その勝者と対戦するまで待機、ということなんでしょう。
それ以外の試合に関しては、妨げになるようなものはやらない、という。

そのために、タイトルは放棄しても構わない、というところでもあるのでしょうね。
もっとも団体の方は逆に、それじゃ困るんでしょうが。何しろ商売ですよってにね(笑)。


しかし改めて、あの大柄な体型で、自分の強みを生かして闘うクレバーさは相変わらず見事。
タイソン・フューリー、ヘビー級最強の座を、改めて示したと思います。
あとはウシク、ジョシュア再戦がすんなり行われることを願うのみ、です。ウシクの方、色々心配ではありますが...。





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長きに渡る闘いの日々、遂に終わる 久高寛之、ダウン喫し敗戦、引退へ

2022-04-26 07:05:56 | 久高寛之




土曜日は久々に府立の地下で観戦してきました。
今頃ですが感想文、簡単に。


久高寛之と中川健太の元チャンピオン対決は、サウスポーの強打、中川がロングの距離で左を外から、内からと繰り出し、ヒットを重ねる好スタート。
久高は右カウンターを狙うが、強打するバランスが取れず、また中川の左を良い距離で狙われて、なかなか外せない。

最近の久高の試合ぶりは、けっこうファイター化している、と見えたので、これはもう「行く」シフトに変えてくるだろう、と思ったその通りに、3回からはガードを固めて前に、というスタイル。
右から入って攻め、左右ボディも決める。しかし中川の左ボディ、内外の左ロング、右フック、アッパーを好打され、抑えきるに至らず。

この回は割れるか、というところまでは持って行けたかもしれないが、4回以降、中川は改めて間を取り、来たらクリンチを増やす。
元々インファイトは苦手、というかほぼ出来ない選手だが、その弱味を出さないように「良い回り」を作って闘っている。

中盤は久高が出て、単発のヒットはあるが、中川の左クロス、ボディなどのヒットが重なる。
5回終了、途中採点が3-0中川と出て、6回に出た久高が、この試合随一のヒット、左フックを決める。
かなり良い踏み込みで当てた、攻めのカウンター、とも見えた一撃。

中川少し効いたか、久高が右で追撃し出るところ、中川が少しだけ見せていた、出鼻への右アッパー。カウンターで入って、久高ダウン。
まさか、右アッパーでのカウンターがあるとは、傍目にも想像できませんでした。当の対戦相手、久高とて同様だったのかもしれません。何しろお見事、としか。

正直、これで終わりか、と思ったくらいですが、久高立って続行。
終盤、果敢に攻める回もありましたが、中川がヒット、手数で上回り、終了。判定は大差の3-0で中川でした。

試合としては、中川の強打の威力で序盤から抑えられ、距離も取られてしまい、カウンター狙いもインファイトでの挽回も届かず、ということで、久高のクリアな敗戦でした。
引退を表明したという記述がある記事を複数見ましたが、おそらくその通りになることでしょう。



久高寛之は、偶然映像を見ることになったデビュー戦から、長きに渡ってその姿を追い続けてきた選手です。
その時々に思ったこと、ファンとしての勝手な思いをあれこれ、カテゴリひとつ設けて書いてきましたが、私にとっては本当に、様々な思いを...彼というボクサー個人についてのみならず、彼の姿を、闘い様を通じて、ボクシングそのものについて、思いを巡らせる機会をくれた存在でした。

その長きに渡る拳歴が、どうやら遂に終わるらしいです。
もちろんファン目線で、勝ってさらなる未来を切り拓いてほしいと願いつつ試合を見に行ったわけですが、結末は非情でした。


しかし、それもまた、彼の闘いを通じて、ボクシングの非情、そして、だからこそかけがえの無い輝きを見ることが出来た、という得心がありもします。
何か、ボクシングファンとしての自分にとり、ひとつの大きな区切りとなる試合を見たのかもしれない、とも思っています。
例えば辰吉丈一郎や、長谷川穂積の「最後」を見終えた、その時の心情にも似た気分、というか。
おそらく、こんなことを書いても、ほとんど誰にもわかってはもらえないと思いますが。



===================



この日は試合中止が相次ぎ、このタイトルマッチ以外には、坂晃典と大沢宏晋のエキジビションマッチ、そして4回戦がひとつだけ。
公式試合は2試合だけ、というラインナップになってしまいました。
その割りに場内、空席の割合は思ったよりも低めでしたが、やはり残念でした。

坂と大沢、ノーヘッドギアで2ラウンズ。ヘッドギアした方がええんちゃうかなあ、と思いましたが。
もちろん互いに本気では打たないわけですが、大沢が坂の左ガードの隙に右を当てたり、坂も連打で出たりと、互いに「やれる」ことを見せ合った、という内容でした。
このふたり、以前対戦したときは、本当に好ファイトを繰り広げたわけですが、その後はスパーなどもよくやっていて、大沢がアドバイスを送ったりする間柄とのこと。
野次馬根性丸出しで「坂、倒したれ」とか思ったりもしましたが(笑)まあ冗談抜きで、防衛戦が宙に浮いてしまった坂にとっては、良い挑戦者候補じゃないのかなあ、と。なかなかそうもいかないのかも知れませんが。




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拳四朗「せやねん」動画紹介 王座奪回とゴロフキン、村田戦を語る

2022-04-24 14:02:53 | 関西ボクシング




毎度お馴染み毎日放送「せやねん」に、寺地拳四朗出演。
矢吹正道との再戦ドキュメント、そしてゴロフキン村田戦について語るパートもあり。
動画ご紹介。






途中で、トミーズ雅が、矢吹との再戦の採点に不満を言い、ジャッジに「辞めてほしい」と言い募るところだけが、ちょっと嫌でした。
あくまで原則論でしかないですが、そんなことで辞める辞めないの話をしていたら、ボクシングのみならず、あらゆるスポーツが成り立ちません。
問題がある、疑義がある、異見がある、までなら良いですが、これはさすがに言い過ぎです。
仮にも有名人で、しかも元ボクサーなのだから、もう少し冷静に物事を考えて発言してもらいたいですね。


それを除けば、非常に良い内容でしたし、これだけの時間を割いて、寺地拳四朗を取り上げてくれる番組は、やはりファンとして嬉しいものです。
昨日、京口紘人の防衛戦がメキシコで行われる(DAZNのメキシコ興行?)と報道されましたが、何とか勝ってもらって、拳四朗が希望する統一戦へと進んでもらいたいですね。






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技量と度量で「丸く収めた」 谷口将隆11回TKO勝ち

2022-04-23 00:05:02 | 関東ボクシング




試合自体の意義が疑われ、本来無いはずの危険も抱えた試合でしたが、谷口将隆、11回TKO勝ち。
WBOミニマム級王座の初防衛なりました。

当日午後5時半の再計量を50.6キロでパスして、試合出場となった体重超過の挑戦者、石澤開に対し、左ボディアッパー中心にヒットを重ねてリード。
元々パワーでまさる石澤の右強打と前進を、サイドステップとダッキングで躱し、ロープへ追われる場面はほぼ皆無。
軽く当てて行く連打にボディ攻撃を織り込み、中盤以降は徐々にカウンターやパワーショットを狙い出し、10回、11回と石澤をぐらつかせて、レフェリーストップを呼び込む。
採点上もフルマークだったのでは、と見える完勝でした。


今さらつべこべ言うのも空しいですが、そもそも条件が揃っていない、本来闘われるべきではない試合で、やるのも見るのも色々複雑というか、すんなり試合に入っていけない感もあったくらいですが、それは谷口将隆の闘いぶりによって、一定程度は消し飛んだ、と言っていいでしょう。
内心は知れず、前日の報道では試合出場にいったんは難色を示したとも出ていましたが、いざ試合が始まると、いつも通り、いや、以上に冷静で巧い試合運び。
試合の内容や結果によっては、さらに何もかもがやるせなく...なんてことになっていたかもしれない試合でしたが、言ってみれば谷口がそのボクサーとしての技量で、最低限、話としては「丸く収め」てくれた、というところでしょう。

そして、試合後の、石澤開に対するコメントも、王者としての技量のみならず、度量をも示すものでした。
今回の件はまさしく、彼にとっては迷惑以外の何物でもなかったでしょうに。


もちろん、今回の試合挙行そのものが、プロモーターの独善であり、それに隷属するマネージメントの錯誤であり、コミッションの機能不全である事実は消えません。
この試合に完勝したからといって、谷口将隆がそれを無かったことにしていいのか、今回被った負担について、何らかの意志表明をするべきではないのか、という思いもあります。
しかしひとまず、結果としては「これ」以上、酷いことにならずに済んだ、済ませてくれた谷口将隆というボクサーを称賛したい、という気持ちですね。



アンダーカードも色々充実、見どころありでした。
この辺は、メインのよろしくない話題に隠れて欲しくないなあ、と素直に思うところ。

元K1王者武居由樹は、元ランカーの河村真吾を2回、飛び込みざまの右フック一発で強烈なノックアウト。
それまでの過程も、相手への反応の良さ、攻防の切り換えの鋭さが随所に見られ、短いながらも中身の濃い試合ぶりでした。

全試合終了後、解説のバレンさんこと細川バレンタインが、石井渡士也とのホープ対決を見たい、と言っていましたが、大賛成です。
ひかりTVかFODの配信で、これがメインカードでも充分通ると思います。やってほしいですね!


セミセミは佐々木尽が、マーカス・スミスを強打で脅かし、単発傾向だったものが徐々にコンビネーション風な攻めも見えて、5回TKO勝ち。
ウェルター級に上げてもパワー健在で、最後の方はなかなか良い感じでした。これからはこの階級で頑張ってほしいです。




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サウナ使用=失格、との落差 石澤開計量失格も、試合は挙行

2022-04-22 00:14:00 | 関東ボクシング




今日のWBOミニマム級タイトルマッチ、前日計量で挑戦者の石澤開が2.5キロ(ポンドではない)オーバーで失格
しかし関係者協議の上、本日午後5時半に、リミットより3キロ以内ならば試合挙行、とのことです。


先日の英国リバプールにおける、サウナ使用=失格の話との落差に唖然となりますが、JBCにも山中慎介、ルイス・ネリー再戦のあとに作られた新ルールがあるわけで、その規定でいくと、最初の計量でリミットの3%超過した場合、再計量は行わずに失格となるはずです。
当時の記事によれば、当時の安河内事務局長が明言しています。
しかし今回、関係者協議の上、再計量の条件を満たせば、試合は挙行される、と。

最新のJBCルールブックを手元に持っていないので、断言は出来ませんが、このルールとは別か、或いは特記事項として、上記のルールの抜け道というか、関係者の合意あらば、みたいな文言がどこかに滑り込ませてあったんでしょうね。
或いはタイトル統括団体の認可あらば、みたいな。

この辺については、この記事の中にある、安河内前事務局長のコメントなどから推察するに、JBC内部でも意見対立があると思われます。
また、同じ記事には、王者の谷口将隆もかなり難色を示していた、との記述もあります。

しかし現実は、せっかくのルールも意味を成さない、という結果に終わるようです。
結局、業者の側に、選手を護ろう、ルールを順守しようという意識がなく、自分たちのご都合を押し通す、という意志しかない。
そして、コミッションは結局、それに沿う結論しか出せない。

いやはや...ホンマにこの人ら...もう、罵る言葉も出てきません。負けました、って感じですね。




それにしてもミニマム級で2.5キロオーバーは驚きでした。
石澤開は、おそらく昨今の趨勢たる「水抜き減量」に失敗したようですが、その辺の是非というか、思うところは、以前ホールまで出かけたこの試合の記事、前半部分に書きました

減量法自体を一概に否定出来る立場ではないが、それにしても、計量前日に2.5キロとか3キロとかオーバーした体重でいることが怖くないのかな、という疑念は、改めて心中に浮かんできますね。
もっとも、それを怖れているのは、チケット買って観戦する予定の観客ばかり、なのか。笑い話にもなりませんが...。



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これでも剥奪にはならず? WBO、バトラーvsスルタンの暫定戦を認可

2022-04-21 05:37:08 | 海外ボクシング




ということで、昨日はこのニュースの詳細が日本でも報じられました。

WBOはジョンリエル・カシメロの出場を認可せず。英国コミッションの決定に従う形か。
そしてポール・バトラーとジョナス・スルタンの試合を、バンタム級暫定王座決定戦として承認しました。
しかしカシメロの王座を剥奪はしていません。また後に、正規vs暫定の試合を指令するのでしょうか?


ポール・バトラー、前回の件ではジョゼフ・アグベコとの対戦を拒否したが、今回はスルタン戦に応じるということでしょうか。
どうも、アグベコは嫌だったが、スルタンなら良い、という判断をしているのでは、と勘ぐってしまいますね。
スルタンも、当のカシメロに勝ったことがある選手なんですが、バンタムとしては未知数、若干小柄で、その辺を見たのかもしれません。
この辺、バトラーも確かに気の毒ではありますが、過去にはこの人も体重超過やらかしたり、色々ありますんで、こちらはこちらで、あまり素直に見られる対象でもありませんかね。


そしてジョンリエル・カシメロですが、サウナ使用禁止ルールに引っかかったのは、自らその様子をYouTubeにアップしたから、とのこと。
ショーン・ギボンズと揉めて、別行動を取っているものか、おそらく周りには素人同然の「取り巻き」しかいないんでしょう。
事前にルールを知らなかったか、知っていてもサウナ使わずには体重が落ちない状態だったか、いずれにしても動画アップは周囲が止めないといけないでしょうに。馬鹿な話です。



しかしもう、これで井上尚弥は、4団体統一を諦めるべきだ、ということがはっきりしましたね。
今度こそ、そう結論づけるべき時です。
この週末にWBO暫定王者が決まろうが、また団体内統一戦というか「まとめ試合」をやるのを待ってられるほど、減量が楽ではないでしょうし。
ドネア再戦に勝てば、それは現時点で「最強挑戦者」を退けた、と目すべき試合ですし、バンタム級最強は充分に証明された、と言えるでしょう。
日本側の興行者が、これでもなお「悪名は無名に勝る」と、カシメロを次の次にピックアップして招聘する(暫定王者は無視して)、ということも、全く無いと言い切れないのが、ちょっと怖いですが...今回の件はさすがに駄目押しではないか、と傍目には見えますね。



ゾラニ・テテのWBSSトーナメント離脱と、カシメロに敗れての王座陥落以降の流れを振り返ると、もちろんコロナ渦という災いはあったにせよ、要所で通すべき筋を通さないからこういうことになる、と嘆きたい話ばかりです。
しかし、これだけ重なると、井上尚弥の4団体統一が、彼の実力云々以外のところでかなわず終わるとしても、もう残念というよりは、仕方ないと思えますね。
もう、馬鹿な奴がいたな、と後に振り返るだけの意味しか無い話になってしまいました。やれやれです。


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またしても欠場、今度は王座剥奪? カシメロ、サウナ使用でガイドライン違反

2022-04-20 05:36:13 | 海外ボクシング



杉浦大介氏のTwitterから、BOXINGSCENEの記事を見ると、またしても、という事態が英国リバプールで起こっているようです。







ジョンリエル・カシメロが、BBBoC(英国ボクシング管理委員会)の医療ガイドラインに違反し、試合数日前にサウナを使用したため、タイトルマッチ出場を許可されない、という内容のレターが、事務局長から関係者に対して出された、ということらしいですね。
このガイドラインをWBOが受け容れて、カシメロ欠場、WBO王座剥奪、空位決定戦となるのかどうかは、まだ正式決定ではないようですが...。


試合直前にサウナを使うことが禁じられているとして、それをカシメロが承知していなかったのか、或いは承知の上で使わねばならないほど体重がきついのか。
いずれにしても、英国ではそのような状態のボクサーをリングに上げて、コンテストに出してはいけない、という方針になっている以上、少なくとも出場はかなわない...のでしょう、ね。普通に取れば、ですが。


何しろすんなり行かないというか...これまでも散々、あれやこれやとあった御仁、今度こそ何もかも慎重に万全に、事を運ぼうとするだろう、と普通の頭なら考えますが、そんな常識、何の意味も無いってことですかね。
マネージメント面でごたごたしているボクサーの周りに、そういうことまで気がつくプロがいなくなっていて、試合以前のところで躓く、というのは、いかにもありそうな話ではありますが。


しかしこれも数日前、杉浦氏のTwitterによれば、リスクヘッジは万全というか、もしカシメロに何かあった(やらかした)場合に備えて、ジョナス・スルタンが現地に入り、代打出場に備えているのだそうです。いやはや...。






このまま、カシメロ王座剥奪、ポール・バトラーvsジョナス・スルタンで空位決定戦、という流れになるのでしょうか。
もしそうなったら、勝者には四の五の言わんと日本来てくれるように願いたい、ですが...。
何しろ、WOWOWオンデマンドでライブ配信予定なわけですし、続報、詳細が気になるところです。



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