さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

不動産屋の片手間とはいえ

2009-05-29 23:53:21 | 辰吉丈一郎
あまりにもひどい内容の番組を見てしまいました。
TBSのスマップの何やら言う兄さんが司会の、辰吉特集みたいな番組です。
辰吉の少年時代からの再現ドラマと、薬師寺戦のハイライト放送が中心でした。
 
以前、タイの試合に密着するなど、辰吉をドキュメントで追いかける対象(=ネタ)として
定めた以上、とにかく徹底的に辰吉を持ち上げ...ているつもりなんでしょうが、
昔から辰吉を見ていた者にとっては、かえって辰吉に対する侮辱にすら感じました。


細かいところから行くと、まず辰吉のデビュー戦の相手が「元世界ランカー」。
二戦目の相手は「元世界王者」になっていました。
どういう奴が台本書いてるんでしょうかね。アホとしか言いようがないですね。
資料ひとつロクに見ないのか。ウィキペディアすら見ないんですかね。

で、あの薬師寺戦を半分くらい、カットして放送してましたが、これがひどい。
薬師寺のクリーンヒット、攻勢のシーンを可能な限りカットして、辰吉が攻める場面を中心に編集してありました。
ランダエタ対亀田第一戦をハイライトにした時と同じ手法を、
日本版アリ対フレージャー戦ともいえるあの名勝負に対しても用いたわけです。
結果、何故か、さして打たれもせんうちから辰吉の顔が腫れ上がっていく怪奇映像の出来上がり。
世にもまれなるオカルト・ファイトになってしまいました。

TV局の、ましてTBSのやることに、いちいち目くじら立ててもしょうがないかもですが、
当時、放送したCBCが、辰吉と薬師寺のどちらにも肩入れしない公正な実況解説を徹底して追求し、
結果、素晴らしい試合にふさわしい実況放送を実現したことを、なんとキー局自らの手で、ぶち壊しにしました。

で、ラストラウンドには何か知らんけど、柄の悪い兄ちゃんが罵り合い、泣きながら野球する
映画のテーマソングが流れ、お涙ちょうだいで終わり。しかも来週に続く、とか言ってました。


まあ、ある意味、さすがTBSといえましょうか。
もう放送事業止めて、不動産だけいじくっとれ、アホ、ボケ、カス。
文句があったら、かかってこい、ダボ。いつでも相手なったるぞ( ̄○ ̄)/
...まぁ、このへんにしておきましょうか(^^;)


しかし、何より情けないのは、こんな低脳が作ったとおぼしき番組に、辰吉が出ていることですね。
この番組を通じてしか、今の辰吉を見知ることが出来ない、それが何よりも辰吉の現状がどういうものであるかを
一番端的に伝えているわけです。何とも、悲しいことですが...。

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姫路の勇者、引退

2009-05-27 22:52:09 | 関西ボクシング
川端賢樹、引退だそうです。
MRI検査を受けた結果「脳動脈瘤」が発見され、引退を余儀なくされたとのことです。


姫路の脱穀機じゃなくて爆撃機と言われた川端賢樹。
彼は、地方ジムのハンデをものともせず、後楽園ホールからタイ、グアムなど海外まで、
場所も相手も選ばずに出掛けていって闘い続けました。

そういうキャリア、闘いを可能にしたのは、短躯のファイターながらも防御が巧く、
力強さと巧さを兼ね備えた、彼の実力にこそあったのでしょう。
どの試合も外れのない、見に行って間違いのない選手、それが川端でした。


もっとも印象深い試合としては、兵庫県の新宮という町で行われた、
WBCフライ級インター王者のランディ・マングバット戦を挙げたいと思います。

まあ、よそ様の町を田舎と呼べるようなところには住んでいない私ですが(^^)
とにかくなかなかにすごい田舎町でした。
緑豊かな山々を眺めつつ道を歩いていると、思わず松山千春の昔の歌を口ずさんでしまうほどで、
そんな町の、田んぼの中に立つフツーの体育館において闘われた、
世界挑戦経験者の川端と、これまた後に世界戦のリングに立つマングバットとの
激しい打ち合いは、未だに印象深いものがあります。

この強敵に競り勝ったことを評価された川端は、ランキングを一気に上げて、
念願の日本タイトル奪取に繋げました。


その後、三度挑んだ日本バンタム級タイトルに、もう一度挑もうと決意した矢先、
今回の引退となったわけですが、まだ闘おうと決めていたとは、
今回、姫路木下ジムのHPを見るまで、知りませんでした。

しかし彼が38になろうが45になろうが、リングに上がって闘っていれば、
それこそ和製ホプキンス、ホリフィールド、古いとこならアーチー・ムーアにでも例えて、
別に驚きもせず、その姿を見て、普通に観戦し、応援していたと思います。

昨年の、親族の不幸を乗り越えて挑んだ大場浩平戦を思い出せば、それで足ります。
ベテランならではの鋭い狙いと、ベテランらしからぬパワフルさを兼ね備えたカウンター、
2Rの左フックの一撃は、川端賢樹というボクサーの強さ、巧さ、怖さを端的に表現していました。

実際、彼が何歳だとか、もうエエ歳したおっさんやのに、とか、そんなことを
彼の試合を見ていちいち思ったことがありません。
もちろん実際はあちこち悪くて、調整も大変だったのでしょうけど、
彼は常に力強く、巧く、果敢で、見る者に余計なことを考える余地など与えませんでした。
それが川端賢樹でした。今思えば、彼こそ、真のプロだったんでしょうね。


強く、巧く、逞しく、でもちょっと勝ち味が遅く、運にも恵まれなかったかもしれませんが、
強敵相手に数々の好ファイトを繰り広げた、一級品のファイターでした。
もうその闘う姿を見られないと思うと、昨年、無理をしてでも名古屋に行って
結果的にラストファイトとなった、大場戦を見ておいて良かったと思います。


川端選手、本当にお疲れ様でした。
良い試合をたくさん、本当にありがとう、という気持ちです(^^)

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苦戦も仕方なし、されど

2009-05-26 23:00:14 | 関東ボクシング
内藤大助、中国人ボクサー初の世界挑戦者、熊朝忠に大苦戦の末判定勝ち。
予想に反して、見てて疲れる試合になりました。


まず挑戦者ですが、馬力と勇気は大したものでした。
しかし、ボクサーとしての技術的な面には見るべきものはなく、
とりあえずフックを振り回し、くっついたらインサイドから頭、
アウトサイドからフックという、何とも素敵な組み合わせ。
まあ、いかにもありがちな感じで、初回見た時点でげんなりしました。
誰がどういう指導してんのか知りませんけど...。

ところが小さいけど、案外フックが伸びました。
下がる相手を追って、身体を伸ばして飛び込んで打つフックが、
時に良い感じでナックル返ったとこで内藤大助を捉えました。


相手が格下、勝って当然と見られる相手に苦戦というと、
先の名城信男vs富山浩之介戦が記憶に新しいところです。
格下、勝って当然と見られる相手、しかし世界戦ということで気合い満点の相手に、
力の差を見せつけて勝つ、というのは、実は思いの外難しいことです。

しかしそこに加えて、熊朝忠に関して、充分研究するだけの資料もなかったでしょうし、
熊は思った以上に頑丈で、蛮勇とも言える果敢さがあり、馬力もありました。
そして、今回の試合は試合自体が決まるのも遅れ、しかも直前に開催地変更があり、
内藤にも動揺があったことでしょう。


ただ、そういう風に頭で考えて納得はしているつもりでも、
6回のダウン、8回、11回の被弾など、あまりにも危ない場面が続き過ぎ、とも思います。

相手が怖いもの知らずで振り回してきて、フェイントかけても有効じゃないと見たら、
ボディーワークやフットワークで外すのでなく、しっかりガード構えてジャブで突き放す、
という切り替えが出来ない、或いはしない、というのでは、ちょっと不安です。
そのくらいのことを出来ないような、甘いキャリアの選手じゃないはずなんですが。


両目の負傷、苦戦、本人もかなり落ち込んでいるようでした。
急遽開催が決まったディファ有明にかけつけた、思いの外大勢のファンも、
ちょっとがっかり、という感じではなかったかと思います。

しかし、この苦戦を良薬に、次の対戦相手として有力視されているという
ポンサクレックとの5試合目に臨んでもらいたいです。
内藤のボクシングは、打倒ポンサクレックを目的に作り上げられたという面があり、
その特殊なボクシングは、熊朝忠のような選手のボクシングとはとはまた関係ないところで
その強みを発揮すると思います。
今回の反省を次に生かし、今回やや落としたであろう評価を取り戻してもらいたいものですね。
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デンカオセーンvs久高の映像

2009-05-25 15:29:50 | 久高寛之
明日のデンカオセーンvs久高戦は、タイのチャンネル3というところで放送らしいです。
いつものチャンネル7ではないんですね。

で、ネット配信なんですが、他で紹介されているリンク先をクリックすると
「GOM player」というやつをDLさせられるんですが、私のPCではこれをクリックすると
PCに不具合が出ますので、他を当たってみた結果、The Thaitv.comという
サイトに行き当たりました。

ちょっとバッファに時間がかかり、重いかもしれません。
試合開始でアクセスが増えたら、カクカク...というのを通り越して
紙芝居状態になるかもしれませんが、とりあえずここで見られる...と思います。
もし、違ってたらごめんなさいまへm(_ _)m

あと、これはひょっとするとrealplayerが必要なのかもしれませんね。
時間は二時半頃からってことですが、これは現地時間なのかなぁ...よくわかりません。


※やはり二時間遅れで、日本時間の4時半からでした。今前座やってます。
こちらの方が軽いみたいですが、やはりカクカクします...。


==============================================

結局、だめでしたね。あ、結果じゃなくて映像が...。
久高判定負けでしたが、試合内容を確認出来るような映像は、私のPCでは見られませんでした。
どこかで映像を見る機会はあるのでしょうか...。

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西岡vsジョニゴン(結果あり)

2009-05-24 19:09:21 | 西岡利晃
今日のお昼前後は、時間の許す限りパソコンの前に張り付いておりました。
ネット中継のリンク先を発見し、思いの外良好な画像を生中継で見ることができました。

西岡利晃、敵地モンテレーにて、ジョニー・ゴンサレスと防衛戦。
近年、日本のボクサー、しかも世界タイトル保持者が海外で闘う試合としては
類例を見ないビッグネームとの対戦です。
野球で言えば、野茂英雄のメジャーリーグ挑戦のようなものでしょうか(ちょと違う?)。
残念なことに、世間一般の注目度はきわめて低く、TV中継も一日遅れですが、
西岡利晃にとり、そのキャリア全体の正否を賭けた重大な一戦でした。


予想としては、ゴンサレスの長いリーチから繰り出す左フックの強打か、
西岡の踏み込みとタイミング合わせが絶妙な左ストレートか、
どっちが先に決まるかで勝敗が分かれると思っていました。
ゴンサレスがリーチを生かせる遠い距離に西岡を突き放す意識で
懐深く構えてきたら、西岡は苦しむだろうから、良いパンチを先に決めて
相手を引き寄せる闘いになれば...というところでした。


初回、西岡は右のガードをいつも以上に高く上げていました。
やはりゴンサレスの長い左フックを警戒したのでしょう。
それでいて右リードと左ストレートのボディ打ちもまんべんなく出て、良い感じ。
しかしその左を防いだかと思ったあと、これまた長いゴンサレスの右ストレートで
西岡、尻餅をつくダウン。幸い、ダメージは浅そうでした。

2回、ゴンサレスが調子づいて出てきて、一気に攻め落とされたりせんやろか、と
モニタの前でビビリ炸裂の私でしたが、西岡は何とも頼もしく相手の攻撃をかわし、
要所で的確に右ジャブ、そして左ボディストレートを決めます。
この辺が数々の苦難苦闘を乗り越えてきた西岡の成長した部分なのでしょうね。
ゴンサレスは攻勢点ではまさりましたが、微妙な回でした。

3回、ゴンサレスの攻撃をいなした西岡、それまでボディにばかり打っていた
左ストレートをいきなり上に。これが見事に決まってゴンサレス、背中からダウン。
西岡にしたら、狙ってどうこうと言う以前に、いつもやっていることに過ぎない
上下の打ち分けなんですが、ゴンサレスにとっては、見切りが出来ない驚異の一撃だったのでしょう。
キャンバスに頭を打ったようにも見え、続行不可能、場内騒然のワンパンチ・ノックアウトでした。


...いやもう、モニタの前で、思わずガッツポーズが出ましたね(^^)
かつてのウィラポンとの苦闘、アキレス腱断裂(実は二度、切ってるそうです)という苦難、
そして転級後も高評価を得られなかった時期、それらを乗り越えて今、
米大陸のリングで、本来の天才を思うまま発揮して、見事に勝利した西岡利晃。
ずっと、彼のこういう姿を見たかったのです。

他の誰にも期待するには重すぎる期待、それを実現してくれるだろうと多くが思い、
そして本人もそれを自覚していた過去が、彼には確実にあったのです。
ボクシング界のスーパースターとなることを期待され、それ故に毀誉褒貶かまびすしい、
賞賛と嫉妬の両方を背負っていたかつての若き天才が、その才能を結果で示しました。

本当に嬉しい勝利です。よくぞやってくれました。西岡万歳!(^^)!





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専門誌を支えるもの

2009-05-15 12:23:07 | その他
ボクシング・ワールド誌ですが、今月、つまり今日発売の号を最後に廃刊なんだそうですね。

以前、休刊になった時にも少し書きましたが、とにかく田舎の本屋では滅多に置いてない状態でした。
すごく大きな書店じゃないと、店頭では買えない感じで、ほとんど宝探し状態。
ある方に、この窮状?を嘆くと「本屋に無い?そりゃ無いよ。そんなに数出てないもの」と
あっさり言われたこともありました。


私はここ20数年間、ボクシング・マガジンと共に、ワールドも欠かさず購入して来ました。
本屋になければ、時間はかかりますがアマゾンで買ったり。
しかし、買うだけは買っていましたが、ここ数年はあまりに内容が甘い誌面にすっかり呆れていて、
いくつかのコラムと試合日程などの情報以外は、真剣に読んでいなかったというのが、実際のところです。

先の辻選手のリング禍に関する記事など典型ですが、誰にも批判の矛先を向けない内容の記事を、
本誌記事、戦評、コラム、編集後記などで、複数の記者が揃って同じように書くことが、たびたびありました。
亀田興毅のランダエタ戦判定騒動でも同じです。
大勢とは言わんでも、何人かの記者がいれば、たまには違う見解を持つ者がいても
良さそうなものですけども、そういうことはほぼ皆無でした。
業界大手に対する不都合な批判など、最初からあり得ない体勢ががっちり出来上がっているという印象でした。

実際のところ、ちょっと人気、知名度があるというだけで実力不足のボクサーをスターに仕立て上げ、
そのために反則行為の見逃しやランキング操作までやってのける腐敗した業界に対して、
批判の声を上げられない「専門誌」など、もはや存在意義がありません。


これはボクシング・マガジンにも通底することですが、自分たちが作っているものの購買層が、
専門誌にいったい何を求めているのかを真剣に考えてこなかったツケが回ってきた、ということでしょう。
それはズバリ「専門」誌ならではの鋭い視点、見識、批評眼であり、ボクシングというスポーツの
発展、存続のためになされるべき提言、問題提起、そして、その為の批判なのです。

残念ながら、こうした面において、ボクシングファンが身銭を切って購読するに値するだけのものを
専門誌が提供してきたかというと「否」でしょう。
一連の亀田騒動以降、ただでさえ減少傾向にあった発行部数がさらに減ったそうですが、
それは時代の趨勢、情報ツールの多様化、不況などということとは別に、根本的な大問題だったと思います。
もしこうした面で、ファンの納得を得られる誌面作り...業界の体制に物申すような姿勢が貫かれていれば、
一定数のファンの確固たる支持が得られ、廃刊にはならないぎりぎりの線は守られたのではないでしょうか。


と、専門誌批判をしましたが、これはボクシング業界の側にも責任があります。
業界を牛耳る一部の業者は、批判記事(とも言えぬ「気に入らない」記事を含む)を書かれると
「取材拒否」をはじめとする、あらゆる圧力をかけてきます。
その結果、専門誌はジャーナリズムの意味を見失い、或いは諦めてしまいます。
そして、ジャーナリズムに監視されなくなった業界の権力者は、さらにファン無視の横暴を繰り返し、
ファンの支持を失い、やせ細る。こういうサイクルが完成しているのも、また事実です。

今回の廃刊は、ボクシング界がジャーナリズムの存在を支えられなかった末の、然るべき結果でもあります。
その結果は、いずれ業界の側にも、はね返ってくることでしょう。


それにしても、いずれこういう日が来るだろう、と漠然と思ってはいましたが、
実際にそうなるとやはり残念無念ですね。
KKベストセラーズでも存続出来ないとなると、紙媒体での復活はほぼ絶望でしょう。
模索していると言われるネット上での展開が可能なのか...これはこれで、茨の道なのでしょうが。

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またしても驚嘆

2009-05-03 15:30:09 | マニー・パッキャオ
パッキャオ大先生については、これまでもさんざ驚嘆の言葉を並べてきましたけど、
今日もまたTVの前で「ホンマですか。マジですか。こんなことありますのか」と
ただひたすら驚かされました。特にここ数試合、昔の左の一発屋のイメージはどこへやら、
高度な技術と天性の馬力が、恐ろしく高いレベルで融合して、とんでもないことになっています。


試合の立ち上がり、やはりリッキー・ハットンの上半身の大きさが目について、
対するマニー・パッキャオは、どうしても小さく、頼りなく見えました。
実際、パッキャオも再三ロープ際に背中を押しつけられ、受け身になる場面がありました。

しかしすぐに、頭を逃がしながら打つ右フックがハットンを正確に叩き始めます。
私は「このパンチ当たる。でも、もっとジャブ出して、距離と位置を決めてから打った方が」と
思ったのですが、同じ打ち方の右が何度も何度も当たり、ついにハットンの左を外して打った
同じパンチが決まってハットンが前のめりに倒れました。

このとき、ハットンが左振ってのめったのが半分くらいの、ダメージのないダウンかな?と見たのですが、
なんのこたない、もろにパッキャオの右が入ってました。
追撃でハットン二度目のダウン、このときになるともう、興奮で体が震えておりました(^^;)

2R、一見ひるんだ素振りを見せないハットン、この辺さすが、男の中のお琴じゃなくて男です。
しかしダメージは甚大だったようで、この回、右フック警戒のハットンに対し、右と見せかけては
命中範囲の広い、得意の左ストレートでカウンターを決め続けたパッキャオが優勢。
そしてラウンド終了間際に、角度を変えた左フック一発。あのタフなハットンが大の字になりました。

大歓声が爆発する様子を見ながら、またまた震え上がっておりました。
フライ級上がりのフィリピン人ボクサーが...と、何度も書いてきましたけど、
このマニー・パッキャオというボクサーの常識外れ、規格外の凄さには、もはや言葉がありません。
いくら技術面でここ数試合格段の進歩を見せ、ハットンとはボクシングの質、レベルが違うと言っても、
この体格差、パワーの差を、いともたやすく乗り越えてしまう...信じられません。


名匠フレディ・ローチと、逸材マニー・パッキャオの組み合わせは、
往年のレイ・アーセル&フレディ・ブラウンとロベルト・デュランにも匹敵する、
ある意味ではそれを凌駕するものかもしれません。
パッキャオはアジアのヘンリー・アームストロングであり、左利きのロベルト・デュランでもあるのです。

天性の馬力、強打に、現代最高の名匠が加わった末に、このような壮大な歴史をも凌駕するような
常識外れの怪物ボクサーが生まれ、今我々はその怪物の闘う様を、リアルタイムで見ているわけです。
この興奮は、感動は、今後他のいかなるボクサーにも見いだすことが出来ない種類のものでしょう。

おそらく秋にも実現するであろう、フロイド・メイウェザーとの対戦において、
我々は勝ち負け以前に、どのような興奮を手にするんでしょうか。
今から、大いに楽しみです。

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今日と明日の雑感

2009-05-02 23:13:39 | 関東ボクシング
さて、今日は後楽園ホールで5大タイトルマッチがあり、
明日はいよいよ、マニー・パッキャオvsリッキー・ハットンです。


まず、今日の試合について触れますが、正直、ここ数試合好感を持てない試合ぶりだった
河野公平のボクシングが、ずいぶん良くなっていたことに驚きました。

実のところ、名城戦での、下向いて突っ込んで相手をひるませて右!みたいな、ボクシングとも呼べない
「乱暴狼藉」の繰り返しには、人前で言葉にしない方がいいような感情を持っていました。
が、今日の河野は、頭突きじゃなくてパンチで相手を下がらせて前に出る、正しい意味での「ファイター」でした。
もちろん、何もかも器用に、鮮やかにこなしているわけじゃないですが、打ったら左右に動いて
相手の反撃を外してまた攻める、という動き方をしっかりやっていましたし、
左から相手を崩して攻めようという心がけも見えたし、とにかく全体的に良い感じでした。

残念なのは8回に右拳を痛めたとかで、相手のダニエル・フェレーラスがまた、涙ぐましいほどの敢闘を見せ、
終盤はクリンチの場面が増えてしまいましたが、今日の河野なら、素直に応援出来ます(^^)
今後は拳の具合が心配ですが、今日のようなクリーンなファイターぶりで、さらに上を目指してほしいですね。


メインの内山高志、冷静で、厳しくて、強いボクシングでした。
プロになった時に「あれが今の日本のアマチュアのパウンドフォーパウンドなんだよ」と教えてくれた人がいまして、
なるほどデビュー戦から相当に強くて、その後ちょっと苦しい試合もあったりしましたが、
今日が12戦目、相手がWBC5位で、この勝ち方はお見事としか言いようがありません。
強打を持ちながらそれにかまけず、サウスポー相手でもお構いなしに左ジャブから右を丁寧に当てては下がり、
サウスポーの右回りに対し、必要最小限の足の運びでついて行き、また当てては深追いせず、外してまた攻める。
本当に世界の頂点を目指して、自分のボクシングをしっかり構築してきたことが、しかと伝わってきました。
改めて、お見事でした。

で、世界っていうと、ひょとしたら...というか、やっぱりホルヘ・リナレスってことになるんでしょう...か?
もし実現したら、すごいカードですね、これは。
スピードに差があるかもしれませんが、スリリングな一戦になると思います。



さて、明日のビッグカードですが、ハットンが猪突猛進スタイルに出れば競った試合になる、と思います。
しかし、マリナッジ戦からトレーナーを変えて、スタイルを変えてきているのがどう出るか、ですね。
私は立体的、攻防一体のボディーワークと、正確な左、コンビネーションが冴える最近のパッキャオが、
いずれにせよ勝利するだろう、終盤KOか判定か、というところだと思っていますが、
とにかくGWの世界的ビッグファイトですので、好ファイトになってほしいですね。
まあ、なってほしいと思うまでもなく、そうなることでしょうけれど(^^)

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