さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

純度の高い真っ向勝負の打撃戦 木村吉光、中川兼玄を最終回ストップ

2022-08-31 10:29:51 | 関東ボクシング




ということで昨日はABEMAにて、後楽園ホールの試合をライブ配信で見ておりました。
これまた全部は見られませんでしたが、メインはしっかりと。
どちらも日本ランクに長い者同士で、それがタイトルかけて当たれば、当然一定以上の試合は見られる、くらいに思ってたら、どエラい試合を見ることになりました。



初回から木村吉光が積極的に仕掛け、というのは想像通りでしたが、中川兼玄も真っ向から応じる。
両者果敢に打ち合いつつ、攻め口の変化や緩急も伴った攻撃を見せる。

2回、木村が右アッパー、中川も同じパンチでお返し、これがクリーンヒット。続いて右相打ち。
距離やタイミングが「噛み合って」しまうものか、際どい攻防が続く。

3回、両者右ヒット応酬、木村がヒット数でまさり、4回は左ボディを決める。中川は肘を上げたフォームの右フックで対抗。
5回、木村が左アッパーをインサイドに打ち、右の後続打で攻める。この右がカウンターになってヒット、中川ダウン。
普通のヒットは耐える中川も、カウンターで切るようなパンチを食ってしまうと、さすがに倒れる。

木村ラッシュをかけるが中川しのぐ。6回、逆に右フックを決めて、木村を止める。中川立て続けにヒットを奪う。
中盤も以降も激しいラリー。8回、木村が左右のアッパーをダブル、トリプルと決める。中川は右クロス返し、ロープへ押して左ボディ。

9回、中川は右フック、左ボディを中心に間断なく打ちまくる。木村、速い連打を返すも中川を止められない。
しかし何とか盛り返し、速いワンツーをインサイドに通して中川を倒す。二度目のダウン。壮絶なラウンド。

10回、木村が詰めるかと思ったら、中川、ここからさらに粘り、右決めてボディも打って、攻勢で抑える。
とはいえ、さすがに防御がほどけてきて、危ういところも見える。

11回、両者終盤に来てもペースを落とさず打ち合う。両者に拍手したい気持ちになる。
これは判定まで行くかと思った最終回、木村速いストレートパンチの連打、中川右で反撃の流れで、木村がヒットを重ねて抜け出す。
中川それでも前に出て攻め、左フックを振ったが、その返りの前に木村の右クロスが入り、中川三度目のダウン。
レフェリーが即ストップをかけ、木村のTKO勝ちでした。



勝者の木村は、終始壮絶な試合展開にあっても、度々、爽やかな笑顔を見せていました。
前向きな態度が目に見えて、その闘いぶりは意欲的という言葉では足りないくらいでした。
直近の試合で破った坂晃典を抜いて、130ポンド級のトップに躍り出た木村、その実力を証明したと言えるでしょう。

ジム移籍を経て、坂、中川を連破したこの二試合は、過去に見た試合での停滞感が綺麗さっぱり消えていて、充実期に入ったのだな、と感じます。
再起を表明した尾川堅一との一戦など、あってもいいんじゃないかと思います。相性的に良いのか悪いのか、判断しにくいところもありましょうが。
試合後、こんな報道を見て心配ではありますが、まずは見事な闘いぶりでした。


中川兼玄は、大阪での試合キャンセルの件もあって、ちょっと印象を損ねていましたが、これまた過去の試合ぶりから数割増しの出来でした。
日本タイトル挑戦権獲得後のジム移籍、試合キャンセルから4ヶ月で巡ってきたタイトルマッチという、ちょっと希な状況でしたが、だからこそこの一戦に懸ける思いは並々ならぬものがあるのだろう、と思いはしても、やはり、その凄まじい闘志に圧倒されました。



YouTubeの動画に ”NO HUGGING NO RUNNING ONLY SLUGFEST“ というタイトルを付けて、クリンチやフットワークがない打ち合いになった、過去の名勝負のダイジェストを上げているチャンネルがありますが、これはまさに、その「シリーズ」に追加すべき、と思うような試合でした。
それでいて、無闇に防御健忘のまま手を出すのでなく、攻め口は色々見られ、なおかつ勝負を賭けた果敢さもあり、最初から最後まで見応え充分。
ABEMAの視聴者数がどの程度だったか不明ですが(チャット欄の数字ならわかりますが)、こういう試合が、ライブで、会場にいる人以外の目にも少なからず触れたのだとしたら、両者はもとより、ボクシングそのものの良さ、凄さが見てもらえたことでしょう。
両者に改めて拍手したいと思います。凄い試合でした!





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アンダーもかなり充実 フェニックスバトル10月は盛り沢山

2022-08-30 05:49:32 | 関東ボクシング


武居由樹、早くも練習再開。早いでんな!という記事。
まあ元気あって結構な、というところですが、読み進めると、偶数月下旬のフェニックスバトル興行についての記述が。


10月25日、岩佐亮佑vsジェネシス・セルバニア戦メインの興行ですが、セミにジーメル・マグラモvs桑原拓戦が組まれていて、これだけでも充分見どころあり。
岩佐、桑原ともに試練の一戦でしょうが、だからこそ...という試合ですね。

メインとセミがこういう厳しめの試合なんで、あとは、アンダーに大橋ジム勢を中心に、いくつかそこそこの試合が組まれるのだろう、まあいつもどおりの感じかな、相手の外国人選手が激弱やなかったらええか...くらいに思っていたら、さらにけっこうな試合が組まれる模様です。


ミニマム級では重岡優大(お兄さん)に敗れて以来の再起となる小浦翼が、WBO8位のアルアル・アンダレスという選手と対戦。
また、中嶋一輝はフェザー級のWBCインター王者、チャイワット・ブラドックと。

相手については、それなりにというか、地位のある相手が揃いました。
小浦の相手はまあ相応しい、というところですが、中嶋の相手...フェザー級と?

そりゃ、実際動いてみたら拍子抜け、という可能性もないことはないでしょうが、フィリピンの選手などは概ね良いですし、それなりに期待していいんじゃないかなあ、と...甘いかもしれませんが、そう思っています。



大橋ジムは毎月上旬のFODプレミアム配信枠を、三迫ジムと半々で受け持っている他、偶数月下旬のひかりTV、dTV配信枠があり、毎月ひとつは主催興行をやっているわけですが、ことに偶数月下旬の方は、他ジム(地方のジム含む)の有力選手も込みで、好カード、試練の一戦というべきものを次々と「投入」している感があります。
これがひかりTVなどの配信において、どの程度の視聴者数を獲得しているのかは不明ですが、これだけ続くということは、それなりの成果があるのだろう、と...楽観が過ぎるかもしれませんが、そう見て良いんでしょう...かね。

その辺、誰も教えてくれませんし、報道も一切ありませんが、気になるところです。
ていうか、ホンマに、誰か取材して記事書いてくれませんかね(笑)。



と、本日はABEMAにて木村吉光、中川兼玄戦配信あり。
タブレットで見ることになりますが、せっかくのライブですんで、楽しみたいと思います。



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DAZN、9月は5試合配信 何かわからんのもありますが

2022-08-29 12:38:21 | 海外ボクシング





DAZNのボクシング配信は、ビッグマッチも含めてですが、マイペースでコンスタントにあります。
WOWOWだと、トップランクやPBCのビッグマッチがあるかないかで左右されますが。
もちろん、実況解説つけず、映像素材そのまま流すだけ、というお手軽さあってのことですけど。良し悪しありますが。

こちらが9月の配信カレンダー
ブランク明けのファン・エストラーダ、とりあえず無冠戦らしいですね。

正直、何かわからんというか知らない試合もありますが、何と言っても18日、カネロvsゴロフキン第三戦が要注目。
これは見逃せません。

あと、リー・ウッドは、DAZNお抱えのフェザー級有力選手、マウリシオ・ララと防衛戦。
今時こんな選手、まだいるんやな、という派手な「ド突き合い」が売り?のララですから、カードとしては盛り上がるんでしょう。
レオ・サンタクルス戦は結局立ち消え。まあ、どうせそんなこっちゃろう、というしかないですね。


しかし、先日のウシク、ジョシュア戦もそうですが、ボクシングファンにとって重大な試合を配信した結果、どの程度の視聴者数があるものか、それがDAZNにとってどの程度の重さを持つものなのか、気になるところではあります。
その辺の情報は本当に、何一つ出ませんけども。WOWOWなら、決算報告の会見なんかがたまにあるんですが。


ところで昨日は、よく知らんのですが、YouTuberさん関連ですかね?
YouTubeのおすすめにハイライトが出てたんで、一応見てみたんですが、30秒くらいで見るの止めました。
場内盛況で盛り上がっているようではありましたが。



まあ、なんだかんだありますが、マッチルームやゴールデンボーイ関連のビッグマッチが「必ず」ライブで見られる(ていうか、録画配信が存在しない)、その一点において、サッカーの重要コンテンツが失われようが、少数民族ボクシングファンにとっては、やはり当面、DAZNとの縁は切れそうにありません。


ABEMAと違って画質は良いし、取り回しは便利だし、この辺はやはり、餅は餅屋、でもありますね。
国内ボクシングもやってくれたら嬉しいですが、数年前に聞いた話だと、井上村田クラスの「上澄み」以外、興味ナシ、というスタンスなんだそうで。
仕方ないと言えばそうですが、業界の側で、そのスタンスを変えるようなプレゼンテーションが出来ないものかなあ、と思ったりもします。
まあ、そんなこと、出来るわけがないんですが...。



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パンチの効き方が普通では無い 武居由樹、アポリナルをTKO

2022-08-27 07:06:42 | 関東ボクシング




ということで昨夜はdTVにて、ペテ・アポリナルvs武居由樹戦を楽しく見ておりました。
簡単に感想を。



初回、実況解説が言っていたとおり、長くフェザー級でも闘っていたというアポリナルの上体は結構大きく、厚みを感じる。
武居はかなり警戒して、遠い間合いでの立ち上がり。「キックの間合い」とさえ見える。

武居が上体をねじるような、妙なバランスでワンツーを打つが、アポリナル外す。
目の良さと、上体の動きが繋がった防御動作。
外せる選手だとは、動画で見て分かっていましたが、思った以上に防御の質が高い。

初回3分見終えて、これ、5戦目で当てる選手じゃなかったのかも、と思ったほど。
アポリナルはあまり手を出さなかったが、しっかり武居を見ていただろうし、2回以降、どういう形で出てくるだろうか、と心配な気持ちになっていました。


しかし2回、武居が左を上下に散らすなど、攻撃の数が見えてくる。
右フック飛び込み、ロープ際に逃れたアポリナルに、スタンスを踏み換え、左を伸ばして右。
綺麗に、わかりやすく顔面やアゴに入った、というパンチでは無かったが、アポリナルがダウン。
立ったが追撃されて二度目のダウン。簡単に倒れたように見える。踏ん張りが効かない模様。


スローで見ると、最初のダウンを奪った右は、アポリナルの左耳に、まともに入っていました。
確かに当たれば効くところ、なのでしょう。当て際が強い打ち方でもあるのでしょう。
それはわかるとしても、あの感じのヒットでそんなに効かせられるのか、と驚きもしました。
日本のボクサーも最近は、海外というか世界基準に沿った選手が増えて来て、型どおりに綺麗に打っていればいい、という感じではなくなっていますが、それにしてもこの打ち方で、この効かせ方は、ちょっと普通じゃ無いなあ、と。


傍目にはそういう印象でしたが、武居本人は手応えありと見えて、3回以降、立ち上がりとは間合い、立ち位置が全然違う。
明らかに近い位置に立って、そこから打っていく。「ボクシングの間合い」としても、ちょっと近め。

ボディにワンツー打ってガードされるが、そこから飛び退くのでなく、さらに前に出て追撃。
飛び込みの右フックも狙う。左ストレートは下に上にと打ち分ける。
アポリナル、あからさまに弱味は見せていないが、右フック引っかかって膝をつく。スリップだが、やはり足にダメージがある。

4回、武居の右フックでアポリナルがダウン。武居攻めるがアポリナルが打ち合いで右を一発ヒット。
武居、少しムキになって、危ないタイミングと角度のまま打ち合う。すぐに思い直して離れたが、ちょっとだけ不安も見えた。


途中採点、当然ながら武居大差のリード。40対33で三者揃う。
全ラウンドを武居が抑え、2回が10-7、4回も10-8だから、アポリナルは4ラウンズで7失点ということに。


それでもアポリナル、モラルの高さを見せ、右を振るって闘志を見せていたが、5回、打ち合いで武居の右フックが決まる。
その後左フックか、アポリナルが後退したところで、レフェリーが早めのストップ。
印象としては「ダウンの回数、点差という理屈は揃ったから」止めた、というものに見えましたが、さりとて続けていても、アポリナルには見た目以上にダメージがあった、レフェリーが間近でそれを見て止めたのだ、と言われれば、反論不能ではあります。



ペテ・アポリナルは、一定水準以上の実力を持つ、武居のキャリアでは最強の相手だったと思います。
しかし、フェザーでもやっていた選手の耐久力を、ものともしない武居の強打、普通じゃ無い「効かせ方」が出来るパンチを先に打たれ、それ以降はいかに「決壊」せずに踏ん張るか、という方向でしか、その闘志を表現出来ませんでした。


これまでの相手よりもレベルの高い、練れたボクシングが出来る選手相手に、先手を取られて長いラウンドを闘うことになったら...というのが、キャリアの浅い強打者への、いかにもありがちが危惧ですが、武居由樹は2回にはもう、その悪い想定を、自らの強打で破壊してしまいました。

それ故に、これまで試されていなかった部分を試される、という試合展開だったか、という見方をすれば、答えは半々かな、というところです。
ちょっとズルい言い方ですが。
長丁場での対応はストップしたから仕方ない。ただ、4回に3度目のダウンを奪ったあとの打ち合いで、少し判断ミスというか、無理をしたところは、相手がさらに上の相手だったら、致命傷になっていたかもしれません。


しかし、序盤の遠い遠い間合いの取り方は、良い意味での警戒心の強さを感じました。
また、ダウンを奪ったあとの攻め口は概ね無理が無く、左ストレートを上下に散らし、ボディをしっかり攻めているあたりも、総じて冷静ではありました。
4回、ワンツーに目を引いておいて、飛び込みの右フックで倒すあたりも、理屈の見える攻めでした。

キャリア5戦でタイトル挑戦の強打者、というと、この辺、もっと無理や雑さ、それこそ驕りが出たとて、何の不思議も無いところです。
やはりキックの世界でのキャリアがあるだけに、そういうレベルとは違う、という理解で良いんでしょうね。


今後に関しては、世界どうこうとはまだ遠くても、国内の122ポンド級上位陣との対戦は、あれこれ見てみたいものです。
というか、こぞって対戦希望が殺到するくらいじゃないと嘘だろう、とも思います。
今回の勝利で、ボクシング界においても本物のホープと目されるでしょうし、キックの実績も相まって、普通のレベルとは違う知名度があるわけですから。
確かにパンチがあって怖い選手ではありましょうが、そんなこと言ってる場合じゃない。「ええ的や」くらいに思ってほしい、ですね。
また、そうやって挑みかかってくる相手との、やって実になるカードを、ひとつでも多く闘ってほしいです。


その先に、上だの世界だのが見えてくる、その過程をまずは見せてもらいたい。そう思います。
強打のみならず、色々独特な魅力を持つ、楽しみなタイトルホルダーが誕生しました。今後も色々楽しみですね。




ということで、せっかくのライブ配信だったのですが、全試合張り付いて見る、というわけにはいきませんでした。
dTVの配信、PCと大きなモニタで見て、画質は充分だったのですが、配信中の巻き戻しなどには対応していませんでしたので。

しかし、他の試合も見どころ多いカードばかりでした。
「心配な天才肌」富岡浩介の試合が未見です。またアーカイブで見るとしますが。

セミの高畑里望、岡田誠一戦は壮絶でした。先にダウンを奪った高畑の長い距離を、岡田が果敢に攻略し、最終回に逆転のKO。
43歳対40歳の、ボクサー人生の総決算となる一戦、見応え充分でした。
両者に拍手したいと思います。


こういう試合、以前なら放送局によっては、ライブで、またフルラウンドを見ることはかなわない場合の方が多かったでしょうが、それを今はライブで、フルでしっかりと見られるんですから、これだけでもネット配信の価値あり、というものですね。





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恒例のパターン、海外先行で日程が出る 井上尚弥、バトラー戦は12月13日?

2022-08-26 06:26:10 | 井上尚弥




ということでいつもの感じで、海外から日程の話が先行して出るパターン。
井上尚弥vsポール・バトラー戦は12月13日、ESPNが報じたとのこと。
ESPN+での配信が決まったから、ということのようですね。


大橋会長は、毎度の通りこんな感じ。「色々ある」って、日本語独特の表現なんですかね。私もよく使いますが(笑)。
で、尚弥様はこんなTweet。意欲充分、というところです。






しかし、もう見に行くと決めている(決めてるんかい)身ですから、日程はもう関係ない...と大見得を切りたいところなれど、またしてもド平日、火曜日ですね。
せめて金曜にならんか、出来れば土日、と思いますが、会場使用のご都合で、どうにもならんのでありましょうね。はぁ。

で、場所はどうせ..なんでしょうし。
一発ドカンと東京ドーム、ってやってくれたら色々(あ、使うてもうた)楽なんですけどねー。


まあしかし、日程がわかったんで、今から逆算して色々と(また使うてもうた)準備に入るとします。
なんだかんだ、行かな気が済まんのですから、もう関係ないですわ、ええ。






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参考資料としてはやや不足あり ペテ・アポリナル前戦雑感(追記あり)

2022-08-25 05:41:59 | 関東ボクシング




ということで明日に迫ったペテ・アポリナルvs武居由樹戦ですが、日本でもお馴染みジュンリエル・ラモナルを破ったOPBF王座戴冠戦を、今頃になって見てみました。
フルラウンドの動画があると早くから知らされていましたが、今頃になってやっと見る。まさしく泥縄式です。


しかし、いざ見てみると、ちょっと参考資料としては不足あり、な感じ。
相手の左右が違うのは仕方ないとしても、ラモナルがあまりにも不調で、アポリナルは終始、楽なペースで闘えている。
これでは、ホンマのところはどうなんやろう、いまいちわからんなあ、という印象。
もちろん、ひとつの試合にボクサーの良し悪し全てが出る、それを見られる、なんて考えはしませんが、それにしてももうちょっとなあ、という。


それでも以下、印象に残ったところを。

アポリナル、ちょっと小柄。
怒り肩で、最初はガード高く上げていたが、徐々に左下げてL字ガードになる。

ラモナルが悪い。スピードが無い。
最初から足取り重く、膝が硬い。パンチが切れず、スロー。
日本で見た和氣慎吾との二試合、久我勇作戦のみならず、先日大阪で見た前田稔輝戦よりも悪い。
この試合、減量に苦しんだのではないか、と見える。

それ故、アポリナルが徐々に余裕を持って闘い始める。
左下げて、待って外して当てて行く、という流れ。

アポリナル、右アッパー得意と見え、よく打つ。右アッパーは迎え撃ちだけでなく、これで「入る」場面も多々あり。
確かに構えた位置からすんなり出る。
離れ際や、相手が打ったあとにリターンの右クロスが速い。右肩残して打つフォームで、防御にも気を遣っている?型ではある。
時々スイッチするが、あまり効果はない。

※と書きましたが、2回などに、スイッチして右フック当てて、ダメージを与えています。
10回、倒した右も、サウスポースタンスになっているときに打っています。追記します。


試合は中盤以降、ワンサイドになっていく。
ラモナルは出るが打たれ、前にのめりもつれるばかり。
アポリナルが左下げて外し、右アッパー、左ジャブ、右クロスと好きに当てていく。

8回ラモナルにドクターチェック。9回終了後、ラモナルが自コーナーを見失う。
10回開始時、アポリナルの青コーナー、ポストのクッションとパネルが外れる。勝っている方のコーナーなので、純然たるトラブル。
少し時間が空くが、ラモナルの助けにはならず。アポリナル攻めて、ロープに詰め、最後は右フック。ラモナル倒れ、立てず。KOとなりました。

まるで神戸サンボーホールのような天井の低い会場で、肩車されたアポリナル、アタマ打つんちゃうかと心配でしたが、歓喜の勝ち名乗りでありました。



正直、武居由樹と闘ったら、こんなスローテンポの楽なペースになるわけがないので、そこでアポリナルがどんな闘いを見せられるのか、ちょっとわかりません。
ただ、こんなペースで試合が長引いて、キャリアが浅く長いラウンド未経験の武居が悪い回りに立ってしまったら、という可能性はある、と思います。
この試合の限りでは、小柄だが突進ファイターではなく、相手を見て闘える選手なので、そこは軽んじてはいけないところです。
また、武居のパンチならこうはいくまい、と思うものの、外す目や型を持っている選手でもありますので。
あと、右アッパーは要警戒、ですね。これを好きに当てられたら、面倒の始まりになるかもしれません。



そんなことで動画貼っておきます。
いよいよ明日ですね。楽しみです。

あ、そうそう、実況は「ピート」アポリナル、と言っております。賛成です(笑)。








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金曜のフェニックスバトル、dTVでも配信

2022-08-24 10:26:59 | 関東ボクシング




ということで次のライブ配信は国内、明後日26日金曜、フェニックスバトルのペテ・アポリナルvs武居由樹戦ですが、こちらはひかりTVのみならず、dTVでも配信が行われるとのことです。

ひかりTVは、大画面のTVで見ようと思ったら、専用チューナーが必要。
しょうがないのでPCで見ようと思うと、ことボクシングに関しては、PCではライブ配信が見られず、後日アーカイブでしか見られない。
ライブを見られるのは、スマホとタブレットのOS用アプリのみです。

ABEMAなどは、ライブ配信を大画面で行うために必要な容量確保、そのためのコストをかけておらず、基本はスマホやタブレットユーザーの方しか見ていないようですが、ひかりTVはまた別の理由で、こういうややこしいことになってしまっています。

これがdTVになると、以前見たときはライブでも高画質の試合配信をしていましたんで、大きいモニタで見られると思われます。
さっそく乗り換えることにしました。



しかしいよいよ、docomoとひかりTVが、ボクシングに、というよりは井上尚弥の試合配信に向けて「乗り出して」きた、とも見えます。
ひかりTVとは数年前から個人スポンサーとしての契約があり、トランクスにはでかでかとdocomoのロゴが入ってますし、いずれは...と思っていますが。
見るこちらの都合を言えば、AmazonPrimeの配信で何も不都合はないんですが。大画面視聴にあのチューナー邪魔やな、というところで、どちらかと言えばご遠慮願いたい(笑)のですけども。

もっとも、井上尚弥の配信をきっかけに、あんなものなしでも、例えばTVにFireStick刺して、その内部のアプリだけで見られるように変えてくれれば、仮にPPV別料金でも構わないんですが...もちろん、そこそこの価格に抑えていただければ助かりますが。
まあ、そんな劇的?な展開はさすがにあり得ないんでしょうけどもね。



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この直接再戦は、さすがに ヘイニーvsカンボソス、10月に再戦

2022-08-23 19:47:57 | 海外ボクシング



デビン・ヘイニー、ジョージ・カンボソスの再戦が決まったという記事です。

ダイレクトリマッチの契約があるから、というだけの話なんでしょうが、まあ例えば4つあるうちのひとつであれば、まあ好きにしたらええがな、てなものなんでしょうけど、スーパー込みで4団体統一の試合ともなると、と。
形式上、ホンマの、たったひとりの「世界ライト級チャンピオン」かというと、WBA正規(でしたっけ?)ジャーボンテイ・デービスの存在があるので、言い切れないところではありますが、それでもこれだけの数を統一したタイトルマッチが、言うて悪いが個々のボクサーの人気、興行事情という「ご都合」「勝手」によって決まる、という絵で、あまり良い気持ちはしません。
再戦条項は一試合、他との防衛戦挟んで、ということなら、まだ良いんでしょうけど。


それに何より、前回の試合内容が、終始一方的で、展開が固定されたままだったこともあります。
前回はスタジアムだったのが、今回はアリーナで開催されるという点にも、その辺の評価は反映されているわけですし。


会社の違いとかを抜きに、当然次はデービスと、となってくれたらどんなにいいか、と思いますけど。
その次にカンボソスが権利を行使する、というなら、まだしも。
或いは祖国を離れてロサンゼルス入りしたという、ワシル・ロマチェンコとの対戦があるとかなら。

もう、そういう「然るべき」試合は、実現する方が僥倖だったりするんでしょうね。
最近は統一戦が増えて来た、ということで、それを喜ばしい傾向と語る向きもおありで、それはもちろん事実ではあります。
しかし同時に「それで当然」だという目線を、世界中のボクシングファンがボクシング界にもっと向けるべきだ、という気にもなりますね。



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紅海の決闘、またも技巧の闘士が制す ウシク、ジョシュアを2-1で下す

2022-08-21 15:20:07 | 海外ボクシング





ということで未明から配信自体はあったのですが、さすがに見られず。
早めに起きたらジャン・ジレイの試合やってましたが、見ながらまた寝て、起きて、メインはしっかり見ました。
文字通り「目覚ましい」試合内容で、ばっちり目が覚めました。


増量の噂は噂だけに終わったオレクサンドル・ウシクに対し、相変わらず超スーパー・ヘビー級、という感じのアンソニー・ジョシュア。
初回、両者こまめに足も上体も動く。しっかり見合い、探り合い。
ウシクが左、右ジャブと当てるが、ジョシュアもジャブを上下に散らし、右ダイレクト。
2回はそこに左右のボディブローが加わる。ウシク、迂闊に身体を寄せるとボディ、そして上にも右ストレートが来る。


ジョシュアはその畏るべき「出力」と共に、度を超した筋肉量ゆえの「燃費」の悪さを抱えるが、スタートは無駄の無い動きと、これまで以上に締まった構えが目を引く。
さらにボディ攻撃の狙いも良く、これが維持出来ればウシクとて、容易に攻められるものではない、という印象の序盤でした。


しかし3回から流れ変わる。ウシクがより「軽打」に切り換え、まずは当てること、触ることから始める、という風。
これで、より防御に神経を回せる形を整えたか。その上で右回りの足捌き。ボディを一度打たれたが、ペースを取り戻し、ジョシュアの右アッパーを外して左。
4回も同様。手数でリードし、上下に左を決める。ラスト10秒切ってから左ストレート。

5回、ジョシュアのローブローで少しだけ休憩。ジョシュア右フックはガードされる。
ジョシュアの左の上から下から、ウシクのジャブが通る。ジョシュア顔をしかめる。

6回、ジョシュア手応えが欲しくなったか、右ストレート強振するがきれいに外される。ボディ攻撃もガードに阻まれる。
7回、ウシクの左ショートが入る。ジョシュア、リズムを失い、動きも落ちてくる。
ウシクは果敢に避け、冷静に打つ、という風。


このまま行くかと思われた8回、リング中央が滑るのか、レフェリーがキャンバスを拭くよう指示。少し時間が空く。
これが幸いした?息をつけたジョシュアが、左のレバーパンチ、右アッパーをストマックへ送り、攻勢。
9回は下から上に、強打を振るってジョシュアがさらに出る。ウシク腰を引いて後退。ロープからロープへ追われる。
懸命に外しているが、右フック、アッパーなどヒットも喫している。クリンチするが、ジョシュア厳しくボディを叩く。
一気にジョシュア攻勢の流れ。終盤、ポイント逆転なるか...いや、ポイント計算要らずの逆転があるか、とさえ見えました。

しかしまた流れが変わる。10回、ウシクがまず出鼻に右フックのカウンター。続いて左フックのカウンター。ジョシュアの左アッパーに合わせた。
ウシク左右フックで追撃。ジョシュア、気付けば構えはほどけ気味。もう出て打つのみ、という風。
実際、右ショート決めてウシクを止めるが、ウシクまた逆襲。右フック、ワンツー、左ダイレクトで、ジョシュアをロープに下がらせる。
ウシク、さらに上下のコンビネーションを打ち込む。

終盤、ピンチの後にこの手数、この精度。自分より大きな相手に。まさしく脅威。

11回、ジョシュアはボディを攻めるが、防がれてもいる。ウシク軽いジャブ、ワンツー、コンビで抑える。
最終回、ジョシュアの右から左の返しがヒット。ウシク止まる。追撃かけるジョシュアだが、攻撃を長く続けられない。
クリンチになると自分も休む。もちろん最終回、無理も無いが、この辺が「燃費」の悪さでもあるか。


判定は2-1、ウシク。
さうぽん採点は、JJUU、UUUJ、JUUJ、7対5でウシクでした。



噂された増量はなくリングに上がったオレクサンドル・ウシクでしたが、やはり母国の状況もあり、練習するにも心理面での負担は大きかったのでしょう。
序盤はジョシュアが締めてきた印象でもあり、今日は前回同様に、技巧と闘志を存分に発揮するとはいかないかもしれない、とも思えました。

しかし3回から体勢を整えなおし、前回より少し防御重視に振って?巻き返しにかかると、その後は前回同様、いや状況を考えれば前回以上に、これぞウシク、ウシクならではという見事なボクシングを展開しました。
8、9回の劣勢も、10回のビッグラウンドで帳消しにし、内容的にはクリアな勝利だったと思います。

試合前のスパーリングでは、前回と違い強打でパートナーを何人も打ち込んでいるという話が伝わりましたが、果たしてそれは事実だったのでしょうか。
ひょっとすると、色々と際どい調整を強いられていた可能性もある、と見ます。

しかし、いずれにせよリングの上で見えたものが全て、なのでしょう。
世界ヘビー級王者オレクサンドル・ウシクは、その技巧と、それを支える闘志でもって、苦しみのさなかにある母国に、朗報を届けました。
ただただ拍手、そして敬意を払うのみ、です。




アンソニー・ジョシュアは、やはりこれまでの試合同様、アスリートとしての肉体構築に反して、ボクサーとして、ボクシングが練れていないという欠点、そしてその「燃費」の悪さと、それに起因する?精神面の脆さが、またしても露呈した印象でした。
序盤はしっかり締めて構えていた両手が、中盤を過ぎると、半ば格好だけで、ほとんど防御の盾として機能していませんでした。
体力とパンチ力に賭けて、前に出て打つ、という攻め方をして、案の定ウシクに空いたとこを打たれてしまい、勝敗を決定付けられた感がありました。

もちろん、その欠落を露呈させるだけの技量力量のあるボクサーなど、ほんの僅かしかいないですし、ジョシュアが世界一流のヘビー級ボクサーであることは事実でしょう。
しかし大抵の場合、真の頂点、それに極めて近いものを争奪することを強いられるヘビー級において、真の王者となるには、やはりこれでは無理なのだ、という答えが、今日の敗北で決定付けられたのかもしれません。


なんか、試合後いったんリング降りたのにまた戻ってきて、マイク持ってなんだかんだやってました。
同時通訳もなく(やりようもなかったかもですが)、ああいうのは基本、見ないんでよくわかりませんけど、そりゃ、良いこと言ってたかもしれませんが、勝ったウシクそっちのけ?の振る舞いは良いものとは到底言えず。

やっぱりこの人、ボクサーとしてのみならず、根っこから何か違うよなあ、と思います。
まあ、我々にはわからない価値観というか、ある意味では大成功を収めている人間の仕業なんだろう、というところでもありますが。








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噂と違い増量せず ウシクvsジョシュア再戦、明日未明からライブ配信

2022-08-20 10:43:34 | 海外ボクシング



ということで無事(笑)DAZNにて配信されることも発表された、オレクサンドル・ウシクvsアンソニー・ジョシュアの再戦。
DAZNの記事によると、前日計量、ウシクは221ポンドを計測。
かなり増量してくるんではないか、という噂があったようですが、一年前とほぼ変わらず、です。
ジョシュアの方は4ポンド増量あり。はてさて...。


配信時間は、明日深夜というか未明というか、午前2時から配信開始とのことであります。

メインは7時30分頃と予想されていますが、こればかりは何とも言えません。
しかしアンダーカードが10試合もあるのですね。いやはや。これ、配信は最初からあるんでしょうか。

気になるところはというと、中国のジャン・ジレイが、IBFイリミネーションに遂に出る試合でしょうか。
あと、東京五輪に出ていたベンジャミン・ウィテカーの名前も。好青年キャラでしたが、今後どうなるか。

まあ何しろ、これだけ数があると全部見られそうにもないし、時間もはっきりせず、大変ではあります。
まあ、DAZNなら寝坊しても、巻き戻して見られるから、その辺は大丈夫ですが。


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