さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

千両役者のKO

2008-07-30 23:39:03 | 関東ボクシング
先ほど、追っかけ再生で録画を見終えました。
生中継んときくらい、放送を見たいものですが...。


坂田vs久高ですが、当然、久高側の視点で語ります(笑)。
久高、健闘したとは思いますが、闘い方にはちょっと疑問がありました。

世評では坂田がスロースタートだから序盤に良いのを当てないと、という
意見が多かったようですが、私はだからこそ序盤に足を使って、
坂田を空転させ、リズムを崩してから、中盤以降迎え撃つべきだ、と思っていました。
「前半で全て出し切るつもりで」なんて、それこそ坂田の思うつぼで、
あくまでフルに闘うことを考えるべきだと。

ただ、実際に坂田の強引なボクシングに巻き込まれつつも、
久高は自分の良さを出したとも思います。

坂田ですが、正直、今日の試合ぶりは感心しませんでした。
左ガードが落ちなかったことはいいとしても、
ほとんどのラウンドで、相手ともつれたときしかパンチが当てられない。
仮に内藤や亀田と闘ったとして、勝ち負けは知りませんが、
とにかくアタマか体当たりとセットじゃないとパンチが出ない選手のことを
積極的に応援する気にはなれません。ボクシングはまず拳で闘ってもらいたいですね。


メインの内藤vs清水ですが、こちらはもう、気楽に中立的に語れる...
と思っていたら、途中までは、おいおい内藤、これはいかんで、という展開でした。

清水は、先の吉田戦でラフファイトに辟易しながらも勝ちまして、
これを私は「いわれなき罰ゲームみたいなもの」と書きましたが、
このラフファイトが、内藤の変則攻撃に対応するための良い予行演習に
なってしまったかのようですね。内藤はもっとクリーンだから、
清水にとっては楽だったのではないでしょうか。

アマチュア時代からプロにいたるまで、清水の試合をつぶさに見たわけでは
ないですが、丁寧に作られたスタイリッシュなボクシングは、
見ていて気持ちが良かったです。
内藤は坂田と違って、いつ何時でも距離詰めてしまえばいい、という
適当なボクサーじゃなく、格好は変則でも距離の取り方自体はまともなので、
清水にしたら、まともなボクシングの攻防が出来たという面がありましょうが、
それにしても良いタイミングと角度で右ストレートを打って、
内藤の攻防一体のボクシングに切り込んでいきました。

内藤はポンサクレックとの二試合、そしてその間に挟まった「アレ」との試合と、
言ってみれば「普通じゃない試合」が続いていて、そこへオーソドックス、
かつスタイリッシュで、アレと違って実力もある選手との対戦で、
ちょっととまどった面があったんでしょうか。
思うようにいかず、このままではまずいで、という感じでした。
しかし二度目の途中採点アナウンスのあと、右から返しの左フックが見事に決まって、
見事な逆転ノックアウト。内藤が今持っている勢いが出た感じでしたね。


あと、今回の試合も、オープンスコアリングシステムが試合を左右した一例かも、です。
内藤は前回のポンサクレック戦で、自分がリードしていて、
相手の巻き返しを狙った攻勢に遭い、それを凌ぎきって防衛したわけですが、
今回は自分が泡食って追い上げる番に回り、そして逆の立場で勝ってしまう...
なんかもう、今の内藤には誰もかなわんですわ(^^;)
さすが内藤、千両役者!ってとこでしょうか。
スター王者たるにふさわしい試合でした。


前座では中広vs吉田という微妙なカードがあり、中広が判定勝ちしたそうです。
豪州ではアンソニー・マンディンvsクレイジー・キムが行われ、マンディン判定勝ち。
しかしキムはダウンを奪うなど、大健闘だったそうです。



で、やはりでんでん虫でいくべきなのかもしれませんが、なんか最後に出てきましたね。
いらんとこに出て来んでもいいから、しかるべきところにちゃんと出て来いや、と
真面目に突っ込むことすら空しいですが...まさに「お目汚し」でした。
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予想は当たったんですが

2008-07-28 23:15:48 | 海外ボクシング
コットvsマルガリート、先ほど見終えました。
プエルトリコvsメキシコの一流同士、しかもクラスがウェルター。
良い試合にならんわけがなかろう、という組み合わせですが、
良い試合というのを越えた、すごい試合になりました。


私は、マルガリート有利の予想をしておりました。
コットの八の字ガードが、構造的にマルガリートのアッパーを
防ぎきれないだろうし、ボディの弱さも突かれそう。
コットがかなう限りサイドステップして、角度をつけて打つボクシングをしても、
マルガリートの体格とタフネスの前に、倒すことは出来ない、
従って前半コット、終盤マルガリート、僅差で判定マルガリート勝ち、と。

なんか、終わってから書いても嘘くさいのですが、
本当にこんな想像をしておりました。


しかし実際に試合が始まると、やはり両者の強さ、巧さ、迫力に圧倒されました。

初回からマルガリートが「ずんずんずんずん」という感じで圧力かけて前進。
しかし、それを鋭く、強く、多彩に迎え撃つコット。
これは前半、コットが倒すようなこともあるかも、なんて思ってたら、
2Rには早くもマルガリートの鎌のようなボディアッパーが決まる。

弱点のボディを打たれたコット、しかしこらえて動いては当てる。
中盤は一進一退。
コットは懸命に動き、マルガリートは疲れを見せずこれまた懸命に前に。
どっちも、明らかに限界ぎりぎりのところで、技と力を競い合う。
自分の強さを、闘い方の正しさを証明するために張り合う、世界の一流同士。
これぞボクシング!という感じでした。

しかし、このまま判定でマルガリートが押し切るかと思った10R終盤。
まさかのマルガリート猛攻。さすがに予想外。おいおいおい、と驚き。
コットの目から完全に光が消え、これはあかん、終わりか、と思ったところでゴング。

11R開始前、これは棄権したほうが...と思っていたら、
コットが出てきて、しかもまだ、シャープなパンチを返す。
でもさすがにもう駄目で、マルガリート猛攻、ダウン。
打たれたときに、もう腕が上がらない状態でした。
続行したものの、最後は朦朧としていて、自分から膝をついてしまいました。


マルガリート、身体も大きいし、タフだし、彼なら充分、コットを破りうると
思ってはいたのですけど、実際の勝ちっぷりは、そういう想像を越えたものすごさでした。

コットは、ジュダー戦の序盤に、完全にアッパーで打ち崩された場面、
そしてモズリー戦終盤、ボディ打たれての失速、という形で露呈済みだった
弱点を補いきれずに敗れました。
とはいえ、よく動いて、良いボクシングしていたんですけどもねー。
あれだけ頑張って、良いのも決めて、でも倒せないとなると...。
好ファイトだから再戦が見たい、とは、気軽に言えない感じです。



ということで久々の更新ですが、非常に良い試合でした。
水曜日には全日本フライ級選手権準決勝...じゃなくて(^^;)
ダブル世界戦もありますので、また頑張ってあれこれ更新していきたいと思います。
どぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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ランダエタ様来阪?

2008-07-17 11:37:17 | 高山勝成
9月22日、府立体育館で石田順裕が、
世界7位マルコ・アベンダーニョと対戦するって話は
少し前に取り上げましたが、
同じ興行で、あのファン・ランダエタが高山勝成と対戦するそうです。

この話は少し前の中出トレーナーブログにおいてほのめかされていて、
このカードを知った方々の様々な反応が紹介されていました。
私も複雑な感想を持っています。
なんか、高山にとってメリットがあるんだかないんだか、
チャンスなんだかピンチなんだか、判断に困るカードですね(^^;)

いずれにせよ、石田の試合だけで府立第一で興行するのかなぁ、
という疑問は、これである程度消えました。
出来れば高山には、彼の評価を改めて高めるような、
質の高いボクシングを見せてもらいたいものですね。

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三谷、激戦の末生き残る

2008-07-06 23:30:53 | 関西ボクシング
とんぼ返りの高砂市総合体育館は、熱く燃えました。
世界戦敗退の池原信遂、日本王座陥落後二戦目の三谷将之。
後がない両者がぎりぎりのところで拳を交わす、
スリリングな闘いが繰り広げられました。

1R、池原が早速、ぐいぐい踏み込んで前進。
対する三谷、執拗にジャブを突く。
三谷の上下の打ち分けが出るが、池原は構わず前に。
3Rあたりから池原が強打を決める場面が。
4Rは池原の強打がさらにまともに決まり、三谷がぐらつく。

三谷は自分の距離を作れず、池原の得意な、
打ち合う以外無い展開に巻き込まれる。
このまま試合が進めば、この試合は間違いなく池原のモノになる、
そう確信しました。

しかし5Rから、三谷が、池原との打ち合いに積極的に応じます。
パンチの重さは池原ですが、手数とヒット、鋭さは三谷。
バッティングで出血した三谷ですが、鬼気迫る闘いぶり。
池原も強打を返しますが、6Rも三谷が抑えます。

このあたりの両者は、上記の通り後がない、
文字通りボクサー生命を賭した者同士ならではの、
気迫に満ちた、迫力ある闘いを見せました。
場内は悲鳴と歓声、両選手のコールが飛び交います。

しかし6R終了後、レフェリーが三谷の負傷により試合終了を宣告。
負傷判定となり、僅差の3-0で三谷が勝利しました。


繰り返しますが、この試合は文字通りのサバイバル・マッチ、
共に自らのボクサー生命を賭けた一戦でした。
そういう試合で、共に長所も短所もさらけだしながら、
それでも懸命に闘う両者を見ていると、
どっちも勝って欲しい、どっちも負けて欲しくない、
そんなことを思いました。
それほどに激しく、美しい闘いでした。

だからこそ、明らかに上記の思いと矛盾するのですが、
きっちりした決着がついてほしかった。そうも思います。


しかし、激戦、熱戦でした。
両者に拍手、拍手です。
ひさびさの東京→関西大返し観戦、敢行したかいがありました。
もっとも私の知り合いには、昨夜石井vs川瀬戦について語り合ったあと、
深夜バスで関西に乗り込んで来られた剛の者もおられるのですが...(^^)

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川瀬、負傷判定負け

2008-07-05 22:56:10 | 中部ボクシング
今日は後楽園ホールで、日本ライト級タイトルマッチを観戦しました。
松田ジムの川瀬昭二、強打のチャンピオン石井一太郎に挑み、
7R負傷判定負けでした。

立ち上がり、石井の強打を丁寧に外して、
長いリーチを生かしたボクシングで好スタートを切った川瀬ですが、
徐々に石井のラフファイトに巻き込まれ、
両者がバッティングで切る、荒れた試合展開に。
3Rに川瀬、4Rに石井が出血、その後は再三ドクターチェックが
繰り返され、石井は6Rにローブローで減点。
7Rに試合ストップ、3-0負傷判定で石井の防衛でした。

私はやや川瀬リードかと思ったのですが、
試合後、複数の識者とお話したところ、
僅差で石井の勝ち、しかし川瀬惜しかった、という意見が多かったです。
いずれにせよ、私も含め、川瀬にとって悲観的な予想を覆す、
立派な試合内容でした。
チャンピオン石井を苦しめ、課題を与えた試合でした。
胸を張っていいと思います。


ということで明日は、高砂へとんぼ返りです。
久々の土日東西連続観戦をやります。
三谷将之対池原信遂戦が俺を待っている~♪

...まぁ、少々疲れるでしょうが大いに楽しんできます(^^)
ということで、今日はこの辺で。
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観戦は無理ですが...

2008-07-02 23:11:05 | 西岡利晃
ちょっと遅くなりましたが、パシフィコ横浜でトリプル世界戦決定です。


まず、新井田vsロマゴン、ついに実現ですね。
関光徳会長に勝利を捧げたい新井田、期するものがあるでしょうし、
直近の試合では見事なKOで上り調子。
ベストの新井田が、最強の挑戦者相手と激突となるわけで、好ファイト期待です。


西岡、5度目の世界挑戦は、暫定王座決定戦となりました。
よくぞここまで頑張ったなぁ、という印象です。
最近のKO勝ちによって、好意的な評価も多いようですが、
私は足が以前のように動かないことを補う何か(防御の改善など)が
明らかに見えない以上、どうしても不安です。
しかしそういう「つべこべ」とは別に、やはり応援せずにいられないですね。
おそらく最後の挑戦となるでしょう。頑張ってほしいです。

相手のナパポーンはラリオス戦以外無敗、同国の怪物セーンヒランを破って
再度の世界挑戦を勝ち取った筋金入り...なんですが、その後、変な試合もしてるそうです。
去年の秋、比国の無名選手相手にダウンを喫し、KO負け寸前に追い込まれたが、
そのラウンドだけ2分でゴングが鳴って救われ、判定勝ちを収めた、とか。
ラリオス戦では強かったですが、今はどうなのか、当日のお楽しみ?ですね。


さて、名城vs河野です。噂には出ていましたが、やはり決まりました。
勝敗については、名城有利の予想です。
河野の最近の試合と、名城が世界戦に至るまでにやった試合を比較すると、
相手の質、内容にはっきりとした差を感じます。

しかし、河野が善戦健闘することも、充分あり得るとは思います。
あのしつこいスタイルは、誰がやっても鮮やかには行かないでしょう。
激しい打ち合いになるかもですね。


しかし、9月15日、月曜の祝日なんですね。
かなうならば西岡と名城の応援に行きたいものですが、
翌日休めないのでとうてい無理です。残念です。
TVはTV東京という話ですんで、関西にもネットされるでしょう。
なにせ名城が出るんですからね。奈良にも放送されると信じます。
というか放送しろ~(笑)

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