さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

大晦日の決着

2008-12-31 22:38:36 | 関東ボクシング
坂田健史vsデンカオセーンの一年ぶりの再戦は、
14R目に予想外の痛打によって決着を見ました。

坂田、何があってもこの負け方だけはあり得ないと思っていました。
まさかまさか、という印象ですね。
デンカオセーンの右は、一瞬ラビットパンチかと思ったのですが、
スローで見ると首の付け根の辺りにまともに入っていて、
坂田の頭部が揺れるのがはっきり見えました。
あれではいかな坂田といえど倒れて当然でした。

地元での凱旋試合、昨年分けた指名挑戦者との再戦、
坂田の意気込みは相当なものだったでしょうが、
やはりスロースタートというか、相手に先制攻撃を許し、
2Rに接近した打ち合いになって盛り返すかと思ったら動きがまだ固く、
強烈だったとはいえたった一打で倒されました。

坂田の意気込み、闘志、この一戦に費やした労苦は、
報われることなく、敗北という結果が残りました。
ボクシングとは厳しいものだと、改めて思わされる試合でした。


それにしても大晦日にこの試合というのは、あまりにも...ですね。
ボクシングは、勝敗のコントラストが強烈過ぎて、
大晦日とか正月とかの開催にはあまり向かないものなのかなぁ、と
これも改めて、しみじみ思う年の暮れです。



本年は更新頻度ガタ落ちとなった当ブログですが、
にもかかわらず大勢の方々にコメントをいただいて、
楽しく交流することが出来ました。
皆様に御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
来年も何とか頑張って更新しますので、どうかよろしくお願いします。

コメント (4)
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これも激闘!

2008-12-29 22:53:37 | 関西ボクシング
スカイAにて昨夜放送された23日の日本ミドル級タイトルマッチ、
江口啓二vs鈴木哲也戦を見ました。

先日もちょこっと書きましたけど、新チャンピオン鈴木哲也には
誠に失礼ながら、以下、試合前に持っていた私の思い込みを書きます。

まず、結果が驚きでした。そして、その驚きが勝っていて、
試合内容がどうだったのかまで気が回りませんでした。
どうせ、というとまたまた失礼ながら、
ややサウスポーが苦手な江口が、先の佐藤戦の敗戦の影響もあり
不調だったのだろう、という先入観を持っていました。

...実際に映像を見たらとんでもなかったです(^^;)
日本ミドル級トップ3、佐藤、江口、鈴木典文と比べても、
鈴木哲也のボクシングはまったく見劣りしない、切れ味鋭いものでしたね。
彼の試合は何度も見ていましたが、こんな強かったっけ?(^^ゞ
という感じで、正直驚きました...どこまでも失礼ですね、ほんまに。すいませんm(_ _)m

冗談抜きで気合いの入り方が違ったのでしょうか、
立ち上がりからサウスポー同士の右リードの差し合いでまさり、
追撃の左も鋭く、江口の強打を怖れず果敢に攻め込んでいました。

対する江口ですが、佐藤戦の影響、というのは感じませんでしたが、
淵上戦などでややサウスポーが苦手というか、
サウスポー同士で右リードを差し合ったとき、
オーソドックス相手のときより打たれる割合が高いかも、
という印象があり、この試合ではそれがはっきり出て、
そこから先手を取られて打ち込まれてしまった感じでした。

とはいえ打たれてピンチになっても、倒れずに耐えて
強打を打ち返す下半身の強さは今まで通りでした。
しかし鈴木もそれに耐えてさらに打ち返す。
一昨日尼崎で見た野中vs音田戦も激闘だと思いましたが、
それにまさる熱闘、激闘でした。
これまた両者に拍手、拍手です(^^)


しかし、日本のミドル級のレベルというのも、相当なところに来てますね。
今年最初の防衛戦で、鈴木典文という強敵を退け、
佐藤幸治とのスリリングな一戦を落としたものの、
一流のチャンピオンであることは誰もが認める江口啓二が、
王座を保持したまま年を越せない、熾烈なクラスです。
上位同士の対戦は、どれをとっても好カードですね。
来年以降も、重量級の迫力ある試合をどんどん見せてもらいたいです。

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年末尼崎の激闘

2008-12-28 22:13:54 | 関西ボクシング
年末ギリギリになってなんとか観戦出来そうだということで、
昨日は尼崎アルカイックホールオクトに行ってきました。

日本スーパーウェルター級チャンピオンの野中悠樹が
初防衛戦で1位の「和製ガッティ」音田隆夫を3-0判定で退けた試合です。

サウスポーのボクサータイプ野中と、右の強打を持つファイター音田。
対照的な両者の対戦は序盤、いきなり野中の左ストレートがクリーンヒット、
野中が右に回っては左カウンターやコンビネーションを続けざまに決めて、
これ以上は望めないという好スタートを切り、ペースを握りました。

しかし考え得る中で最悪のスタートとなった音田が、
それにもめげず右やボディブローを振るって反撃、
試合はポイント上は大きな差がついたものの、内容的には緊張感のある
激しいラリーが続きました。音田の固いパンチと休み無い前進に、
野中もかなり消耗を強いられました。

最後は両者死力を尽くした闘いで、野中が正確な左を決めて突き放しましたが、
両陣営のクリーンな応援合戦も相まって場内盛り上がり、
日本タイトルマッチに相応しい雰囲気でした。

野中は地元での初防衛戦でしたが、固くなることもなく
序盤から自分のベストパターンで、ベストパンチを決めて見せました。
キャリアの長い選手ならではでしょうか、このへんはさすがで、感心しました。
音田もその異名通りの激闘王ぶり、試合を最後まで緊張感あるものにしたのは
音田の頑張りがあればこそでした。


ということで年末、やっと観戦して締めくくれました。
なかなか更新できずにいましたが、年末、年明けには世界戦もありますし、
スカイA様の放送も続きます。また頑張って更新したいと思います(^^)
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内藤、見事にV4

2008-12-23 22:57:16 | 関東ボクシング
内藤大助、そして山口真吾、どちらもそれぞれに見事でした。

マッチメイク、挑戦者選びに不満も言われた内藤ですが、
変則的な動き、緩急つけたフェイントから放つ強打の組み合わせで
山口をきっちり痛めつけ、切り崩していくボクシングを
いつもどおりにしっかり見せてくれました。

前回の清水智信戦における苦戦によって、
「いかに内藤といえど、衰えて来てるのかも」という声もあったようですが、
今日の試合を見ると、まだまだ元気ですね。ちょっと安心しました。
あれだけ良いパンチを決めても反撃してくる相手を、
終盤によくぞ倒せるものですね。なかなか出来ないことだと思います。
さすが内藤、でした。

繰り返しになりますが、批判もあったこのカードにおいても、
自分のボクシングを貫き、結果こういう熱い試合をしてしまう。
内藤大助が日本随一の「スター」ボクサーであるゆえんは、
亀田一家との絡みがあったからではなく、こういうところにこそあるのでしょう。
それが改めてわかったような気がします。

来年はWBCの指名試合ふたつ、ミランダ戦、パノムルングレック戦という
試練の二試合が待っていますが、こうした世界上位選手との闘いにおいて、
内藤がいかに闘い、勝つのか。大いに期待し、楽しみに待ちたいです。


対する山口真吾は、やはり内藤との間に確実な技量の差があったと思います。
しかし、三度目の世界戦に向けての鍛錬、それに費やした膨大な労苦によって
その差を埋めようと懸命に闘う姿には、胸を打たれました。
あまりに果敢で、愚直で、見ていて心配になるくらいでしたが、
彼の闘志あればこそ、好試合となったと思います。こちらも見事でした。



今夜、大阪府立体育館では日本ミドル級タイトルマッチがあり、
なんと江口啓二が進光ジムの鈴木哲也に3-0で敗れ王座を失ったそうです。
新チャンピオンには誠に、誠に失礼ながら、驚きました。
あちらの鈴木に勝って、こっちの鈴木に負けるとは...。
スカイAによる後日の放送、予想外の意味で必見になってしまいました。

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夢のあと

2008-12-11 00:19:02 | マニー・パッキャオ
実に遅い遅い感想文ですが...
例のドリームマッチについてです。

この試合については、何のタイトルもかかっておらず、体格差も大きい、
最強のボクサーを決めるというよりは商売を優先したマッチメイクだと感じ、
あまり好感を持ってはいませんでした。
それが試合前の、正直な気持ちでした。

いくらパッキャオが常識外れの怪物で、
名匠フレディ・ローチに仕込まれた立体的なボディーワークを持ってしても、
デラホーヤの左ジャブ、フック、アッパーの風車をよけきれるとは思えず、
どんな展開であったとて、どれか一発入れば、そのときから試合展開は
全部デラホーヤの望むものになる、そう思いこんでいました。

逆に言えば、この試合はパッキャオが速く踏み込んで一発当てて、
もしデラホーヤがぐらついたりすれば、それだけでお祭りとしての、
見ものとしての価値があり、それだけで充分であり、
それ以上の期待はすべきでない、と見ていたのです。


試合はあの通りになりました。
アジアの選手が米国に進出し、フェザー、ライト級近辺の
メキシコのトップ選手3人を下し、なおも階級を上げて、
しかも試合の度に技術面で伸びている。
マニー・パッキャオは、ボクシング史上類例を見ない常識外れの存在です。
しかしそれを知ってなお、今回の試合は想像できないものでした。

デラホーヤは練習段階から不調を伝えられていたそうで、
いざ試合ではなるほど、あの通りでした。
あれは調整不足か作戦ミスか、はたまたパッキャオの攻防一体のボクシングが
デラホーヤを上回ったが故に、あれほどワンサイドな展開となったのか。
様々な見解があり得るでしょう。

しかし、ひとつ確かなことは、デラホーヤというボクサーの存在意義、
歴史的使命が完全に終わった、ということでしょう。
レナードが去り、タイソンが自滅したボクシング界に、
デラホーヤは必要不可欠な存在として登場し、スターとしての役割を
一生懸命に、時には姑息と見られることもありつつ、まっとうし続けてきたのです。
かつてアリが去ったボクシング界がスターを求め、レナードがそれに応えたように。

そして、そのデラホーヤに引導を渡したのがアジアのボクサーであったことは、
歴史的な大事件だったと思います。
デラホーヤが、メイウェザーが、その他のトップボクサーの多くが、
ひとつの階級でベストのパフォーマンスを追求するより、
進化したフィジカルトレーニングメソッドによって多くの階級で
俗に言う「ビッグマッチ」を闘う趨勢に、アジアから出たフライ級上がりのボクサーが、
一番極端な形で適応し、勝ち続けている。
我々は今後、こんなボクサーを二度と見ることは出来ないでしょう。


冒頭に書いたとおり、この試合は、タイトルマッチではなく、
最強のボクサーを決めるという意味が薄弱な試合ではありました。
しかしあの驚くべき展開と結果を経て、多少なりとも考えが変わっています。
やはり、この試合は、ある意味において、とても大きな「夢」の試合だったのですね。

コメント (5)
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橋詰vs内海戦放送見ました

2008-12-01 09:45:54 | 関西ボクシング
結果はすでに知っていたわけですが、11月24日府立地下の興行で
井岡ジムのホープ橋詰知明と、姫路木下の帰ってきた強打者・内海俊忠の試合があり、
スカイAにて昨夜放送されました。

橋詰は(何故か)スーパーバンタム級で日本ランク(12位)に入っていましたが、
今回の試合では内海のウェイトに合わせて、スーパーフライ級で闘うことになりました。
もっともこれが橋詰本来のベストウェイトではないかと思えますが。

「BOXING EYE」さんにも、今月最高の好カードと紹介された
関西のホープ対決だったわけですが、意外にも試合はワンサイドマッチでした。

ややガードを崩しつつ手を前に出して構え、懐を深くして、
内海のジャブをぎりぎりの距離を取って外し、リターンジャブを決める橋詰。
対する内海はジャブの差し合いで負け、左のダブルを端緒に攻めようとするが、
橋詰の目の良さとフットワークの前に、いつものようにどんどん打って行けない。
内海は時折橋詰の右を食い、単発の反撃も実らず、5Rには明らかに打ち負け、
6R、開始早々橋詰のいきなりの右でダウン、追撃のコンビを受けてストップ。
橋詰完勝、内海完敗という、明白な形での決着がつきました。

内海は相手のガードの空いたところを、左で打ち崩して強打で追撃する
決定力のあるコンビネーションを持っていて、
どんどん打っていく展開では非常に強い選手です。
しかしこの日の橋詰は、強打の内海に対して、
あえてガードを崩し、グローブを前に出して構えました。

傍目には打つとこがいっぱいあるようにも見える構えでしたが、
内海から見ると、相手がガードに固執しない分、
「打ち崩し」のコンビネーションが打ちにくいのかも、という感じでした。

橋詰は内海が連打する距離を殺せて、なおかつ相手をよく見られる
その構えの利点を生かし、ぎりぎりのところで内海の左を外しては、
要所でジャブを決めて、さらに来る内海を右カウンターで叩きました。

相手の良さを殺しつつ、冷静に自分のパンチを決めていく橋詰は、
以前見たいくつかの試合に比べ、ずいぶん成長していました。
こういうホープ対決に完勝することによって、また自信をつけたでしょう。
今後が楽しみです。

さて、内海ですが、攻撃力の凄さ、攻める展開での強さは、
今までの試合でも出色のものがありましたが、
この日のように相手の防御スタイルによってコンビネーションを封じられると、
戦力が大きく削がれる面があり、予想外の完敗となりました。
復帰前の大西健市戦や、復帰後の難波拓人戦でも、そういう傾向はあったようです。
もう少し、自分の得意な距離に持ち込む追い足が欲しいところですね。

ただ、この日は橋詰が巧かったにせよ、ちょっと身体のキレが悪い印象もあります。
ここに来てブランクの影響が出たのかな、という気もします。
この敗戦はかなり痛いでしょうが、ツボにはまればランカー級の
攻撃力がある選手だと思うので、まだまだ期待したいと思います。

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